The Linux Installation HOWTO by Eric S. Raymond v4.21, 1 November 1999 JF Project, 14 February 2000 この文書は Linux をどのように入手し、それをどのようにインストールする かについて記述しています。新たなユーザーが Linuxを始めるに当たってまず 最初に読むべき文書です。 ______________________________________________________________________ 目次 1. はじめに 1.1 この文書の目的 1.2 他の情報源 1.3 この文書の新しい版 1.4 フィードバックと訂正 2. 更新した情報 3. もっとも手軽な方法: 買ってくる、構築しない。 4. 始める前に 4.1 ハードウェア条件 4.2 必要なディスク容量と、異なる OS との共存 5. 所要時間 5.1 Linux のディストリビューションを選択する 6. インストールの概要 7. インストールの第一段階: 簡単な方法 7.1 インストールの第一段階: CD-ROM から起動できない場合 7.2 インストールを続行する 7.3 インストールキットの基本部分 8. インストールの詳細 8.1 準備作業 8.2 ブート用フロッピー・ルート用フロッピーの作成 8.3 DOS/Windows 用ドライブのパーティションを分け直す 8.4 Linux 用パーティションの作成 8.4.1 パーティションについての基礎知識 8.4.2 パーティションの大きさ 8.5 インストールディスクからブートする。 8.5.1 EGA か X でのインストールを選ぶ 8.5.2 fdisk または cfdisk を使う 8.5.3 パーティションを切った後には 8.6 ソフトウェアパッケージをインストールする 8.7 パッケージをインストールした後 8.7.1 ブートディスクの作成(選択可能) 8.7.2 その他のシステム設定 9. 新しいシステムの起動 10. 最初の起動の後にすること 10.1 システム管理を始める 10.2 LILO の設定のカスタマイズ 11. 文書管理のための情報 11.1 利用条件 11.2 謝辞 11.3 和訳について 11.3.1 v4.21 11.3.1.1 和訳 11.3.1.2 校正 11.3.1.3 まとめ 11.3.2 v4.15 11.3.3 v4.9 以前 ______________________________________________________________________ 1. はじめに 1.1. この文書の目的 Linux は安価なパーソナルコンピュータ向けに開発された、自由に再配布可能 な Unix の実装です。Linux は元々 Intel の 386 マシン上で開発されました が、現在では 486、 586、 Pentium、 PowerPC、 Sun SPARC、 Motorola、そ して DEC Alpha など、多くのプラットホーム上に移植されています。Linux は X Window System、 Emacs、(SLIP も含む)TCP/IP ネットワーク、そして多 くのアプリケーションなど、幅広いソフトウェアをサポートしています。 この文書はあなたがすでに Linux について見聞きした事があり、それを動か してみたいと考えていることを想定しています。内容は最もポピュラーなイン テルベースのバージョンに焦点を当てていますが、アドバイスの多くは PowerPC や SPARC そして Alpha 等にも応用できます。 1.2. 他の情報源 Linux に関してまだよく知らない人のために、システムに関するいくつかの基 本的な情報源が用意されています。これらを見つける最良の場所は Linux Documentation Project(略称 LDP) の Web ページ です。 LDP の Web ページでは、この文書をはじめ Linux に関するさまざまな HOWTO 文書を読むことができます。たとえば、この文書の最新版(原文)は で見つけること ができます。 LDP の文書の多くがボランティアによって日本語に翻訳されています。これら は JF (Japanese FAQ) Projectと呼ばれる、日本語文書整備プロジェクトに よって維持・管理されています。翻訳された文書は JF Project の Web ペー ジ で閲覧することができます。 この文書 ``The Linux Installation HOWTO 日本語版'' の最新版は で読むこと ができます。 まずは Linux についての一般的な情報を読むことからはじめたほうがよいで しょう。それは Linux INFO-SHEET と Linux META-FAQ です。`Linux Frequently Asked Questions' には Linux に関する たくさんの一般的な質問 (そして回答!) が含まれており、新規ユーザにとっ ては ``必読の文書'' といえます。 これらには JF Project による翻訳版も用意されています。それぞれ INFO- SHEET (Linux 情報メモ) と Linux META-FAQ 日本版 として閲覧することが できます。ただし現在更新がとまっていますので、その点に注意して読む必要 があります。 Linux Documentation Project は Linux に関するマニュアルセットと書籍も 提供しています。これらはすべてインターネットを通じて自由に配布すること が可能であり、LDP の Web ページから入手することができます。 Matt Welsh 氏の著作、``Linux Installation and Getting Started'' は Linux を入手・インストールし、使いこなすための完全なガイドブックです。 この中にはシステムを運用し、利用するための完全な手引きが書かれている上 に、ここには書ききれないほどの情報が提供されています。これは LDP の Web ページを通じてオンラインで閲覧することもできますし、コピーをダウン ロードすることもできます。 その後 Matt Welsh 氏は Lar Kaufman 氏とともに ``Linux Installation and Getting Started'' の改訂版ともいえる ``RUNNING LINUX'' を執筆しま した。これは O'reilly & Associates, Inc から出版されています。 ``RUNNING LINUX'' は山崎康宏氏の技術監修の元に翻訳され、「RUNNING LINUX 導入からネットワーク構築まで」 (ISBN-4-900900-00-1) としてオライ リー・ジャパンから出版されました。 最後に、技術的な話題を取り上げた文書として、Guide to x86 Bootstrapping (x86 コンピュータの起動に関するガイド) を紹介しておきます。これは Linux ではなく NetBSD のために書かれたものですが、複数の OS を混在させ て使う場合のディスクやブートマネージャの設定について有意義な情報が提供 されています。 1.3. この文書の新しい版 The Linux Installation HOWTO の新しい版は定期的に comp.os.linux.help, comp.os.linux.announce そして news.answers . に投 稿されます。また、LDP の Web ページも含め、数多くのWWW および FTP サイ トにもアップロードされます。 WWW を経由して、 では、常に最新の版を読むことができます。 には、JF Project による日本語版のものが置かれています。 1.4. フィードバックと訂正 この文書の原文についての質問やコメントは、お気軽に Eric S. Raymond (esr@thyrsus.com) までメールしてください。どのような提案や批判でも歓迎 します。もし原文の文書中に間違いを見つけたら、次の版では訂正しますので どうか私に知らせてください。よろしくね。 (日本語版に関する質問・訂正・批判などは JF Project 宛 てにお願いします。) インストールの際に遭遇した、ハードウェアがらみのトラブルについての質問 を筆者にメールしないでください。 ``Linux Installation and Getting Started'' を参照するか、ハードウェアの供給元に不具合を報告するか、 Linux のニューズグループ comp.os.linux.setup, fj.os.linux.setup を参照 してください。この HOWTO は普通のインストール手順について、急ぎ足で解 説するものです。ハードウェアのトラブルとその診断については、別の HOWTO 文書を準備中です。 2. 更新した情報 o 「買ってくる、構築しない」を追加。 o CD-ROM ブートについての情報を追加。 3. もっとも手軽な方法: 買ってくる、構築しない。 今や Linux はシステム・インテグレータによって供給されるほど成熟したも のになりました。彼らはワークステーションを組み立て、Linux をインストー ル・設定し、納品前に徹底的に運用テストをしてくれます。お金よりも時間を 節約したい場合や、厳格な信頼性や性能が要求される場合には、彼らシステ ム・インテグレータが素晴らしいサービスを提供してくれます。梱包から取り 出して二日目にオシャカになるような、怪しげなハードウェアなんて二度と手 にするものか、と確信するでしょう。 この種のサービスをする会社がいくつかあります。 (もっと情報が集まれば、 いずれここにリストを載せるつもりです)。筆者が個人的に知る唯一の既製品 は VA Research (訳注: 現 VA Linux ) から提供されているものです。ここの有能な人 々は本体前面に粋なタキシード姿のペンギンロゴを付けた、ハイエンド、高品 質の Linux ワークステーションを組み立てています。彼らは Linux コミュニ ティとも密接なつながりがあります (その奥部屋には Debian project が住みついているし、Linus は製品のひとつを所有 しているし、みすぼらしい某 HOWTO 作者へ餌をときたま投げ与えてくれさえ します)。しかし、多くの人は湯水のように予算を使うわけにはいかないで しょう。この HOWTO の以降の章では自分自身で Linux をインストールする方 法について説明します。 4. 始める前に Linux のインストールを始める前に、マシンの構成が Linux の動作環境に適 合しているかどうか確認する必要があります。