Linux From Scratch Version 6.6 製作: Gerard Beekmans 編集: Matthew Burgess 、Bruce Dubbs 日本語訳: 松山道夫 (20100302 版) 製作著作 (C) 1999-2010 Gerard Beekmans Copyright (C) 1999-2010, Gerard Beekmans All rights reserved. 本書は クリエイティブコモンズライセンス に従います。 本書のインストール手順のコマンドを抜き出したものは MIT ライセンス に従 ってください。 Linux (R) は Linus Torvalds の登録商標です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目次 ・ 序文 □ はしがき □ 対象読者 □ LFS が対象とする CPU アーキテクチャ □ LFS と各種標準 □ 各パッケージを用いる理由 □ 必要な知識 □ ホストシステム要件 □ 本書の表記 □ 本書の構成 □ 正誤情報 □ 日本語訳について ・ I. はじめに □ 1. はじめに ☆ LFS をどうやって作るか ☆ 前版からの変更点 ☆ 変更履歴 ☆ 変更履歴 (日本語版) ☆ 情報源 ☆ ヘルプ ・ II. ビルド作業のための準備 □ 2. 新しいパーティションの準備 ☆ はじめに ☆ 新しいパーティションの生成 ☆ ファイルシステムの生成 ☆ 新しいパーティションのマウント □ 3. パッケージとパッチ ☆ はじめに ☆ 全パッケージ ☆ 必要なパッチ □ 4. 準備作業の仕上げ ☆ $LFSについて ☆ $LFS/tools ディレクトリの生成 ☆ LFS ユーザーの追加 ☆ 環境設定 ☆ SBU 値について ☆ テストスイートについて □ 5. 一時的環境の構築 ☆ はじめに ☆ ツールチェーンの技術的情報 ☆ 全般的なコンパイル手順 ☆ Binutils-2.20 - 1回め ☆ GCC-4.4.3 - 1回め ☆ Linux-2.6.32.8 API ヘッダ ☆ Glibc-2.11.1 ☆ ツールチェーンの調整 ☆ Binutils-2.20 - 2回め ☆ GCC-4.4.3 - 2回め ☆ Tcl-8.5.8 ☆ Expect-5.43.0 ☆ DejaGNU-1.4.4 ☆ Ncurses-5.7 ☆ Bash-4.1 ☆ Bzip2-1.0.5 ☆ Coreutils-8.4 ☆ Diffutils-2.8.1 ☆ Findutils-4.4.2 ☆ Gawk-3.1.7 ☆ Gettext-0.17 ☆ Grep-2.5.4 ☆ Gzip-1.4 ☆ M4-1.4.13 ☆ Make-3.81 ☆ Patch-2.6.1 ☆ Perl-5.10.1 ☆ Sed-4.2.1 ☆ Tar-1.22 ☆ Texinfo-4.13a ☆ ストリップ ☆ 所有者の変更 ・ III. LFSシステムの構築 □ 6. 基本的なソフトウェアのインストール ☆ はじめに ☆ 仮想カーネルファイルシステムの準備 ☆ パッケージ管理 ☆ Chroot 環境への移行 ☆ ディレクトリの生成 ☆ 基本的なファイルとリンクの生成 ☆ Linux-2.6.32.8 API ヘッダ ☆ Man-pages-3.23 ☆ Glibc-2.11.1 ☆ ツールチェーンの再調整 ☆ Zlib-1.2.3 ☆ Binutils-2.20 ☆ GMP-5.0.0 ☆ MPFR-2.4.2 ☆ File-5.04 ☆ GCC-4.4.3 ☆ Sed-4.2.1 ☆ Pkg-config-0.23 ☆ Ncurses-5.7 ☆ Util-linux-ng-2.17 ☆ E2fsprogs-1.41.10 ☆ Coreutils-8.4 ☆ Iana-Etc-2.30 ☆ M4-1.4.13 ☆ Bison-2.4.1 ☆ Procps-3.2.8 ☆ Grep-2.5.4 ☆ Readline-6.1 ☆ Bash-4.1 ☆ Libtool-2.2.6b ☆ GDBM-1.8.3 ☆ Inetutils-1.7 ☆ Perl-5.10.1 ☆ Autoconf-2.65 ☆ Automake-1.11.1 ☆ Bzip2-1.0.5 ☆ Diffutils-2.8.1 ☆ Gawk-3.1.7 ☆ Findutils-4.4.2 ☆ Flex-2.5.35 ☆ Gettext-0.17 ☆ Groff-1.20.1 ☆ GRUB-1.97.2 ☆ Gzip-1.4 ☆ IPRoute2-2.6.31 ☆ Kbd-1.15.1 ☆ Less-436 ☆ Make-3.81 ☆ Man-DB-2.5.6 ☆ Module-Init-Tools-3.11.1 ☆ Patch-2.6.1 ☆ Psmisc-22.10 ☆ Shadow-4.1.4.2 ☆ Sysklogd-1.5 ☆ Sysvinit-2.86 ☆ Tar-1.22 ☆ Texinfo-4.13a ☆ Udev-151 ☆ Vim-7.2 ☆ デバッグシンボルについて ☆ 再度のストリップ ☆ 仕切り直し □ 7. ブートスクリプトの設定 ☆ はじめに ☆ LFS-ブートスクリプト-20100124 ☆ ブートスクリプトはどのようにして動くのか ☆ Setclock スクリプトの設定 ☆ Linux コンソールの設定 ☆ Sysklogd スクリプトの設定 ☆ /etc/inputrc ファイルの生成 ☆ Bash シェルの初期起動ファイル ☆ LFS システムにおけるデバイスとモジュールの扱い ☆ デバイスへのシンボリックリンクの生成 ☆ localnet スクリプトの設定 ☆ /etc/hosts ファイルの設定 ☆ ネットワークスクリプトの設定 □ 8. LFS システムのブート設定 ☆ はじめに ☆ /etc/fstab ファイルの生成 ☆ Linux-2.6.32.8 ☆ GRUB を用いたブートプロセスの設定 □ 9. 作業終了 ☆ 作業終了 ☆ ユーザー登録 ☆ システムの再起動 ☆ 今度は何? ・ IV. 付録 □ A. 略語と用語 □ B. 謝辞 □ C. パッケージの依存関係 □ D. ブートスクリプトと sysconfig スクリプト version-20100124 ☆ /etc/rc.d/init.d/rc ☆ /etc/rc.d/init.d/functions ☆ /etc/rc.d/init.d/mountkernfs ☆ /etc/rc.d/init.d/consolelog ☆ /etc/rc.d/init.d/modules ☆ /etc/rc.d/init.d/udev ☆ /etc/rc.d/init.d/swap ☆ /etc/rc.d/init.d/setclock ☆ /etc/rc.d/init.d/checkfs ☆ /etc/rc.d/init.d/mountfs ☆ /etc/rc.d/init.d/udev_retry ☆ /etc/rc.d/init.d/cleanfs ☆ /etc/rc.d/init.d/console ☆ /etc/rc.d/init.d/localnet ☆ /etc/rc.d/init.d/sysctl ☆ /etc/rc.d/init.d/sysklogd ☆ /etc/rc.d/init.d/network ☆ /etc/rc.d/init.d/sendsignals ☆ /etc/rc.d/init.d/reboot ☆ /etc/rc.d/init.d/halt ☆ /etc/rc.d/init.d/template ☆ /etc/sysconfig/rc ☆ /etc/sysconfig/modules ☆ /etc/sysconfig/createfiles ☆ /etc/sysconfig/network-devices/ifup ☆ /etc/sysconfig/network-devices/ifdown ☆ /etc/sysconfig/network-devices/services/ipv4-static ☆ /etc/sysconfig/network-devices/services/ipv4-static-route □ E. Udev 設定ルール ☆ 55-lfs.rules □ F. LFS ライセンス ☆ クリエイティブコモンズライセンス ☆ MIT ライセンス (The MIT License) ・ 項目別もくじ 序文 はしがき 私が Linux の学習と理解を深め始めたのは 1998年頃からです。 Linux ディス トリビューションのインストールを行ったのはその時が初めてです。 そして即 座に Linux 全般の考え方や原理について興味を抱くようになったのです。 何かの作業を完成させるには多くの方法があるものです。 同じことは Linux ディストリビューションについても言えます。 この数年の間に数多くのディス トリビューションが登場しました。 あるものは今も存在し、あるものは他のも のへと形を変え、そしてあるものは記憶の彼方へ追いやられたりもしました。 それぞれが利用者の求めに応じて、様々に異なる形でシステムを実現してきた わけです。 最終ゴールが同じものなのに、それを実現する方法がたくさんある ため、私は一つのディストリビューションにとらわれることが不要だと思い始 めました。 Linux が登場する以前であれば、オペレーティングシステムに何か 問題があったとしても、他に選択肢はなくそのオペレーティングシステムで満 足する以外にありませんでした。 それはそういうものであって、好むと好まざ るは関係がなかったのです。 それが Linux になって "選ぶ" という考え方が 出てきたわけです。 何かが気に入らなかったら、いくらでも変えたら良いし、 そうすることがむしろ当たり前なのです。 数多くのディストリビューションを試してみましたが、これという1つに決定で きるものがありませんでした。 個々のディストリビューションは優れたもので 、それぞれを見てみれば正しいものです。 ただこれは正しいとか間違っている とかの問題ではなく、個人的な趣味の問題へと変化しているのです。 こうした さまざまな状況を通じて明らかになってきたのは、私にとって完璧なシステム は1つもないということです。 そこで私は自分自身の Linux を作り出して、自 分の好みを満足させるものを目指したのです。 本当に自分自身のシステムを作り出すため、私はすべてをソースコードからコ ンパイルすることを目指し、コンパイル済のバイナリパッケージは使わないこ とにしました。 この 「完璧な」 Linux システムは、他のシステムが持つ弱点 を克服し、逆にすべての強力さを合わせ持つものです。 当初は気の遠くなる思 いがしていましたが、そのアイデアは今も持ち続けています。 パッケージが相互に依存している状況やコンパイル時にエラーが発生するなど を順に整理していく中で、私はカスタムメイドの Linux を作り出したのです。 この Linux は今日ある他の Linux と比べても、十分な機能を有し十分に扱い やすいものとなっています。 これは私自身が作り出したものです。 いろいろ なものを自分で組み立てていくのは楽しいものです。 後は個々のソフトウェア までも自分で作り出せれば、もっと楽しいものになるのでしょうが、それは次 の目標とします。 私の求める目標や作業経験を他の Linux コミュニティの方々とも共有する中で 、私の Linux への挑戦は絶えることなく続いていくことを実感しています。 このようなカスタムメイドの Linux システムを作り出せば、独自の仕様や要求 を満たすことができるのはもちろんですが、さらにはプログラマーやシステム 管理者の Linux 知識を引き伸ばす絶好の機会となります。 壮大なこの意欲こ そが Linux From Scratch プロジェクト 誕生の理由なのです。 Linux From Scratch ブックは関連プロジェクトの中心に位置するものです。 皆さんご自身のシステムを構築するために必要となる基礎的な手順を提供しま す。 本書が示すのは正常動作するシステム作りのための雛形となる手順ですの で、皆さんが望んでいる形を作り出すために手順を変えていくことは自由です 。 それこそ、本プロジェクトの重要な特徴でもあります。 そうしたとしても 手順を踏み外すものではありません。我々は皆さんが挑戦する旅を応援します 。 あなたの LFS システム作りが素晴らしいひとときとなりますように。 そして あなた自身のシステムを持つ楽しみとなりますように。 -- Gerard Beekmans gerard AT linuxfromscratch D0T org 対象読者 本書を読む理由は様々にあると思いますが、よく挙がってくる質問として以下 があります。 「既にある Linux をダウンロードしてインストールすれば良い のに、 どうして苦労してまで手作業で Linux を構築しようとするのか。」 本プロジェクトを提供する最大の理由は Linux システムがどのようにして動作 しているのか、これを学ぶための手助けをすることです。 LFS システムを構築 してみれば、様々なものが関連しあって依存しながら動作している様子を知る ことができます。 そうした経験をすれば Linux システムを自分が望む形に作 りかえる手法も身につけることができます。 LFS の重要な利点として、他の Linux システムに依存することなく、システム をより適切に制御できる点が挙げられます。 LFS システムではあなたが運転台 に立って、システムのあらゆる側面への指示を下していきます。 さらに非常にコンパクトな Linux システムを作る方法も身につけられます。 通常の Linux ディストリビューションを用いる場合、多くのプログラムをイン ストールすることになりますが、たいていのプログラムは使わないものですし 、その内容もよく分からないものです。 それらのプログラムはハードウェアリ ソースを無駄に占有することになります。 今日のハードドライブや CPU のこ とを考えたら、リソース消費は大したことはないと思うかもしれません。 しか し問題がなくなったとしても、サイズの制限だけは気にかける必要があること でしょう。 例えばブータブル CD、USB スティック、組み込みシステムなどの ことを思い浮かべてください。 そういったものに対して LFS は有用なものと なるでしょう。 カスタマイズした Linux システムを構築するもう一つの利点として、セキュリ ティがあります。 ソースコードからコンパイルしてシステムを構築するという ことは、あらゆることを制御する権限を有することになり、セキュリティパッ チは望みどおりに適用できます。 他の人がセキュリティホールを修正しバイナ リパッケージを提供するのを待つ必要がなくなるということです。 他の人がパ ッチとバイナリパッケージを提供してくれたとしても、それが本当に正しく構 築され、問題を解決してくれているかどうかは、調べてみなければ分からない わけですから。 Linux From Scratch の最終目標は、実用的で完全で、基盤となるシステムを構 築することです。 Linux システムを一から作り出すつもりのない方は、本書か ら得られるものはないかもしれません。 LFS を構築する理由は様々ですから、すべてを列記することはできません。 学 習こそ、理由を突き詰める最大最良の手段です。 LFS 構築作業の経験を積むこ とによって、情報や知識を通じてもたらされる意義が十二分に理解できるはず です。 LFS が対象とする CPU アーキテクチャ LFS が対象としている CPU アーキテクチャは 32ビットインテル CPU が主とな ります。 LFS システムの構築に初めて取りかかる方は、おそらくこのアーキテ クチャを用いることでしょう。 32ビットアーキテクチャは Linux システムが 最も広くサポートしているもので、このアーキテクチャなら、オープンソース も製品ソフトウェアも互換性があります。 本書の作業手順は、多少の変更を加えれば Power PC や 64ビット AMD/インテ ル CPU でも動作することは検証されています。 その CPU を使ったシステムを ビルドするには、これ以降の数ページで説明している条件以外に必要となるこ とがあります。 LFS システムそのものや Ubuntu、Red Hat/Fedora、SuSE など のディストリビューションをホストとするわけですが、それは 64ビットシステ ムである必要があるということです。 ホストが 64ビット AMD/インテルによる システムであったとしても 32ビットシステムは問題なくインストールできます 。 64ビットシステムにて明らかなことをここに記しておきます。 32ビットシステ ムに比べると、実行プログラムのサイズは多少大きくなり、実行速度は若干速 くなります。 例えば Core2Duo CPU をベースとするシステム上に、LFS 6.5 を ビルドしてみたところ、以下のような情報が得られました。 アーキテクチャ ビルド時間 ビルドサイズ 32ビット 198.5 分 648 MB 64ビット 190.6 分 709 MB ご存知かと思いますが 64ビットによってビルドを行っても、 32ビットのとき のビルドに比べて 4% 早くなるだけで 9% は大きなものになります。 つまり 64ビットシステムによって得られることは比較的小さいということです。 もち ろん 4GB 以上のRAM を利用していたり、4GB を超えるデータを取り扱いたいな らば、 64ビットシステムを用いるメリットは大きいのは間違いありません。 LFS の手順に従って作り出す 64ビットシステムは、"純粋な" 64ビットシステ ムと言えます。 つまりそのシステムは 64ビット実行モジュールのみをサポー トするということです。 "複数のライブラリ" によるシステムをビルドするの なら、多くのアプリケーションを二度ビルドしなければなりません。 一度は 32ビット用であり、一度は 64ビット用です。 現時点にて本書はこの点をサポ ートしませんが、後々のリリースに向けて検討中です。 さしあたりそのような 応用的なトピックに関しては Cross Linux From Scratch プロジェクトを参照 してください。 最後に 64ビットシステムについてもう一つ述べておきます。 パッケージの中 には現時点にて "純粋な" 64ビットシステム上でビルドできないものがあり、 あるいは特別なビルド手順を必要とするものがあります。 一般的に言えば、そ のようなパッケージには 32ビット固有のアセンブリ言語の命令が含まれるから であり、 だから 64ビットシステムでのビルドに失敗するということです。 例 としては Beyond Linux From Scratch (BLFS) にある Xorg ドライバの一部分 などです。 このような問題はたいていは解消していくことができますが、中に は特別なビルド手順やパッチを要するものとなるかもしれません。 LFS と各種標準 LFS の構成は出来る限り Linux の各種標準に従うようにしています。 主な標 準は以下のものです。 ・ The Single UNIX Specification Version 3 (POSIX). (登録操作が必要で す。無料。) ・ Filesystem Hierarcy Standard (FHS) ・ Linux Standard Base (LSB) Core Specification 4.0 LSB はさらに以下の5つの標準から構成されます。 コア (Core)、C++、デ スクトップ (Desktop)、ランタイム言語 (Runtime Languages)、印刷 (Printing) です。 また一般的な要求事項に加えて、アーキテクチャに固 有の要求事項もあります。 LFS では前節にて示したように、各アーキテク チャに適合することを目指します。 注記 LSB の要求に対しては異論のある方も多いでしょう。 LSB を定義するのは 、私有ソフトウェア (proprietary software) をインストールした場合に 、要求事項を満たしたシステム上にて問題なく動作することを目指すため です。 LFS はソースコードから構築するシステムですから、どのパッケー ジを利用するかをユーザー自身が完全に制御できます。 また LSB にて要 求されているパッケージであっても、インストールしない選択をとること もできます。 LFS の構築にあたっては LSB に適合していることを確認するテスト (certifications tests) をクリアするように構築することも可能です。 ただ し LFS の範囲外にあるパッケージ類を追加しなければ実現できません。 その ような追加パッケージ類については BLFS にて導入手順を説明しています。 LFS 提供のパッケージで LSB 要求に従うもの Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, File, Findutils, Gawk, LSB コア: Grep, Gzip, M4, Man-DB, Ncurses, Procps, Psmisc, Sed, Shadow, Tar, Util-linux-ng, Zlib LSB C++: Gcc LSB デス なし クトップ: LSB ラン タイム言 Perl 語: LSB 印刷: なし LSB マル チメディ なし ア: BLFS 提供のパッケージで LSB 要求に従うもの LSB コア: Bc, Cpio, Ed, Fcrontab, PAM, Sendmail (あるいは Postfix また は Exim) LSB C++: なし LSB デス ATK, Cairo, Desktop-file-utils, Freetype, Fontconfig, Glib2, クトップ: GTK+2, Icon-naming-utils, Libjpeg, Libpng, Libxml2, MesaLib, Pango, Qt3, Qt4, Xorg LSB ラン タイム言 Python 語: LSB 印刷: CUPS LSB マル チメディ Alsa 関連ライブラリ, NSPR, NSS, OpenSSL, Java ア: LFS, BLFS で提供しないパッケージで LSB 要求に従うもの LSB コア: At, Batch, Install_initd, Lsb_release, Remove_initd, Test LSB C++: なし LSB デスクトップ: なし LSB ランタイム言 なし 語: LSB 印刷: なし LSB マルチメディ Xdg-utils ア: 各パッケージを用いる理由 既に説明しているように LFS が目指すのは、完成した形での実用可能な基盤シ ステムを構築することです。 LFS に含まれるパッケージ群は、パッケージの個 々を構築していくために必要となるものばかりです。 そこからは最小限の基盤 となるシステムを作り出します。 そしてユーザーの望みに応じて、より完璧な システムへと拡張していくものとなります。 LFS は極小システムを意味するわ けではありません。 厳密には必要のないパッケージであっても、重要なものと して含んでいるものもあります。 以下に示す一覧は、本書内の各パッケージの 採用根拠について説明するものです。 ・ Autoconf このパッケージは、以下に示すようなシェルスクリプトを生成するプログ ラムを提供します。 つまり開発者が意図しているテンプレートに基づいて 、ソースコードを自動的に設定する (configure する) ためのシェルスク リプトです。 特定のパッケージのビルド方法に変更があった場合は、パッ ケージ再構築を行うことになるため、その場合に本パッケージが必要とな ります。 ・ Automake このパッケージは、テンプレートとなるファイルから Makefile を生成す るためのプログラムを提供します。 特定のパッケージのビルド方法に変更 があった場合は、パッケージ再構築を行うことになるため、その場合に本 パッケージが必要となります。 ・ Bash このパッケージは、システムとのインターフェースを実現する Bourne シ ェルを提供し、LSB コア要件を満たします。 他のシェルを選ばずにこれを 選ぶのは、一般的に多用されていることと、基本的なシェル関数において の拡張性が高いからです。 ・ Binutils このパッケージは、リンカ、アセンブラのような、オブジェクトファイル を取り扱うプログラムを提供します。 ・ Bison このパッケージは yacc (Yet Another Compiler Compiler) の GNU バージ ョンを提供します。 LFS において利用するプログラムの中に、これを必要 とするものがあります。 ・ Bzip2 このパッケージは、ファイルの圧縮、伸張 (解凍) を行うプログラムを提 供します。 これは LFS パッケージの多くを伸張 (解凍) するために必要 です。 ・ Coreutils このパッケージは、ファイルやディレクトリを参照あるいは操作するため の数多くの基本的なプログラムを提供します。 ・ DejaGNU このパッケージは、他のプログラムをテストするフレームワークを提供し ます。 これは一時的なツールチェーンプログラムをインストールする際に だけ必要となります。 ・ Diffutils このパッケージは、ファイルやディレクトリ間の差異を表示するプログラ ムを提供します。 ・ Expect このパッケージは、スクリプトで作られた対話型プログラムを通じて、他 のプログラムとのやりとりを行うプログラムを提供します。 通常は他のパ ッケージをテストするために利用します。 本書では一時的なツールチェー ンの構築時にしかインストールしません。 ・ E2fsprogs このパッケージは ext2, ext3, ext4 の各ファイルシステムを取り扱うユ ーティリティを提供します。 各ファイルシステムは Linux がサポートす る一般的なものであり、十分なテストが実施されているものです。 ・ File このパッケージは、指定されたファイルの種類を判別するユーティリティ プログラムを提供します。 ・ Findutils このパッケージは、ファイルシステム上のファイルを検索するプログラム を提供します。 ・ Flex このパッケージは、テキスト内の特定パターンの認識プログラムを生成す るユーティリティを提供します。 これは lex (字句解析; lexical analyzer) プログラムの GNU 版です。 LFS 内の他のパッケージの中にこ れを必要としているものがあります。 ・ Gawk このパッケージはテキストファイルを操作するプログラムを提供します。 プログラムは GNU 版の awk (Aho-Weinberg-Kernighan) です。 ・ Gcc これは GNU コンパイラコレクションパッケージです。 C コンパイラと C++ コンパイラを含みます。また LFS ではビルドしないコンパイラも含ま れています。 ・ GDBM このパッケージは GNU データベースマネージャライブラリを提供します。 LFS が扱う Man-DB パッケージがこれを利用しています。 ・ Gettext このパッケージは、各種パッケージが国際化を行うために利用するユーテ ィリティやライブラリを提供します。 ・ Glibc このパッケージは C ライブラリです。Linux 上のプログラムはこれがなけ れば動作させることができません。 ・ GMP このパッケージは数値演算ライブラリを提供するもので、任意精度演算 (arbitrary precision arithmetic) 関数を含みます。 これは GCC をビル ドするために必要です。 ・ Grep このパッケージはファイル内を検索するプログラムを提供します。 ・ Groff このパッケージは、テキストを処理し整形するプログラムをいくつか提供 します。 重要なものプログラムとして man ページを生成するものを含み ます。 ・ GRUB これは Grand Unified Boot Loader です。 ブートローダーとして利用可 能なものの中でも、これが最も柔軟性に富むものです。 ・ Gzip このパッケージは、ファイルの圧縮と伸張 (解凍) を行うプログラムを提 供します。 ・ Iana-etc このパッケージは、ネットワークサービスやプロトコルに関するデータを 提供します。 ネットワーク機能を適切に有効なものとするために、これが 必要です。 ・ Inetutils このパッケージは、ネットワーク管理を行う基本的なプログラム類を提供 します。 ・ IProute2 このパッケージは、IPv4、IPv6 による基本的な、あるいは拡張したネット ワーク制御を行うプログラムを提供します。 IPv6 への対応があることか ら、よく使われてきたネットワークツールパッケージ (net-tools) に変わ って採用されました。 ・ Kbd このパッケージは、米国以外のキーボードに対してのキーテーブルファイ ルやキーボードユーティリティを提供します。 ・ Less このパッケージはテキストファイルを表示する機能を提供するものであり 、表示中にスクロールを可能とします。 ・ Libtool このパッケージは GNU の汎用的なライブラリに対してのサポートスクリプ トを提供します。 これは、複雑な共有ライブラリの取り扱いを単純なもの とし、移植性に優れた一貫した方法を提供します。 LFS パッケージのテス トスイートにおいて必要となります。 ・ Linux Kernel このパッケージは "オペレーティングシステム" であり GNU/Linux 環境に おける Linux です。 ・ M4 このパッケージは汎用的なテキストマクロプロセッサであり、他のプログ ラムを構築するツールとして利用することができます。 ・ Make このパッケージは、パッケージ構築を指示するプログラムを提供します。 LFS におけるパッケージでは、ほぼすべてにおいて必要となります。 ・ Man-DB このパッケージは man ページを検索し表示するプログラムを提供します。 man パッケージではなく本パッケージを採用しているのは、その方が国際 化機能が優れているためです。 このパッケージは man プログラムを提供 しています。 ・ Man-pages このパッケージは Linux の基本的な man ページを提供します。 ・ Module-Init-Tools このパッケージは Linux カーネルモジュールを管理するのに必要なプログ ラムを提供します。 ・ MPFR このパッケージは倍精度演算 (multiple precision) の関数を提供します 。 GCC パッケージがこれを必要としています。 ・ Ncurses このパッケージは、端末に依存せず文字キャラクタを取り扱うライブラリ を提供します。 メニュー表示時のカーソル制御を実現する際に利用されま す。 ・ Patch このパッケージは、パッチ ファイルの適用により、特定のファイルを修正 したり新規生成したりするためのプログラムを提供します。 パッチファイ ルは diff プログラムにより生成されます。 LFS パッケージの中には、構 築時にこれを必要とするものがあります。 ・ Perl このパッケージは、ランタイムに利用されるインタープリタ言語 PERL を 提供します。 ・ Pkg-config このパッケージは、configure や make を行う際に、ビルドツールに対し てインクルードパスやライブラリパスを受け渡すツールプログラムを提供 します。 LFS パッケージでは、ほとんどがこれを必要としています。 ・ Procps このパッケージは、プロセスの監視を行うプログラムを提供します。 ・ Psmisc このパッケージは、実行中のプロセスに関する情報を表示するプログラム を提供します。 ・ Readline このパッケージは、コマンドライン上での入力編集や履歴管理を行うライ ブラリを提供します。 これは Bash が利用しています。 ・ Sed このパッケージは、テキストの編集を、テキストエディタを用いることな く可能とします。 LFS パッケージにおける configure スクリプトは、た いていこれを必要としています。 ・ Shadow このパッケージは、セキュアな手法によりパスワード制御を行うプログラ ムを提供します。 ・ Sysklogd このパッケージは、システムメッセージログを扱うプログラムを提供しま す。 例えばカーネルが出力するログや、デーモンプロセスが異常発生時に 出力するログなどです。 ・ Sysvinit このパッケージは init プログラムを提供します。 これは Linux システ ム上のすべてのプロセスの基点となるものです。 ・ Tar このパッケージは、アーカイブや圧縮機能を提供するもので LFS が扱うす べてのパッケージにて利用されています。 ・ Tcl このパッケージはツールコマンド言語 (Tool Command Language) を提供し ます。 LFS が扱うパッケージにてテストスイートの実行に必要となります 。 これは一時的なツールチェーンの構築時にのみインストールします。 ・ Texinfo このパッケージは Info ページに関しての入出力や変換を行うプログラム を提供します。 LFS が扱うパッケージのインストール時には、たいてい利 用されます。 ・ Udev このパッケージはデバイスノードの動的生成を行うプログラムを提供しま す。 /dev ディレクトリに、デバイスを静的にいくつも作り出す方法を取 らないためのものです。 ・ Util-linux-ng このパッケージは数多くのユーティリティプログラムを提供します。 その 中には、ファイルシステムやコンソール、パーティション、メッセージな どを取り扱うユーティリティがあります。 ・ Vim このパッケージはテキストエディタを提供します。 これを採用しているの は、従来の vi エディタとの互換性があり、しかも数々の有用な機能を提 供するものだからです。 テキストエディタは個人により好みはさまざまで すから、もし別のエディタを利用したいなら、そちらを用いても構いませ ん。 ・ Zlib このパッケージは、圧縮や解凍の機能を提供するもので、他のプログラム がこれを利用しています。 必要な知識 LFS システムの構築作業は決して単純なものではありません。 ある程度の Unix システム管理の知識が必要です。 問題を解決したり、説明されているコ マンドを正しく実行することが求められます。 ファイルやディレクトリのコピ ー、それらの表示確認、カレントディレクトリの変更、といったことは最低で も知っていなければなりません。 さらに Linux の各種ソフトウェアを使った りインストールしたりする知識も必要です。 LFS ブックでは、最低でも そのようなスキルがあることを前提としていますの で、数多くの LFS サポートフォーラムは、ひょっとすると役に立たないかもし れません。 フォーラムにおいて基本的な知識を尋ねたとしたら、誰も回答して くれないでしょう。 そうするよりも LFS に取り掛かる前に以下のような情報 をよく読んでください。 LFS システムの構築作業に入る前に、以下の「ハウツー」を読むことをお勧め します。 ・ ソフトウェア構築のハウツー (Software-Building-HOWTO) http:// www.tldp.org/HOWTO/Software-Building-HOWTO.html これは Linux 上において 「一般的な」 Unix ソフトウェアを構築してイ ンストールする方法を総合的に説明しています。 だいぶ前に書かれたもの ですが、ソフトウェアのビルドとインストールを行うために必要となる基 本的な方法が程よくまとめられています。 ・ Linux ユーザーガイド (The Linux Users's Guide) http:// www.linuxhq.com/guides/LUG/guide.html このガイドには Linux ソフトウェアの利用方法が分類され説明されていま す。 若干古いものですが内容に間違いはありません。 ・ 基本的な事前ヒント情報 (The Essential Pre-Reading Hint) http:// www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/ essential_prereading.txt これは Linux 初心者に向けて書かれた LFS ヒントです。 ここには非常に 多くの有用なトピックへのリンクがあります。 LFS を構築しようとするな ら、これらのヒントに示されている内容は、出来るだけ多く理解しておく ことが必要でしょう。 ホストシステム要件 ホストシステムには以下に示すソフトウェアが必要であり、それぞれに示され ているバージョン以降である必要があります。 最近の Linux ディストリビュ ーションを利用するなら、あまり問題にはならないはずです。 ディストリビュ ーションによっては、ソフトウェアのヘッダファイル群を別パッケージとして 提供しているものが多々あります。 例えば 「<パッケージ名>-devel」 であっ たり 「<パッケージ名>-dev」 といった具合です。 お使いのディストリビュー ションがそのような提供の仕方をしている場合は、それらもインストールして ください。 ・ Bash-2.05a (/bin/sh が bash に対するシンボリックリンクまたはハード リンクである必要があります。) ・ Binutils-2.12 (2.20 以上のバージョンは、テストしていないためお勧め しません。) ・ Bison-1.875 (/usr/bin/yacc が bison へのリンクか、bison を実行する ためのスクリプトである必要があります。) ・ Bzip2-1.0.2 ・ Coreutils-5.0 (または Sh-Utils-2.0 と Textutils-2.0 と Fileutils-4.1) ・ Diffutils-2.8 ・ Findutils-4.1.20 ・ Gawk-3.0 (/usr/bin/awk が gawk へのリンクである必要があります。) ・ Gcc-3.0.1 (4.4.3 以上のバージョンは、テストしていないためお勧めしま せん。) ・ Glibc-2.2.5 (2.11.1 以上のバージョンは、テストしていないためお勧め しません。) ・ Grep-2.5 ・ Gzip-1.2.4 ・ Linux Kernel-2.6.18 (GCC-3.0 以上でコンパイルされたもの) カーネルのバージョンを指定しているのは、第6章にて glibc をビルドす る際にバージョンを指定するからであり、開発者の勧めに従うためです。 指定されたバージョンにきっちり従う必要はありませんが、少なくともバ ージョン 2.6.0 以上である必要があります。 カーネルのバージョンが 2.6.0 以上でなく、さらにカーネルをビルドした際の GCC のバージョンが 3.0 以上ではない場合、Binutils のスレッドローカル格納領域 (thread-local storage) へのサポートが適切に構築されず、ネイティブ POSIX スレッド・ライブラリ (NPTL) のテストスイートがセグメンテーシ ョンフォールトを起こしてしまいます。 ホストシステムのカーネルバージョンが 2.6.0 以前であったり、カーネル をビルドした際の GCC のバージョンが 3.0 以前であった場合は、ここに 示した条件に合致するカーネルに置き換えることが必要です。 これを実施 するには2つの方法があります。 お使いの Linux システムのベンダーが カーネル 2.6.18 を提供しているかを調べることです。 もしそれがあるな ら、これを利用することができます。 もしそれがない場合、あるいはあっ たとしてもそれをインストールしたくない場合、カーネルをご自身でコン パイルする必要があります。 カーネルのコンパイルと (ホストシステムが GRUB を利用しているとして) ブートローダーの設定方法については 第8章 が参考になります。 ・ M4-1.4 ・ Make-3.79.1 ・ Patch-2.5.4 ・ Perl-5.6.0 ・ Sed-3.0.2 ・ Tar-1.14 ・ Texinfo-4.8 上で示しているシンボリックリンクは、本書の説明を通じて LFS を構築するた めに必要となるものです。 シンボリックリンクが別のソフトウェア (例えば dash や mawk) を指し示している場合でもうまく動作するかもしれません。 し かしそれらに対して LFS 開発チームはテストを行っていませんしサポート対象 としていません。 そのような状況に対しては作業手順の変更が必要となり、特 定のパッケージに対しては追加のパッチを要するかもしれません。 ホストシステムに、上のソフトウェアの適切なバージョンがインストールされ ているかどうか、またコンパイルが適切に行えるかどうかは、以下のスクリプ トを実行して確認することができます。 cat > version-check.sh << "EOF" #!/bin/bash export LC_ALL=C # Simple script to list version numbers of critical development tools bash --version | head -n1 | cut -d" " -f2-4 echo "/bin/sh -> `readlink -f /bin/sh`" echo -n "Binutils: "; ld --version | head -n1 | cut -d" " -f3- bison --version | head -n1 if [ -e /usr/bin/yacc ]; then echo "/usr/bin/yacc -> `readlink -f /usr/bin/yacc`"; else echo "yacc not found"; fi bzip2 --version 2>&1 < /dev/null | head -n1 | cut -d" " -f1,6- echo -n "Coreutils: "; chown --version | head -n1 | cut -d")" -f2 diff --version | head -n1 find --version | head -n1 gawk --version | head -n1 if [ -e /usr/bin/awk ]; then echo "/usr/bin/awk -> `readlink -f /usr/bin/awk`"; else echo "awk not found"; fi gcc --version | head -n1 /lib/libc.so.6 | head -n1 | cut -d"," -f1 grep --version | head -n1 gzip --version | head -n1 cat /proc/version m4 --version | head -n1 make --version | head -n1 patch --version | head -n1 echo Perl `perl -V:version` sed --version | head -n1 tar --version | head -n1 echo "Texinfo: `makeinfo --version | head -n1`" echo 'main(){}' > dummy.c && gcc -o dummy dummy.c if [ -x dummy ]; then echo "Compilation OK"; else echo "Compilation failed"; fi rm -f dummy.c dummy EOF bash version-check.sh 本書の表記 本書では、特定の表記を用いて分かりやすく説明を行っていきます。 ここでは Linux From Scratch ブックを通じて利用する表記例を示します。 ./configure --prefix=/usr この表記は特に説明がない限りは、そのまま入力するテキストを示しています 。 またコマンドの説明を行うために用いる場合もあります。 場合によっては、1行で表現される内容を複数行に分けているものがあります。 その場合は各行の終わりにバックスラッシュ (あるいは円記号) を表記してい ます。 CC="gcc -B/usr/bin/" ../binutils-2.18/configure \ --prefix=/tools --disable-nls --disable-werror バックスラッシュ (または円記号) のすぐ後ろには改行文字がきます。 そこに 余計な空白文字やタブ文字があると、おかしな結果となるかもしれないため注 意してください。 install-info: unknown option '--dir-file=/mnt/lfs/usr/info/dir' 上の表記は固定幅フォントで示されており、たいていはコマンド入力の結果と して出力される端末メッセージを示しています。 あるいは /etc/ld.so.conf といったファイル名を示すのに利用する場合もあります。 Emphasis 上の表記は様々な意図で用いています。 特に重要な説明内容やポイントを表し ます。 http://www.linuxfromscratch.org/ この表記は LFS コミュニティ内や外部サイトへのハイパーリンクを示します。 そこには「ハウツー」やダウンロードサイトなどが含まれます。 cat > $LFS/etc/group << "EOF" root:x:0: bin:x:1: ...... EOF 上の表記は設定ファイル類を生成する際に示します。 1行目のコマンドは $LFS/etc/group というファイルを生成することを指示しています。 そのファ イルへは2行目以降 EOF が記述されるまでのテキストが出力されます。 したが ってこの表記は通常そのままタイプ入力します。 上の表記は入力するテキストを仮に表現したものです。 これをそのまま入力す るものではないため、コピー、ペースト操作で貼り付けないでください。 [OPTIONAL TEXT] 上の表記は入力しなくてもよいオプションを示しています。 passwd(5) 上の表記はマニュアルページ (man ページ) を参照するものです。 カッコ内の 数字は man の内部で定められている特定のセクションを表しています。 例え ば passwd コマンドには2つのマニュアルページがあります。 LFS のインスト ールに従った場合、2つのマニュアルページは /usr/share/man/man1/passwd.1 と /usr/share/man/man5/passwd.5 に配置されます。 passwd(5) という表記は /usr/share/man/man5/passwd.5 を参照することを意味します。 man passwd と いう入力に対しては 「passwd」 という語に合致する最初のマニュアルページ が表示されるものであり /usr/share/man/man1/passwd.1 が表示されることに なります。 特定のマニュアルページを見たい場合は man 5 passwd といった入 力を行う必要があります。 マニュアルページが複数あるケースはまれですので 、普通は man <プログラム名> と入力するだけで十分です。 本書の構成 本書は以下の部から構成されます。 第 I 部 - はじめに 第I部では LFS 構築作業を進めるための重要事項について説明します。 また本 書のさまざまな情報についても説明します。 第 II 部 - ビルド作業のための準備 第II部では、パーティションの生成、パッケージのダウンロード、一時的なツ ールのコンパイルといった、システム構築の準備作業について説明します。 第 III 部 - LFSシステムの構築 第III部では LFS システムの構築作業を順に説明していきます。 そこでは全パ ッケージのコンパイルとインストール、ブートスクリプトの設定、カーネルの インストールを行います。 出来上がる Linux システムをベースとして、他の ソフトウェアを必要に応じて導入し、このシステムを拡張していくことができ ます。 本書の終わりには、インストール対象のプログラム、ライブラリ、ある いは重要なファイル類についてのさくいんも示します。 正誤情報 LFS システムを構築するためのソフトウェアは日々拡張され更新されています 。 LFS ブックがリリースされた後に、セキュリティフィックスやバグフィック スが公開されているかもしれません。 本版にて説明するパッケージや作業手順 に対して、セキュリティフィックスやバグフィックス等が必要かどうか、ビル ド作業を行う前に http://www.linuxfromscratch.org/lfs/errata/6.6/ を確認 してください。 そして LFS ビルド作業を進めながら、対応する節においての 変更を確認し適用してください。 日本語訳について 日本語訳情報 本節はオリジナルの LFS ブックにはないものです。 日本語訳に関する情報を 示すために設けました。 はじめに 本書は LFS ブック 6.6 の日本語版-20100302 です。 オリジナルの LFS ブッ クと同様に DocBook を用いて構築しています。 日本語版の提供について 日本語版 LFS ブックは SourceForge.jp 内に開発の場を設け http:// sourceforge.jp/projects/lfsbookja/ にて 「LFSブック日本語版」 のプロジ ェクト名で提供するものです。 HTML ファイル類や日本語化のために構築しているソース類について、あるいは それらの取り扱い (ライセンス) については上記サイトを参照してください。 日本語版の生成について 日本語版 LFS ブックの生成は、以下のようにして行っています。 ・ そもそも LFS ブックのソースは、LFS のサイト http:// www.linuxfromscratch.org/ において、Static 版として公開されていると 同時に Subversion により、日々開発更新されているソース (XMLソース) が公開されています。 日本語版はその XML ソースに基づいて作成してい ます。 ・ XML ソースは DocBook XML DTD の書式に従ったファイル形式です。 日本 語版では、ソースに記述された原文を日本語訳文に変えて、同様の処理に より生成しています。 ソース内に含まれる INSTALL ファイルには、処理 に必要となるツール類の詳細が示されています。 それらのツール類はすべ て BLFS にてインストールする対象となっていますので、興味のある方は 参照してください。 ・ 日本語訳にあたっては、原文にて 「地の文」 として表現されている文章 を日本語化しています。 逆に各手順におけるコマンド説明 (四角の枠囲い で示されている箇所) は、日本語化の対象とはしていません。 コマンド類 や設定記述が英単語で行われるわけですから、これは当たり前のことです 。 ただ厳密に言えば、その四角の枠囲いの中でシェルのコメント書きが含 まれる場合があり、これは日本語化せずそのまま表記しています。 日本語版における注意点 日本語版 LFS ブックを参照頂く際には、以下の点に注意してください。 ・ 本ページの冒頭にあるように、原文にはない記述は 「日本語訳情報」 と して枠囲い文章で示すことにします。 ・ 訳者は Linux に関する知識を隅から隅まで熟知しているわけではありませ ん。 したがってパッケージのことや Linux の仕組みに関して説明されて いる原文の、真の意味が捉えられず、原文だけを頼りに訳出している箇所 もあります。 もし誤訳、不十分な訳出、意味不明な箇所に気づかれた場合 は、是非ご指摘、ご教示をお願いしたいと思います。 ・ 日本語訳にて表記しているカタカナ用語について触れておきます。 特に語 末に長音符号がつく (あるいはつかない) 用語です。 このことに関しては 訳者なりに捉えているところがあるのですが、詳述は省略します。 例えば 「ユーザー (user)」 という用語は語末に長音符号をつけるべきと考えま す。 一方 「コンピュータ (computer)」 という用語は、情報関連その他 の分野では長音符号をつけない慣用があるものの、昨今これをつけるよう な流れもあり情勢が変わりつつあります。 このように用語表記については 、大いに "ゆれ" があるため、訳者なりに取り決めて表記することにして います。 なじみの表記とは若干異なるものが現れるかもしれませんが、ご 了承いただきたいと思います。 Last updated on 第I部 はじめに 第1章 はじめに 1.1. LFS をどうやって作るか LFS システムは、既にインストールされている Linux ディストリビューション (Debian、Mandriva、Red Hat、SUSE など) を利用して構築していきます。 こ の既存の Linux システム(ホスト)は、LFS 構築のために様々なプログラム類 を利用する基盤となります。 プログラム類とはコンパイラ、リンカ、シェルな どです。 したがってそのディストリビューションのインストール時には 「開 発 (development)」 オプションを選択し、それらのプログラム類が利用できる ようにしておく必要があります。 コンピュータ内にインストールされているディストリビューションを利用する のではなく、 Linux From Scratch LiveCD、あるいは他の提供されている LiveCD を利用することもできます。 LFS LiveCD はホストシステムとして利用 することができます。 この LiveCD には本書に示す手順を実施するために必要 なツール類がすべて含まれます。 ただし LiveCD の開発が順調に進まず、そこ に含まれるソースパッケージやパッチ (「-nosrc」 や 「-min」 という名称が 含まれていない版) や本書自身も古い可能性があります。 LFS LiveCD の詳細 や LiveCD ダウンロード方法については http://www.linuxfromscratch.org/ livecd/ を参照してください。 注記 LFS LiveCD は最近のハードウェア環境において、うまく動作しないかもしれま せん。 ブートに失敗したり SATA ハードドライブのようなデバイス検出に失敗 したりすることがあります。 第2章 では、新しく構築する Linux のためのパーティションとファイルシステ ムの生成方法について説明します。 そのパーティション上にて LFS システム をコンパイルしインストールします。 第3章 では LFS 構築に必要となるパッ ケージとパッチについて説明します。 これらをダウンロードして新たなファイ ルシステム内に保存します。 第4章 では作業環境の準備について述べています 。 この章では重要な説明を行っていますので 第5章 以降に進む前に是非注意 して読んでください。 第5章 では数多くのパッケージをインストールします。 これらは基本的な開発 ツール (ツールチェーン) を構成するものであり 第6章 において最終的なシス テムを構築するために利用します。 パッケージの中には自分自身を循環的に必 要とするような依存関係を持つものがあります。 例えばコンパイラをコンパイ ルするためにはコンパイラが必要となります。 第5章 ではツールチェーンの第1回めの構築方法を示します。 そこではまず Binutils と GCC を構築します。 (第1回めと表現しているということは、つま りこれら2つのパッケージは後に再構築します。) 次に C ライブラリである Glibc を構築します。 Glibc は第1回めのツールチェーンを用いてコンパイル されます。 そして第2回めのツールチェーン構築を行います。 この時のツール チェーンは新たに構築した Glibc をリンクします。 それ以降の 第5章 に示す パッケージは第2回めのツールチェーンプログラムを用いて構築します。 上の 作業をすべて終えたら LFS のインストール作業はもはやホストディストリビュ ーションに依存しません。 ただし作動させるカーネルだけは使い続けます。 ホストシステムのツール類から新しいシステムを切り離していくこの手順は、 やり過ぎのように見えるかもしれません。 5.2. 「ツールチェーンの技術的情 報」 にて詳細に説明しているので参照してください。 第6章 にて LFS システムが出来上がります。 chroot (ルートをチェンジする) プログラムを使って仮想的な環境に入り LFS パーティション内のディレクトリ をルートディレクトリとしてシェルを起動します。 これは LFS パーティショ ンをルートパーティションとするシステム再起動と同じことです。 ただ実際に はシステムを再起動はしません。 再起動できるシステムとするためにはもう少 し作業を必要としますし、この時点ではまだそれが必要ではないので chroot を行う方法を取ります。 chroot を使うメリットは、LFS 構築作業にあたって 引き続きホストシステムを利用できることです。 パッケージをコンパイルして いる最中には、通常どおり別の作業を行うことができます。 インストールの仕上げとして 第7章 にて LFS ブートスクリプトを設定し、 第 8章 にてカーネルとブートローダを設定します。 第9章 では LFS システム構 築経験を踏まえて、その先に進むための情報を示します。 本書に示す作業をす べて実施すれば、新たな LFS システムを起動することが出来ます。 上はごく簡単な説明にすぎません。 各作業の詳細はこれ以降の章やパッケージ の説明を参照してください。 内容が難しいと思っていても、それは徐々に理解 していけるはずです。 読者の皆さんには、是非 LFS アドベンチャーに挑んで 頂きたいと思います。 1.2. 前版からの変更点 以下に示すのは前版から変更されているパッケージです。 アップグレード: ・ Autoconf 2.65 ・ Automake 1.11.1 ・ Bash 4.1 ・ Binutils 2.20 ・ Coreutils 8.4 ・ E2fsprogs 1.41.10 ・ File 5.04 ・ GCC 4.4.3 ・ Glibc 2.11.1 ・ GMP 5.0.0 ・ GRUB 1.97.2 ・ Gzip 1.4 ・ Inetutils 1.7 ・ IPRoute2 2.6.31 ・ Less 436 ・ Libtool 2.2.6b ・ Linux 2.6.32.8 ・ Man-DB 2.5.6 ・ Man-pages 3.23 ・ Module-Init-Tools 3.11.1 ・ MPFR 2.4.2 ・ Patch 2.6.1 ・ Perl 5.10.1 ・ Psmisc 22.10 ・ Readline 6.1 ・ TCL 8.5.8 ・ Udev 151 ・ Util-Linux-NG 2.17 追加: ・ coreutils-8.4-i18n-1.patch ・ coreutils-8.4-uname-1.patch ・ make-3.81-upstream_fixes-1.patch ・ patch-2.6.1-test_fix-1.patch ・ perl-5.10.1-utf8-1.patch 削除: ・ bash-4.0-fixes-3.patch ・ coreutils-7.5-i18n-1.patch ・ coreutils-7.1-uname-1.patch ・ inetutils-1.6-no_server_man_pages-1.patch ・ patch-2.5.9-fixes-1.patch ・ readline-6.0-fixes-1.patch 1.3. 変更履歴 本書は Linux From Scratch ブック、バージョン 6.6 です。 本書が 6ヶ月以 上更新されていなければ、より新しい版が公開されているはずです。以下のミ ラーサイトを確認してください。 http://www.linuxfromscratch.org/ mirrors.html 以下は前版からの変更点を示したものです。 変更履歴: ・ 2010-02-28 □ [bdubbs] Bison にて config.h の場所変更に伴い修正。 #2595 を Fix に。 ・ 2010-02-26 □ [bdubbs] make-3.81-upstream_fixes-1.patch を追加。 #2588 を Fix に。 □ [bdubbs] perl-5.10.1-utf8-1.patch を追加。 #2589 を Fix に。 ・ 2010-02-22 □ [matthew] Readline パッケージのドキュメントバージョンを正しくす る。 これはアップストリームの 002 patch に対応するもの。 □ [bdubbs] e2fsprogs-1.41.10 へのアップグレード。 #2576 を Fix に 。 これに伴って #2586 によって変更した内容は元に戻すことに。 □ [bdubbs] Glibc に対するバージョンチェックの出力結果を、より確実 なものに。 ・ 2010-02-21 □ [bdubbs] e2fsprogs におけるエラーを修正。 #2586 を Fix に。 □ [matthew] lfs-6.6-rc2 に対するタグ追加。 ・ 2010-02-19 □ [bdubbs] Linux-2.6.32.8 へのアップグレード。 #2575 を Fix に。 ・ 2010-02-17 □ [bdubbs] ディスクパーティションに関する議論について加筆。 #2582 を Fix に。 □ [bdubbs] GDBM における 'dir' ファイルを確実に追加するように変更 。 変更修正にあたっては Randy McMurchy に感謝する。 #2574 を Fix に。 □ [bdubbs] 第6章にて File パッケージを GCC の前に置く。 テストの 成功率を上げるため。 #2568 を Fix に。 □ [bdubbs] Glibc にて知られているテスト失敗の情報を追記。 #2569 を Fix に。 ・ 2010-02-11 □ [bdubbs] 本書の属性情報の更新。 ・ 2010-02-01 □ [matthew] Module-Init-tools にて Zlib のスタティックライブラリ 利用でなく、ダイナミックライブラリに。 #2562 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.32.7 へのアップグレード。 #2563 を Fix に。 ・ 2010-01-31 □ [bdubbs] '対象アーキテクチャ' の説明において、マルチライブラリ システムにおける説明を削除。 ・ 2010-01-28 □ [matthew] Udev-151 へのアップグレード。 #2561 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.32.6 へのアップグレード。 #2559 を Fix に。 ・ 2010-01-26 □ [matthew] 無用な Udev ルールを大幅に削除し、アップストリームに よるルールを利用。 #2527 を Fix に。 □ [bryan] 単一の /etc/modprobe.conf ファイルではなく、/etc/ modprobe.d/*.conf ファイルを利用するように変更。最近の module-init-tools が警告を出すため。 #2560 を Fix に。 ・ 2010-01-24 □ [bdubbs] GRUB-1.97.2 へのアップグレード。 #2556 を Fix に。 □ [matthew] lfs-bootscripts-20100124 へのアップグレード。 /dev が マウントされていない場合のチェックを行う。 #2550 を Fix に。 □ [matthew] Udev >= 142 の場合は /lib/udev/devices/kmsg を自動生 成するため、生成しないように。 #2552 を Fix に。 □ [matthew] File-5.04. へのアップグレード。 #2555 を Fix に。 □ [matthew] GCC-4.4.3 へのアップグレード。 #2553 を Fix に。 □ [matthew] Gzip-1.4 へのアップグレード。 #2551 を Fix に。 □ [matthew] Udev-150 へのアップグレード。 #2547 を Fix に。 □ [matthew] GMP-5.0.0 へのアップグレード。 #2546 を Fix に。 □ [matthew] Coreutils-8.4 へのアップグレード。 #2545 を Fix に。 □ [matthew] Util-Linux-NG-2.17 へのアップグレード。 #2544. □ [matthew] Linux-2.6.32.5 へのアップグレード。 #2542 を Fix に。 □ [matthew] Psmisc-22.10 へのアップグレード。 #2541 を Fix に。 ・ 2010-01-09 □ [bdubbs] Chris Staub による文法とスペルの更新。 #2548 を Fix に 。 ・ 2010-01-03 □ [matthew] GCC のテストスイート実行にあたり、Glibc の getline 関 数との不整合によるテスト失敗を解消。 □ [matthew] Readline-6.1 へのアップグレード。 #2540 を Fix に。 □ [matthew] Bash-4.1 へのアップグレード。 #2539 を Fix に。 □ [matthew] Patch-2.6.1 へのアップグレード。 #2538 を Fix に。 □ [matthew] Glibc-2.11.1 へのアップグレード。 #2537 を Fix に。 □ [matthew] Psmisc-22.9 へのアップグレード。 #2536 を Fix に。 □ [matthew] IPRoute2-2.6.31 へのアップグレード。 #2535 を Fix に 。 ・ 2009-12-21 □ [matthew] Linux-2.6.32.2 へのアップグレード。 #2534 を Fix に。 □ [matthew] Inetutils-1.7 へのアップグレード。 #2533 を Fix に。 ・ 2009-12-16 □ [matthew] Linux-2.6.32.1 へのアップグレード。 #2532 を Fix に。 □ [matthew] Automake-1.11.1 へのアップグレード。 #2529 を Fix に 。 □ [matthew] Coreutils-8.2 へのアップグレード。 #2524 を Fix に。 ・ 2009-12-06 □ [matthew] inetutils のプログラムのいくつかを FHS に従うように移 動。 #2524 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.32 へのアップグレード。 #2526 を Fix に。 □ [matthew] Udev-149 へのアップグレード。 #2525 を Fix に。 ・ 2009-12-02 □ [matthew] Util-Linux-NG-2.16.2 へのアップグレード。 #2523 を Fix に。 □ [matthew] MPFR-2.4.2. Fixes #2522 を Fix に。 □ [matthew] Autoconf-2.65 へのアップグレード。 #2520 を Fix に。 ・ 2009-11-29 □ [bdubbs] Grub の設定に関して詳細情報を追加。 ・ 2009-11-24 □ [bdubbs] LFS と各種標準のページを分割し、各パッケージを用いる理 由のページを設ける。 各種パッケージが LSB 要求を満足するかどう かの詳細情報を追加。 ・ 2009-11-23 □ [bdubbs] LFS と各種標準のページを追加しその内容を説明。 #1673 と #2196 を Fix に。 ・ 2009-11-22 □ [bdubbs] ホスト要件を確認するスクリプトにて Texinfo パッケージ のバージョンを確認する makeinfo にてコメント出力を更新。 □ [bdubbs] 各パッケージの依存関係を示す付録において、外部の (LFS 内にはない) 依存関係を示す項を追加。 #1682 を Fix に。 ・ 2009-11-21 □ [matthew] Linux ヘッダによってインストールされるファイルのうち 、不要な .install ファイルと ..install.cmd ファイルを削除。 □ [matthew] Coreutils-8.1 へのアップグレード。 #2518 を Fix に。 □ [matthew] Tcl-8.4.8 へのアップグレード。 #2517 を Fix に。 □ [matthew] Libtool-2.2.6b へのアップグレード。 #2514 を Fix に。 ・ 2009-11-16 □ [bdubbs] 「LFS が対象とする CPU アーキテクチャ」にて、64 ビット のローダーがビルドできないと説明していた段落を削除。 ・ 2009-11-16 □ [bdubbs] ツールチェーンの技術的情報において、なぜクロスコンパイ ラを用いた手法を採用するのかについて明確な説明とする。 #2412 を Fix に。 ・ 2009-11-15 □ [matthew] Patch-2.6 へのアップグレード。 #2513 を Fix に。 □ [matthew] Udev-147 へのアップグレード。 #2512 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.31.6 へのアップグレード。 #2511 を Fix に。 ・ 2009-11-14 □ [bdubbs] ホストシステム要件の説明より、古くなった記述を削除。 ・ 2009-11-12 □ [bdubbs] 「SBU 値について」において並行的な処理についての注記を 追加。 そして SBU 値にどのように影響するかを説明。 □ [bdubbs] GRUB-1.97.1 での説明手順の若干の変更。 ・ 2009-11-09 □ [bdubbs] GRUB-1.97.1 へのアップグレード。 #2510 を Fix に。 ・ 2009-11-06 □ [matthew] Glibc-2.11 へのアップグレード。 #2509 を Fix に。 □ [matthew] Bash のアップストリームが提供する最新のパッチを利用。 □ [matthew] Linux-2.6.31.5 へのアップグレード。 #2508 を Fix に。 □ [matthew] Module-Init-Tools-3.11.1 へのアップグレード。 #2507 を Fix に。 ・ 2009-10-29 □ [bdubbs] GRUB-1.97 へのアップデート。 /boot や MBR の設定の説明 から、ビルドとインストールに関する記述を分離させ、ビルドの説明 を第6章に。 また /boot や MBR に関する説明を充足させ第8章に。 # 2093 を Fix に。 これは #2033 で指摘されている initramfs が不要 とすることでもある。 ・ 2009-10-20 □ [matthew] Linux-2.6.31.4 へのアップグレード。 #2503 を Fix に。 □ [matthew] GCC-4.4.2 へのアップグレード。 #2504 を Fix に。 □ [matthew] Binutils-2.20 へのアップグレード。 #2505 を Fix に。 ・ 2009-10-12 □ [matthew] Kbd-1.15.1 へのアップグレード。 #2501 を Fix に。 □ [matthew] Man-Pages-3.23 へのアップグレード。 #2498 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.31.3 へのアップグレード。 #2499 を Fix に。 □ [matthew] Gzip-1.3.13 へのアップグレード。 #2500 を Fix に。 ・ 2009-09-29 □ [matthew] Linux-2.6.31.1 へのアップグレード。 #2496 を Fix に。 □ [matthew] psmisc の実行モジュールのインストール先を /bin から / usr/bin に変更。 これは /usr がマウントされている時に実行される ものであるため。 #2469 を Fix に。 ・ 2009-09-25 □ [bryan] udev-config-20090925 へのアップグレード。 #2497 を Fix に。 ・ 2009-09-24 □ [matthew] Linux のインストールヘッダ一覧の更新。 Chris Staub に よりパッチ提供。 #2495 を Fix に。 □ [matthew] さまざまなパッケージにおけるインストールプログラム一 覧の更新。 Chris Staub によりパッチ提供。 #2494 を Fix に。 ・ 2009-09-17 □ [matthew] Bash-4.0-fixes-4.patch のアップグレード。 #2484 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.31 へのアップグレード。 #2485 を Fix に。 □ [matthew] Util-Linux-NG-2.16.1 へのアップグレード。 #2483 を Fix に。 □ [matthew] Coreutils-7.6 へのアップグレード。 #2487 を Fix に。 □ [matthew] Man-DB-2.5.6 へのアップグレード。 #2481 を Fix に。 ・ 2009-09-11 □ [bdubbs] - コンパイル最適化のヒントが古くなって役立たないため削 除。 ・ 2009-09-10 □ [bdubbs] - 序文 (preface) の章に LFS がサポートする CPU アーキ テクチャの説明を追加。 ・ 2009-09-02 □ [bdubbs] - 第5章のストリップにてドキュメント削除の量を是正。 ・ 2009-08-26 □ [matthew] Udev-146へのアップグレード。 #2473 を Fix に。 □ [matthew] Perl-5.10.1 へのアップグレード。 #2479 を Fix に。 □ [matthew] Linux-2.6.30.5 へのアップグレード。 #2475 を Fix に。 □ [matthew] - Less-436 へのアップグレード。 2471 を Fix に。 □ [matthew] - E2fsprogs-1.41.9 へのアップグレード。 2478 を Fix に。 □ [matthew] - Coreutils-7.5 へのアップグレード。 #2477 を Fix に 。 ・ 2009-08-19 □ [bdubbs] - 全般的なコンパイル手順 (General Compilation Instruction) における記述改訂と Binutils において全般的なコンパ イル手順を読むべきことを記したメモを追加。 LFS 6.5 は 2009年8月16日にリリースされました。 1.4. 変更履歴 (日本語版) ここに示すのは LFS ブック 6.6 日本語版 (バージョン 20100302) の変更履歴 です。 日本語訳情報 本節はオリジナルの LFS ブックにはないものです。 LFS ブック日本語版の変 更履歴を示すために設けています。 変更履歴: ・ 2010-03-02 □ [matsuand] - 6.6 対応。初出。 1.5. 情報源 1.5.1. FAQ LFS システムの構築作業中にエラー発生したり、疑問を抱いたり、あるいは本 書の誤記を発見した場合、まず手始めに http://www.linuxfromscratch.org/ faq/ に示されている「よく尋ねられる質問」(Frequently Asked Questions; FAQ) を参照してください。 1.5.2. メーリングリスト linuxfromscratch.org サーバーでは、LFS 開発プロジェクトのために多くのメ ーリングリストを立ち上げています。 このメーリングリストは主となる開発用 とは別に、サポート用のものもあります。 FAQ だけでは問題解決に至らなかっ た場合に、次の手としてメーリングリストを検索する以下のサイトを参照して ください。 http://www.linuxfromscratch.org/search.html これ以外に、投稿の方法、アーカイブの配置場所などに関しては http:// www.linuxfromscratch.org/mail.html を参照してください。 1.5.3. IRC LFS コミュニティのメンバーの中には、インターネットリレーチャット (Internet Relay Chat; IRC) によるサポートを行っている者もいます。 ここ に対して質問を挙げる場合は、FAQ やメーリングリストに同様の質問や答えが ないかどうかを必ず確認してください。 IRC は irc.linuxfromscratch.org に おいて、チャネル名 #LFS-support により提供しています。 1.5.4. ミラーサイト LFS プロジェクトは世界中にミラーサイトがあります。 これらを使えばウェブ サイト参照やパッケージのダウンロードがより便利に利用できます。 以下のサ イトによりミラーサイトの情報を確認してください。 http:// www.linuxfromscratch.org/mirrors.html 1.5.5. 連絡先 質問やコメントは (上に示した) メーリングリストを活用してください。 1.6. ヘルプ 本書に基づく作業の中で問題が発生したり疑問が生まれた場合は http:// www.linuxfromscratch.org/faq/#generalfaq にある FAQ のページを確認して ください。 質問への回答が示されているかもしれません。 そこに回答が示さ れていなかったなら、問題の本質部分を見極めてください。 トラブルシューテ ィングとして以下のヒントが有用かもしれません。 http:// www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/errors.txt FAQ では問題解決ができない場合、メーリングリスト http:// www.linuxfromscratch.org/search.html を検索してください。 我々のサイトにはメーリングリストやチャットを通じての情報提供を行う LFS コミュニティがあります。 (詳細は 1.5. 「情報源」 を参照してください。) 我々は日々数多くのご質問を頂くのですが、たいていの質問は FAQ やメーリン グリストを調べてみれば容易に答えが分かるものばかりです。 したがって我々 が最大限の支援を提供できるよう、ある程度の問題はご自身で解決するように してください。 そうして頂くことで、我々はもっと特殊な状況に対するサポー トを手厚く行っていくことができるからです。 いくら調べても解決に至らず、 お問い合わせ頂く場合は、以下に示すように十分な情報を提示してください。 1.6.1. 特記事項 問題が発生し問い合わせをする場合には、以下に示す基本的な情報を含めてく ださい。 ・ お使いの LFS ブックのバージョン。 (本書の場合 6.6) ・ LFS 構築に用いたホスト Linux のディストリビューションとそのバージョ ン。 ・ vii. 「ホストシステム要件」 の出力結果。 ・ 問題が発生したパッケージまたは本書内の該当の章または節。 ・ 問題となったエラーメッセージや状況に対する詳細な情報。 ・ 本書どおりに作業しているか、逸脱していないかの情報。 注記 本書の作業手順を逸脱していたとしても、 我々がお手伝いしないわけではあり ません 。 つまるところ LFS は個人的な趣味によって構築されるものです。 本書の手順とは異なるやり方を正確に説明してください。 そうすれば内容の評 価、原因究明が容易になります。 1.6.2. Configure スクリプトの問題 configure スクリプトの実行時に何か問題が発生した時は config.log ファイ ルを確認してみてください。 configure スクリプトの実行中に、端末画面に表 示されないエラーが、このファイルに出力されているかもしれません。 問合せ を行う際には 該当する 行を示してください。 1.6.3. コンパイル時の問題 コンパイル時に問題が発生した場合は、端末画面への出力とともに、数々のフ ァイルの内容も問題解決の糸口となります。 configure スクリプトと make コ マンドの実行によって端末画面に出力される情報は重要です。 問い合わせの際 には、出力されるすべての情報を示す必要はありませんが、関連する情報は十 分に含めてください。 以下に示すのは make コマンドの実行時に出力される情 報を切り出してみた例です。 gcc -DALIASPATH=\"/mnt/lfs/usr/share/locale:.\" -DLOCALEDIR=\"/mnt/lfs/usr/share/locale\" -DLIBDIR=\"/mnt/lfs/usr/lib\" -DINCLUDEDIR=\"/mnt/lfs/usr/include\" -DHAVE_CONFIG_H -I. -I. -g -O2 -c getopt1.c gcc -g -O2 -static -o make ar.o arscan.o commands.o dir.o expand.o file.o function.o getopt.o implicit.o job.o main.o misc.o read.o remake.o rule.o signame.o variable.o vpath.o default.o remote-stub.o version.o opt1.o -lutil job.o: In function `load_too_high': /lfs/tmp/make-3.79.1/job.c:1565: undefined reference to `getloadavg' collect2: ld returned 1 exit status make[2]: *** [make] Error 1 make[2]: Leaving directory `/lfs/tmp/make-3.79.1' make[1]: *** [all-recursive] Error 1 make[1]: Leaving directory `/lfs/tmp/make-3.79.1' make: *** [all-recursive-am] Error 2 たいていの方は、上のような場合に終わりの数行しか示してくれません。 make [2]: *** [make] Error 1 問題を解決するにはあまりに不十分な情報です。 そんな情報だけでは 「何か がオカしい結果となった」 ことは分かっても 「なぜオカしい結果となった」 のかが分からないからです。 上に示したのは、十分な情報を提供して頂くべき であることを例示したものであり、実行されたコマンドや関連するエラーメッ セージが十分に含んだ例となっています。 インターネット上に、問い合わせを行う方法を示した優れた文章があります。 http://catb.org/~esr/faqs/smart-questions.html この文章に示される内容や ヒントを参考にして、より確実に回答が得られるよう心がけてください。 第II部 ビルド作業のための準備 第2章 新しいパーティションの準備 2.1. はじめに この章では LFS システムをインストールするパーティションを準備します。 パーティションを生成しファイルシステムを構築した上で、これをマウントし ます。 2.2. 新しいパーティションの生成 どのようなオペレーティングシステムでも同じことが言えますが、 本システム でもインストール先は専用のパーティションを用いることにします。 LFS シス テムを構築していくには、利用可能な空のパーティションか、 あるいはパーテ ィション化していないものをパーティションとして生成して利用することにし ます。 最小限のシステムであれば 1.3 GB 程度のディスク容量があれば十分です。 こ れだけあればパッケージやソースの収容に十分で、そこでコンパイル作業を行 っていくことができます。 しかし主要なシステムとして LFS を構築するなら 、さらにソフトウェアをインストールすることになるはずなので、さらに 2〜3 GBの容量が必要となります。 LFS システムそのものがそれだけの容量を要する わけではありません。 これだけの容量は十分なテンポラリ領域のために必要と なるものです。 パッケージをインストールした後はテンポラリ領域は開放され ますが、コンパイルの間は多くの領域を利用します。 コンパイル処理において十分なランダムアクセスメモリ (Random Access Memory; RAM) を確保できるとは限りませんので、スワップ (swap) 領域をパー ティションとして設けるのが普通です。 この領域へは利用頻度が低いデータを 移すことで、アクティブな処理プロセスがより多くのメモリを確保できるよう にカーネルが制御します。 swap パーティションは、LFS システムのものとホ ストシステムのものを共有することもできます。 その場合は新しいパーティシ ョンを作る必要はありません。 ディスクのパーティション生成は cfdisk コマンドや fdisk コマンドを使って 行います。 コマンドラインオプションにはパーティションを生成するハードデ ィスク名を指定します。 例えば IDE (Integrated Drive Electronics) ディス クであれば /dev/hda といったものになります。 そして Linux ネイティブパ ーティションと、必要なら swap パーティションを生成します。 プログラムの 利用方法について不明であれば cfdisk(8) や fdisk(8) を参照してください。 新しく生成したパーティションの名前を覚えておいてください。 (例えば hda5 など。) 本書ではこのパーティションを LFS パーティションとして説明してい きます。 また swap パーティションの名前も忘れないでください。 これらの 名前は、後に生成する /etc/fstab ファイルに記述するために必要となります 。 2.2.1. パーティションに関するその他の問題 LFS メーリングリストにてパーティションに関する有用情報を望む声をよく聞 きます。 これは個人の趣味にもよる極めて主観的なものです。 既存ディスト リビューションが採用しているデフォルトのパーティションサイズと言えば、 たいていはスワップパーティションを小容量で配置した上で、そのドライブ内 の残容量すべてのサイズを割り当てています。 このようなサイズ設定は LFS では最適ではありません。その理由はいくつかあります。 そのようにしてしま うと、複数のディストリビューションの導入時や LFS 構築時に、柔軟さを欠き 、構築がしにくくなります。 バックアップを取る際にも無用な時間を要し、フ ァイルシステム上にて不適当なファイル配置を生み出すため、余計なディスク 消費を発生させます。 2.2.1.1. ルートパーティション ルートパーティション (これを /root ディレクトリと混同しないでください) は 10 GB もあれば、どんなシステムであっても妥当なところでしょう。 それ だけあれば LFS 構築も、また BLFS においてもおそらく十分なはずです。 実 験的に複数パーティションを設けるとしても、これだけのサイズは必要です。 2.2.1.2. スワップパーティション 既存のディストリビューションは、たいていはスワップパーティションを自動 的に生成します。 一般にスワップパーティションのサイズは、物理 RAM サイ ズの二倍の容量とすることが推奨されています。 しかしそれだけの容量はほと んど必要ありません。 ディスク容量が限られているなら、スワップパーティシ ョンの容量を 2GB 程度に抑えておいて、ディスクスワップがどれだけ発生する かを確認してみてください。 スワップは好ましいことではありません。 一般にスワップが発生しているかど うかは、ディスクアクセスの様子やコマンド実行時にシステムがどのように反 応するかを見てみれば分かります。 例えば 5GB くらいのファイルを編集する といった極端なコマンド実行を行ってみて、スワップが起きるかどうかを確認 することが重要です。 スワップがごく普通に発生するようであれば、RAMを増 設するのが適切です。 2.2.1.3. 有用なパーティション この他にも、必要のないパーティションというものがいくつかあります。 しか しディスクレイアウトを取り決めるには考えておく必要があります。 以下に示 すのは十分な説明ではありませんが、一つの目安として示すものです。 ・ /boot - 作成することが強く推奨されます。 カーネルやブート情報を収納 するために利用するパーティションです。 容量の大きなディスクの場合、 ブート時に問題が発生することがあるので、これを回避するには、一つ目 のディスクドライブの物理的に一番最初のパーティションを選びます。 パ ーティションサイズを 100MB とすればそれで十分です。 ・ /home - 作成することが強く推奨されます。 複数のディストリビューショ ンや LFS の間で、ホームディレクトリおよびユーザー固有の設定を共有す ることができます。 パーティションサイズは、ある程度大きく取ることに なりますが、利用可能なディスク残容量に依存します。 ・ /usr - /usr ディレクトリを別パーティションとして設けるのは、一般に はシンクライアント (thin client) 向けサーバーやディスクレスワークス テーションにおいて行われます。 普通 LFS では必要ありません。 5 GB くらいの容量があれば、たいていのアプリケーションをインストールする のに十分なものでしょう。 ・ /opt - このディレクトリは BLFS などにおいて、Gnome や KDE といった 巨大なパッケージをいくつもインストールする際に活用されます。 /usr ディレクトリ以外にインストールする場合です。 これを別パーティション とするなら、一般的には 5 〜 10 GB 程度が適当でしょう。 ・ /tmp - /tmp ディレクトリを別パーティションとするのは普通は行いませ ん。 ただしシンクライアント (thin client) では有効です。 別パーティ ションとする場合であっても、数GB程度あれば十分です。 ・ /usr/src - このパーティションは LFS のパッケージソースを収容し LFS ビルド工程にて共用するものとして有効に利用することができます。 さら に BLFS パッケージソースを収容しビルドする場所としても利用可能です 。 30〜50GBくらいの容量があれば、十分なものです。 ブート時に自動的にパーティションをマウントしたい場合は /etc/fstab ファ イルにて設定します。 パーティションの設定方法については 8.2. 「/etc/ fstab ファイルの生成」 で説明しています。 2.3. ファイルシステムの生成 空のパーティションが準備できましたのでファイルシステムを作ります。 Linux において広く用いられるファイルシステムは ext2 (second extended file system) です。 より新しく大容量のハードディスクに対しては、ジャー ナリングファイルシステムが一般的となりつつあります。 ext3 (third extended file system) は ext2 の拡張として広く利用されるようになってい ます。 ext3 ではジャーナリング機能が追加され E2fsprogs ユーティリティと の互換性を持ちます。 本書では ext3 ファイルシステムを生成することにしま す。 他のファイルシステムの生成方法については http:// www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/postlfs/filesystems.html を参照 してください。 LFS 用のパーティションに対して ext3 ファイルシステムを生成するために以 下のコマンドを実行します。 mke2fs -jv /dev/ の部分は LFS パーティション名に合わせて置き換えてください。 (本書 の例では hda5 としています。) 注記 ホストとして利用する Linux ディストリビューションの中には、ファイルシス テムを生成するツール (E2fsprogs) に特別な機能を実装しているものがありま す。 第9章にて LFS システムをブートする際に、それらの機能が原因で問題が 発生する場合があります。 そのような機能は LFS においてインストールする E2fsprogs ではサポートしていません。 おそらくは 「unsupported filesystem features, upgrade your e2fsprogs」 (サポートされていないファ イルシステムです。 e2fsprogs をアップグレードしてください) といったエラ ーメッセージが表示されるはずです。 ホストシステムが機能拡張しているかど うかを確認するには以下のコマンドを実行します。 debugfs -R feature /dev/ コマンドの出力結果の中に has_journal、 ext_attr、 resize_inode、 dir_index、 filetype、 sparse_super、 large_file、 needs_recovery とい ったものとは異なるものが表示されていたら、あなたのホストシステムは機能 拡張がなされていることを意味します。 後に問題となりますので、純粋な E2fsprogs パッケージをコンパイルし、これを用いて LFS パーティションのフ ァイルシステムを再生成してください。 cd /tmp tar -xzvf /path/to/sources/e2fsprogs-1.41.10.tar.gz cd e2fsprogs-1.41.10 mkdir -v build cd build ../configure make #note that we intentionally don't 'make install' here! ./misc/mke2fs -jv /dev/ cd /tmp rm -rfv e2fsprogs-1.41.10 既に存在している swap パーティションを用いることにした場合は、初期化操 作を行う必要はありません。 新しい swap パーティションを作成した場合は、 以下のコマンドを実行して初期化を行う必要があります。 mkswap /dev/ の部分は swap パーティションの名に合わせて置き換えてください。 2.4. 新しいパーティションのマウント ファイルシステムが生成できたら、パーティションをアクセスできるようにし ます。 これを行うためにはマウントポイントを定める必要があります。 本書 ではファイルシステムを /mnt/lfs にマウントすることにします。このディレ クトリは各自で取り決めて変えることもできます。 マウントポイントを定めたら、そのディレクトリを指し示すような環境変数 LFS を以下のようにして設定します。 export LFS=/mnt/lfs 次にマウントポイントを生成し、LFS ファイルシステムをマウントします。 mkdir -pv $LFS mount -v -t ext3 /dev/ $LFS の部分は LFS パーティション名に合わせて置き換えてください。 LFS に対して複数のパーティションを用いる場合 (例えば / と /usr が別パー ティションである場合) は、以下を実行してそれぞれをマウントします。 mkdir -pv $LFS mount -v -t ext3 /dev/ $LFS mkdir -v $LFS/usr mount -v -t ext3 /dev/ $LFS/usr の部分は、それぞれ適切なパーティション名に置き換えてくだ さい。 この新しいパーティションは特別な制限オプション (nosuid、nodev、noatime など) は設定せずにマウントします。 mount コマンドの実行時に引数を与えず に実行すれば、LFS パーティションがどのようなオプション設定によりマウン トされているかが分かります。 もし nosuid、nodev、noatime といったオプシ ョンが設定されていたら、マウントし直してください。 swap パーティションを用いる場合は、swapon コマンドを使って利用可能にし てください。 /sbin/swapon -v /dev/ の部分は swap パーティション名に置き換えてください。 こうして動作環境が整いました。次はパッケージのダウンロードです。 第3章 パッケージとパッチ 3.1. はじめに この章では基本的な Linux システム構築のためにダウンロードするべきパッケ ージ一覧を示します。 各パッケージのバージョンは動作が確認されているもの を示しており、本書ではこれに基づいて説明します。 ここに示すバージョンよ りも新しいものは使わないようお勧めします。 あるバージョンでビルドしたコ マンドが、新しいバージョンでも動作する保証はないからです。 最新のパッケ ージの場合、何かの対処を要するかもしれません。 そのような対処方法は本書 の開発版において開発され安定化が図られるかもしれません。 