ここまで説明してきた qdisc は、すべて出口 (egress) qdisc です。 しかしインターフェースには入口 (ingress) qdisc を持たせることもできます。 これは、パケットをネットワークアダプタに送るのではなく、 アダプタを経由して到着したパケットに tc フィルタをかけるためのものです。 パケットがローカル宛のものか、フォワードされるものかは問われません。
tc フィルタにはトークンバケツフィルタが完全に実装されており、 またカーネルの流量評価器によってマッチを行うこともできますから、 たくさんの機能が実現可能です。 実際に、流入トラフィックを IP スタックに入る以前のところで 制限することさえできます。
入口 qdisc 自体は、どのようなパラメータも要求しません。 この qdisc は他とは異なり、デバイスの root を占有しません。 次のようにしてアタッチします。
# tc qdisc add dev eth0 ingress |
入口 qdisc の (ややわざとらしい) 利用例については、 クックブックを参照してください。