インストールに先立って、使用 する Linux のディストリビューションも選択しなければなりません。 Linux Pre-installation checklist はこの文書はインストー ルを開始する前に、構築計画を立てる上で役立つでしょう。 4.1. ハードウェア条件 Linux を動かすにはどのようなシステムが必要なのでしょう? よい質問で す。システムに必要な実際のハードウェアは刻々と変わっています。 Linux Hardware-HOWTO (日本語訳 ) に は、Linux でサポートされているハードウェアの (ほぼ) 完全なリストが載っ ています。 Linux INFO-SHEET (日本語訳 )にもリストがありま す。 Intel マシン用の Linuxに関しては、ハードウェアの構成は以下のようなもの が条件になります: すべての 80386, 80486、 Pentium そして Pentium II。Intel 以外のメーカ ーが出している 80386 系互換チップでも大抵動きます。浮動小数点演算プロ セッサは必須ではありませんが、あったほうがよいでしょう。 バスの規格としては ISA, EISA, VESA ローカルバス, PCI サポートされてい ます。 IBM PS/2 マシンで見られるような MCA バス規格は最新の 2.2.x 系カ ーネルからサポートされるようになっています。 最低でも 4MB のメモリが必要です。理論的には Linux は たった 2MB のメモ リでも動作するのですが、ほとんどのインストール作業とアプリケーションに は 4MB は必要です。もっとメモリがあれば、より快適になります。X Window System を使うつもりならば 8MB か 16MB 以上を推奨します。 当然のようにハードディスクと AT 標準のディスク・コントローラが必要にな るでしょう。MFM、 RLL、 そして IDE のドライブとディスク・コントローラ ならどれでも動作するはずです。同様に、多くの SCSI ディスクとインター フェースもサポートされています。 Linux SCSI-HOWTO (日本語訳 ) に詳しい情報が書か れています。もしゼロから Linux の動作するシステムを組み立てようとして いるなら、 SCSI に費やすわずかな追加コストは、それがもたらすパフォーマ ンスと信頼性によって十分に補えると考えてください。 3.5 インチ フロッピードライブ が必要になります。Linux では 5.25 インチ のフロッピードライブもサポートはされていますが、ほんのわずかしか使われ ていませんから、 5.25 インチフロッピー用のディスク・イメージがあるだな んて期待しないほうがいいです。(機能を縮小した Linux なら、たしかに 1 枚のフロッピーでも動作するでしょうが、インストールかなんらかのトラブル シュートくらいにしか使えないでしょう。) MDA や Hercules, CGA, EGA, VGA, Super VGA のビデオカードとモニターも 必要です。一般的には MS-DOS で動作するビデオカードとモニターなら、 Linux においても動作します。とはいうものの、X Window System を利用する つもりなら、サポートの対象となる表示系のハードウェアには別の制限が加わ ります。 X の利用とそれに付随する条件については Linux XFree86-HOWTO (日本語訳 ) にさらなる情報 があります。 CD-ROM ドライブが使いたいのですね。もしそれが ATAPI, SCSI、またはちゃ んとした IDE であるなら問題なく動作させることができるはずです (しか し、"IDE" インターフェースとうたっている安物の中には、本当の IDE では ないものもあるので注意が必要です)。独自の専用インターフェースカードが 必要な CD-ROM の場合、フロッピーから起動しようとすると、インストールの 際に使われるカーネルによっては認識されない可能性もあります。CD-ROM に アクセスができないとインストールは続行不能となります。もうひとつ、パラ レルポートに接続するタイプの CD-ROM はまったく動作しません。もし迷って しまったら Linux CD-ROM HOWTO (日本語訳 ) を参照し、サポートされているハードウェアの一覧と詳細を調 べてください。 いわゆる「プラグ・アンド・プレイ」というジャンパーレスのカードはトラブ ルの原因となる可能性があります。これらをサポートしようという活発な開発 作業が続いていますが、2.0.25 カーネルの時点ではまだ完成していません。 幸いなことに、大抵はサウンドカードと Ethernet カードにだけ付きまとうト ラブルです。 モトローラ社製 68K プロセッサ系のマシン (Amiga、 Atari そして VMEbus といったマシンを含みます) を使っている場合は、Linux/m68k FAQ を参照してください。そこ には必要とされる最低限の条件や移植作業の状況といった情報があります。こ の FAQ によれば、現在 Linux/m68k は Intel 版の Linux と同じ程度に安定 しているそうです。 4.2. 必要なディスク容量と、異なる OS との共存 ハードディスクの中に Linux のための空き領域が必要です。必要な容量は、 どれくらいの分量のソフトウェアをインストールしようとしているかによって 変ってきます。大抵の場合、おおむね 200 MB から 500 MB くらいが必要にな ります。この中にはソフトウェアのためのスペース、スワップスペース(マシ ンの内部で仮想メモリとして使われます)、そしてユーザのためのスペースな どが含まれます。 80MB 以下のディスクスペースで機能を絞りこんだ Linux システムを動作させ ること(これは、かつて Linux ディストリビューションがもっと小規模だった 頃には普通のことでした)は可能でしょうし、500MB 以上を Linux ソフトウェ アすべてのために割り当てることだって可能です。どれくらいの量のソフト ウェアを詰め込もうとしているのか、そしてどれくらいの容量をあなた自身の ために用意するのか、必要なディスクの容量はそれによって大きく左右されま す。これに関してはまた後述します。 ハードディスクの中に Linux とは別のオペレーティングシステム、たとえば MS-DOS, Microsoft Windows, OS/2 などを共存させることもできます。(さら には Linux の中から MS-DOS のファイルシステムにアクセスしたり、多くの MS-DOS プログラムを起動することさえできます。) 別の言い方をするなら、 Linux 用にドライブに領域確保する際は、MS-DOS そして OS/2 などはそれぞ れの区画領域に住み着き、そして Linux もそうなる、ということです。この ような ``デュアルブート'' システムについてもっと詳しく説明しましょう。 Linux を使うために MS-DOS, OS/2 など、何らかのオペレーティングシステム を使う必要はありません。Linux は完全に独立したオペレーティングシステム であり、インストールや利用にあたって他の OS の助けを借りるようなことは ありません。 概して Linux の最小限度のセットアップは、現在市販されているほとんどの MS-DOS や Windows 3.1(さらに Windows95 での最小限度よりも少なくてすみ ます)で必要とされるよりも少ないものです。少なくとも 4 メガの RAM で 386 や 486 マシンをお使いなら、Linux を動かすのは問題ありません。Linux は大量のディスクスペースやメモリ、あるいは高速なプロセッサを必要としま せん。この HOWTO の最初の著者である Matt Welsh は、4 メガの RAM で 386/16 MHz (入手可能なもっとも遅いマシン) で Linux を稼働させました し、まったく快適でした。やりたいことが増えれば増えるほど、メモリ(そし てより高速のプロセッサ)がもっと必要になるでしょう。私の経験によれ ば、16 メガバイトの RAM を積んで Linux を走らせた 486 マシンは、 高価 なワークステーションモデルに匹敵するものもありました。 5. 所要時間 今どきの Linux の CD-ROM からのインストールは、開始から終了まで 90 分 から 3 時間ほどです。 5.1. Linux のディストリビューションを選択する Linux をインストールする前に、利用する Linux の「ディストリビューショ ン」をひとつ決めなければなりません。Linux ソフトウェアは標準のリリース がひとつだけ存在するわけではありません。とてもたくさんのものがリリース されています。それぞれのリリースには独自の文書とインストールの説明書が あります。 Linux のディストリビューションは anonymous FTP でも入手できますし、フ ロッピーディスクやテープ、CD-ROM のメールオーダーでも手に入ります。 Linux Distribution HOWTO ( ) には、FTP や メールオーダーで利用できる多くの Linux ディストリビューションに関する 説明があります。 この HOWTO が最初に書かれた(1992-93)黎明期の頃、ほとんどの人たちは彼ら の DOS マシン上で、インターネットや BBS から長い時間をかけて複数のフ ロッピーディスクにダウンロードするという苦心の方法で Linux を入手しま した。それから、そのうちの一枚のディスクを使ってブートさせ、残りの十何 枚の中身をインストールしました。好運なら (そして、メディア不良がなけれ ば)、何時間か後に、稼働する Linux のインストールが完了するわけです。し ないかもしれませんが。 こういった方法はまだ可能ですが ( から、いろいろある ディストリビューションをどれでもダウンロードできます)、現在はもっと苦 労の少ない方法があります。もっとも便利な方法は Red Hat や Debian, Linux Pro, WGS のような CD-ROM で配布されている高品質な市販の Linux ディストリビューションをどれか購入することです。地元の本屋さんやコン ピュータショップで普通は 50 米ドル以下で手に入りますから、いらいらする 時間を節約できるでしょう。 InfoMagic Linux Developer's Resource set のような、いろんなものを詰め 合わせて収録した CD-ROM も購入できます。このようなものには一般的には複 数の Linux ディストリビューションと、metalab や tsx-11 といった主だっ た Linux アーカイブサイトの最近の内容が収録されています。 