ダウンロードサイトは常にアクセス可能であるとは限りません。 本書が提供さ れた後にダウンロードする場所が変更になっていたら Google (http:// www.google.com/) を使って検索してみてください。 たいていのパッケージを 見つけ出すことが出来るはずです。 それでも見つけられなかったら http:// www.linuxfromscratch.org/lfs/packages.html#packages に示されている方法 に従って入手してください。 ダウンロードしたパッケージやパッチは、ビルド作業を通じて常に利用可能な 場所を選んで保存しておく必要があります。 またソース類を伸張してビルドを 行うための作業ディレクトリも必要です。 そこで本書では $LFS/sources ディ レクトリを用意し、ソースやパッチの保存場所とし、そこでビルドを行う作業 ディレクトリとします。 このディレクトリにしておけば LFS パーティション に位置することから LFS ビルドを行う全工程において常に利用することが出来 ます。 ダウンロードを行う前にまずはそのようなディレクトリを生成します。 root ユーザーとなって以下のコマンドを実行します。 mkdir -v $LFS/sources このディレクトリには書き込み権限とスティッキーを与えます。 「スティッキ ー (Sticky) 」 は複数ユーザーに対して書き込み権限が与えられても、削除に ついては所有者しか実行出来ないようにします。 以下のコマンドによって書き 込み権限とスティッキーを定めます。 chmod -v a+wt $LFS/sources パッケージとパッチのダウンロードを簡単に行う方法として wget-list を利用 する方法があります。 これは wget の入力引数に指定し利用します。 日本語訳情報 本節にて wget-list のハイパーリンクが出てきますが、これは本来、拡張子を 持たないファイル wget-list へのリンクです。 本書を Web サイト上に搭載し た場合に MIME 設定 (その制約) によりアクセスが出来ないファイルとなって しまう可能性があります。 (実際に訳者がオンライン公開しているサイトでは 、拡張子を持たないファイルを表示・ダウンロードできません。) そこで本書 では wget-list.txt のように拡張子 .txt をつけるようにしました。 なお別 途公開している本書の tarball では wget-list と wget-list.txt を共に含め ています。両者は全く同一内容です。 日本語訳情報 上の wget-list は、次節に示されているパッケージやパッチのダウンロード URL を一覧列記しています。 これを wget とともに用いれば、必要なパッケー ジソースやパッチの一括取得ができるため大変便利です。 ちなみに LFS ブッ ク原版では wget の具体的な使い方が示されていませんが、単純には以下のよ うなコマンド実行になるでしょう。 (wget-list ファイルを $LFS/sources デ ィレクトリにコピーして実行します。) cd $LFS/sources wget -N -i wget-list LFS ブック原版では、それらの URL が主に米国サイトの URL となっています 。 一方、日本に在住する日本の方であれば、例えば GNU のパッケージ類は国 内に数多くのミラーサイトが存在するため、そちらから取得するのが適切でし ょう。 これはネットワークリソースを利用する際のマナーとも言えるものです 。 堅苦しい話をするつもりはありません。 国内サイトから入手することにす ればダウンロード速度が断然早くなります。 メリットは大きいと思いますので お勧めします。 国内から入手可能なものは国内から入手することを目指し、訳者は以下の手順 により wget-list を書き換えて利用しています。 一例として国内には理化学 研究所 (ftp.riken.jp) があります。 そこでは GNU パッケージ類がミラー提 供されています。 そこで wget-list にて ftp.gnu.org を指し示している URL を ftp.riken.jp に置き換えます。 また Linux カーネルの入手先 (www.kernel.org) についても理化学研究所より入手可能ですので、これも置き 換えます。 cp -pv wget-list wget-list.orig sed -e 's|http://ftp\.gnu\.org/gnu/|http://ftp.riken.jp/GNU/ftp/gnu/|g' \ -e 's|http://www\.kernel\.org/pub/linux/|http://ftp.riken.jp/Linux/kernel.org/linux/|g' \ wget-list.orig > wget-list 注意する点として各パッケージが更新されたばかりの日付では、国内ミラーサ イトへの同期・反映が間に合わず、ソース類が存在しないことが考えられます 。 その場合には上の方法はすんなりとは実現できません。オリジナルの URL を用いるしかありません。 上記はあくまで一例です。 国内のミラーサイトは、ネットワーク的に "より近 い" ものを選んでください。 またミラーサイトのディレクトリ構成はサイトに よって変わります。必要に応じてコマンドを書き換えてください。 さらに上記 の sed による一括置換は、パッケージやソースの今後の更新状況によっては提 供 URL が変わり、 wget-list のすべての URL が正しいものにはならない可能 性がありますから十分注意してください。 ダウンロードできなかった場合は、 上記の sed コマンドを工夫するか、手作業にて wget-list を書き換えてくだ さい。 3.2. 全パッケージ 以下に示すパッケージをダウンロードするなどしてすべて入手してください。 Autoconf (2.65) - 1,301 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/autoconf/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/autoconf/autoconf-2.65.tar.bz2 MD5 sum: a6de1cc6434cd64038b0a0ae4e252b33 Automake (1.11.1) - 1,042 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/automake/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/automake/ automake-1.11.1.tar.bz2 MD5 sum: c2972c4d9b3e29c03d5f2af86249876f Bash (4.1) - 6,444 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/bash/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/bash/bash-4.1.tar.gz MD5 sum: 9800d8724815fd84994d9be65ab5e7b8 Binutils (2.20) - 17,096 KB: ホームページ: http://sources.redhat.com/binutils/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/binutils/binutils-2.20.tar.bz2 MD5 sum: ee2d3e996e9a2d669808713360fa96f8 Bison (2.4.1) - 1,433 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/bison/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/bison/bison-2.4.1.tar.bz2 MD5 sum: 84e80a2a192c1a4c02d43fbf2bcc4ca4 Bzip2 (1.0.5) - 822 KB: ホームページ: http://www.bzip.org/ ダウンロード: http://www.bzip.org/1.0.5/bzip2-1.0.5.tar.gz MD5 sum: 3c15a0c8d1d3ee1c46a1634d00617b1a Coreutils (8.4) - 10,273 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/coreutils/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/coreutils/coreutils-8.4.tar.gz MD5 sum: 56f549854d723d9dcebb77919019df55 DejaGNU (1.4.4) - 1,055 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/dejagnu/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/dejagnu/dejagnu-1.4.4.tar.gz MD5 sum: 053f18fd5d00873de365413cab17a666 Diffutils (2.8.1) - 762 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/diffutils/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/diffutils/ diffutils-2.8.1.tar.gz MD5 sum: 71f9c5ae19b60608f6c7f162da86a428 E2fsprogs (1.41.10) - 4,363 KB: ホームページ: http://e2fsprogs.sourceforge.net/ ダウンロード: http://prdownloads.sourceforge.net/e2fsprogs/ e2fsprogs-1.41.10.tar.gz MD5 sum: f9c7bb5c036a119453ce02fa871038da Expect (5.43.0) - 513 KB: ホームページ: http://expect.nist.gov/ ダウンロード: http://expect.nist.gov/src/expect-5.43.0.tar.gz MD5 sum: 43e1dc0e0bc9492cf2e1a6f59f276bc3 File (5.04) - 607 KB: ホームページ: http://www.darwinsys.com/file/ ダウンロード: ftp://ftp.astron.com/pub/file/file-5.04.tar.gz MD5 sum: accade81ff1cc774904b47c72c8aeea0 注記 File パッケージ (5.04) は上記の場所から入手できなくなっているかもし れません。 これはサイト管理者が、新バージョンのリリースと同時に古い バージョンを削除することがあるためです。 適切なバージョンをダウンロ ードするためには、以下に示す別のサイトを参照してください。 http:// www.linuxfromscratch.org/lfs/download.html#ftp Findutils (4.4.2) - 2,100 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/findutils/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/findutils/ findutils-4.4.2.tar.gz MD5 sum: 351cc4adb07d54877fa15f75fb77d39f Flex (2.5.35) - 1,227 KB: ホームページ: http://flex.sourceforge.net ダウンロード: http://prdownloads.sourceforge.net/flex/ flex-2.5.35.tar.bz2 MD5 sum: 10714e50cea54dc7a227e3eddcd44d57 Gawk (3.1.7) - 2,310 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/gawk/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gawk/gawk-3.1.7.tar.bz2 MD5 sum: 674cc5875714315c490b26293d36dfcf GCC (4.4.3) - 61,470 KB: ホームページ: http://gcc.gnu.org/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gcc/gcc-4.4.3/ gcc-4.4.3.tar.bz2 MD5 sum: fe1ca818fc6d2caeffc9051fe67ff103 GDBM (1.8.3) - 223 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/gdbm/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gdbm/gdbm-1.8.3.tar.gz MD5 sum: 1d1b1d5c0245b1c00aff92da751e9aa1 Gettext (0.17) - 11,368 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/gettext/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gettext/gettext-0.17.tar.gz MD5 sum: 58a2bc6d39c0ba57823034d55d65d606 Glibc (2.11.1) - 15,302 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/libc/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/glibc/glibc-2.11.1.tar.bz2 MD5 sum: 6856d5d8b1239556687f0d1217f3f266 GMP (5.0.0) - 1,907 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/gmp/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gmp/gmp-5.0.0.tar.bz2 MD5 sum: 46fc3a85a3fecc98a4bbd498a83ee459 Grep (2.5.4) - 706 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/grep/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/grep/grep-2.5.4.tar.bz2 MD5 sum: 5650ee2ae6ea4b39e9459d7d0585b315 Groff (1.20.1) - 3,510 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/groff/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/groff/groff-1.20.1.tar.gz MD5 sum: 48fa768dd6fdeb7968041dd5ae8e2b02 GRUB (1.97.2) - 1,219 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/grub/ ダウンロード: ftp://alpha.gnu.org/gnu/grub/grub-1.97.2.tar.gz MD5 sum: db4d23fb8897523a7e484e974ae3d1c9 Gzip (1.4) - 886 KB: ホームページ: http://www.gzip.org/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/gzip/gzip-1.4.tar.gz MD5 sum: e381b8506210c794278f5527cba0e765 Iana-Etc (2.30) - 201 KB: ホームページ: http://sethwklein.net/iana-etc ダウンロード: http://sethwklein.net/iana-etc-2.30.tar.bz2 MD5 sum: 3ba3afb1d1b261383d247f46cb135ee8 Inetutils (1.7) - 1,861 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/inetutils/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/inetutils/inetutils-1.7.tar.gz MD5 sum: a1d5a01b0ab8a7e596ac4cff0cce7129 IPRoute2 (2.6.31) - 364 KB: ホームページ: http://linux-net.osdl.org/index.php/Iproute2 ダウンロード: http://developer.osdl.org/dev/iproute2/download/ iproute2-2.6.31.tar.bz2 MD5 sum: 230f35282a95451622f3e8394f9cd80a Kbd (1.15.1) - 1,081 KB: ダウンロード: http://ftp.altlinux.com/pub/people/legion/kbd/ kbd-1.15.1.tar.gz MD5 sum: f997c490fe5ede839aacf31da6c4eb06 Less (436) - 297 KB: ホームページ: http://www.greenwoodsoftware.com/less/ ダウンロード: http://www.greenwoodsoftware.com/less/less-436.tar.gz MD5 sum: 817bf051953ad2dea825a1cdf460caa4 LFS-Bootscripts (20100124) - 42 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/lfs/downloads/6.6/ lfs-bootscripts-20100124.tar.bz2 MD5 sum: d10f768206badbd9b50bc5507a18a94e Libtool (2.2.6b) - 2,292 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/libtool/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/libtool/libtool-2.2.6b.tar.gz MD5 sum: 07da460450490148c6d2df0f21481a25 Linux (2.6.32.8) - 62,864 KB: ホームページ: http://www.kernel.org/ ダウンロード: http://www.kernel.org/pub/linux/kernel/v2.6/ linux-2.6.32.8.tar.bz2 MD5 sum: 82023ede52f067fcc55c5e70b02e48ae 注記 Linux カーネルはわりと頻繁に更新されます。 多くの場合はセキュリティ 脆弱性の発見によるものです。 特に正誤情報 (errata) のページにて説明 がない限りは、入手可能な最新の 2.6.32.x カーネルを用いてください。 低速度のネットワークや高負荷の帯域幅を利用するユーザーが Linux カー ネルをアップデートしようとする場合は、同一バージョンのカーネルパッ ケージとそのパッチを個別にダウンロードする方法もあります。 その場合 、時間の節約を図ることができ、あるいはマイナーバージョンが同一であ れば複数パッチを当ててアップグレードする作業時間の短縮が図れます。 M4 (1.4.13) - 985 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/m4/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/m4/m4-1.4.13.tar.bz2 MD5 sum: 28f9ccd3ac4da45409251008b911d677 Make (3.81) - 1,125 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/make/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/make/make-3.81.tar.bz2 MD5 sum: 354853e0b2da90c527e35aabb8d6f1e6 Man-DB (2.5.6) - 2,045 KB: ホームページ: http://www.nongnu.org/man-db/ ダウンロード: http://download.savannah.gnu.org/releases/man-db/ man-db-2.5.6.tar.gz MD5 sum: 69585b19c5600a863f1a0d7b7f283975 Man-pages (3.23) - 1,066 KB: ホームページ: http://www.kernel.org/doc/man-pages/ ダウンロード: http://www.kernel.org/pub/linux/docs/manpages/Archive /man-pages-3.23.tar.bz2 MD5 sum: 153704ffa27160d708e0e8c56c1da58f Module-Init-Tools (3.11.1) - 196 KB: ホームページ: http://www.kerneltools.org/KernelTools.org ダウンロード: http://www.kernel.org/pub/linux/utils/kernel/ module-init-tools/module-init-tools-3.11.1.tar.bz2 MD5 sum: 28dfcb9e24cdbeb12b99ac1eb8af7dea MPFR (2.4.2) - 1,053 KB: ホームページ: http://www.mpfr.org/ ダウンロード: http://www.mpfr.org/mpfr-2.4.2/mpfr-2.4.2.tar.bz2 MD5 sum: 89e59fe665e2b3ad44a6789f40b059a0 Ncurses (5.7) - 2,388 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/ncurses/ ダウンロード: ftp://ftp.gnu.org/gnu/ncurses/ncurses-5.7.tar.gz MD5 sum: cce05daf61a64501ef6cd8da1f727ec6 Patch (2.6.1) - 248 KB: ホームページ: http://directory.fsf.org/project/patch/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/patch/patch-2.6.1.tar.bz2 MD5 sum: 0818d1763ae0c4281bcdc63cdac0b2c0 Perl (5.10.1) - 11,336 KB: ホームページ: http://cpan.org/ ダウンロード: http://cpan.org/src/5.0/perl-5.10.1.tar.bz2 MD5 sum: 82400c6d34f7b7b43d0196c76cd2bbb1 Pkg-config (0.23) - 1,009 KB: ホームページ: http://pkg-config.freedesktop.org/ ダウンロード: http://pkgconfig.freedesktop.org/releases/ pkg-config-0.23.tar.gz MD5 sum: d922a88782b64441d06547632fd85744 Procps (3.2.8) - 279 KB: ホームページ: http://procps.sourceforge.net/ ダウンロード: http://procps.sourceforge.net/procps-3.2.8.tar.gz MD5 sum: 9532714b6846013ca9898984ba4cd7e0 Psmisc (22.10) - 307 KB: ホームページ: http://psmisc.sourceforge.net/ ダウンロード: http://prdownloads.sourceforge.net/psmisc/ psmisc-22.10.tar.gz MD5 sum: e881383e7f399121cd0ce744f97d91a5 Readline (6.1) - 2,209 KB: ホームページ: http://cnswww.cns.cwru.edu/php/chet/readline/ rltop.html ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/readline/readline-6.1.tar.gz MD5 sum: fc2f7e714fe792db1ce6ddc4c9fb4ef3 Sed (4.2.1) - 878 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/sed/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/sed/sed-4.2.1.tar.bz2 MD5 sum: 7d310fbd76e01a01115075c1fd3f455a Shadow (4.1.4.2) - 1,748 KB: ホームページ: http://pkg-shadow.alioth.debian.org/ ダウンロード: ftp://pkg-shadow.alioth.debian.org/pub/pkg-shadow/ shadow-4.1.4.2.tar.bz2 MD5 sum: d593a9cab93c48ee0a6ba056db8c1997 Sysklogd (1.5) - 85 KB: ホームページ: http://www.infodrom.org/projects/sysklogd/ ダウンロード: http://www.infodrom.org/projects/sysklogd/download/ sysklogd-1.5.tar.gz MD5 sum: e053094e8103165f98ddafe828f6ae4b Sysvinit (2.86) - 97 KB: ダウンロード: ftp://ftp.cistron.nl/pub/people/miquels/sysvinit/ sysvinit-2.86.tar.gz MD5 sum: 7d5d61c026122ab791ac04c8a84db967 Tar (1.22) - 2,046 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/tar/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/tar/tar-1.22.tar.bz2 MD5 sum: 07fa517027f426bb80f5f5ff91b63585 Tcl (8.5.8) - 4,348 KB: ホームページ: http://tcl.sourceforge.net/ ダウンロード: http://prdownloads.sourceforge.net/tcl/ tcl8.5.8-src.tar.gz MD5 sum: 7f123e53b3daaaba2478d3af5a0752e3 Texinfo (4.13a) - 2,687 KB: ホームページ: http://www.gnu.org/software/texinfo/ ダウンロード: http://ftp.gnu.org/gnu/texinfo/texinfo-4.13a.tar.gz MD5 sum: 71ba711519209b5fb583fed2b3d86fcb Udev (151) - 498 KB: ホームページ: http://www.kernel.org/pub/linux/utils/kernel/hotplug/ udev.html ダウンロード: http://www.kernel.org/pub/linux/utils/kernel/hotplug/ udev-151.tar.bz2 MD5 sum: aeae0e6273dcbec246c3c1b9868ebed1 Udev Configuration Tarball - 11 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/lfs/downloads/6.6/ udev-config-20100128.tar.bz2 MD5 sum: 6936d036a00714fe9d062627f5496278 Util-linux-ng (2.17) - 3,680 KB: ホームページ: http://userweb.kernel.org/~kzak/util-linux-ng/ ダウンロード: http://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux-ng/ v2.17/util-linux-ng-2.17.tar.bz2 MD5 sum: 11cc8a0138019e7060dd275d47dbc096 Vim (7.2) - 7,035 KB: ホームページ: http://www.vim.org ダウンロード: ftp://ftp.vim.org/pub/vim/unix/vim-7.2.tar.bz2 MD5 sum: f0901284b338e448bfd79ccca0041254 Vim (7.2) language files (optional) - 1,365 KB: ホームページ: http://www.vim.org ダウンロード: ftp://ftp.vim.org/pub/vim/extra/vim-7.2-lang.tar.gz MD5 sum: d8884786979e0e520c112faf2e176f05 Zlib (1.2.3) - 415 KB: ホームページ: http://www.zlib.net/ ダウンロード: http://www.zlib.net/zlib-1.2.3.tar.bz2 MD5 sum: dee233bf288ee795ac96a98cc2e369b6 全パッケージのサイズ合計: 約 260 MB 3.3. 必要なパッチ パッケージに加えて、いくつかのパッチも必要となります。 それらのパッチは パッケージの不備をただすもので、本来なら開発者が修正すべきものです。 パ ッチは不備修正だけでなく、ちょっとした修正を施して扱いやすいものにする 目的のものもあります。 以下に示すものが LFS システム構築に必要となるパ ッチすべてです。 日本語訳情報 各パッチには簡略な名称がつけられていますが、 これを日本語に訳してしまう と、パッチの特定ができなくなることが考えられるため、 訳出せずそのまま表 記することにします。 