Appendix D. 赤外光源と目の安全について

この節は、Linux/IrDA メーリングリストでやりとりされた意見をまとめたものです。 医学的にしっかりした根拠があるものではありませんし、もっと良い事実や根拠のある情報をお持ちの方はこの HOWTO に貢献をお願いします。

IrDA の仕様では、IrDA デバイスの通信範囲は目の安全のために 1m に抑えられていると記載されています。 これ以外にも、この制約が課されている理由には、消費電力と IR の混信などがありそうです。 基本的に赤外線が目に危険なのは、赤外線が目に見えないため、眩しい IR 光源から虹彩を守るために瞳孔が閉じないためです。 これは紫外線で雪盲になるのと同じ状況ですが、紫外線に比べて赤外線は波長が長いため、赤外線の光のエネルギーの危険性は紫外線よりずっと小さなものです。

ウェブ上で見つけることができた唯一の法的規制と医学的なアドバイスは、 熱源電球の赤外線放射に関するものと、IEC 825-1 (CENELEC EN60825-1) の溶接手順に関するものでした。 これらの記載によると、恐らく IrDA デバイスの放射する赤外線は恐らく害がないことを示唆するものと思われます。 なぜなら、IR LED の出すピーク出力 (約 300mW) は医学用の赤外線熱源電球の出す出力よりも数桁低いためです。 このような熱源電球では目の保護眼鏡を付けることが想定されていますので、例えば 1000 個の赤外線 LED が同時に発行するところを見つめる場合には、同様に保護眼鏡を付ける必要があるでしょう。 赤外線の影響は主に熱であり、紫外線の場合のような生化学的な影響や破壊ではありません。 但し、Hewlett-Packard 社の HP Omnibook 800 の説明書には IR LED を直接見ないようにとの但し書きがあります。

上で述べたようにここの議論は IR LED と 赤外線ランプの仕様に関するデータから仮定した推定と常識に基づいたものに過ぎません。 もしよりよい医学的知識を持った方がここに付け加えることができるならば、是非ともお願いします。