この HOWTO の後半では、詰め合わせ収録 CD-ROM や、印刷物のインストー ル・マニュアルが付いていないようなローエンドの商用 Linux からインスト ールするのに必要なステップに焦点をおきます。お持ちの Linux に印刷され たマニュアルが付いているのなら、この HOWTO にも役に立つ背景知識を提供 する部分はあるでしょうが、インストールに関する細かい説明はそのマニュア ルにあたるべきでしょう。 6. インストールの概要 インストールをする前に、お使いのマシンのハードウェアについて正しい設定 情報を集めておくのは賢明なことです。ベンダーやマシンについているそれぞ れのカードの型番を調べておきます。IRQ や DMA チャンネル番号をメモして おきます。このような情報はいらないと思うかもしれませんが、自分がやるこ とがわかっているならそれらの情報が必要でしょう。「デュアルブート」シス テム(Linux と DOS あるいは Windows, あるいはその両方)にしたいなら、 Linux のための場所を確保するために、ディスクを再設定(パーティションの 再編)します。 あなたが賢明な人なら、最初にすべてのものをバックアップす るでしょう。 7. インストールの第一段階: 簡単な方法 EIDE/ATAPI CDROM (現在これらはごく普通のものですが)をお使いなら、 CD- ROM から起動できるようになっているかどうかを確認するため、お使いのマシ ンの BIOS 設定をチェックします。1997年の半ば以降に作られたほとんどのマ シンはそうできるようになっています。お使いのマシンがそうなら、CD-ROM から起動するように設定を変更します。この項目はたいてい BIOS 設定メニュ ーの 'BIOS FEATURES' というサブメニューにあります。それからインストー ル CD-ROM をセットします。再起動、これでインストールが開始です。 SCSI CD-ROM をお使いなら、たいていはそこからも起動することができますが、多 少マザーボードと BIOS に依存します。SCSI CD-ROM ドライブに余分の出資を するぐらいによくご存じの方なら、そのへんもご存じでしょう。 7.1. インストールの第一段階: CD-ROM から起動できない場合 1. インストール用フロッピーを作成する。 2. CD-ROM にアクセスできるようにするためフロッピーからインストール用 mini-Linux を起動する。 7.2. インストールを続行する 1. Linux のファイルシステムを準備する。(先にディスクのパーティションテ ーブルを編集していないなら、あなたは今この段階にいます。) 2. CD-ROM から Linux の基本部分をインストールする。 3. ハードディスクから Linux を起動する。 4. (必要に応じて) CD-ROM からさらにパッケージをインストールする。 7.3. インストールキットの基本部分 インストール可能なディストリビューションの基本的な部分は次のようなもの です。 o README と FAQ のファイル。これらはたいてお使いの CD-ROM のトップ ディレクトリに置かれており、CD-ROM が Linux の環境で一度マウントさ れれば読みだすことができます。(CD-ROM が作成された方法に依存します が、 DOS や Windows 環境からも見えるでしょう。) CD が手に入ったら、 重要な更新や変更を知るためにすぐにこのへんのファイルを読んでおくと いうのはうまい考えです。 たくさんのブートディスクイメージ(たいてはサブディレクトリにありま す)。お使いの CD-ROM が起動可能なものでないなら、これらのうちのひと つはブートディスクを作るためにフロッピーディスクに書き出すファイル です。お使いのシステムが使っているハードウェアによって、上記のブー トディスクイメージのどれかを選びます。 問題は、ハードウェアのドライバが変なふうにぶつかりあっている場合がある ことです。そして、お使いのシステムについてハードウェアの問題をデバッグ するかわりに、あなたが使用可能にしたいドライバのみが入ったブートフロッ ピーを使うほうが簡単です (あなたのカーネルが小さくなるというナイスな副 作用もあります)。 o レスキューディスクイメージ。これはカーネルやお使いのディスクのブー トブロックを壊すような何かがあった時に、復旧のための基本的なカーネ ルとツールが含まれているディスクです。 o RAWRITE.EXE 。これは(ブートディスクイメージのような)ファイルの内容 をフォーマットにかかわりなく直接フロッピーに書き出すプログラムで す。 MS-DOS システムから、ブートフロッピーやルートフロッピーを作ろうと考え ているなら、 RAWRITE.EXE だけが必要です。その代わりにフロッピードライ ブのある UNIX のワークステーションにアクセスできるなら、`dd'コマンドや ベンダーが用意したスクリプトを使ってフロッピーを作成できます。dd(1) に ついては man ページを見るか、あなたの近くにいる UNIX の達人に尋ねてく ださい。 o CD-ROM そのもの。ブートディスクの目的は、ルートディスクやインストー ルディスクをロードするようにマシンを準備することです。そのディスク は順番にハードディスクを準備し、 CD-ROM の部分をコピーするための ぴったりあったデバイスになっています。お使いの CD-ROM がブート可能 なら、それをブートすることができますから、すぐにディスクを準備する 作業に入ることができます。 8. インストールの詳細 8.1. 準備作業 Linux は MS-DOS, Windows, NT よりも PC ハードウェアを効率的に活用しま す。したがって、些細なハードウェアの設定ミスでも見逃してはもらえませ ん。以下には、インストールを始める前にできることを 2, 3 個紹介しておき ます。この類の問題で引っ掛かってしまった時には、お役に立つことでしょ う。 まず第一に、お使いのハードウェアに関する取り扱い説明書を一切合切集めま しょう。マザーボード、ビデオカード、モニター、モデムなど全部です。取り 扱い説明書が集まったら、手近に置いておきましょう。 次に、ハードウェアの設定がどうなっているかについての詳しい情報を収集し ましょう。MS-DOS 5.0 以上 をお使いなら、 Microsoft 診断ユーティリティ msd.exe を実行するのが早道です(TSR, ドライバ、メモリマップ、環境設定、 OS の版数 の項目は気にしないでもかまいません)。ほかのことはともかく、 ビデオカードとマウスの型式については完璧な情報が確実に手に入ります。こ の情報は、後から X を設定する際に役立ちます。 次に、Linux で使用できることになっているハードウェアをどのように設定し ているかを調べてください。これがおかしいために、 Linux のインストール がどうにもならない状態で停止してしまうこともあるからです。 o DOS/Windows の場合なら、IDE のハードディスク・CD-ROM のマスター/ス レーブを設定するジャンパが間違っていても、うまく動くかもしれませ ん。しかし、 Linux に関して、こんなことは通用しません。怪しい場合に は、マスター/スレーブのジャンパを確認し直してください。 o 設定用のジャンパも設定記憶用の不揮発メモリもないような周辺機器をお 使いですか? この場合には、MS-DOS のユーティリティを使ってブートアッ プの時に初期化をしないと、うまく行かないかもしれません。こうした器 具を Linux で使うのは難しいかもしれません。 CD-ROM、音響カード、イ ーサネット=カード、廉価なテープドライブではこの種の問題が発生する可 能性があります。問題に遭遇しても、Linux 起動時のブートプロンプトに 工夫をすれば何とかなる場合もあります。詳しくは、Linux Boot Prompt HOWTO, をお 読みください (日本語訳は )。 o バスマウスと他のデバイスで IRQ を共有できる OS もあります。しか し、Linux にこの機能はありません。実際、共有しようとすると機械が動 かなくなってしまうでしょう。バスマウスをお使いの際には、Linux Bus Mouse HOWTO, の詳細な記述をお読みください(日本語訳は )。 可能ならば、緊急時には電話で相談できるような Linux 熟達の士から電話番 号をもらっておきましょう。十中八九、こうした手段に頼る必要はないはずで すが、持っておくと心丈夫というものです。インストールに必要な時間です が、簡素なシステムや全体を Linux で使用するシステムの場合で約一時間、 複数の OS からブートアップするシステムの場合で約三時間(試行錯誤を繰り 返すことがずっと多くなるからです)位でしょう。 8.2. ブート用フロッピー・ルート用フロッピーの作成 (この段階の作業が必要となるのは、CD-ROM からブートできない場合だけで す) Linux の CD-ROM には、ブート用ディスク・ルート用ディスク・緊急用 ディスクを対話式に作成できる「インストール援助機能」が付属しているはず です。 MS-DOS で走るインストールプログラムの場合もありますし(Red Hat の redhat.exe など)、Unix のスクリプトのこともあります。両方を提供して いるところもあるようです。 このようなプログラムを入手・使用できる場合には、この節の残りに書いてあ ることは参考知識として目を通してくだされば結構です。プログラムを実行す れば、インストール作業が行えます。こうしたプログラムを書いた人たちの方 が、個別のディストリビューションについては私よりずっと詳しいに決まって います。こうしたプログラムを使えば、手で入力する場合に起こりがちな間違 いも回避できるでしょう。ブート用ディスク類の詳しい作成法について は、Linux Bootdisk HOWTO をお読みください(日本語訳は )。 最初の作業は、お使いのハードウェアに適したブートイメージを選択すること です。この作業は手で済ませないといけないかもしれませんが、CD-ROM に 載っているブート用ディスクのイメージには適切なものが選べるように (a) 名前がついているのが普通です。(b) 各イメージを詳しく解説した索引ファイ ルがついている場合もあります。 ブートイメージの選択が終わったら、そのイメージを使って各種フロッピーを 作りましょう。必須ではありませんが、緊急用ディスクのイメージもフロッピ ーにしておきましょう。この作業には MS-DOS 用プログラムである RAWRITE.EXE を使用します。