Bzip2 Documentation Patch - 1.6 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ bzip2-1.0.5-install_docs-1.patch MD5 sum: 6a5ac7e89b791aae556de0f745916f7f Coreutils Internationalization Fixes Patch - 118 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ coreutils-8.4-i18n-1.patch MD5 sum: 13699e7e1c2ab2165dbe9f35c047e804 Coreutils Uname Patch - 4.4 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ coreutils-8.4-uname-1.patch MD5 sum: 510a730e7bc8fd92daaf47aad4dc1200 Diffutils Internationalization Fixes Patch - 18 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ diffutils-2.8.1-i18n-1.patch MD5 sum: c8d481223db274a33b121fb8c25af9f7 Expect Spawn Patch - 6.8 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ expect-5.43.0-spawn-1.patch MD5 sum: ef6d0d0221c571fb420afb7033b3bbba Expect Tcl Patch - 4.1 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ expect-5.43.0-tcl_8.5.5_fix-1.patch MD5 sum: 6904a384960ce0e8f0d0b32f7903d7a1 Flex GCC-4.4.x Patch - 1 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ flex-2.5.35-gcc44-1.patch MD5 sum: ad9109820534278c6dd0898178c0788f GCC Startfiles Fix Patch - 1.5 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ gcc-4.4.3-startfiles_fix-1.patch MD5 sum: 799ef1971350d2e3c794f2123f247cc6 Gettext Upstream Fix Patch - 2.9 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ gettext-0.17-upstream_fixes-2.patch MD5 sum: ae64b6399ed6536e148e8386bcb91689 Grep Debian Patch - 27 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ grep-2.5.4-debian_fixes-1.patch MD5 sum: 337d017202d7e3b08d428a89da3ee572 Kbd Backspace/Delete Fix Patch - 12 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ kbd-1.15.1-backspace-1.patch MD5 sum: f75cca16a38da6caa7d52151f7136895 Make Upstream Fixes Patch - 5 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ make-3.81-upstream_fixes-1.patch MD5 sum: 8b1e478d8e733dc2d72e31bc7af1defa Patch Testsuite Fix Patch - 1 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ patch-2.6.1-test_fix-1.patch MD5 sum: c51e1a95bfc5310635d05081472c3534 Perl Libc Patch - 1 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ perl-5.10.1-libc-1.patch MD5 sum: 800dfd3c9618731ee5cf57f77a7942b4 Perl UTF8 Patch - 8 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ perl-5.10.1-utf8-1.patch MD5 sum: f0c8a66598708bd7def8e85eed82bb95 Procps Watch Patch - 3.5 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ procps-3.2.8-watch_unicode-1.patch MD5 sum: cd1a757e532d93662a7ed71da80e6b58 Vim Fixes Patch - 826 KB: ダウンロード: http://www.linuxfromscratch.org/patches/lfs/6.6/ vim-7.2-fixes-5.patch MD5 sum: 3af30a47fbf94d141c4317bf87d28e25 全パッチの合計サイズ: 約 1,041.8 KB 上に挙げた必須のパッチに加えて LFS コミュニティが提供する任意のパッチが 数多くあります。 それらは微小な不備改修や、デフォルトでは利用できない機 能を有効にするなどを行います。 http://www.linuxfromscratch.org/patches/ にて提供しているパッチ類を確認してください。 そして自分のシステムにとっ て必要なものは自由に適用してください。 第4章 準備作業の仕上げ 4.1. $LFSについて 本書の中では環境変数 LFS を利用していきます。 この変数は常に定義してお くことが必要です。 これはLFSパーティションとして選んだマウントポイント を定義します。 変数 LFS が適切に定義できているかどうかは、以下を実行す れば確認できます。 echo $LFS 上の出力結果が、LFSパーティションのマウントポイントであることを確認して ください。 本書に示す例に従っている場合は /mnt/lfs が表示されるはずです 。出力が正しくない場合は、以下のようにして変数をセットします。 export LFS=/mnt/lfs 上のように変数を定義しておくと、 例えば mkdir $LFS/tools といったコマン ドを、この通りに入力することで実行できるので便利です。 これが実行される と、シェルが 「$LFS」 を 「/mnt/lfs」 に (あるいは変数にセットされてい る別のディレクトリに) 置換して処理してくれます。 $LFS が常にセットされていることを忘れずに確認してください。 特に、別ユ ーザーでログインし直した場合 (su コマンドによって root ユーザーや別のユ ーザーでログインした場合) には、忘れずに確認してください。 4.2. $LFS/tools ディレクトリの生成 第5章 にてビルドしていくプログラムは、すべて $LFS/tools ディレクトリ配 下にインストールされます。 これらは 第6章 にてコンパイル生成されるプロ グラムとは区別されます。 ここでコンパイルするプログラムは一時的なもので あり、最終的な LFS システムを構成するものではありません。 これらのプロ グラムを分離したディレクトリに置いておけば、後に必要がなくなった時には 簡単に削除できます。 またホストシステムの実行環境に入り混じってしまうこ とを避ける意味もあります。 (第5章 の作業でついうっかり、といった失敗が なくなります。) $LFS/tools ディレクトリは root ユーザーになって以下のコマンドを実行して 生成します。 mkdir -v $LFS/tools 次にホストシステム上に /tools のシンボリックリンクを作成します。 これは LFS パーティションに生成されたディレクトリを指し示すものです。 root ユ ーザーのままで以下を実行します。 ln -sv $LFS/tools / 注記 上のコマンドに間違いはありません。 ln コマンドにはいくつか文法の異なる バージョンがあります。 間違いがあると思った場合には info coreutils ln や ln(1) をよく確認してください。 シンボリックリンクを作成することで、ツールチェーンをコンパイルする準備 が整いました。 これにより常に /tools ディレクトリを参照したツールチェー ンが生成できます。 コンパイラ、アセンブラ、リンカは本章において動作し (いくつかのツール類は依然ホストシステムのものを利用しますが)、次章にお いても同様に動作します。 (次章では 「chroot」 によって LFS パーティショ ンに移動して利用します。) 4.3. LFS ユーザーの追加 root ユーザーでログインしていると、ちょっとした誤操作がもとで、システム を破壊する重大な事態につながることがあります。 そこでパッケージのビルド にあたっては通常のユーザー権限にて作業することにします。 あなた自身のユ ーザーを利用するのでも構いませんが、全く新しいユーザー環境として lfs と いうユーザーを作成するのが分かりやすいでしょう。 所属するグループも lfs という名で作成します。 ビルド作業においてはこのユーザーを利用していきま す。 そこで root ユーザーになって、新たなユーザーを追加する以下のコマン ドを実行します。 groupadd lfs useradd -s /bin/bash -g lfs -m -k /dev/null lfs コマンドラインオプションの意味: -s /bin/bash lfs ユーザーが利用するデフォルトのシェルを bash にします。 -g lfs lfs ユーザーのグループを lfs とします。 -m lfs ユーザーのホームディレクトリを生成します。 -k /dev/null このパラメータは、ディレクトリ名をヌルデバイス (null device) に指定 しています。 こうすることでスケルトンディレクトリ (デフォルトは / etc/skel) からのファイル群のコピーを無効とします。 lfs 生成するグループおよびユーザーの名称を与えます。 lfs ユーザーとしてログインするために lfs に対するパスワードを設定します 。 (root ユーザーでログインしている時に lfs へのユーザー切り替えを行な う場合には lfs ユーザーのパスワードは設定しておく必要はありません。) passwd lfs $LFS/tools ディレクトリの所有者を lfs ユーザーとすることで、このディレ クトリへのフルアクセス権を設定します。 chown -v lfs $LFS/tools 前述したような作業ディレクトリを作成している場合は、そのディレクトリに 対しても lfs ユーザーを所有者とします。 chown -v lfs $LFS/sources lfs でログインします。 これはディスプレイマネージャを通じて仮想端末を用 いることができます。 また以下のコマンドを実行するのでも構いません。 su - lfs パラメータ 「-」 は su コマンドの実行において、非ログイン (non-login) シェルではなく、ログインシェルを起動することを指示します。 ログインシェ ルとそうでないシェルの違いについては bash(1) や info bash を参照してく ださい。 4.4. 環境設定 作業しやすい動作環境とするために bash シェルに対するスタートアップファ イルを二つ作成します。 lfs ユーザーでログインして、以下のコマンドによっ て .bash_profile ファイルを生成します。 cat > ~/.bash_profile << "EOF" exec env -i HOME=$HOME TERM=$TERM PS1='\u:\w\$ ' /bin/bash EOF lfs ユーザーとしてログインした時、起動されるシェルは普通は ログイン シ ェルとなります。 この時、ホストシステムの /etc/profile ファイル (おそら く環境変数がいくつか定義されている) と .bash_profile が読み込まれます。 .bash_profile ファイル内の exec env -i.../bin/bash というコマンドが、起 動しているシェルを全くの空の環境として起動し直し HOME、 TERM、 PS1 とい う環境変数だけを設定します。 これはホストシステム内の不要な設定や危険を はらんだ設定を、ビルド環境に持ち込まないようにするためです。 このように することできれいな環境作りを実現できます。 新しく起動するシェルはログインシェルではなくなります。 したがってこのシ ェルは /etc/profile ファイルや .bash_profile ファイルは読み込まず、代わ りに .bashrc ファイルを読み込みます。 そこで以下のようにして .bashrc フ ァイルを生成します。 cat > ~/.bashrc << "EOF" set +h umask 022 LFS=/mnt/lfs LC_ALL=POSIX LFS_TGT=$(uname -m)-lfs-linux-gnu PATH=/tools/bin:/bin:/usr/bin export LFS LC_ALL LFS_TGT PATH EOF set +h コマンドは bash のハッシュ機能を無効にします。 通常このハッシュ 機能は有用なものです。 実行ファイルのフルパスをハッシュテーブルに記憶し ておき、再度そのパスを探し出す際に PATH 変数の探査を省略します。 しかし これより作り出すツール類はインストール直後にすぐ利用していきます。 ハッ シュ機能を無効にすることで、プログラム実行が行われる際に、シェルは必ず PATH を探しにいきます。 つまり $LFS/tools ディレクトリ以下に新たに構築 したツール類は必ず実行されるようになるわけです。 そのツールの古いバージ ョンがどこか別のディレクトリにあったとしても、その場所を覚えていて実行 されるということがなくなります。 ユーザーのファイル生成マスク (file-creation mask; umask) を 022 にセッ トするのは、新たなファイルやディレクトリの生成はその所有者にのみ許可し 、他者は読み取りと実行を可能とするためです。 (システムコール open(2) に てデフォルトモードが適用される場合、新規生成ファイルのパーミッションモ ードは 644、同じくディレクトリは 755 となります。) 環境変数 LFS は常に指定したマウントポイントを指し示すように設定します。 LC_ALL 変数は特定のプログラムが扱う国情報を制御します。 そのプログラム が出力するメッセージを、指定された国情報に基づいて構成します。 ホストシ ステムの Glibc が 2.2.4 よりも古いものであって、この LC_ALL を (本章の 作業中に) 「POSIX」 でもなく 「C」 でもない値にセットしていた場合、 chroot 環境からの exit と再度の環境移行を行う際に問題が発生します。 LC_ALL 変数は 「POSIX」 か 「C」 にセットしてください。 (両者は同じです 。) そのようにセットしておけば、chroot 環境下での作業が問題なく進められ ます。 LFS_TGT 変数は標準にないマシン名称を設定します。 しかしこれはこの先、ク ロスコンパイラやクロスリンカの構築、これを用いたツールチェーンの構築の 際に、うまく動作させるための設定です。 詳しくは 5.2. 「ツールチェーンの 技術的情報」 にて説明しているので参照してください。 /tools/bin ディレクトリを PATH 変数の先頭に設定します。 第5章 にてイン ストールするプログラムは、インストールした直後からシェルによって実行指 示が下されます。 この設定は、ハッシュ機能をオフとしたことと連携して、古 いプログラムが実行されないようにします。 たとえホストシステムとの間で同 一の実行プログラムがあったとしても、第5章の作業環境下では適切なプログラ ム実行が実現されます。 一時的なツールを構築する準備の最後として、今作り出したユーザープロファ イルを source によって取り込みます。 source ~/.bash_profile 4.5. SBU 値について 各パッケージをコンパイルしインストールするのにどれほどの時間を要するか 、誰しも知りたくなるところです。 しかし Linux From Scratch は数多くのシ ステム上にて構築可能であるため、正確な処理時間を見積ることは困難です。 最も大きなパッケージ (Glibc) の場合、処理性能の高いシステムでも 20 分は かかります。 それが性能の低いシステムとなると 3日はかかるかもしれませ ん! 本書では処理時間を正確に示すのでなく、 標準ビルド単位 (Standard Build Unit; SBU) を用いることにします。 SBU の測定は以下のようにします。 本書で最初にコンパイルするのは 第5章 における Binutils です。 このパッケージのコンパイルに要する時間を標準ビ ルド時間とし、他のコンパイル時間はその時間からの相対時間として表現しま す。 例えばあるパッケージのコンパイル時間が 4.5 SBU であったとします。 そし て Binutils の1回目のコンパイルが 10分であったとすると、そのパッケージ は およそ 45分かかることを意味しています。 幸いにも、たいていのパッケー ジは Binutils よりもコンパイル時間は短いものです。 一般にコンパイル時間は、例えばホストシステムの GCC のバージョンの違いな ど、多くの要因に左右されるため SBU 値は正確なものになりません。 SBU 値 は、インストールに要する時間の目安を示すものに過ぎず、場合によっては十 数分の誤差が出ることもあります。 特定マシンにおける実際の処理時間については、以下の LinuxFromScratch SBU ホームページに示していますので参照してください。 http:// www.linuxfromscratch.org/~sbu/ 注記 最新のシステムは複数プロセッサ (デュアルコアとも言います) であることが 多く、パッケージのビルドにあたっては「同時並行のビルド」によりビルド時 間を削減できます。 その場合プロセッサ数がいくつなのかを環境変数に指定す るか、あるいは make プログラムの実行時に指定する方法があります。 例えば コア2デュオであれば、以下のようにして同時並行の二つのプロセスを実行する ことができます。 set MAKEFLAGS='-j 2' あるいはビルド時の指定として以下のようにすることもできます。 make -j2 上のようにして複数プロセッサが利用されると、 本書に示している SBU 単位 は、通常の場合に比べて大きく変化します。 したがってビルド結果を検証する にしても話が複雑になります。 複数のプロセスラインがインターリーブにより 多重化されるためです。 ビルド時に何らかの問題が発生したら、 単一プロセ ッサ処理を行ってエラーメッセージを分析してください。 4.6. テストスイートについて 各パッケージにはたいていテストスイートがあります。 新たに構築したパッケ ージに対しては、テストスイートを実行しておくのがよいでしょう。 テストス イートは 「健全性検査 (sanity check)」 を行い、パッケージのコンパイルが 正しく行われたことを確認します。 テストスイートの実行によりいくつかのチ ェックが行われ、開発者の意図したとおりにパッケージが正しく動作すること を確認していきます。 ただこれは、パッケージにバグがないことを保証するも のではありません。 テストスイートの中には他のものにも増して重要なものがあります。 例えば、 ツールチェーンの要である GCC、Binutils、Glibc に対してのテストスイート です。 これらのパッケージはシステム機能を確実なものとする重要な役割を担 うものであるためです。 GCC と Glibc におけるテストスイートはかなりの時 間を要します。 それが低い性能のマシンであればなおさらです。 でもそれら を実行しておくことを強く推奨します。 注記 作業を進めてみれば分かることですが 第5章 の作業においてテストスイートを 実行することはあまり意味がありません。 というのも、この章において実施す るテストに対しては、ホストシステムによるある程度の影響があるためです。 時には不可解なエラーが発生することもあります。 第5章 にて生成するツール 類は一時的なものであり、その後には利用しなくなります。 したがって普通の ユーザーであれば 第5章 においてはテストスイートを実行しないことをお勧め します。 テストスイートを実行する手順を説明してはいますが、それはテスタ ーの方、開発者の方のために説明しているものであって、それらは全くのオプ ションです。 Binutils と GCC におけるテストスイートの実行では、擬似端末 (pseudo terminals; PTY) を使い尽くす問題が発生します。 これにより相当数のテスト が失敗します。 これが発生する理由はいくつかありますが、もっともありがち な理由としてはホストシステムの devpts ファイルシステムが正しく構成され ていないことがあげられます。 この点については http:// www.linuxfromscratch.org//lfs/faq.html#no-ptys においてかなり詳しく説明 しています。 パッケージの中にはテストスイートに失敗するものがあります。 しかしこれら は開発元が認識しているもので致命的なものではありません。 以下の http:// www.linuxfromscratch.org/lfs/build-logs/6.6/ に示すログを参照して、失敗 したテストが実は予期されているものであるかどうかを確認してください。 こ のサイトは、本書におけるすべてのテストスイートの正常な処理結果を示すも のです。 第5章 一時的環境の構築 5.1. はじめに この章では最小限の Linux システムを構築していく方法を示します。 このシ ステムは、最終的に 第6章 にて LFS システムを構築するためのもので、その ために必要なツール類をすべて含んでいます。 最小限とは言いつつも、取り扱 いやすい実行環境を提供します。 最小限のシステムを構築するために、以下の二段階の手順を踏みます。 初めに ホストシステムに依存しない新しいツールチェーン (コンパイラ、アセンブラ 、リンカ、ライブラリ、その他の有用なユーティリティ) を構築します。 次に このツールチェーンを使って、他の重要なツール類を構築していきます。 この章にて生成されるファイル群は $LFS/tools ディレクトリ配下にインスト ールされます。 これらのファイルは、次章にてインストールされるファイル群 や、ホスト環境にあるファイル群とは区分けされます。 ここで構築されるパッ ケージ類は、あくまで一時的なものであるため、この後に構築する LFS システ ムを汚したくないためにこのようにします。 5.2. ツールチェーンの技術的情報 本節ではシステムをビルドする原理や技術的な詳細について説明します。 この 節のすべてをすぐに理解する必要はありません。 この先、実際の作業を行って いけば、いろいろな情報が明らかになってくるはずです。 各作業を進めながら 、いつでもこの節に戻って読み直してみてください。 第5章 の最終目標は一時的なシステム環境を構築することです。 この一時的な システムには、システム構築のための十分なツール類を有し、ホストシステム とは切り離されたものです。 この環境へは chroot によって移行します。この 環境は 第6章 において、クリーンでトラブルのない LFS システムの構築を行 う土台となるものです。 構築手順の説明においては、初心者の方であっても失 敗を最小限にとどめ、同時に最大限の学習材料となるように心がけています。 重要項目 これより先に進む前に、作業するプラットフォームの 「三つの組 (target triplet)」 で表される名称を確認してください。「三つの組」 は config.guess スクリプトを実行することで簡単に確認できます。 そのスクリ プトは多くのパッケージのソースに含まれています。 Binutils パッケージの ソースを伸張 (解凍) し ./config.guess スクリプトを実行してその出力を確 認してみてください。 例えば最近の 32 ビット Intel プロセッサでは i686-pc-linux-gnu のような出力が得られます。 利用しているプラットフォームに応じたダイナミックリンカ (dynamic linker) の名前についても確認してください。 ダイナミックローダ (dynamic loader) とも表現されるものです。 (Binutils が提供する標準的なリンカ ld とは異な りますので注意してください。) Glibc が提供するこのダイナミックリンカは 、プログラムが必要としている共有ライブラリを見つけ出してロードし、実行 のための準備を行った上で実際に実行します。 32 ビットマシンのダイナミッ クリンカの名前は ld-linux.so.2 といったものになります。 確実にその名前 を調べるなら、ホストシステム内のどれでも良いので実行モジュールを選んで readelf -l <実行モジュール名> | grep interpreter と入力します。出力され る結果を確認してください。 あらゆるプラットフォームの情報を知りたいなら Glibc のソースディレクトリのルートにある shlib-versions ファイルに記さ れています。 第5章 におけるビルド手順がどのように機能するのか、その技術的な情報を以 下に示します。 ・ 動作させているプラットフォームの名前を微妙に変えます。 三つの組の " ベンダー " フィールドを変更するもので、 LFS_TGT 変数に定め利用しま す。 こうしておいて Binutils と GCC の初回の構築を行なえば、互換性 のあるクロスコンパイラ、クロスリンカを確実に構築できるようになりま す。 もう一つ別のアーキテクチャに対する実行モジュールを作らなくても 、そのクロスコンパイラとクロスリンカを使えば、生成される実行モジュ ールは現在のハードウェアに適合したものとなります。 ・ 一時的に構築するライブラリはクロスコンパイルにより生成します。 クロ スコンパイラというものは元来、ホストシステムへ依存するものではない ためです。 こうすることで、ホストシステムのヘッダやライブラリが、一 時的なツール類を壊してしまうような危険を減らすことができ、同時に 64 ビットマシンにて 32 ビットあるいは 64 ビットの双方のライブラリを構 築することができるようになります。 ・ gcc のスペック (specs) ファイルを適切に調整することで、どのダイナミ ックリンカを用いるのかをコンパイラに指示します。 Binutils をまず初めにインストールします。 この後の GCC や Glibc の configure スクリプトの実行ではアセンブラやリンカに対する様々な機能テス トが行われるためで、そこではどの機能が利用可能または利用不能であるかが 確認されます。 ただ重要なのは Binutils を一番初めにビルドするという点だ けではありません。 Gcc や Glibc の configure が正しく処理されなかったと すると、ツールチェーンがわずかながらも不完全な状態で生成されてしまいま す。 この状態は、すべてのビルド作業を終えた最後になって、大きな不具合と なって現れてくることになります。 テストスイートを実行することが欠かせま せん。 これを実行しておけば、この先に行う多くの作業に入る前に不備がある ことが分かるからです。 Binutils はアセンブラとリンカを二箇所にインストールします。 /tools/bin と /tools/$LFS_TGT/bin です。 これらは一方が他方のハードリンクとなって います。 リンカの重要なところはライブラリを検索する順番です。 ld コマン ドに --verbose オプションをつけて実行すれば詳しい情報が得られます。 例 えば ld --verbose | grep SEARCH を実行すると、検索するライブラリのパス とその検索順を示してくれます。 ダミープログラムをコンパイルして ld に --verbose オプションをつけてリンクを行うと、どのファイルがリンクされた が分かります。 例えば gcc dummy.c -Wl,--verbose 2>&1 | grep succeeded と実行すれば、リンカの処理中にオープンに成功したファイルがすべて表示さ れます。 次にインストールするのは GCC です。 configure の実行時には以下のような 出力が行われます。 checking what assembler to use... /tools/i686-lfs-linux-gnu/bin/as checking what linker to use... /tools/i686-lfs-linux-gnu/bin/ld これを示すのには重要な意味があります。 GCC の configure スクリプトは、 利用するツール類を探し出す際に PATH ディレクトリを参照していないという ことです。 しかし gcc の実際の処理にあたっては、その検索パスが必ず使わ れるわけでもありません。 gcc が利用する標準的なリンカを確認するには gcc -print-prog-name=ld を実行します。 さらに詳細な情報を知りたいときは、ダミープログラムをコンパイルする際に -v オプションをつけて実行します。 例えば gcc -v dummy.c と入力すると、 プリプロセッサ、コンパイル、アセンブルの各処理工程が示されますが、さら に gcc がインクルードした検索パスとその読み込み順も示されます。 次のパッケージは Glibc です。 Glibc 構築の際に気にかけるべき重要なもの は、コンパイラ、バイナリツール、カーネルヘッダです。 コンパイラについて は、一般にはあまり問題にはなりません。 Glibc は常に configure スクリプ トにて指定される --host パラメータに関連づけしたコンパイラを用いるから です。 我々の作業では i686-lfs-linux-gnu-gcc になります。 バイナリツー ルとカーネルヘッダは多少複雑です。 従って無理なことはせずに有効な configure オプションを選択することが必要です。 configure 実行の後は glibc-build ディレクトリにある config.make ファイルに重要な情報が示され ているので確認してみてください。 なお CC="i686-lfs-gnu-gcc" とすれば、 どこにある実行モジュールを利用するかを制御でき -nostdinc と -isystem を 指定すれば、コンパイラに対してインクルードファイルの検索パスを制御でき ます。 これらの指定は Glibc パッケージの重要な面を示しています。 Glibc がビルドされるメカニズムは自己完結したビルドが行われるものであり、ツー ルチェーンのデフォルト設定には基本的に依存しないことを示しています。 Glibc をインストールした後は、 gcc のスペックファイルにて /tools/lib デ ィレクトリにある新しいダイナミックリンカを用いるような修正を行います。 この修正により /tools 内での検索とリンクが行われるようにします。 ダイナ ミックリンカに対する固定的な検索パスの設定は、ここから生成されるすべて の ELF (Executable and Link Format) 形式の実行モジュールにも埋め込まれ ていきます。 