次のページ 前のページ 目次へ

2. インストール方法の選択

glibcをインストールするにはいくつかの方法があり、 既存のライブラリをデフォルトとして使用したまま、テスト用に glibc2をインストールすることもできます。この方法では、プログラムを コンパイルする際に、オプション指定によって新しいライブラリを使うことが できます。この方法を使えば、将来簡単にglibcを削除することができます (ただしglibcにリンクされたプログラムは、ライブラリを削除すると 動作しなくなります)。 このインストール方法は、バイナリディストリビューションは存在しないので、 ライブラリをソースからコンパイルする必要があります。インストール方法は テストライブラリとしてのインストール で述べられています。

この文書に記載されたもう一つのインストール方法は、glibcをメインライブラリ として使う場合です。この方法では、古いライブラリをリンクするようなオプション 指定をしない限り、新しくコンパイルされるプログラムは全てglibcを使う ようにリンクされます。この場合は、ライブラリをバイナリからインストール することも自分でコンパイルすることもできます。最適化のレベルや設定を 変更したい場合は、ソースディストリビューションを入手して、コンパイルする 必要があります。このインストール手順は メインのCライブラリとしてのインストール で述べられています。

Frodo Looijaardは、独自のglibcのインストール方法を述べています。 彼の方法はglibcを第2のライブラリとしてglibcを使ったクロスコンパイル の設定についてのものです。この方法によるインストールの手順は、 この文書中の「テストライブラリとしてのインストール」より複雑ですが、 glibcをリンクする際のコンパイラ指定がより簡単です。この方法は彼の Linuxへのglibc2のインストールに記載されています。

現在Debian1.3を使っているが、glibcを使うためだけに不安定なバージョン にアップグレードするのがいやな場合、 Debian での libc5 から libc6への移行 Mini-HOWTO を参考にしてください。Debianパッケージを使ったシステムのアップグレード の仕方が記載されています。

glibc2を重要なシステムにインストールするときは、テストインストールを 行ったがいいかも知れません。 関数プロトタイプや型が変更されているため、 コンパイルするためには、修正が必要かも知れないからです。


次のページ 前のページ 目次へ