(各種フロッピーには同じタイプのものを使用し てください。 3.5 インチのフロッピードライブの場合なら、2HD のディス ケットで統一してください)ブート用ディスクのイメージをフロッピーに書き 込む際には、 RAWRITE.EXE を使用します。引数をつけないで、次のように起 動してみてください。 C:\> RAWRITE 書き込むファイルと書き込みの対象となるフロッピードライブの名称(例: A:)を尋ねるプロンプトがでますので、それに答えてください。 RAWRITEはブ ロック単位でファイルを直接フロッピーに複写していきます。ルート用ディス クイメージの場合(例: COLOR144)にも RAWRITE を使用します。この作業が終 わったら、フロッピーが二枚できているはずです。一枚はブート用ディスク、 もう一枚はルート用ディスクです。どちらのフロッピーも MS-DOS では読めな い状態になっていることにご注意ください(つまり、ある意味では Linux 形式 のフロッピーになっているのです)。 dd(1) という命令を用いれば、UNIX システム上でも同じ作業ができます(もち ろん、フロッピードライブのある UNIX ワークステーションが必要で す)。Sunのワークステーションの場合なら、フロッピードライブのデバイス名 は /dev/rfd0 になっています。ですから、以下のようにすればいいわけで す。 $ dd if=bare of=/dev/rfd0 obs=18k ワークステーションによっては、出力ブロックの大きさを適切に指定する必要 があります(例:Sun)。そうしないと失敗してしまいます。うまく行かないとき には、 man dd(1) が役に立つでしょう。新品で無傷のフロッピーを使ってい るかどうかを確認してください。不良ブロックのあるフロッピーは使用できま せん。 Linux をインストールするために MS-DOS を走らせる必要などないことを覚え ておいてください。しかし Linux か MS-DOS かのいずれかが利用できれば、 CD-ROM からブート用・ルート用フロッピーを作る作業がグンと簡単になりま す。お使いの機械に OS がまったく載っていない場合でも、Linux か MS-DOS を使っているだれかの機械でフロッピーを作り、それを用いてインストールす るという手はあります。 8.3. DOS/Windows 用ドライブのパーティションを分け直す 中古システムの場合には、ハードディスク上に MS-DOS, OS/2 その他用のパー ティションがあるのが普通です。ですから Linux 用の場所を確保するために は、パーティションの大きさを変更する必要があるでしょう。複数の OS でブ ートできるようにする時には、以下の諸 mini-HOWTO に目を通しておくようお 勧めします。いずれも、複数の OS からブートする際の設定を扱ったもので す。 o DOS-Win95-OS2-Linux mini-HOWTO, (和訳: ) o Linux+Win95 mini-HOWTO, (和訳: ) o Linux+NT-Loader mini-HOWTO, (和訳: ) お使いのシステムそのものズバリではない場合でも、上記諸文書が記載してい ることを理解しておくのは有益です。 注意: MS-DOS パーティションのディレクトリにインストールする Linux もあ ります(MS-DOS パーティション「から」インストールするのとは別の話です) 。この場合にはUMSDOS というファイルシステムを使用することになります。 このファイルシステムを使うと、 MS-DOS パーティションのディレクトリーの ひとつを Linux ファイルシステムとして使用することになります。この方法 を使えば、ハードディスクのパーティション変更は必要なくなります。 この方法がお勧めできるのは、ディスク上にすでにパーティションが 4 つ(DOS で利用できるパーティション数の上限)ありかつ、パーティションの再 分割が百害あって一利なしの状況にある場合だけです(この方法では、Linux のファイル名変換の効率が低下してしまうのです)。このほか、パーティショ ンを分け直す前にとりあえず Linux を試してみたいというときにも、この方 法は有益でしょう。しかしながらすでに述べたように、たいていはパーティ ション分けをやり直さざるをえなくなるものです。それでもUMSDOS をどうし ても使いたいというのなら、御自分の....でどうぞ。詳しいことは書きませ ん。以下の記述は、「UMSDOS を使っていない」・「パーティション変更をす るつもり」を前提としたものです。 そもそもパーティション とは、特定のオペレーションシステム用に取り分け たハードディスクの一部分のことに他なりません。インストールしているのが MS-DOS だけならば、ハードディスクは MS-DOS 用の一パーティションだけで いっぱいでしょう。しかし、Linux を使うのなら、ハードディスクのパーティ ション分けをやりなおす必要があります。つまり、MS-DOS 用に一パーティ ション、そして Linux 用に最低一パーティションを作ることになるのです。 「パーティション」には三種類あります。プライマリー(基本)パーティショ ン、エクステンド(拡張)パーティション、論理パーティションの 3 つです。 簡単にいえば、基本パーティションとは、ハードディスク上に作れる 4 つの 主要パーティションのひとつです。もし一台のディスクにパーティションを五 つ以上作りたいときには、一番後ろの基本区画を拡張パーティションに変更し なければいけません。拡張パーティションには、複数の論理パーティションを 作ることができます。拡張パーティションそのものには、データを直接格納す ることはできません。拡張パーティションは論理パーティションの置場所とし てしか使えないのです。データを格納できるのは、基本パーティションと論理 パーティションだけです。 実のところ、たいていの人は基本パーティションしか使っていません。しか し、 1 つのドライブに 5 つ以上のパーティションが必要になったときには、 拡張パーティションを作るしか手はありません。そして拡張パーティションの 一番上に論理パーティションを作ることになるのです。こうすれば 1 つのド ライブに 5 つ以上のパーティションを設定できます。Linux は二台目のドラ イブ(MS-DOS 風の言い方をすると D:)にも簡単にインストールできることをお 忘れなく。Linux 用パーティションを作るときには、適切なデバイス名を指定 することになります。この点については、以下で詳しく説明します。 ディスクのパーティション分けという問題に戻りましょう: やっかいなのは、 対象となるパーティションにあるデータを消去しない限り(簡単には)パーティ ションの大きさを変更できないということです。つまりは、すなわちパーティ ション分けをやり直す前に完全なバックアップをとる必要があるわけです。パ ーティションの大きさを変更する時には、関連するパーティションをあっさり と消去し、小さめの大きさで作り直すことになるのです。 注意: MS-DOS 用にはデータを破壊することなくパーティションを分け直すた めのツールである FIPS があります。 を探してみてくださ い。FIPS とディスク最適化プログラム(Norton Speed Disk の類)、そしてい ささかの幸運があれば、 パーティション上のデータを破損する事な くMS-DOSパーティションの大きさを変更できます。とはいうものの、この方法 を試みる前にもきちんと完全なバックアップをとっておくよう、お勧めしま す。 FIPS に頼らなくても、FDISK という昔ながらの道具を使ってパーティション を変更する方法があります。たとえば、 80 MB のディスクを全部 MS-DOS 用 に使っているという場合を考えてみましょう。これを半々に分け、40 MB 分を MS-DOS 用に、残りの 40 MB を Linux 用にするとします。そのために は、FDISK を MS-DOS で実行し、 80 MB の MS-DOS 用パーティションを削除 し、それから 40 MB の MS-DOS 用パーティションを作り直します。こうして から、新しいパーティションをフォーマットしなおし、バックアップしてあっ た MS-DOS 用ソフトをのせ直すのです。残りの 40MB はまだ空白のままで す。Linux 用パーティションは、あとからこの部分に作ることになります。簡 単にまとめれば、 FDISK を使って MS-DOS パーティションの大きさを変更す るには以下の作業が必要です。 1. システムの完全なバックアップを作る 2. 以下の手順で、 MS-DOS の起動ディスクを作る FORMAT /S A: 3. FDISK.EXE と FORMAT.COM をこのフロッピーに複写する。必要な別のユー ティリティも複写しておく(バックアップを書き戻すためのユーティリティ など) 4. MS-DOS のシステムフロッピーで起動する 5. FDISK を実行する。可能なら変更対象となるドライブを指定する (例: C: あるいは D:). 6. FDISK のメニューで「パーティションの削除」を選び、大きさを変えたい パーティションを消去する。この作業を行うと該当パーティション上のデ ータはすべて破壊されます。 7. FDISK のメニューで「パーティションの作成」を選び、小さめのパーティ ションを作成し直す。 8. FDISK を終了し、新しく作成したパーティションをFORMAT でフォーマット する。 9. バックアップを使って、もとのファイルを載せなおす MS-DOS の FDISK には、「DOS 論理ドライブ」を作る機能があります。 「DOS論理ドライブ」とは、ハードディスク上の論理パーティションにほかな りません。 Linuxを論理パーティション上にインストールすることは可能です が、MS-DOS の FDISK で論理パーティションを作ろうとは思わないでしょう。 その通り。DOS 論理ドライブを使っている状態でそこに Linux をインストー ルしようとする場合には、まず MS-DOSの FDISK で論理ドライブを削除 し、(そののちに) Linux 用の論理パーティションを作成することになりま す。OS/2 その他のオペレーションシステム用のパーティションを分け直すと きにも、これと同じような手順を踏みます。詳しくは各 OS の文書をお読みく ださい。 8.4. Linux 用パーティションの作成 ハードディスクのパーティションを分け直したら、次は Linux 用のパーティ ションを作成します。