その結果は readelf -l <実行モジュール名> | grep interpreter を実行すれば確認できます。 gcc のスペック・ファイルを修正す るのは、これ以降、本章の最後に至るまで、すべてのプログラムのコンパイル 時に /tools/lib にあるダイナミックリンカが利用されるよう仕向けるもので す。 GCC の第2回目のビルドにおいても、スペックファイルを修正して新しいダイナ ミックリンカが用いられるようにします。 これをもし誤ってしまうと、ホスト システムの /lib ディレクトリが埋め込まれたダイナミックリンカを用いるも のとして GCC が生成されてしまいます。 こうしてしまうと、ホストシステム に依存しない形を目指すという目的が達成できません。 Binutils の2回めのビルドにおいては ld コマンドのライブラリ検索パスを設 定するために configure の --with-lib-path オプションを指定します。 それ 以降ツールチェーンの核となるツール類は、自分自身から作り出された (self-contained) 自分だけで処理できる (self-hosted) 形となります。 第5 章 において構築する残りのパッケージは /tools ディレクトリの新しい Glibc を用いてビルドされます。 第6章 での chroot による環境下では、実質的なパッケージとして Glibc を初 めにビルドします。 これは上に述べているように自己完結した性質を目指すた めです。 /usr に Glibc をインストールしたら、ツールチェーンのデフォルト ディレクトリの変更を行い LFS システムを構築する残りのパッケージをビルド していきます。 5.3. 全般的なコンパイル手順 パッケージをビルドしていく際には、以下に示す内容を前提とします: ・ パッケージの中には、コンパイルする前にパッチを当てるものがあります 。 パッチを当てるのは、そのパッケージが抱える問題を回避するためです 。 本章と次章の双方でパッチを当てるものがあり、 あるいは本章と次章 のいずれか一方でパッチを当てるものもあります。 したがってパッチをダ ウンロードする説明が書かれていないなら、 何も気にせず先に進んでくだ さい。 パッチを当てた際に offset や fuzz といった警告メッセージが出 る場合がありますが、これらは気にしないでください。 このような時でも パッチは問題なく適用されています。 ・ コンパイルの最中に、警告メッセージが画面上に出力されることがよくあ ります。 これは問題はないため無視して構いません。 警告メッセージは 、メッセージ内に説明されているように、C や C++ の文法が誤りではない ものの推奨されていないものであることを示しています。 C 言語の標準は よく変更されますが、パッケージの中には古い基準に従っているものもあ ります。 問題はないのですが、警告として画面表示されることになるわけ です。 重要項目 各パッケージをインストールした後は、特に具体的な指示がない限りは、 そのソースディレクトリやビルドディレクトリは削除してください。 ソー スディレクトリを削除するのは、後にもう一度そのパッケージをインスト ールする際に、構築のミスを防ぐためです。 ・ もう一度、環境変数 LFS が正しく設定されているかを確認します。 echo $LFS 上の出力結果が LFS パーティションのマウントポイントのディレクトリで あることを確認してください。 本書では /mnt/lfs ディレクトリとして説 明しています。 ・ 最後に以下の二つの点にも注意してください。 重要項目 ビルド作業においては bash シェルの利用を想定しています。 重要項目 パッケージのビルド操作を進めるために、まずは lfs ユーザーによってパ ッケージファイルの伸張 (解凍) を行い、cd コマンドによりそのパッケー ジディレクトリに移動します。 5.4. Binutils-2.20 - 1回め Binutils パッケージは、リンカやアセンブラなどのようにオブジェクトファイ ルを取り扱うツール類を提供します。 概算ビルド時間: 1 SBU 必要ディスク容量: 248 MB 5.4.1. クロスコンパイル版 Binutils のインストール 注記 前の節に戻って再度説明をよく読み、重要事項として説明している内容をよく 理解しておいてください。 そうすればこの後の無用なトラブルを減らすことが できるはずです。 Binutils は一番最初にビルドするパッケージです。 ここでビルドされるリン カやアセンブラを使って、Glibc や GCC の様々な機能が利用できるかどうかを 判別することになります。 Binutils のドキュメントでは Binutils をビルドする際に、ソースディレクト リではなく、ビルド専用のディレクトリを使ってビルドすることを推奨してい ます。 mkdir -v ../binutils-build cd ../binutils-build 注記 本節以降で SBU値を示していきます。 これを活用していくなら、本パッケージ の configure から初めのインストールまでの処理時間を計測しましょう。 具 体的には処理コマンドを time で囲んで time { ./configure ... && make && make install; } と入力すれば実現できます。 Binutils をコンパイルするための準備をします。 ../binutils-2.20/configure \ --target=$LFS_TGT --prefix=/tools \ --disable-nls --disable-werror configure オプションの意味: --target=$LFS_TGT 変数 LFS_TGT に設定しているマシン名は config.guess スクリプトが返す ものとは微妙に異なります。 そこでこのオプションは、Binutils のビル ドにあたってクロスリンカをビルドするように configure スクリプトに指 示するものです。 --prefix=/tools configure スクリプトに対して Binutils プログラムを /tools ディレク トリ以下にインストールすることを指示します。 --disable-nls 一時的なツール構築にあたっては i18n 国際化は行わないことを指示しま す。 --disable-werror ホストのコンパイラが警告を発した場合に、ビルドが中断することがない ようにします。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。通常ならここでテストスイートを実行します。 し かしシステム構築初期のこの段階ではテストスイートのフレームワーク (Tcl, Expect, DejaGNU) が準備できていません。 さらにこの時点で生成されるプロ グラムは、すぐに次の生成作業によって置き換えられますから、 この時点でテ ストを実行することはあまり意味がありません。 x86_64 にて作業をしている場合は、ツールチェーンの切り分けを適切に行うた めにシンボリックリンクを作成します。 case $(uname -m) in x86_64) mkdir -v /tools/lib && ln -sv lib /tools/lib64 ;; esac パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.12.2. 「Binutils の構成」 を参照してください。 5.5. GCC-4.4.3 - 1回め GCC パッケージは C コンパイラや C++ コンパイラなどの GNU コンパイラコレ クションを提供します。 概算ビルド時間: 5.0 SBU 必要ディスク容量: 809 MB 5.5.1. クロスコンパイル版 GCC のインストール 最近の GCC は GMP パッケージと MPFR パッケージを必要とします。 これらの パッケージはホストシステムに含まれていないかもしれないため、以下を実行 してビルドの準備をします。 tar -jxf ../mpfr-2.4.2.tar.bz2 mv -v mpfr-2.4.2 mpfr tar -jxf ../gmp-5.0.0.tar.bz2 mv -v gmp-5.0.0 gmp GCC のドキュメントでは、ソースディレクトリ以外の専用のビルドディレクト リを作成することが推奨されています。 mkdir -v ../gcc-build cd ../gcc-build GCC をコンパイルするための準備を行います。 ../gcc-4.4.3/configure \ --target=$LFS_TGT --prefix=/tools \ --disable-nls --disable-shared --disable-multilib \ --disable-decimal-float --disable-threads \ --disable-libmudflap --disable-libssp \ --disable-libgomp --enable-languages=c configure オプションの意味: --disable-shared このオプションは内部ライブラリをスタティックライブラリとしてリンク することを指示します。 ホストシステムに関係しそうな問題を回避するた めです。 --disable-decimal-float, --disable-threads, --disable-libmudflap, --disable-libssp, --disable-libgomp これらのオプションは順に、十進浮動小数点制御、スレッド処理、 libmudflap、libssp、libgomp のサポートをいずれも無効にすることを指 示します。 これらの機能を含めていると、クロスコンパイラをビルドする 際にはコンパイルに失敗します。 またクロスコンパイルによって一時的な libc ライブラリを構築する際には不要なものです。 --disable-multilib x86_64 に対して LFS は まだ multilib のサポートをしていません。 こ のオプション指定は x86 には無関係です。 --enable-languages=c このオプションは C コンパイラのみビルドすることを指示します。 この 時点で必要なのはこの言語だけだからです。 GCC をコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 この時点でもテストスイートを実行することはで きます。 ただ前にも述べているように、テストスイートのフレームワークがま だ準備できていません。 さらにこの時点で生成されるプログラムは、すぐに次 の生成作業によって置き換えられますから、 この時点でテストを実行すること はあまり意味がありません。 パッケージをインストールします。 make install --disable-shared オプションを指定すると libgcc_eh.a を生成せずインスト ールしません。 Glibc パッケージはこのライブラリに依存しており、ビルドの 際に -lgcc_eh を指定することで利用されます。依存している点は libgcc.a へのシンボリックリンクを生成しておけば問題はありません。 libgcc_eh.a に 含まれるオブジェクトが、 最終的には libgcc.a の中にも含まれることになる からです。 ln -vs libgcc.a `$LFS_TGT-gcc -print-libgcc-file-name | \ sed 's/libgcc/&_eh/'` 本パッケージの詳細は 6.16.2. 「GCC の構成」 を参照してください。 5.6. Linux-2.6.32.8 API ヘッダ Linux API ヘッダは Glibc が利用するカーネル API を提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 431 MB 5.6.1. Linux API ヘッダのインストール Linux カーネルはアプリケーションプログラミングインターフェース (Application Programming Interface) を、システムの C ライブラリ (LFS の 場合 Glibc) に対して提供する必要があります。 これを行うには Linux カー ネルのソースに含まれる、さまざまな C ヘッダファイルを「健全化 (sanitizing)」して利用します。 これより前に一度処理を行っていたとしても、不適切なファイルや誤った依存 関係を残さないように、以下を処理します。 make mrproper そしてユーザーが利用するカーネルヘッダファイルをテストし、ソースから抽 出します。 それらはいったん中間的なローカルディレクトリに置かれ、必要な 場所にコピーされます。 ターゲットディレクトリに既にあるファイルは削除さ れてからソースからの抽出処理が行われます。 make headers_check make INSTALL_HDR_PATH=dest headers_install cp -rv dest/include/* /tools/include 本パッケージの詳細は 6.7.2. 「Linux API ヘッダの構成」 を参照してくださ い。 5.7. Glibc-2.11.1 Glibc パッケージは主要な C ライブラリを提供します。 このライブラリは基 本的な処理ルーチンを含むもので、メモリ割り当て、ディレクトリ走査、ファ イルのオープン・クローズや入出力、文字列操作、パターンマッチング、算術 処理、等々があります。 概算ビルド時間: 6.9 SBU 必要ディスク容量: 371 MB 5.7.1. Glibc のインストール Glibc のドキュメントでは、ソースディレクトリ以外の専用のビルドディレク トリを作成することが推奨されています。 mkdir -v ../glibc-build cd ../glibc-build Glibc は i386 をサポートしなくなりました。開発者によると x86 マシンに対 してはコンパイラフラグとして -march=i486 を指定する必要があります。 こ れを実際に指定する方法はいくつかあります。 もっとも試してみれば分かりま すが、ビルド時の変数 「CFLAGS」 にて設定しておくのが一番です。 Glibc の 内部的なビルドシステムが利用する CFLAGS を上書き設定するのとは別に configparms ファイルという特別なファイルを使って CFLAGS に対して追加設 定を行うこともできます。 -mtune=native というフラグも必要で -march を設 定した際に変更される -mtune の値を適切にリセットします。 case `uname -m` in i?86) echo "CFLAGS += -march=i486 -mtune=native" > configparms ;; esac 次に Glibc をコンパイルするための準備をします。 ../glibc-2.11.1/configure --prefix=/tools \ --host=$LFS_TGT --build=$(../glibc-2.11.1/scripts/config.guess) \ --disable-profile --enable-add-ons \ --enable-kernel=2.6.18 --with-headers=/tools/include \ libc_cv_forced_unwind=yes libc_cv_c_cleanup=yes configure オプションの意味: --host=$LFS_TGT, --build=$(../glibc-2.11.1/scripts/config.guess) このようなオプションを組み合わせることで /tools ディレクトリにある クロスコンパイラ、クロスリンカを使って Glibc がクロスコンパイルされ るようになります。 --disable-profile プロファイル情報を含めずにライブラリをビルドすることを指示します。 一時的なツールにてプロファイル情報が必要な場合は、このオプションを 取り除いてください。 --enable-add-ons スレッド処理のライブラリとして NPTL アドオンを利用することを指示し ます。 --enable-kernel=2.6.18 Linux カーネル 2.6.18 以上のサポートを行うよう指示します。 これ以前 のカーネルは利用することができません。 --with-headers=/tools/include これまでに tools ディレクトリにインストールしたヘッダファイルを用い て Glibc をビルドすることを指示します。 こうすればカーネルにどのよ うな機能があるか、どのようにして処理効率化を図れるかなどの情報を Glibc が得られることになります。 libc_cv_forced_unwind=yes 5.4. 「Binutils-2.20 - 1回め」 においてインストールしたリンカは、ク ロスコンパイルにより生成したものです。 これは Glibc をインストール するまでは使えません。 これはつまり force-unwind サポートに対するテ ストは失敗することを意味します。 正しく動作するリンカに依存するため です。 libc_cv_forced_unwind=yes の変数設定は、 configure スクリプ トに対して テストを実行しなくても force-unwind サポート機能を利用可 能とすることを指示します。 libc_cv_c_cleanup=yes 上と同様に configure スクリプトに対して libc_cv_c_cleanup=yes を指 示します。 これによりテストが省略され、C のクリーンアップハンドリン グ (cleanup handling) のサポートを指定します。 ビルド中には以下のようなメッセージが出力されるかもしれません。 configure: WARNING: *** These auxiliary programs are missing or *** incompatible versions: msgfmt *** some features will be disabled. *** Check the INSTALL file for required versions. msgfmt プログラムがない場合 (missing) や互換性がない場合 (incompatible) でも特に問題はありません。 msgfmt プログラムは Gettext パッケージが提供 するもので、ホストシステムに含まれているかもしれません。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートは存在しますが、ここで実行することはでき ません。 この時点ではまだ C++ コンパイラを構築していないためです。 注記 テストスイートを正しく実行するためには、さらにロケールデータも必要にな ります。 ロケールデータは、システム内の各種ユーティリティが、日付、時刻 、通貨などの情報を利用したり出力したりするために用いられるものです。 テ ストスイートの実行は不要と説明していることから、これに従って実行しない 場合はロケールデータをここでインストールする必要はありません。 適切なロ ケールデータは次章にてインストールします。 それでもここでインストールす るなら 6.9. 「Glibc-2.11.1」 に示される手順に従ってください。 パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.9.4. 「Glibc の構成」 を参照してください。 5.8. ツールチェーンの調整 一時的な C ライブラリをインストールしました。 これ以降の章でコンパイル していくツール類は、このライブラリをリンクしていきます。 リンクを行うに はクロスコンパイラのスペックファイルを修正して /tools ディレクトリにあ るダイナミックリンカを指し示すようにします。 具体的にはコンパイラの 「スペック (specs) 」 ファイルをダンプして、これ が参照されるディレクトリに置きます。 以下では単純な sed コマンドによる 置換によって GCC が利用するダイナミックリンカを変更します。 ここで為す ことは /lib ディレクトリ内 (ホストが 64 ビットなら /lib64 ディレクトリ 内) のダイナミックリンカファイルへの参照を探し出し、これを新しい /tools への参照へと調整することです。 作業を正確に行うために、以下のコマンド実行にあたってはコピー・ペースト によりコマンド入力を行うことをお勧めします。 そしてスペックファイルを開 いて、ダイナミックリンカの配置場所を示す記述がすべて適切に調整されてい ることを確認してください。 必要に応じて 5.2. 「ツールチェーンの技術的情 報」 を読み直し、ダイナミックリンカのデフォルト名を確認してください。 SPECS=`dirname $($LFS_TGT-gcc -print-libgcc-file-name)`/specs $LFS_TGT-gcc -dumpspecs | sed \ -e 's@/lib\(64\)\?/ld@/tools&@g' \ -e "/^\*cpp:$/{n;s,$, -isystem /tools/include,}" > $SPECS echo "New specs file is: $SPECS" unset SPECS 注意 この時点において新しく構築したツールチェーンの基本的な (コンパイルやリ ンクなどの) 機能が正しく動作していることを確認する必要があります。 健全 性検査 (sanity check) を行うために以下を実行してください。 echo 'main(){}' > dummy.c $LFS_TGT-gcc -B/tools/lib dummy.c readelf -l a.out | grep ': /tools' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドから 出力される結果は以下のようになるはずです。 [Requesting program interpreter: /tools/lib/ld-linux.so.2] ダイナミックリンカのディレクトリは /tools/lib に、あるいは 64 ビットマ シンであれば /tools/lib64 になります。 コマンドの出力結果が上と異なっていたり、あるいは何も出力されなかった場 合は、何かがおかしいことを意味します。 どこに問題があるのか調査・再試行 を行って解消してください。 解決せずにこの先に進まないでください。 おか しいとすれば、上で行ったスペックファイルの修正に何か問題があったのかも しれません。 もしそうであったなら、スペックファイルの修正を、コマンドの コピー・ペースト作業に十分注意して再度行ってください。 すべてが終了したらテストファイルを削除します。 rm -v dummy.c a.out 注記 次節にてビルドする Binutils では、ツールチェーンが正しくビルドできてい るかどうかを改めてチェックします。 もし Binutils のビルドが失敗したなら 、それはここまでに行ってきた Binutils、GCC、Glibc のビルドに失敗してい ることを意味します。 5.9. Binutils-2.20 - 2回め Binutils パッケージは、リンカやアセンブラなどのようにオブジェクトファイ ルを取り扱うツール類を提供します。 概算ビルド時間: 1.3 SBU 必要ディスク容量: 259 MB 5.9.1. Binutils のインストール ビルドのためのディレクトリを再び生成します。 mkdir -v ../binutils-build cd ../binutils-build Binutils をコンパイルするための準備をします。 CC="$LFS_TGT-gcc -B/tools/lib/" \ AR=$LFS_TGT-ar RANLIB=$LFS_TGT-ranlib \ ../binutils-2.20/configure --prefix=/tools \ --disable-nls --with-lib-path=/tools/lib configure オプションの意味: CC="$LFS_TGT-gcc -B/tools/lib/" AR=$LFS_TGT-ar RANLIB=$LFS_TGT-ranlib Binutils をネイティブにビルドすることが目的なので、ホストシステムに 存在しているクロスコンパイラや関連ツールは使わず、ビルドしているシ ステム内のものを用いるように指定します。 --with-lib-path=/tools/lib configure スクリプトに対して Binutils のコンパイル中でのライブラリ パスを指定します。 リンカに対して /tools/lib ディレクトリを指定する ものです。 こうすることでリンカがホスト上のライブラリを検索しないよ うにします。 パッケージをコンパイルします。 make パッケージをインストールします。 make install 次章で行う「再調整」の作業に向けてリンカを準備します。 make -C ld clean make -C ld LIB_PATH=/usr/lib:/lib cp -v ld/ld-new /tools/bin make パラメータの意味: -C ld clean サブディレクトリ ld にコンパイル生成されたプログラムをすべて削除し ます。 -C ld LIB_PATH=/usr/lib:/lib サブディレクトリ ld の中に生成されるべきプログラムを再生成します。 Makefile ファイル内の変数 LIB_PATH をコマンドラインから与えることで 、一時的なツール類の設定を上書き指定し、適切なパスを指示します。 こ の変数の設定はリンカに対するデフォルトの検索パスを指定するものであ り、次章に向けた準備となります。 本パッケージの詳細は 6.12.2. 「Binutils の構成」 を参照してください。 5.10. GCC-4.4.3 - 2回め GCC パッケージは C コンパイラや C++ コンパイラなどの GNU コンパイラコレ クションを提供します。 概算ビルド時間: 9.0 SBU 必要ディスク容量: 1003 MB 5.10.1. GCC のインストール バージョン 4.3 以降の GCC を用いてここでのビルド作業を行うと、出来上が るのは再配置可能なコンパイラ (relocated compiler) であり、--prefix パラ メータによって指定されたディレクトリからの起動ファイル (startfiles) の 探索が行われないものになります。 しかしここで作り出すのは再配置可能なコ ンパイラではなく、 /tools ディレクトリにある起動ファイルは /tools ディ レクトリ内のライブラリにリンクされたコンパイラを作り出すことが必要であ るため、以下のパッチを適用します。 このパッチは、部分的に GCC の古い機 能を復活させるものです。 patch -Np1 -i ../gcc-4.4.3-startfiles_fix-1.patch 通常の利用環境において GCC が提供する fixincludes スクリプトは、根本的 に不備のあるヘッダファイルを修正する目的で利用されます。 しかしこの時点 で GCC-4.4.3 と Glibc-2.11.1 を既にインストールしており、それぞれのヘッ ダファイルは修正する必要がないことが分かっています。 つまり fixincludes スクリプトを利用する必要がありません。 もし実行してしまうと、ホストシス テムに既に存在していたヘッダファイルが修正され、それが GCC のプライベー トなディレクトリへとインストールされることになり、ビルド環境を壊してし まうことになります。 そこで fixincludes スクリプトの実行を無効とするた めに以下を実行します。 cp -v gcc/Makefile.in{,.orig} sed 's@\./fixinc\.sh@-c true@' gcc/Makefile.in.orig > gcc/Makefile.in x86 マシンにおいてブートストラップビルドを行うと、コンパイラフラグ -fomit-frame-pointer が設定されます。 しかしブートストラップではないビ ルドの場合はデフォルトではこのフラグが無効化されてしまいます。 ここで実 現したいのは、ブートストラップビルドを行った場合とまったく同じコンパイ ラをビルドすることです。 そこで以下の sed コマンドにより、強制的に上の フラグを利用するようにします。 cp -v gcc/Makefile.in{,.tmp} sed 's/^T_CFLAGS =$/& -fomit-frame-pointer/' gcc/Makefile.in.tmp \ > gcc/Makefile.in 以下のコマンドは GCC が利用するダイナミックリンカの場所を変更して / tools ディレクトリにインストールしたものを用いるようにします。 同時に GCC が探索するインクルードファイルのパスから /usr/include を取り除きま す。 インストールの後にスペックファイルを調整する方法もありますが、今こ こでこのようにするのは GCC の実際のビルドにおいて新しいダイナミックリン カを用いるようにするためです。 つまりここでのビルドを通じてすべての実行 モジュール類を新しい Glibc に対してリンクするものです。 以下のコマンド によりそれを実現します。 for file in \ $(find gcc/config -name linux64.h -o -name linux.h -o -name sysv4.h) do cp -uv $file{,.orig} sed -e 's@/lib\(64\)\?\(32\)\?/ld@/tools&@g' \ -e 's@/usr@/tools@g' $file.orig > $file echo ' #undef STANDARD_INCLUDE_DIR #define STANDARD_INCLUDE_DIR 0 #define STANDARD_STARTFILE_PREFIX_1 "" #define STANDARD_STARTFILE_PREFIX_2 ""' >> $file touch $file.orig done 上のコマンドがよく分からない場合は一つ一つ読み下していってください。 ま ず gcc/config ディレクトリには linux.h、 linux64.h、 sysv4.h といったフ ァイルのいずれかがあるはずです。 それらが存在したら、ファイル名称の末尾 に 「.orig」 をつけたファイルとしてコピーします。 そして一つめの sed コ マンドでは、そのファイル内にある 「/lib/ld」、 「/lib64/ld」、 「/lib32 /ld」 という記述部分の頭に 「/tools」 を付与します。 また二つめの sed コマンドによってハードコーディングされている 「/usr」 という部分を書き 換えます。 そしてここで加えるべき定義文をファイルの末尾に追加し、検索パ スと startfile プリフィックスを変更します。 最後に touch によってコピー したファイルのタイムスタンプを更新します。 cp -u を用いるのは、誤ってコ マンドを二度起動したとしてもオリジナルファイルを壊さないようにするため です。 x86_64 では GCC の multilib スペックを無効化します。 これはホスト上のラ イブラリにリンクされないようにするためです。 case $(uname -m) in x86_64) for file in $(find gcc/config -name t-linux64) ; do \ cp -v $file{,.orig} sed '/MULTILIB_OSDIRNAMES/d' $file.orig > $file done ;; esac GCC を初めてビルドする際には GMP パッケージと MPFR パッケージを必要とし ます。 tarball を解凍して、所定のディレクトリ名に移動させます。 tar -jxf ../mpfr-2.4.2.tar.bz2 mv -v mpfr-2.4.2 mpfr tar -jxf ../gmp-5.0.0.tar.bz2 mv -v gmp-5.0.0 gmp 専用のディレクトリを再度生成します。 