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1. イントロダクション

1.1 著作権

Copyright © 1998 - 1999 Jeremy D. Zawodny. Permission to distribute and modify this document is granted under the GNU General Public License. An on-line copy is available at http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html

1.2 対象とする読者について

この文書は、Emacs についてちょっと学んだり試したりしたいと 思っている Linux ユーザを対象にしています。 この文書の始まりは、実際に私が Toledo Area Linux User Group - http://www.talug.org/ - の集会で行った簡単なチュートリアルの概要としてでした。 それ以来、この文書は私がコミュニティから受け取った 有益なフィードバックによって少しずつ発展してきました。 詳細はクレジットの節を参照してください。

そういうわけで、事実上この文書中には Linux 特有の部分はありません。 この文書は事実上、すべての Unix 系の Emacs と、Microsoft Windows で 動作する Emacs にさえも当てはまります。 しかし、この文書は Linux Documentation Project の一部なので、 私はこの文書が Linux ユーザのために開発されたということを主張します。 なぜなら、この文章は元々そうであったからです。

そして最後に、簡潔な ``Linux'' よりも GNU/Linux という名称を 好む人は、このドキュメントに現れるすべての Linux の代わりに GNU/Linux を心の中で自由に用いてください (その人たちの思いは http://www.gnu.org/gnu/linux-and-gnu.html で見ることができます)。 私はその考えの背後にある論拠と精神に同意しないことはないですが、 GNU/Linux と書くことを強いるようにしようとは思いません。

1.3 Emacs とは何か?

Emacs は人それぞれによって違ったものとして捉えられます。 誰に尋ねたかによって、次の返答のどれでも受け取る可能性があるでしょう。

しかし、ここでは私たちの目的に合わせて、Emacs はテキストエディタ であるということにしましょう。 すばらしく融通のきくテキストエディタです。 Emacs が何であるかについては、後で検討しましょう。 Emacs は Richard Stallman (Free Software Foundation - http://www.fsf.org/ と GNU project http://www.gnu.org/ の創設者) によって書かれたもので、 彼は現在でも Emacs をメンテナンスしています。

Emacs は Linux (と Unix) で使われている、非常に人気があり強力な テキストエディタの 1 つです。 Emacs は人気において vi にもひけをとりません。 Emacs は莫大な機能、カスタマイズの容易性、そしてバグの少なさで 知られています。 Emacs の多くの特徴とカスタマイズの容易性は、 実際にどのように Emacs が設計され実装されたかの結果といえます。 あまり詳細には立ち入らないで、Emacs が ``単なるエディタ'' ではないということを簡潔に指摘したい思います。 Emacs は、大部分を Lispというプログラミング言語で 書かれたエディタです。 Emacs の中心部分は、C で書かれたすべての機能を持った Lisp インタプリタになっています。 Emacs の最も基本的で低レベルな部分のみが C で書かれています。 エディタのほとんどは実際に Lisp で書かれています。 従って、ある意味で Emacs は、カスタマイズ、拡張、 そして動作を変更するために使用できる ``組み込みの'' プログラム言語を完備しているといえます。

Emacs はまた、出回っている中でも最も古いエディタの 1 つです。 20(?)年以上昔から多数のプログラマによって使われてきたという事実は、 多くのアドオン (add-on) パッケージが利用可能であることを意味しています。 Stallman が最初に Emacs に 取り掛かり始めた時には決して夢にも思わなかっただろうことが、 こういったアドオンパッケージによってできるようになっています。 これについては後の節で説明します。

Emacs についてのより良い概要、歴史、その他関連した事項についての 多くの web サイトや文書が存在します。 ここでそれらの多くを説明するよりは、 この文書の 他の情報源 の節にある一覧のいくつかを調べてみることを勧めます。

ポートとバージョン

二種類の Emacs エディタがあるということは指摘しておくに値します - GNU Emacs と XEmacs です。 どちらも同じ伝統を受け継ぎ、ほとんど同じ機能を共有しています。 この文書は GNU Emacs (特にバージョン 20.3) に焦点を当てていますが、 ここで読むであろう大部分のことは、XEmacs や以前のバージョンの GNU Emacs でも良い具合いに利用できるでしょう。 この文書全体にわたって、私は簡潔に ``Emacs'' を用います。 私が ``Emacs'' を用いる時にはいつも、そのことを心に留めておいてください。

Emacs を入手する

Emacs を手に入れるのは簡単です。 もし Debian, RedHat, Slackware あるいはその他の一般的な Linux ディストリビューションを使っているのであれば、 Emacs はおそらく、ディストリビューションのメディアから インストールできるオプションパッケージとなっているはずです。 もしそうでなければ、Emacs のソースコードを持ってきて 自分でコンパイルすることもできます。 正しい指定で GNU web サイトを訪れてください - http://www.gnu.org/software/emacs/emacs.html


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