その方法を述べる前に、Linux のパーティションやファ イルシステムについて説明しましょう。 8.4.1. パーティションについての基礎知識 Linux に最低限必要なのは、ルートファイルシステム用のパーティションだけ です。Linux カーネル本体を置くのはこのパーティションの上になります。 ファイルシステム とは Linux 用にフォーマットしたパーティションのことだ と考えても差し支えはありません。ファイルシステムにはファイルを格納する 機能があります。どのシステムでも、ルートファイルシステムだけは必須で す。しかし、ファイルシステムをいくつも用意するのを好む人の方が多いよう です。ディレクトリツリーの主要部分ごとにファイルシステムを作る、という わけです。たとえば、/usr 以下の全ファイルを格納するファイルシステムを 別に作成するということもできます(UNIX の世界では、ディレクトリ区切り文 字にスラッシュを用います。MS-DOS 流のバックスラッシュは使用しません)。 この場合には、ルート用ファイルシステムと /usrファイルシステムのふたつ ができることになります。 各ファイルシステムには、それぞれ自前のパーティションが必要です。つま り、ルートファイルシステムと /usr システムを使うのなら、Linux 用パー ティションを二つ作る必要があります。この二つのパーティションに加え、た いていの人は スワップ 用パーティションを作成しています。これは仮想 RAM として使用するパーティションです。 4 MB のメモリを搭載している機械にス ワップ用パーティションを 10 MB 分用意すれば、こと Linux に関する限り総 計 14 MB の仮想メモリが使えるのです。 スワップ空間を使用している場合、 Linux は使っていないメモリページを ディスクに追い出してしまいます。 こうすることによって、一度によりたく さんのアプリケーションを走らせることができるようになるのです。もちろ ん、スワップには時間がかかるのが普通です。ですから、スワップが本物の RAM の代わりになるわけではありません。とは言うものの、X Window System のように大量のメモリを必要とするアプリケーションを使う場合には、本物の RAMがふんだんにない限り、スワップ空間のお世話になることもしばしばで す。 Linux を使っている人は、ほぼ全員がスワップパーティションを採用していま す。 4 MB以下しか RAM がない場合には、ソフトウェアを組み込むためにもス ワップ区画が必要になります。莫大な量の RAM を搭載しているのでもなけれ ば、必ずスワップパーティションを設定するよう強くお勧めします。スワップ パーティションの大きさは、必要となる仮想 RAM の量次第です。本物の RAM とスワップを合せて 16 MB は最低確保したいというのが通説になっていま す。もし本物の RAM が 8 MB なら、スワップパーティションを 8 MB 分用意 しようということです。スワップパーティションは 128 MB 以上の大きさには できないので注意が必要です。万一、128 MB 以上のスワップが必要な際に は、スワップパーティションをふたつ以上作るしかありません。スワップ区画 は最大 16 まで設定できます。 スワップ空間の設計やパーティション分けに関する詳しい理論的説明について は、 Linux Partition mini-HOWTO ( , 和訳 ) をお読みください。 注: いささか裏技になりますが、複数 OS ブートシステムの場合に Linux とWindows 95 でスワップパーティションを共有することは可能です。詳しく は、Linux Swap Space Mini-HOWTO, (和訳: )をご覧ください。 ご存じですか 1: EIDE ドライブの 504 MB を越える場所にパーティションを 設定しても、BIOS の関係でそのパーティションにインストールした Linux が ブートできないかもしれません。ルートパーティションは 504 MB 以下のとこ ろに作るようにしてください。SCSIコントローラの場合には、このような問題 はありません。SCSI コントローラには自前の BIOS ファームウェアが載って いるのが普通だからです。技術的な詳細については、Large Disk Mini-HOWTO, をご覧ください(日 本語訳は、 )。御存じ ですか 2: IDE ディスクと SCSI ディスクの両方をお使いの場合には、 SCSI ドライブから直接ブートできないように BIOS を設定していないかどうかを調 べてください。 8.4.2. パーティションの大きさ ルート用パーティションとスワップパーティションとは別に、ソフトウェアや ホームディレクトリを格納するパーティションをいくつか作るのもよいでしょ う。理屈からいえば、巨大なルートパーティションを作ってなにもかもそこで 済ませてしまうことも可能です。しかし、そんなことをやっている人はいませ ん。複数のパーティションを作るのには、次のような利点があるからです。 o ブート時に行う「ファイルシステムの検査」が迅速にできる場合が多い。 o パーティション境界を跨るような大きなファイルは作れません。ですか ら、パーティションの境界を莫大なディスクを食い尽くすプログラム(例: Usenet ニュース)に対する防壁として利用することもできるのです。パー ティション境界があれば、カーネルやその他のアプリケーションが用いる ディスク空間にまでこうしたプログラムがはみ出していくこともありませ ん。 o ディスク上で「危ないもの」の開発を続けている方にとっても、何もかも を一からやり直すよりは、パーティションひとつをフォーマット・復旧す るほうがまだましというものでしょう。 近頃の大型ハードディスクをお使いの方は、ルート用の小さなパーティ ション (80 MB 以下)、中ぐらいの大きさの /usr 用パーティション(シス テムソフトウエア用。300 MB 以下ぐらい)を作り、残り全部をホームディ レクトリ用の /home にするというのが基本的設定となるでしょう。もっと 凝ったこともできます。 Usenet ニュースなどを使うおつもりの場合に は、それが一番ディスクを食うはずなので、専用パーティションを作ると いう手もあるでしょう。メール、ニュース、一時ファイルなどなどのため に /var というパーティションを作るという方法もあります。とはいうも のの巨大ディスクが安価に入手できる昨今では、 Linux を最初にインスト ールするときにこんな手の込んだことをする意味がなくなっています。初 心者にとっては、単純なパーティション構成がなによりです。 8.5. インストールディスクからブートする。 まず最初のステップは、作成したブートディスクを使ってブートすることで す。通常はなにもオプションなどを指定せずにブートできるはずです。カーネ ルのブートプロンプトが表示されてから10秒間待つと自動的にブートを開始し ます。IDE ディスクからブートする場合には、これが通常の動作でしょう。 ここで実際にはなにが起こっているかというと…この時点ではまだハードディ スクは使えないので、ブートディスクの中の小さなオペレーティングシステム が RAM を仮想的なディスク(RAM ディスクと呼ばれます。)として使いながら 起動しているのです。 ブートディスクは、小さな一揃いのファイルとインストールに必要なツール類 を RAM ディスクにロードします。ここでロードされるツール類を使って、ハ ードディスクのインストール準備をしたり、CD-ROM から実際の Linux をイン ストールしたりするわけです。 (昔は、2段階の過程が必要でした。「ルートディスク」という 2番目のフロッ ピーディスクが必要だったのです。カーネルモジュールが実装されたことに よってこの必要がなくなりました。) カーネルの名前の後に引数を与えることによって、Linux カーネルがブートす る前にいろいろなハードウェアパラメータを指定することができます。たとえ ば、SCSI コントローラの割り込み番号やアドレスの設定、ハードディスクの ジオメトリ情報などです。 SCSI コントローラを正しく認識できなかった場合 などにはこれらの情報を指定する必要があるかもしれません。 特に、BIOS の搭載されていない多くの SCSI コントローラを使うときには、 ブート時にポートアドレスと IRQ 番号を指定する必要があります。同様 に、IBM PS/1 や ThinkPad や ValuePoint などのマシンではハードディスク のジオメトリ情報が CMOS に格納されていないため、これらの値をブート時に 指定する必要があります。(インストールを完了した後に、これらの値を自動 的に認識するよう設定できます。) システムがブートしている時に表示されるメッセージをよく見ていてくださ い。これらのメッセージは、カーネルが認識したハードウェアに関する情報を 表示しているのです。特に SCSI コントローラを使っている場合には、検出さ れた SCSI ホストの一覧が表示されるはずです。 SCSI: 0 hosts このように表示された場合には、SCSI コントローラは検出されなかったこと を意味します。SCSI コントローラの存在をカーネルに教えてあげる必要があ ります。また、ドライブのパーティション情報や、検出されたデバイスに関す る情報も表示されます。もしこれらの情報が誤っていたり表示されない場合に は強制的にハードウェアを検出させなければなりません。 すべてのハードウェアがきちんと認識されているようでしたら、次の「ルート ディスクをロードする」の章は読まなくてもよいでしょう。 強制的にハードウェア検出をおこなうためには、ブートプロンプトで適切なパ ラメータを指定する必要があります。次のような形式です: linux <パラメータ...> 非常にたくさんのパラメータが存在しますがその中から主なものを例として示 します。最近の Linux のブートディスクでは、ブート前に指定可能なカーネ ルパラメータに関するヘルプ機能が備わっているものも多くあります。 o hd=cylinders,heads,sectors ドライブのジオメトリ情報を指定しま す。IBM の PS/1 や ValuePoint や ThinkPad などの機種では指定する必 要があるかもしれません。たとえば、ドライブが 683 シリンダ、16 ヘッ ド、32 セクタの場合には、 linux hd=683,16,32 と入力します。 o tmc8xx=memaddr,irq BIOS の搭載されていない Future Domain TMC-8xx SCSI コントローラに対して、アドレスと IRQ を指定します。