mkdir -v ../gcc-build cd ../gcc-build GCC のビルドに入る前に、デフォルトの最適化フラグを上書きするような環境 変数の設定がないことを確認してください。 GCC をコンパイルするための準備をします。 CC="$LFS_TGT-gcc -B/tools/lib/" \ AR=$LFS_TGT-ar RANLIB=$LFS_TGT-ranlib \ ../gcc-4.4.3/configure --prefix=/tools \ --with-local-prefix=/tools --enable-clocale=gnu \ --enable-shared --enable-threads=posix \ --enable-__cxa_atexit --enable-languages=c,c++ \ --disable-libstdcxx-pch --disable-multilib \ --disable-bootstrap configure オプションの意味: --enable-clocale=gnu このオプションはあらゆる状況において C++ ライブラリに対するロケール モデルが正しく設定されるようにします。 configure スクリプト実行時に de_DE ロケールがインストール済みであることが分かれば、正しい GNU ロ ケールモデルが設定されます。 しかし de_DE ロケールがインストールさ れていなかったら、誤った汎用ロケールモデルが設定されてしまうため、 アプリケーションバイナリインターフェース (Application Binary Interface; ABI) とは非互換の C++ ライブラリが生成されてしまう可能性 があります。 --enable-threads=posix マルチスレッドコードを扱う C++ の例外処理を有効にします。 --enable-__cxa_atexit このオプションは atexit を使用せず __cxa_atexit の使用を有効にしま す。 これによりローカルなスタティックオブジェクトおよびグローバルオ ブジェクトに対する C++ デストラクタを登録します。 このオプションは 、標準に完全準拠したデストラクタ実装のために必要です。 またこれは C++ ABI に影響するものであり C++ 共有ライブラリ、C++ プログラムを作 り出し、他の Linux ディストリビューションとの互換性を実現します。 --enable-languages=c,c++ C と C++ の両コンパイラを生成することを指示します。 --disable-libstdcxx-pch libstdc++ に対してプリコンパイルヘッダ (pre-compiled header; PCH) をビルドしないように指示します。 これを含めてしまうとサイズが増える ことになり、そもそも利用する必要がありません。 --disable-bootstrap GCC のネイティブビルドを行うには、デフォルトでは "ブートストラップ" ビルドを行ないます。 これは単に GCC をコンパイルするのではなく、数 回のコンパイルを繰り返します。 つまり一回めにビルドされたプログラム を使って二回め、三回めのコンパイルを行うものです。 二回め、三回めと コンパイルを繰り返すのは、これによって自分自身を再生成して完璧なも のを作り出すためです。 このことによってコンパイルが正確に行われたこ とを暗に示すことにもなります。 しかし LFS のビルドでは、何度もブー トストラップを行う必要のない、手堅い(solid) コンパイラを作り出しま す。 パッケージをコンパイルします。 make パッケージをインストールします。 make install 最後にシンボリックリンクを作成します。 プログラムやスクリプトの中には gcc ではなく cc を用いるものが結構あります。 シンボリックリンクを作るこ とで各種のプログラムを汎用的にすることができ、通常 GNU C コンパイラがイ ンストールされていない多くの UNIX システムでも利用できるものになります 。 cc を利用することにすれば、 システム管理者がどの C コンパイラをイン ストールすべきかを判断する必要がなくなります。 ln -vs gcc /tools/bin/cc 注意 この時点で、構築したツールチェーンの基本的な (コンパイルやリンクなどの) 機能が正しく動作していることを確認する必要があります。 健全性検査 (sanity check) を行うために以下を実行してください。 echo 'main(){}' > dummy.c cc dummy.c readelf -l a.out | grep ': /tools' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドから 出力される結果は以下のようになるはずです。 [Requesting program interpreter: /tools/lib/ld-linux.so.2] ここでダイナミックリンカのディレクトリが /tools/lib であることを確認し てください。 あるいは 64 ビットマシンであれば /tools/lib64 であることを 確認してください。 コマンドの出力結果が上と異なっていたり、あるいは何も出力されなかった場 合は、何かがおかしいことを意味します。 どこに問題があるのか調査・再試行 を行って解消してください。 解決せずにこの先に進まないでください。 cc で はなく gcc を使って再度健全性検査を行ってみてください。 これで解決した なら /tools/bin/cc のシンボリックリンクが正しくないということです。 正 しく生成し直してください。 また環境変数 PATH が正しいかどうかも確認して ください。 echo $PATH を実行して、実行パスリストの先頭が /tools/bin で あるかどうか確認します。 PATH が間違っていたなら、実はあなたは lfs ユー ザーでログインしていないのかもしれませんし 4.4. 「環境設定」 での作業に 間違いがあったのかもしれません。 すべてが終了したらテストファイルを削除します。 rm -v dummy.c a.out 本パッケージの詳細は 6.16.2. 「GCC の構成」 を参照してください。 5.11. Tcl-8.5.8 Tcl パッケージはツールコマンド言語 (Tool Command Language) を提供します 。 概算ビルド時間: 0.5 SBU 必要ディスク容量: 32 MB 5.11.1. Tcl のインストール 本パッケージとこれに続く二つのパッケージ (Expect と DejaGNU) は、GCC お よび Binutils におけるテストスイートを実行するのに必要となるためインス トールするものです。 テスト目的のためにこれら三つのパッケージをインスト ールするというのは、少々大げさなことかもしれません。 ただ本質的ではない ことであっても、重要なツール類が正常に動作するという確認が得られれば安 心できます。 本章ではテストスイートを実行することは必須ではないため、実 行しないものとしていますが、それらの三つのパッケージは 第6章 で行うテス トのために必要となるものです。 Tcl をコンパイルするための準備をします。 cd unix ./configure --prefix=/tools パッケージをビルドします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 TZ=UTC make test Tcl のテストスイートは、特定のホスト環境において失敗することがあります が、その原因はよく分かっていません。 したがってテストスイートの失敗は驚 くことではなく、さして重大なことではありません。 TZ=UTC はタイムゾーン を協定世界時間 (Coordinated Universal Time; UTC) あるいはグリニッジ標準 時間としても知られる時間に設定します。 ただしこれはテストスイートを実行 する時だけの設定です。 こうしておけば時刻に関するテストが正しく処理され ます。 環境変数 TZ については 第7章 にて詳しく説明しています。 パッケージをインストールします。 make install インストールされたライブラリを書き込み可能にします。 こうすることで後に デバッグシンボルを削除できるようにします。 chmod -v u+w /tools/lib/libtcl8.5.so Tcl のヘッダファイルをインストールします。 これらは次にビルドする Expect が必要とするファイルです。 make install-private-headers 必要となるシンボリックリンクを生成します。 ln -sv tclsh8.5 /tools/bin/tclsh 5.11.2. Tcl の構成 インストールプログラム: tclsh (tclsh8.5 へのリンク), tclsh8.5 インストールライブラリ: libtcl8.5.so, libtclstub8.5.a 概略説明 tclsh8.5 Tcl コマンドシェル tclsh tclsh8.5 へのリンク libtcl8.5.so Tcl ライブラリ libtclstub8.5.a Tcl スタブライブラリ 5.12. Expect-5.43.0 Expect パッケージは、他のプログラムと対話的に処理を行うプログラムを提供 します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 4.1 MB 5.12.1. Expect のインストール まずバグフィックスを行います。 これは GCC のテストスイートの失敗を回避 するものです。 patch -Np1 -i ../expect-5.43.0-spawn-1.patch 次のバグフィックスは Tcl の最近の変更に対応するものです。 patch -Np1 -i ../expect-5.43.0-tcl_8.5.5_fix-1.patch Expect の configure スクリプトは、ホストシステムの /usr/local/bin/stty を利用しようとしますが、/bin/stty を利用するように修正します。 これを行 うのは、ここで構築しているテストスイートのツール類を、ツールチェーンの 最終構築まで正常動作してもらうために必要となるからです。 cp -v configure{,.orig} sed 's:/usr/local/bin:/bin:' configure.orig > configure Expect をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools --with-tcl=/tools/lib \ --with-tclinclude=/tools/include --with-x=no configure オプションの意味: --with-tcl=/tools/lib Tcl のインストールモジュールを、ホストシステムに存在しているツール 類の場所からではなく、一時的ツールを配置したディレクトリから探し出 すことを指示します。 --with-tclinclude=/tools/include Tcl の内部ヘッダファイルを探し出す場所を指定します。 configure は自 動的には Tcl ヘッダファイルの場所を探し出さないため、これを明示しま す。 --with-x=no Tk (Tcl の GUI コンポーネント) や X ウィンドウシステムライブラリを 検索しないことを指示します。 いずれもホストシステムに存在するかもし れませんが、 今作り出す一時システムには存在しません。 パッケージをビルドします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make test Expect のテストスイートは、特定のホスト環境において失敗することがありま すが、その原因はよく分かっていません。 したがってテストスイートの失敗は 驚くことではなく、さして重大なことではありません。 パッケージをインストールします。 make SCRIPTS="" install make パラメータの意味: SCRIPTS="" Expect の補助的なスクリプトはインストールしないことを指示します。 これらは必要ありません。 5.12.2. Expect の構成 インストールプログラム: expect インストールライブラリ: libexpect-5.43.a 概略説明 expect スクリプトを通じて他の対話的なプログラムとの処理を行い ます。 Tcl 拡張機能を通じて、あるいは (Tcl がない場合に) C や libexpect-5.43.a C++ から直接、Expect とのやりとりを行う関数を提供しま す。 5.13. DejaGNU-1.4.4 DejaGNU パッケージは、他のプログラムをテストするフレームワークを提供し ます。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 6.1 MB 5.13.1. DejaGNUのインストール DejaGNU をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをビルドしてインストールします。 make install コンパイル結果をテストするなら以下を実行します。 make check 5.13.2. DejaGNUの構成 インストールプログラム: runtest 概略説明 runtest expect シェルの適正な場所を特定し DejaGNU を実行するためのラッ パースクリプト。 5.14. Ncurses-5.7 Ncurses パッケージは、端末に依存しない、文字ベースのスクリーン制御を行 うライブラリを提供します。 概算ビルド時間: 0.7 SBU 必要ディスク容量: 30 MB 5.14.1. Ncurses のインストール Ncurses をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools --with-shared \ --without-debug --without-ada --enable-overwrite configure オプションの意味: --without-ada このオプションは Ncurses に対して Ada コンパイラのサポート機能をビ ルドしないよう指示します。 この機能はホストシステムでは提供されてい るかもしれませんが、 chroot 環境に入ってしまうと利用できなくなりま す。 --enable-overwrite このオプションは Ncurses のヘッダファイルを /tools/include/ncurses ではなく /tools/include にインストールすることを指示します。 これは 他のパッケージが Ncurses のヘッダファイルを正しく見つけ出せるように するためです。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにはテストスイートがありますが、インストールした後に実行 しなければなりません。 テストスイートのためのファイル群はサブディレクト リ test/ 以下に残っています。 詳しいことはそのディレクトリ内にある README ファイルを参照してください。 パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.19.2. 「Ncurses の構成」 を参照してください。 5.15. Bash-4.1 Bash は Bourne-Again SHell を提供します。 概算ビルド時間: 0.5 SBU 必要ディスク容量: 35 MB 5.15.1. Bash のインストール Bash をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools --without-bash-malloc configure オプションの意味: --without-bash-malloc このオプションは Bash のメモリ割り当て関数 (malloc) を利用しないこ とを指示します。 この関数はセグメンテーションフォールトが発生する可 能性があるものとして知られています。 このオプションをオフにすること で、Bash は Glibc が提供する malloc 関数を用いるものとなり、そちら の方が安定しています。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make tests パッケージをインストールします。 make install 他のプログラム類がシェルとして sh を用いるものがあるためリンクを作りま す。 ln -vs bash /tools/bin/sh 本パッケージの詳細は 6.29.2. 「Bash の構成」 を参照してください。 5.16. Bzip2-1.0.5 Bzip2 パッケージはファイル圧縮・伸長 (解凍) を行うプログラムを提供しま す。 テキストファイルであれば、これまでよく用いられてきた gzip に比べて bzip2 の方が圧縮率の高いファイルを生成できます。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 4.8 MB 5.16.1. Bzip2 のインストール Bzip2 パッケージには configure がありません。 コンパイルおよびテストを 行うには以下を実行します。 make パッケージをインストールします。 make PREFIX=/tools install 本パッケージの詳細は 6.36.2. 「Bzip2 の構成」 を参照してください。 5.17. Coreutils-8.4 Coreutils パッケージはシステムの基本的な特性を表示したり設定したりする ためのユーティリティを提供します。 概算ビルド時間: 0.7 SBU 必要ディスク容量: 88 MB 5.17.1. Coreutils のインストール Coreutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools --enable-install-program=hostname configure オプションの意味: --enable-install-program=hostname このオプションは hostname プログラムを生成しインストールすることを 指示します。 このプログラムはデフォルトでは生成されません。そしてこ れは Perl のテストスイートを実行するのに必要となります。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make RUN_EXPENSIVE_TESTS=yes check パラメータ RUN_EXPENSIVE_TESTS=yes は、テストスイートの実行にあたって (CPU パワーとメモリ使用量の観点で) 比較的負荷の高いテストを追加で実行す ることを指示します。 特定のプラットフォームに対してのテスト確認となりま すが、一般的に Linux 上において支障はありません。 パッケージをインストールします。 make install 上のコマンド実行では su がインストールされません。 一般ユーザーではこの プログラムを root 権限でインストールできないためです。 別名ファイルを作 り出して手動でインストールすることで、最終的に構築するシステムでもテス トの実行を一般ユーザーにより行います。 またホストシステムにある su コマ ンドは PATH 変数上に保持しておき可能な限り利用します。 上を行うために以 下を実行します。 cp -v src/su /tools/bin/su-tools 本パッケージの詳細は 6.22.2. 「Coreutils の構成」 を参照してください。 5.18. Diffutils-2.8.1 Diffutils パッケージはファイルやディレクトリの差分を表示するプログラム を提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 6.1 MB 5.18.1. Diffutils のインストール Diffutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.37.2. 「Diffutils の構成」 を参照してください。 5.19. Findutils-4.4.2 Findutils パッケージはファイル検索を行うプログラムを提供します。 このプ ログラムはディレクトリツリーを再帰的に検索したり、データベースの生成・ 保守・検索を行います。 (データベースによる検索は再帰的検索に比べて処理 速度は速いものですが、データベースが最新のものに更新されていない場合は 信頼できない結果となります。) 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 20 MB 5.19.1. Findutils のインストール Findutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.39.2. 「Findutils の構成」 を参照してください。 5.20. Gawk-3.1.7 Gawk パッケージはテキストファイルを操作するプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 19 MB 5.20.1. Gawk のインストール Gawk をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 コンパイル結果をテストするなら以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.38.2. 「Gawk の構成」 を参照してください。 5.21. Gettext-0.17 Gettext パッケージは国際化を行うユーティリティを提供します。 各種プログ ラムに対して NLS (Native Language Support) を含めてコンパイルすることが できます。 つまり各言語による出力メッセージが得られることになります。 概算ビルド時間: 0.8 SBU 必要ディスク容量: 82 MB 5.21.1. Gettext のインストール ここで構築している一時的なツールに際して、Gettext パッケージからは1つの バイナリをビルドしてインストールするだけで十分です。 Gettext をコンパイルするための準備をします。 cd gettext-tools ./configure --prefix=/tools --disable-shared configure オプションの意味: --disable-shared Gettext の共有ライブラリはこの時点では必要でないため、それらをビル ドしないようにします。 パッケージをコンパイルします。 make -C gnulib-lib make -C src msgfmt 1つのバイナリしかコンパイルしなかったため、その他のライブラリをコンパイ ルしない限り、テストスイートを成功させることはできません。 したがってテ ストスイートをこの段階で実行することはお勧めしません。 msgfmt プログラムをインストールします。 cp -v src/msgfmt /tools/bin 本パッケージの詳細は 6.41.2. 「Gettext の構成」 を参照してください。 5.22. Grep-2.5.4 Grep パッケージはファイル内の検索を行うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 6.7 MB 5.22.1. Grep のインストール Grep をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools \ --disable-perl-regexp \ --without-included-regex configure オプションの意味: --disable-perl-regexp このオプションは grep プログラムに対して Perl 互換正規表現 (Perl Compatible Regular Expression; PCRE) ライブラリをリンクしないように 指示します。 このライブラリはホストシステムに存在するかもしれません が chroot 環境に入ってしまうと利用できなくなります。 --without-included-regex Glibc-2.11.1 を用いている環境で本パッケージをビルドすると Glibc の 正規表現ライブラリのチェックが適切に動作しません。 このオプションは Glibc の正規表現ライブラリを常時使うように指示します。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.27.2. 「Grep の構成」 を参照してください。 5.23. Gzip-1.4 Gzip パッケージはファイルの圧縮、伸長 (解凍) を行うプログラムを提供しま す。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 3.3 MB 5.23.1. Gzip のインストール Gzip をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.44.2. 「Gzip の構成」 を参照してください。 5.24. M4-1.4.13 M4 パッケージはマクロプロセッサを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 11.6 MB 5.24.1. M4 のインストール M4 をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.24.2. 「M4 の構成」 を参照してください。 5.25. Make-3.81 Make パッケージは、 パッケージ類をコンパイルするためのプログラムを提供 します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 9.6 MB 5.25.1. Make のインストール Make をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.48.2. 「Make の構成」 を参照してください。 5.26. Patch-2.6.1 Patch パッケージは「パッチ」ファイルを適用することにより、ファイルの修 正・生成を行うプログラムを提供します。 「パッチ」ファイルは diff プログ ラムにより生成されます。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 1.9 MB 5.26.1. Patch のインストール Patch をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.51.2. 「Patch の構成」 を参照してください。 5.27. Perl-5.10.1 Perl パッケージは Perl 言語 (Practical Extraction and Report Language) を提供します。 概算ビルド時間: 0.8 SBU 必要ディスク容量: 106 MB 5.27.1. Perl のインストール 以下のパッチを適用します。 これは C ライブラリに対する固定的なパスを適 用します。 patch -Np1 -i ../perl-5.10.1-libc-1.patch Perl をコンパイルするための準備をします。 (以下のコマンドにて 'Data/ Dumper Fcntl IO POSIX' の部分は間違いなく入力してください。 それらはす べて英字です。) sh Configure -des -Dprefix=/tools \ -Dstatic_ext='Data/Dumper Fcntl IO POSIX' configure オプションの意味: -Dstatic_ext='Data/Dumper Fcntl IO POSIX' 次章での Coreutils と Glibc のインストールとテストのためには、最低 限の静的拡張モジュール (static extensions) さえあれば十分です。 そ こで静的拡張モジュールのビルドを指示します。 本パッケージにてビルドに必要となるのは、数個のユーティリティとライブラ リだけです。 make perl utilities ext/Errno/pm_to_blib Perl にはテストスイートがありますが、この時点での実行はお勧めしません。 Perl を部分的にしかビルドしていない状態で make test を実行すると、他の 実行ファイルなどもビルドすることになってしまいます。 それらは今の時点で は必要ありません。 テストスイートを実行したい場合は次章にて行ってくださ い。 これらのツールとライブラリをインストールします。 cp -v perl pod/pod2man /tools/bin mkdir -pv /tools/lib/perl5/5.10.1 cp -Rv lib/* /tools/lib/perl5/5.10.1 本パッケージの詳細は 6.33.2. 「Perl の構成」 を参照してください。 5.28. Sed-4.2.1 Sed パッケージはストリームエディタを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 8.0 MB 5.28.1. Sed のインストール Sed をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.17.2. 「Sed の構成」 を参照してください。 5.29. Tar-1.22 Tar パッケージはアーカイブプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 20.9 MB 5.29.1. Tar のインストール Tar をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.56.2. 「Tar の構成」 を参照してください。 5.30. Texinfo-4.13a Texinfo パッケージは info ページへの読み書き・変換を行うプログラムを提 供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 20 MB 5.30.1. Texinfo のインストール Texinfo をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/tools パッケージをコンパイルします。 make コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールの テストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイート を実行するなら、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 本パッケージの詳細は 6.57.2. 「Texinfo の構成」 を参照してください。 5.31. ストリップ 本節に示す作業は必須ではありません。 ただ LFS パーティションの容量が比 較的少ない場合には、不要なものは削除することを覚えておきましょう。 ここ までにビルドしてきた実行ファイルやライブラリには、合計で 70 MB ほどの不 要なデバッグシンボル情報が含まれています。 それらを取り除くには以下を実 行します。 strip --strip-debug /tools/lib/* strip --strip-unneeded /tools/{,s}bin/* 上のコマンド実行ではいくつものファイルがフォーマット不明となって処理が スキップされます。 それらはたいてい、バイナリではなくスクリプトであるこ とを示しています。 --strip-unneeded パラメータは 絶対に ライブラリに対して用いないでくださ い。 もし用いるとスタティックライブラリが破壊され、ツールチェーンを構成 するパッケージをすべて作り直さなければならなくなります。 さらに 25 MB ほどを節約するためにドキュメント類を削除します。 rm -rf /tools/{,share}/{info,man} この時点において環境変数 $LFS の配下には最低でも 850 MB の空き容量が必 要になります。 