10.1. 注意

何事も見てくれほど簡単ではありません。 ルータ A, B 両方で、eth1 と eth2 の return path filtering (戻り経路によるフィルタリング) は無効にしなければなりません。 こうしないと、これらのインターフェースは 自分自身以外に向かっている ip パケットを落としてしまいます。

# echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/conf/eth1/rp_filter
# echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/conf/eth2/rp_filter

さて、次にはパケットの並び替え (reordering) に関する面倒な問題があります。 仮に 6 つのパケットを A から B に送らなければならないとしましょう。 ルータ B がこれを順番どおりに 1, 2, 3, 4, 5, 6 と受け取れば理想的です。 しかし実際には、 カーネルがこれを 2, 1, 4, 3, 6, 5 のように受け取る可能性も非常に高いのです。 問題は、これによって TCP/IP が混乱してしまう、ということです。 たくさんの TCP/IP セッションを別々に運んでいる回線では問題になりませんが、 複数の回線をまとめて、ひとつのファイルの ftp を高速化することはできません。 ただし受信か送信を行っている OS が Linux なら別で、 Linux は単純な並び替えでは簡単には混乱しません。

いずれにしても、多くのアプリケーションでは、 回線の負荷分散は非常に良い考えです。