たとえば linux tmc8xx=0xca000,5 です。 16進数の前には、0x を付ける必要があることに注意してください。こ れは以下のオプションに関しても同様です。 o st0x=memaddr,irq BIOS の搭載されていない Seagate の ST02 コントロー ラに対してアドレスと IRQ を指定します。 o t128=memaddr,irq BIOS の搭載されていない Trantor の T128B コントロ ーラに対してアドレスと IRQ を指定します。 o ncr5380=port,irq,dma NCR5380 コントローラに対してポート番 号、IRQ、DMA チャネルを指定します。 o aha152x=port,irq,scsi_id,1 BIOS の搭載されていない AIC-6260 や Adaptec の 1510, 152x, Soundblaster SCSI コントローラに対してポート 番号、IRQ、SCSI ID を指定します。 これらのブート時オプションに関してわからないことがあったら Linux SCSI HOWTO を読んでみてください。このドキュメントはたいていの Linux アーカ イブサイトにあるはずです。(今お読みの文書をダウンロードしたサイトにも あるはずです。) SCSI HOWTO には SCSI のコンパチビリティに関してもっと 詳細な情報が記述されています。 8.5.1. EGA か X でのインストールを選ぶ 古い Linux (Slackware のような)では、ここでシェルが起動されて、決まっ た順番でインストールのためのコマンドを手動で入力する必要があります。今 でもこの(古い)方法でインストールすることは可能ですが、より新しい方法が あります。新しい方法では、スクリーン指向のインストールプログラムが起動 され、対話的にいろいろな設定をすることができます。ヘルプも充実していま す。 おそらくこの時点で、X Window System ベースのグラフィカルなインストール プログラムを起動するかどうかを尋ねてくると思います。これを選んだ場合に は、マウスとモニターの設定に関する質問が表示されるはずです。Linux をイ ンストールした後にもここで設定した内容は保存されて有効になりますが、あ とから変更も可能ですのでここでは標準的な 640x480 の VGA モードを選択し ておきましょう。 インストールするために X Window System は必ずしも必要ではありません が、 (マウスとモニターの設定をあらかじめ知っておく必要はあるとはいえ) グラフィカルなインターフェースはとても便利です。また、最終的には X Window System を使うつもりなら、この時点で試しておくのも有意義なことだ と思います。 さて、インストールプログラムにしたがってインストールを進めてください。 ディスクの設定、最初のユーザ設定、CD-ROM からのソフトウェアパッケージ のインストールというように進むはずです。 以下の章ではインストールでわかりにくい点に関して解説します。たとえば手 動でいろいろなパラメータを設定しなければならない場合などです。おそら く、インストールプログラムがどういう仕組みで動作していて、なぜそうなっ ているかなどの理解の助けにもなると思います。 8.5.2. fdisk または cfdisk を使う ルートディスクから Linux をブートしたらまず最初におこなうステップは ディスク上のパーティションテーブルを作成するか編集することです。以前に FDISK でパーティションテーブルを作成ずみの場合でも、 Linux 用の情報を 入力する必要があるでしょう。 Linux パーティションを作成・編集するに は、Linux 版の fdisk プログラムか、スクリーン指向になった cfdisk を使 います。 通常インストールプログラムは、すでに存在しているパーティションテーブル を探して、そのディスクに対して fdisk または cfdisk を起動します。これ ら2つのプログラムのうち、cfdisk の方がはるかに使いやすいのですが、現在 のバージョンは、パーティションテーブルが存在していなかったり壊れていた りした場合にはうまくいかないことがあるかもしれません。 このため、(特にまっさらなハードウェアにインストールする場合など) まず fdisk を使ってイニシャライズをおこなった後に、 cfdisk を使うなどの手順 が必要かもしれません。まずは cfdisk を起動して、文句を言われたら fdisk を起動しましょう。もしあなたがディスク全部を Linux 用に使うつもりで cfdisk が文句を言ってきた場合には、まず fdisk を使って現在存在するパー ティションをすべて削除し、 cfdisk を起動してパーティションテーブルを編 集するのがいい方法ではないかと思います。 fdisk と cfdisk に共通した注意です。どちらのプログラムもこれから Linux パーティションを作成するためのドライブを指定する必要があります。ハード ディスクの名前は: o /dev/hda 最初の IDE ドライブ o /dev/hdb 二番目の IDE ドライブ o /dev/sda 最初の SCSI ドライブ o /dev/sdb 二番目の SCSI ドライブ のようになっています。 たとえば、最初の(一台目の) SCSI ドライブに Linux パーティションを作成 するためには(もしかするとインストールプログラムがメニューで選択できる ようにしてくれるかもしれませんが)、次のコマンドを使います: cfdisk /dev/sda fdisk または cfdisk を引数なしで起動した場合には /dev/hda を指定したも のとみなされます。 2台目のハードディスクに Linux パーティションを作成したい場合には /dev/hdb (IDE ドライブの場合) または /dev/sdb (SCSI ドライブの場合)を 指定してください。 すべての Linux パーティションが同じドライブ上にある必要はありません。 たとえば、/dev/hda にルートファイルシステムをおいて /dev/hdb にスワッ プパーティションをおくということももちろんできます。この場合には、それ ぞれのドライブに対して fdisk または cfdisk を起動してください。 Linux では、それぞれのパーティションに対してドライブの名前に応じた名前 が付けられます。たとえば、/dev/hda 上の最初のパーティションは /dev/hda1 であり、二番目のパーティションは /dev/hda2 ... 以下同様... といった具合です。論理パーティションを使った場合には、/dev/hda5 から始 まり、以下 /dev/hda6 ... となります。 注意: Linux の fdisk や cfdisk で、 Linux 以外の OS の パーティション を作成したり削除したりしてはいけません。つまり、MS-DOS のパーティショ ンを作成したり削除するには、MS-DOS の FDISK を使うべきです。 Linux の fdisk を使って MS-DOS パーティションを作成した場合、MS-DOS がそのパー ティションをうまく認識してくれない可能性があります。 以下に fdisk の使用例を示します。この例では、61693 ブロックの MS-DOS パーティションをひとつ作成し、残りを全部 Linux に割り当てます。 (Linux ではひとつのブロックは 1024 バイトですので、61693 ブロックはほぼ 61M バイトです。) この例ではスワップとルートの2つのパーティションを作成し ます。これを応用して、前に述べたようなおすすめのパーティションである: スワップ、ルートファイルシステム、システムソフトウェア、ホームディレク トリ領域、という4つのパーティションを作成することができると思います。 まず最初に、``p''「現在のパーティションテーブルを表示する」を実行しま す。以下の通り、/dev/hdaの最初のパーティションである /dev/hda1が 61693 ブロックの DOS パーティションとして表示されます。 Command (m for help): p Disk /dev/hda: 16 heads, 38 sectors, 683 cylinders Units = cylinders of 608 * 512 bytes Device Boot Begin Start End Blocks Id System /dev/hda1 * 1 1 203 61693 6 DOS 16-bit >=32M Command (m for help): 次に、``n''「新しいパーティションを作成する」を実行します。ここでは Linux の 80M バイトのルートパーティションを作成します。 Command (m for help): n Command action e extended p primary partition (1-4) p ここでは、拡張パーティションを作成するか、基本パーティションを作成する かを尋ねられています。このドライブに4つ以上のパーティションを作成する 必要がなければ、ここは基本パーティションでしょう。これに関してもっと詳 細な情報は、前の「パーティションの切り直し」の章を読んでください。 Partition number (1-4): 2 First cylinder (204-683): 204 Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (204-683): +80M ここで指定するシリンダ番号は、最初のパーティションの最後のシリンダ以降 のシリンダ番号でなければいけません。この例の場合には、/dev/hda1の最後 のシリンダ番号は 203 ですから新しいパーティションのシリンダ開始番号は 204 にします。 見てわかるとおり ``+80M'' という記法を使った時には、 80M バイトのパー ティションを指定したことになります。同様に ``+80K'' の場合には、80K バ イトのパーティションであり、 ``+80'' の場合には 80 バイトのパーティ ションとなります。 Warning: Linux cannot currently use 33090 sectors of this partition このような警告メッセージは無視してかまいません。これは昔 Linux のファ イルシステムが 64M バイトまでしか割りつけることができなかったころの名 残です。現在の新しいファイルシステムではそのような制限はありません。4T バイトまでのパーティションを扱うことができます。 