Linux の配布を行っている業者の方がこの文書を読み通してくださったとしたら、 これは幸いなことです。
ラップトップが日に日に普及してきているにも関わらず、Linux の配布を行って いる企業の中には未だに携帯用コンピューターへの対策が十分ではない所が多い ようです。御社の配布に手を加えて、この文書を無用のものにしてしまってくだ さい。
ラップトップ環境を最適化した初期設定をインストール機能に組み込むこと。 「最小限のインストール」のダイエットは不十分なことが多い。ラップトップユー ザーが外で利用するには不必要なものがまだたくさん含まれています。若干の例 を挙げるとすれば、三種類もの vi は必要ありません(Suse Linux)。携帯システ ムの場合には、印刷機能も必要ないのが通例です。(印刷機などとは金輪際接続 しないはずです。印刷をするのは家のデスクトップでというのがふつうでしょう) 。また、ネットワーク機能も全く不要だというラップトップもあります。
消費電力管理の改善、PCMCIA サポートの円滑化。ユーザーが必要に応じてイン ストールできるような APM BIOS 対応の構築済みカーネルおよび代替PCMCIA用ド ライバの配布。コンパイル済み APMD パッケージの配布。
ネットワーク設定を動的に変更する機能の付加: ラップトップで Linux を利用 している人の多くは、ネットワーク設定の異なる場所間の移動を繰り返していま す(家庭ネットワーク、職場あるいは大学のネットワークなど)。つまり、ネット ワーク ID を頻繁に変更しなければならないことが多いのです。大抵の配布の場 合、Linux システムのネットワーク ID を変更するのはやっかいな仕事となって います。
御社の配布にラップトップ用の最適化を行われた際には、どのような機能を付け 加えられたかを著者にまで御一報下さい。将来の本HOWTO には御社配布のラップ トップ向け機能を紹介する項を設けさせて頂きます。
電池技術に関する情報の大部分は C't Magazine fuer Computertechinik誌 ( Heise Verlag Hannover, Germany 刊行)10/96号、204ページ以下に Michael Reiter氏が寄稿した「電力節約」という記事をもとにしたものです。同誌の許可 は取得済みです。この出版社のweb サイト http://www.heise.de/ を訪ねてみてください。
この文書を著述するにあたっては以下の方に御世話になりました。
Frithjof Anders <anders@goethe.ucdavis.edu>
David Bateman <dbateman@ee.uts.edu.au>
Markus Gutschke <gutschk@uni-muenster.de>
Kenneth E. Harker <kharker@cs.utexas.edu>
R. Manmatha <manmatha@bendigo.cs.umass.edu>
Bjoern Kriews <bkr@rrz.uni-hamburg.de>
James Youngman <Youngman@vggas.com>
最新版が HOWTO の通常配布場所である http://sunsite.unc.edu/mdw/linux.html やあまたのミラーサイトにあるかもしれません。また、著者のホームページ http://www.kabel.de/~umueller/ をも御覧下さい。
この文書はドイツ鉄道を使ってハンブルグとハノーファーを往復する時間を利用 して作成したものです。(新型の超特急ICE-2 の車両にはラップトップ用の電力 供給口が設けられています。万歳)
というわけで、私は機嫌良くまた移動中です。
(訳注:直流電力の供給があるのは一等車だけのような気がする...。このかたの 車両はまだあまり普及していないので、ドイツ出張の方はあまり期待なさらない 方がいいかも)
日本語版作成: 佐藤亮一 (rsato@ipf.de)