次に、10M バイトのスワップパーティションを/dev/hda3に作成します。 Command (m for help): n Command action e extended p primary partition (1-4) p Partition number (1-4): 3 First cylinder (474-683): 474 Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (474-683): +10M さてふたたびパーティションテーブルの内容を表示させてみます。この情報は 書きとめておきましょう。特に、それぞれのパーティションのブロック数は重 要です。後ほどこの情報が必要になりますので。 Command (m for help): p Disk /dev/hda: 16 heads, 38 sectors, 683 cylinders Units = cylinders of 608 * 512 bytes Device Boot Begin Start End Blocks Id System /dev/hda1 * 1 1 203 61693 6 DOS 16-bit >=32M /dev/hda2 204 204 473 82080 83 Linux native /dev/hda3 474 474 507 10336 83 Linux native スワップパーティション(ここでは/dev/hda3)が ``Linux native'' タイプで あることに注意してください。インストールプログラムにこのパーティション をスワップパーティションであることを認識させるためにはこれを、``Linux swap'' に変更する必要があります。このためには、 fdisk の、``t'' コマン ドを使います。 Command (m for help): t Partition number (1-4): 3 Hex code (type L to list codes): 82 ``L'' コマンドを使ってタイプコードの一覧を表示させることができます。た とえば、タイプ 82 は Linux swap であることがわかります。変更をセーブし て fdisk を終了するためには、``w'' コマンドを使います。変更をセーブせ ずに(変更せずに)終了するためには、``q'' コマンドを使います。 fdisk を終了した後に変更を有効にするためにはシステムをリブートするよう に促されますが、普通はリブートする必要はありません。最近の fdisk や cfdisk はリブートしなくてもすむようにうまくできています。 8.5.3. パーティションを切った後には パーティションテーブルを編集した後にはインストールプログラムがテーブル を認識して、スワップパーティションを有効にするかどうか尋ねてくるはずで す。ここでは Yes と答えましょう。 (スワップパーティションがなぜ自動的に有効にならないのかというと、たと えばデュアルブートマシンなどの場合、Linux 以外のパーティションを間違っ てスワップパーティションと認識してしまう可能性がないとは言えないからで す。) 次にスワップパーティション以外のパーティションそれぞれをどの Linux ファイルシステム(たとえば /, /usr, /var, /tmp, /home, /home2 などなど) に割り当てるかを尋ねてきます。 ここではひとつだけ確実にやっておかなければならないことがあります。ルー トファイルシステム(/)を割り当てて、ここをブート可能(bootable)にしてお かなければなりません。他のパーティションに関してはお好きな名前にしてか まいませんが、通常の名前付けスタイルにしたがっておけばあとでいろいろと 楽です。 前の方で3つの基本的なパーティションを作成するようにおすすめしました。 つまり、小さなルート、中くらいの大きさのシステムソフトウェア用、大きな ホームディレクトリパーティションです。伝統的にこれらはそれぞれ、/, /usr, /home と呼ばれています。今となってはこの `/usr' という名前は直感 的ではない名前になってしまっています。これは昔の(もっとずーっと小さな) Unix システムでは、ルート以外の単一のパーティションにシステムソフト ウェアとユーザのホームディレクトリを一緒に置いておいたころの名残です。 歴史的な理由とはいえ、この名前付けに依存しているソフトウェアもまだ存在 しますのでしたがっておきましょう。 2 つ以上のホームディレクトリ領域が必要な場合には、慣例的に /home, /home2, /home3 などなどと名前をつけるのが普通です。ふたつ以上の物理的 なディスクを使う必要がある場合にはこんな風にする必要があるかもしれませ んね。私の個人マシンではこんな風なレイアウトになっています: Filesystem 1024-blocks Used Available Capacity Mounted on /dev/sda1 30719 22337 6796 77% / /dev/sda3 595663 327608 237284 58% /usr /dev/sda4 1371370 1174 1299336 0% /home /dev/sdb1 1000949 643108 306130 68% /home2 二番目のディスク(sdb)は実際にはすべてが /home2 に割り当てられているわ けではありません。sda と sdb にはそれぞれスワップパーティションが存在 するのですが、ここにはそれは表示されていません。 sda 上の /home には大 きな空き領域があって、sdb 上の /home2 は、ユーザの領域であることがわか りますね。 作業用やスプールや一時的な用途やメールやニュースのための領域を作成した い場合には、/var という名前にしましょう。または、/usr/var を作成し て、/var からそこにシンボリックリンクを張るという手もあります。 (イン ストールプログラムが自動的にやってくれるかもしれませんが) 8.6. ソフトウェアパッケージをインストールする さて、パーティションの準備ができればあとはほぼ自動的に実行できるはずで す。EGA ベースでも X ベースでもインストールプログラムはどの CD-ROM か らインストールするか、どのパーティションを使うかなどをメニューで導いて くれるはずです。 この文書ではここの部分に関しては詳細に述べません。 Linux のそれぞれの 配布系(ディストリビューション)によって微妙に違いがある(伝統的に、それ ぞれのベンダーはこのあたりで差別化をおこなってきました。)ためですが、 まあ結構わかりやすい部分ですから。また、インストールプログラムは画面上 にわかりやすい情報を表示してくれるので大丈夫でしょう。 8.7. パッケージをインストールした後 インストールがうまく完了したら、初めてハードディスクからブートする前に システム関連のいくつかの設定をおこないます。 LILO (LInux LOader の略です)は、ハードディスクから(MS-DOS などの他の OS と同様に) Linux をブートするためのプログラムです。 ハードディスクに LILO をインストールするかどうかは選択可能です。もし OS/2 を使っていないならば、ここでは `yes' と答えましょう。 OS/2 に関し てはちょっと特殊な要求事項があります。以下の ``Custom LILO Configuration'' を参照してください。 LILO をプライマリローダとして使えば、ブート用のフロッピーが不要にな り、ブート時にどの OS をブートするかを指定することができるようになりま す。 8.7.1. ブートディスクの作成(選択可能) 「標準的なブートフロッピーディスク」を作成する画面が現れるかもしれませ ん。このフロッピーディスクは新しくインストールした Linux システムをブ ートするために使えるディスクです。 (これはちょっと古くて今となってはあ まり便利な方法ではありません。普通は DOS でブートして使うが、ときには フロッピーで Linux もブートする、といった場合のためのものです) (訳注: ぜひ作成しておくことをお奨めします。なにか問題があった時のために、回復 用のディスクとしても使えますから。) このためには、新しい MS-DOS フォーマットの高密度(訳注:2HD) フロッピー ディスクが必要です。インストールプログラムが要求してきたところでフロッ ピーディスクを挿入すれば、ブートディスクが自動的に作成されます。(これ はインストール用のブートディスクとは異なります。逆にこれをインストール 用のブートディスクとして使うこともできません!) 8.7.2. その他のシステム設定 この後、インストール後のいろいろな設定のためのメニューが表示されるで しょう。たとえばモデムやマウスやタイムゾーンなどなどの設定です。メニュ ーが表示するオプションにしたがって正しく設定をおこなってください。 また、ルートユーザのパスワード設定や新しい一般ユーザの設定などの画面が 表示されるかもしれませんが、これも画面の指示にしたがって設定をおこなっ てください。 9. 新しいシステムの起動 すべて計画通りに進んだのなら、とうとう Linux を起動できるようになった はずです。起動は LILO を使ってハードディスクから行いますが、起動フロッ ピー(ディストリビューション付属の起動フロッピーではなく、インストール 後に作成した起動フロッピー)からでも行えるはずです。システムが起動した ら、root としてログインしましょう。おめでとうございます! あなたは自分 専用の Linux システムを手に入れたのです。 LILO を使って起動する場合は、起動のときにシフトキーかコントロールキー を押してみてください。すると起動プロンプトが表示されるはずなので、タブ キーを押してオプション一覧を表示させてください。この方法を使う と、Linux, MS-DOS あるいはそれ以外の好きな OS を LILO から直接起動でき ます。 10. 最初の起動の後にすること あなたは今、ハードディスクから起動したばかりの新しい Linux マシンのロ グインプロンプトを見ているはずです。おめでとうございます! 10.1. システム管理を始める インストール段階で行った作業にもよりますが、この段階では新しいアカウン トの作成やホスト名の変更、X の(再)設定を行う必要があるでしょう。設定す ることは他にもたくさんあります。バックアップ用デバイスの設定やインター ネットプロバイダに接続するための設定などです。 UNIX システム管理に関するよい本があればきっと役に立つと思います (わた しは O'Reilly and Associates が出版している Essential Systems Administration を勧めておきます)。時間が経てばこういったことは理解でき てくるでしょう。他の設定作業を行うときは、いろいろな Linux HOWTO 文書 も読むべきでしょう。たとえば NET-3-HOWTO や Printing-HOWTO などです。 (訳注: NET-3-HOWTO 日本語版 Printing-HOWTO 日 本語版 もご覧く ださい) 10.2. LILO の設定のカスタマイズ LILO はブートローダです。このプログラムは Linux, MS-DOS や他の OS を起 動時に選ぶために使えます。ディストリビューションのインストール時には、 自動的に LILO が設定されていることもよくあります(ただし、OS/2 を使って れいれば別です。この場合は自分で設定しなければなりません)。その場合に は、この節の残りの部分は飛ばしてもかまいません。 LILO を一次ブートローダとしてインストールしていれば、LILO はハードディ スクに入っているすべての OS について、起動処理の最初の段階を処理しま す。インストールされている OS が MS-DOS だけであっても、LILO はうまく 動作します。しかし、独自のブートマネージャを持っている OS/2 を使ってい る場合は別です。この場合は、OS/2 のブートマネージャをプライマリのブー トローダにして、 LILO は(二次ブートローダとして) Linux をブートするだ けに使いましょう。 EIDE システムを使っている場合は重大な落とし穴があります。これは BIOS の制限が原因で、どんな OS のブートセクタであっても、最初の 2 つの物理 ディスクのどちらかに置かなければなりません。そうしていなければ、どこか ら起動をしたとしても LILO は "LI" を表示したところで止まってしまいま す。 LILO を手で設定するなら、/etc/lilo.conf ファイルを編集することになりま す。以下に LILO の設定ファイルの例を示します。この例では Linux の起動 パーティションは /dev/hda2 にあり、MS-DOS は /dev/hdb1(2 番目のハード ディスク)にインストールされています。 # Tell LILO to install itself as the primary boot loader on /dev/hda. boot = /dev/hda # The boot image to install; you probably shouldn't change this install = /boot/boot.b # The stanza for booting Linux. image = /vmlinuz # The kernel is in /vmlinuz label = linux # Give it the name "linux" root = /dev/hda2 # Use /dev/hda2 as the root filesystem vga = ask # Prompt for VGA mode append = "aha152x=0x340,11,7,1" # Add this to the boot options, # for detecting the SCSI controller # The stanza for booting MS-DOS other = /dev/hdb1 # This is the MS-DOS partition label = msdos # Give it the name "msdos" table = /dev/hdb # The partition table for the second drive /etc/lilo.conf ファイルを変更したら、root になって /sbin/lilo を実行し ます。これにより、LILO がハードディスクにインストールされます。注意す べき点は、カーネルを再コンパイルしたら必ず /sbin/lilo を実行し直さなけ ればならないことです。これはカーネルの位置をブートローダに正しく教える ためです(今のところは気にする必要はありませんが、覚えておいてくださ い)。 /etc/lilo.conf で append オプションの使って、起動ディスクでの起動時と 同じように起動パラメータを指定する方法も覚えておきましょう。 これでハードディスクからシステムを再起動できるようになりました。デフォ ルトでは、LILO は設定ファイル内で最初に書かれている OS を起動します。 この例では Linux です。他の OS を選択するための起動メニューを出すに は、システムの起動時にシフトキーまたはコントロールキーを押してくださ い。すると Boot: といったプロンプトが出るはずです。ここで起動する OS の名前を入力しま す(この名前は設定ファイルの label 行で指定します。この例では、linux ま たは msdos です)。この時にタブキーを押せば起動できる OS の一覧が表示さ れます。 さて、次は LILO を二次ブートローダとして使うときの説明をしましょう。こ れはたとえば OS/2 のブートマネージャから Linux を起動する場合で す。OS/2 のブートマネージャから Linux パーティションの起動を行うために は、残念ながら (Linux ではなく) OS/2 の FDISK を使ってパーティションを 作成し、 OS/2 がこのパーティションを認識できるように FAT か HPFS で フォーマットしなければなりません(これが IBM の仕打ちです)。 OS/2 のブートマネージャから LILO に Linux を起動させるためにすること は、 LILO を Linux のルートファイルシステムに(前の例では /dev/hda2) イ ンストールすることだけです。この場合、LILO の設定ファイルは以下のよう になるはずです: boot = /dev/hda2 install = /boot/boot.b compact image = /vmlinuz label = linux root = /dev/hda2 vga = ask boot 行が変わっていることに注意してください。 /sbin/lilo を実行する と、Linux パーティションをブートマネージャに追加できるようになっている はずです。この仕組みは他の OS が使っているブートローダでも使えるはずで す。 11. 文書管理のための情報 11.1. 利用条件 この文書は Eric S. Raymond の著作物です(copyright 1998 by Eric S. Raymond)。この文書は以下の条件に従って自由に使用、配布、複製できます: o 著作権表示の変更や削除をしてはいけません(翻訳はかまいません)。 o バージョン番号と日付の変更や削除をしてはいけません。 o この文書の最新の WWW 版へのポインタの変更や削除をしてはいけません。 o 要約、変更した版にもこの条件を明記してください。 この制限は、この文書を読む可能性がある人を古くなった版や間違いのある版 から守るためのものです。正当な理由で例外にしてほしいときは、筆者に相談 してください。 11.2. 謝辞 この HOWTO を最初に執筆した Matt D. Welsh に深く感謝します。筆者は Slackware 固有の内容を削除し、残りの部分を CD-ROM を使ったインストール にまとめ直しましたが、内容の重要な部分は依然として彼の成果です。 バージョン 4.1 は David Shao からの提案により、大幅に 改善されました。 11.3. 和訳について 11.3.1. v4.21 11.3.1.1. 和訳 o 中谷千絵 o 佐藤亮一 o Hiroshi Kawashima o 藤原輝嘉 11.3.1.2. 校正 o 武井 伸光 o 早川仁 11.3.1.3. まとめ o 森本 淳 11.3.2. v4.15 o FUKUSHIMA Osamu, 11.3.3. v4.9 以前 和訳履歴: 和訳初版 v1.8(06/02/94) - v2.3(04/23/84) の和訳 和訳第2版 v2.4(07/08/94) - v3.0(06/30/94) に追従 和訳第3版 v3.4(09/12/94) - v3.1(08/08/94) に追従 和訳第4版 v4.1(12/27/94) - v3.2(10/27/94) に追従 和訳第5版 v5.1(01/13/95) - v3.3(12/11/94) に追従 以上、鈴木@HP訳による ______________________________ 和訳第4.5版 v4.5-J1(06/17/97) - v4.5(05/15/97) の和訳 (ドラフト) この版より田所が担当しております 和訳第4.6版 v4.6-J1(09/02/97) - v4.6(08/07/97) の和訳 (ドラフト) 和訳第4.8版 v4.8-J1(09/30/97) - v4.8(09/22/97) の和訳(ドラフト) 和訳第4.9版 v4.9-J1(02/21/98) - v4.9(11/19/97) の和訳(ドラフト) 和訳第4.9版 v4.9-J2(03/05/98) - v4.9(11/19/97) の和訳(ドラフト) 和訳第4.9版 v4.9-J3(03/05/98) - v4.9(11/19/97) の和訳(公開版) 和訳第4.9版+ v4.9-J3+(2000/1/11) - v4.9-J3 行折り返し修正 この版より、鈴木@HP (yas@kobe.hp.com) が多忙につき、田所 裕之に 交代しました。尚、原文である The Linux Installation HOWTO の著者も Mr. Matt D. Welsh より Mr. Eric S. Raymond に交代しております。 本文 “8.1 制限事項"にあるように"バージョン番号および日付を変更 してはならない"とありますので、旧版の"和訳第5版 v5.1(01/13/95) - v3.3(12/11/94) に追従“から"和訳第4.6版 v4.6-J1(09/02/97) - v4.6(08/07/97) の和訳“日本語版のバージョン番号を "4.6-J1" に変更させ ていただきます。原文も v4.6 は幾つかあり、日付で区別されています。それ 故、日本語版も原文の日付およびマイナーバージョン番号(J以下の番号)で 区別しております。くれぐれも旧版と混同なきよう、ご注意願います。