これは次のフェーズにて Glibc をビルドしインストールする ためです。 Glibc のビルドとインストールができさえすれば、残りのものもす べてビルド、インストールができます。 5.32. 所有者の変更 注記 本書のこれ以降で実行するコマンドはすべて root ユーザーでログインして実 行します。 もう lfs ユーザーは不要です。 root ユーザーの環境にて環境変 数 $LFS がセットされていることを今一度確認してください。 $LFS/tools ディレクトリの所有者は今は lfs ユーザーであり、これはホスト システム上に存在するユーザーです。 この $LFS/tools ディレクトリをこのま まにしておくということは、そこにあるファイル群が、存在しないアカウント に対するユーザーIDによって所有される形を生み出すことになります。 これは 危険なことです。 後にユーザーアカウントが生成され同一のユーザーIDを持っ たとすると $LFS/tools の所有者となってしまい、そこにあるファイルすべて を所有することになって、悪意のある操作に利用されてしまいます。 この問題を解消するためには、新しく作り出される LFS システムに lfs ユー ザーを作成することが考えられます。 その場合には同一のユーザーID、グルー プIDとなるように作ります。 もっと良い方法があります。 $LFS/tools ディレ クトリの所有者を root ユーザーにすることです。以下のコマンドによりこれ を実現します。 chown -R root:root $LFS/tools $LFS/tools ディレクトリは LFS システムの構築作業を終えれば削除すること ができます。 一方これを残しておいて 本書と同一バージョンの LFS システム を新たに構築する際に利用することもできます。 $LFS/tools ディレクトリを どのように残すかは読者の皆さんの好みに応じて取り決めてください。 注意 この先の LFS システム構築に向けて一時的なツール類を残しておきたい場合は この時点で バックアップを取っておくのが良いでしょう。 第6章で実施する作 業を通じて、今存在している一時的ツールは変更が加えられますので、将来、 別のビルド作業を行う際には使えないものとなります。 第III部 LFSシステムの構築 第6章 基本的なソフトウェアのインストール 6.1. はじめに この章ではビルド環境に入って正式な LFS システムの構築作業を始めます。 chroot によって一時的なミニ Linux システムへ移行し、準備作業を行った上 でパッケージ類のインストールを行っていきます。 パッケージ類のインストール作業は簡単なものです。 インストール手順の説明 は、たいていは手短に一般的なものだけで済ますこともできます。 ただ誤りの 可能性を極力減らすために、個々のインストール手順の説明は十分に行うこと にします。 Linux システムがどのようにして動作しているかを学ぶには、個々 のパッケージが何のために用いられていて、なぜユーザー (あるいはシステム) がそれを必要としているのかを知ることが重要になります。 コンパイラには最適化オプションがありますが、これを利用することはお勧め しません。 コンパイラの最適化を用いればプログラムが若干速くなる場合もあ りますが、そもそもコンパイルが出来なかったり、プログラムの実行時に問題 が発生したりする場合があります。 もしコンパイラの最適化によってパッケー ジビルドが出来なかったら、最適化をなしにしてもう一度コンパイルすること で解決するかどうかを確認してください。 最適化を行ってパッケージがコンパ イル出来たとしても、コードとビルドツールの複雑な関連に起因してコンパイ ルが適切に行われないリスクをはらんでいます。 また -march オプションや -mtune オプションにて指定する値は、本書には明示しておらずテストも行って いませんので注意してください。 これらはツールチェーンパッケージ (Binutils、GCC、Glibc) に影響を及ぼすことがあります。 最適化オプション を用いることによって得られるものがあったとしても、それ以上にリスクを伴 うことがしばしばです。 初めて LFS 構築を手がける方は、最適化オプション をなしにすることをお勧めします。 これ以降にビルドしていくツール類は、そ れでも十分に速く安定して動作するはずです。 本章にてインストールしていくパッケージ類のビルド順は、必ず本書どおりに 行ってください。 プログラムはすべて /tools ディレクトリを直接参照するよ うな形でビルドしてはなりません。 また同じ理由でパッケージ類を同時並行で ビルドしないでください。 特にデュアル CPU マシンにおいて同時にビルドし ていくと時間の節約を図ることができますが /tools ディレクトリを直接参照 するプログラムが出来上がってしまい、このディレクトリが存在しなくなった 時にはプログラムが動作しないことになります。 各ページではインストール手順の説明よりも前に、パッケージの内容やそこに 何が含まれているかを簡単に説明し、ビルドにどれくらいの時間を要するか、 ビルド時に必要となるディスク容量はどれくらいかを示しています。 またイン ストール手順の最後には、パッケージがインストールするプログラムやライブ ラリの一覧を示し、それらがどのようなものかを簡単に説明しています。 6.2. 仮想カーネルファイルシステムの準備 カーネルが取り扱う様々なファイルシステムは、カーネルとの間でやり取りが 行われます。 これらのファイルシステムは仮想的なものであり、ディスクを消 費するものではありません。 ファイルシステムの内容はメモリ上に保持されま す。 ファイルシステムをマウントするディレクトリを以下のようにして生成します 。 mkdir -v $LFS/{dev,proc,sys} 6.2.1. 初期デバイスノードの生成 カーネルがシステムを起動する際には、いくつかのデバイスノードの存在が必 要です。 特に console と null です。 デバイスノードはハードディスク上に 生成されます。 そして udevd が起動し、また Linux が起動パラメータ init= /bin/bash によって起動されれば利用可能となります。 以下のコマンドにより デバイスノードを生成します。 mknod -m 600 $LFS/dev/console c 5 1 mknod -m 666 $LFS/dev/null c 1 3 6.2.2. /dev のマウントと有効化 各デバイスを /dev に設定する方法としては、/dev ディレクトリに対して tmpfs のような仮想ファイルシステムをマウントすることが推奨されます。 こ うすることで各デバイスが検出されアクセスされる際に、その仮想ファイルシ ステム上にて動的にデバイスを生成する形を取ることができます。 このような 処理は一般的にはシステム起動時に Udev によって行われます。 今構築中のシ ステムにはまだ Udev を導入していませんし、再起動も行っていませんので / dev のマウントと有効化は手動で行ないます。 これはホストシステムの /dev ディレクトリに対して、バインドマウントを行うことで実現します。 バインド マウント (bind mount) は特殊なマウント方法の一つで、ディレクトリのミラ ーを生成したり、他のディレクトリへのマウントポイントを生成したりします 。 以下のコマンドにより実現します。 mount -v --bind /dev $LFS/dev 6.2.3. 仮想カーネルファイルシステムのマウント 残りの仮想カーネルファイルシステムを以下のようにしてマウントします。 mount -vt devpts devpts $LFS/dev/pts mount -vt tmpfs shm $LFS/dev/shm mount -vt proc proc $LFS/proc mount -vt sysfs sysfs $LFS/sys 6.3. パッケージ管理 パッケージ管理についての説明を LFS ブックに加えて欲しいとの要望をよく頂 きます。 パッケージ管理ツールがあれば、インストールされるファイル類を管 理し、パッケージの削除やアップグレードを容易に実現できます。 パッケージ 管理ツールでは、バイナリファイルやライブラリファイルだけでなく、設定フ ァイル類のインストールも取り扱います。 パッケージ管理ツールをどうしたら ・・・ いえいえ本節は特定のパッケージ管理ツールを説明するわけでなく、そ の利用を勧めるものでもありません。 もっと広い意味で、管理手法にはどうい ったものがあり、どのように動作するかを説明します。 あなたにとって最適な パッケージ管理がこの中にあるかもしれません。 あるいはそれらをいくつか組 み合わせて実施することになるかもしれません。 本節ではパッケージのアップ グレードを行う際に発生する問題についても触れます。 LFS や BLFS において、パッケージ管理ツールについて触れていない理由には 以下のものがあります。 ・ 本書の目的は Linux システムがいかに構築されているかを学ぶことです。 パッケージ管理はその目的からはずれてしまいます。 ・ パッケージ管理についてはいくつもの方法があり、それらには一長一短が あります。 ユーザーに対して満足のいくものを選び出すのは困難です。 ヒントプロジェクト (Hints Project) ページに、パッケージ管理についての情 報が示されています。 それらが望むものかどうか確認してみてください。 6.3.1. アップグレードに関する問題 パッケージ管理ツールがあれば、各種ソフトウェアの最新版がリリースされた 際に容易にアップグレードができます。 全般に LFS ブックや BLFS ブックに 示されている作業手順に従えば、新しいバージョンへのアップグレードを行っ ていくことはできます。 以下ではパッケージをアップグレードする際に注意す べき点、特に稼動中のシステムに対して実施するポイントについて説明します 。 ・ ツールチェーン (Glibc、GCC、Binutils) のいずれかについて、マイナー バージョンをアップグレードする必要がある場合は、LFS を再構築するの が無難です。 この場合、すべてのパッケージの依存関係を考慮して順番に 作り直せば実現できるはず ですが、これはあまりお勧めしません。 例え ば glibc-2.2.x を glibc-2.3.x にアップグレードする必要がある場合は 、再構築するのが無難です。 マイクロバージョンをアップグレードする場 合は、もっと単純にそのパッケージをインストールし直すだけで動作する と思いますが、保証はありません。 例えば glibc-2.3.4 を glibc-2.3.5 にアップグレードする場合、普通は何も問題ないでしょう。 ・ 共有ライブラリを提供しているパッケージをアップデートする場合で、そ のライブラリの名前が変更になった場合は、そのライブラリを動的にリン クしているすべてのパッケージは、新しいライブラリにリンクされるよう に再コンパイルを行う必要があります。 (パッケージのバージョンとライ ブラリ名との間には相関関係はありません。) 例えば foo-1.2.3 というパ ッケージが共有ライブラリ libfoo.so.1 をインストールするものであると します。 そして今、新しいバージョン foo-1.2.4 にアップグレードし、 共有ライブラリ libfoo.so.2 をインストールするとします。 この例では libfoo.so.1 を動的にリンクいるパッケージがあったとすると、それらは すべて libfoo.so.2 に対してリンクするよう再コンパイルしなければなり ません。 古いライブラリに依存しているパッケージすべてを再コンパイル するまでは、そのライブラリを削除するべきではありません。 6.3.2. パッケージ管理手法 以下に一般的なパッケージ管理手法について示します。 パッケージ管理マネー ジャを用いる前に、様々な方法を検討し、特にそれぞれの欠点も確認してくだ さい。 6.3.2.1. すべては頭の中で そうです。 これもパッケージ管理のやり方の一つです。 いろいろなパッケー ジに精通していて、どんなファイルがインストールされるか分かっている人も います。 そんな人はパッケージ管理ツールを必要としません。 あるいはパッ ケージが更新された際に、システム全体を再構築しようと考えている人なら、 やはりパッケージ管理ツールを必要としません。 6.3.2.2. 異なるディレクトリへのインストール これは最も単純なパッケージ管理のやり方であり、パッケージ管理のためのツ ールを用いる必要はありません。 個々のパッケージを個別のディレクトリにイ ンストールする方法です。 例えば foo-1.1 というパッケージを /usr/pkg/ foo-1.1 ディレクトリにインストールし、この /usr/pkg/foo-1.1 に対するシ ンボリックリンク /usr/pkg/foo を作成します。 このパッケージの新しいバー ジョン foo-1.2 をインストールする際には /usr/pkg/foo-1.2 ディレクトリに インストールした上で、先ほどのシンボリックリンクをこのディレクトリを指 し示すように置き換えます。 PATH、 LD_LIBRARY_PATH、 MANPATH、 INFOPATH、 CPPFLAGS といった環境変数 に対しては /usr/pkg/foo ディレクトリを加える必要があるかもしれません。 もっともパッケージによっては、このやり方では管理できないものもあります 。 6.3.2.3. シンボリックリンク方式による管理 これは一つ前に示したパッケージ管理テクニックの応用です。 各パッケージは 同様にインストールします。 ただし先ほどのようなシンボリックリンクを生成 するのではなく /usr ディレクトリ階層の中に各ファイルのシンボリックリン クを生成します。 この方法であれば環境変数を追加設定する必要がなくなりま す。 シンボリック・リンクを自動生成することもできますが、パッケージ管理 ツールの中にはこの手法を使って構築されているものもあります。 よく知られ ているものとして Stow、Epkg、Graft、Depot があります。 インストール時には意図的な指示が必要です。 パッケージにとっては /usr に インストールすることが指定されたものとなりますが、実際には /usr/pkg 配 下にインストールされるわけです。 このインストール方法は単純なものではあ りません。 例えば今 libfoo-1.1 というパッケージをインストールするものと します。 以下のようなコマンドでは、このパッケージを正しくインストールで きません。 ./configure --prefix=/usr/pkg/libfoo/1.1 make make install インストール自体は動作しますが、このパッケージに依存している他のパッケ ージは、期待どおりには libfoo を正しくリンクしません。 例えば libfoo を リンクするパッケージをコンパイルする際には /usr/lib/libfoo.so.1 がリン クされると思うかもしれませんが、実際には /usr/pkg/libfoo/1.1/lib/ libfoo.so.1 がリンクされることになります。 正しくリンクするためには DESTDIR 変数を使って、パッケージのインストールをうまく仕組む必要があり ます。 この方法は以下のようにして行います。 ./configure --prefix=/usr make make DESTDIR=/usr/pkg/libfoo/1.1 install 多くのパッケージは、たいていはこの手法をサポートしていますが、そうでな いものもあります。 この手法を取り入れていないパッケージに対しては、手作 業にてインストールすることが必要になります。 またはそういった問題を抱え るパッケージであれば /opt ディレクトリにインストールする方が容易なこと かもしれません。 6.3.2.4. タイムスタンプによる管理方法 この方法ではパッケージをインストールするにあたって、あるファイルにタイ ムスタンプが記されます。 インストールの直後に find コマンドを適当なオプ ション指定により用いることで、インストールされるすべてのファイルのログ が生成されます。 これはタイムスタンプファイルの生成の後に行われます。 この方法を用いたパッケージ管理ツールとして install-log があります。 この方法はシンプルである利点がありますが、以下の二つの欠点があります。 インストールの際に、いずれかのファイルのタイムスタンプが現在時刻でなか った場合、そういったファイルはパッケージ管理ツールが正しく制御できませ ん。 またこの方法は一つのパッケージだけが、その時にインストールされるこ とを前提とします。 例えば二つのパッケージが二つの異なる端末から同時にイ ンストールされるような場合は、ログファイルが適切に生成されません。 6.3.2.5. インストールスクリプトの追跡管理 この方法はインストールスクリプトが実行するコマンドを記録するものです。 これには以下の二種類の手法があります。 環境変数 LD_PRELOAD を使えば、インストール前にあらかじめロードされるラ イブラリを定めることができます。 パッケージのインストール中には cp、 install、 mv など様々な実行モジュールにそのライブラリをリンクさせ、ファ イルシステムを変更するようなシステムコールを監視することで、そのライブ ラリがパッケージを追跡管理できるようになります。 この方法を実現するため には、動的リンクする実行モジュールはすべて suid ビット、sgid ビットがオ フでなければなりません。 事前にライブラリをロードしておくと、インストー ル中に予期しない副作用が発生するかもしれません。 したがって、ある程度の テスト確認を行って、パッケージ管理ツールが不具合を引き起こさないこと、 しかるべきファイルの記録を取っておくことが必要とされます。 二つめの方法は strace を用いるものです。 これはインストールスクリプトの 実行中に発生するシステムコールを記録するものです。 6.3.2.6. パッケージのアーカイブを生成する方法 この方法では、シンボリックリンク方式によるパッケージ管理にて説明したの と同じように、パッケージが個別のディレクトリにインストールされます。 イ ンストールされた後には、インストールファイルを使ってアーカイブが生成さ れます。 このアーカイブはこの後に、ローカルPCへのインストールに用いられ 、他のPCのインストールに利用することもできます。 商用ディストリビューションが採用しているパッケージ管理ツールは、ほとん どがこの方法によるものです。 この方法に従ったパッケージ管理ツールの例に RPM があります。 (これは Linux Standard Base Specification が規定してい ます。) また pkg-utils、Debian の apt、Gentoo の Portage システムがあり ます。 このパッケージ管理手法を LFS システムに適用するヒント情報が http://www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/fakeroot.txt にあ ります。 パッケージファイルにその依存パッケージ情報まで含めてアーカイブ生成する ことは、非常に複雑となり LFS の範疇を超えるものです。 Slackware は、パッケージアーカイブに対して tar ベースのシステムを利用し ています。 他のパッケージ管理ツールはパッケージの依存性を取り扱いますが 、このシステムは意図的にこれを行っていません。 Slackware のパッケージ管 理に関する詳細は http://www.slackbook.org/html/package-management.html を参照してください。 6.3.2.7. ユーザー情報をベースとする管理方法 この手法は LFS に固有のものであり Matthias Benkmann により考案されまし た。 ヒントプロジェクト (Hints Project) から入手することが出来ます。 考 え方としては、各パッケージを個々のユーザーが共有ディレクトリにインスト ールします。 パッケージに属するファイル類は、ユーザーIDを確認することで 容易に特定出来るようになります。 この手法の特徴や短所については、複雑な 話となるため本節では説明しません。 詳しくは http:// www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/ more_control_and_pkg_man.txt に示されているヒントを参照してください。 6.3.3. 他システムへの LFS の配置 LFS システムの利点の一つとして、どのファイルもディスク上のどこに位置し ていても構わないことです。 他のコンピュータに対してビルドした LFS の複 製を作ろうとするなら、それが同等のアーキテクチャであれば容易に実現でき ます。 つまり tar コマンドを使って LFS のルートディレクトリを含むパーテ ィション (LFS の基本的なビルドの場合、非圧縮で 250MB 程度) をまとめ、こ れをネットワーク転送か、あるいは CD-ROM を通じて新しいシステムにコピー し、伸張 (解凍) するだけです。 この場合でも、設定ファイルはいくらか変更 することが必要です。 変更が必要となる設定ファイルは以下のとおりです。 / etc/hosts、 /etc/fstab、 /etc/passwd、 /etc/group、 /etc/shadow、 /etc/ ld.so.conf、 /etc/scsi_id.config、 /etc/sysconfig/network、 /etc/ sysconfig/network-devices/ifconfig.eth0/ipv4 新しいシステムのハードウェアと元のカーネルに差異があるかもしれないため 、カーネルを再ビルドする必要があるでしょう。 最後に新システムを起動可能とするために 8.4. 「GRUB を用いたブートプロセ スの設定」 を設定する必要があります。 6.4. Chroot 環境への移行 chroot 環境に入って最終的な LFS システムの構築、インストールを行ってい きます。 root ユーザーになって以下のコマンドを実行します。 chroot 環境 内は、この時点では一時的なツール類のみが利用可能な状態です。 chroot "$LFS" /tools/bin/env -i \ HOME=/root TERM="$TERM" PS1='\u:\w\$ ' \ PATH=/bin:/usr/bin:/sbin:/usr/sbin:/tools/bin \ /tools/bin/bash --login +h env コマンドの -i パラメータは、chroot 環境での変数定義をすべてクリアす るものです。 そして HOME, TERM, PS1, PATH という変数だけここで定義し直 します。 TERM=$TERM は chroot 環境に入る前と同じ値を TERM 変数に与えま す。 この設定は vim や less のようなプログラムの処理が適切に行われるた めに必要となります。 これ以外の変数として CFLAGS や CXXFLAGS などが必要 であれば、ここで定義しておくと良いでしょう。 ここから先は LFS 変数は不要となります。 すべての作業は LFS ファイル・シ ステム内で行っていくことになるからです。 起動される Bash シェルは $LFS ディレクトリがルート (/ ディレクトリ) となって動作します。 /tools/bin が PATH 変数内の最後に加わっています。 一時的なツール類は、 それぞれの正式版がインストールされていくに従って使われなくなります。 こ れがうまく動作するのは bash の +h オプションを用いることによってハッシ ュ機能をオフにしているからであり、実行モジュールの場所を覚えておく機能 を無効にしているからです。 bash のプロンプトに I have no name! と表示されますがこれは正常です。 こ の時点ではまだ /etc/passwd を生成していないからです。 注記 本章のこれ以降と次章では、すべてのコマンドを chroot 環境内にて実行する ことが必要です。 例えばシステムを再起動する場合のように chroot 環境から いったん抜け出した場合には、 6.2.2. 「/dev のマウントと有効化」 と 6.2.3. 「仮想カーネルファイルシステムのマウント」 にて説明した仮想カー ネル・ファイル・システムがマウントされていることを確認してください。 そ して chroot 環境に入り直してからインストール作業を再開してください。 6.5. ディレクトリの生成 LFS ファイルシステムにおけるディレクトリ構成を作り出していきます。 以下 のコマンドを実行して標準的なディレクトリを生成します。 mkdir -pv /{bin,boot,etc/opt,home,lib,mnt,opt} mkdir -pv /{media/{floppy,cdrom},sbin,srv,var} install -dv -m 0750 /root install -dv -m 1777 /tmp /var/tmp mkdir -pv /usr/{,local/}{bin,include,lib,sbin,src} mkdir -pv /usr/{,local/}share/{doc,info,locale,man} mkdir -v /usr/{,local/}share/{misc,terminfo,zoneinfo} mkdir -pv /usr/{,local/}share/man/man{1..8} for dir in /usr /usr/local; do ln -sv share/{man,doc,info} $dir done case $(uname -m) in x86_64) ln -sv lib /lib64 && ln -sv lib /usr/lib64 ;; esac mkdir -v /var/{lock,log,mail,run,spool} mkdir -pv /var/{opt,cache,lib/{misc,locate},local} ディレクトリは標準ではパーミッションモード 755 で生成されますが、すべて のディレクトリをこのままとするのは適当ではありません。 上のコマンド実行 ではパーミッションを変更している箇所が二つあります。 一つは root ユーザ ーのホームディレクトリに対してであり、もう一つはテンポラリディレクトリ に対してです。 パーミッションモードを変更している一つめは /root ディレクトリに対して、 他のユーザーによるアクセスを制限するためです。 通常のユーザーが持つ、自 分自身のホームディレクトリへのアクセス権設定と同じことを行ないます。 二 つめのモード変更は /tmp ディレクトリや /var/tmp ディレクトリに対して、 どのユーザーも書き込み可能とし、ただし他のユーザーが作成したファイルは 削除できないようにします。 ビットマスク 1777 の最上位ビット、いわゆる 「スティッキービット (sticky bit)」 を用いて実現します。 6.5.1. FHS コンプライアンス情報 本書のディレクトリ構成は標準ファイルシステム構成 (Filesystem Hierarchy Standard; FHS) に基づいています。 (その情報は http://www.pathname.com/ fhs/ に示されています。) FHS に加えて man、 doc、 info の各ディレクトリ に対するシンボリックリンクも作成します。 これは多くのパッケージがドキュ メントファイルをインストールする先として /usr/share/<ディレクトリ> や / usr/local/share/<ディレクトリ> ではなく、いまだに /usr/<ディレクトリ> や /usr/local/<ディレクトリ> としているためです。 また FHS では /usr/ local/games や /usr/share/games を規定していますが、一方で /usr/local/ share については明確なものがありません。 したがって本書では必要なディレ クトリのみを作成していくことにします。 もっとも FHS に準拠した構成を望 むなら、どうぞ自由に作成してください。 6.6. 基本的なファイルとリンクの生成 プログラムの中には固定的に他のプログラムへのパスを保持しているものがあ ります。 そのパスは今の時点ではまだ存在していません。 このようなプログ ラムを正しく動作させるため、シンボリックリンクをいくつか作成します。 こ のリンクは本章の作業を通じて各種ソフトウェアをインストールしていくこと で、 その実体であるファイルに置き換えられていきます。 ln -sv /tools/bin/{bash,cat,echo,pwd,stty} /bin ln -sv /tools/bin/perl /usr/bin ln -sv /tools/lib/libgcc_s.so{,.1} /usr/lib ln -sv /tools/lib/libstdc++.so{,.6} /usr/lib ln -sv bash /bin/sh Linux システムが適切に動作しているなら、マウントしているファイルシステ ムの情報を /etc/mtab ファイルに保持しています。 このファイルは普通は、 新しいファイルシステムをマウントした際に生成されます。 しかし今の我々の chroot 環境では、ファイルシステムを一つもマウントしていません。 そこで 、このファイルの存在を前提としているプログラムを正しく動作させるため、 空の /etc/mtab を作成しておきます。 touch /etc/mtab root ユーザーがログインできるように、またその 「root」 という名称を認識 できるように /etc/passwd ファイルと /etc/group ファイルには該当する情報 が登録されている必要があります。 以下のコマンドを実行して /etc/passwd ファイルを生成します。 cat > /etc/passwd << "EOF" root:x:0:0:root:/root:/bin/bash bin:x:1:1:bin:/dev/null:/bin/false nobody:x:99:99:Unprivileged User:/dev/null:/bin/false EOF root ユーザーに対する本当のパスワードは後に定めます。 (「x」 は単に場所 を設けるために設定しているものです。) 以下のコマンドを実行して /etc/group ファイルを生成します。 cat > /etc/group << "EOF" root:x:0: bin:x:1: sys:x:2: kmem:x:3: tty:x:4: tape:x:5: daemon:x:6: floppy:x:7: disk:x:8: lp:x:9: dialout:x:10: audio:x:11: video:x:12: utmp:x:13: usb:x:14: cdrom:x:15: mail:x:34: nogroup:x:99: EOF 作成するグループは何かの標準に基づいたものではありません。 一部は本章の Udev の設定に必要となるものですし、一部は既存の Linux ディストリビュー ションが採用している慣用的なものです。 Linux Standard Base (http:// www.linuxbase.org 参照) では root グループのグループID (GID) は 0、 bin グループの GID は 1 を定めているにすぎません。 他のグループとその GID はシステム管理者が自由に取り決めることができます。 というのも通常のプロ グラムであれば GID の値に依存することはなく、あくまでグループ名を用いて プログラミングされているからです。 プロンプトに表示される 「I have no name!」 を正しくするため、新たなシェ ルを起動します。 第5章 にて完全に Glibc をインストールし、 /etc/passwd ファイルと /etc/group ファイルを作ったので、ユーザー名とグループ名の名 前解決が適切に動作します。 exec /tools/bin/bash --login +h ディレクティブ +h について触れておきます。 これは bash に対して実行パス の内部ハッシュ機能を利用しないよう指示するものです。 もしこのディレクテ ィブを指定しなかった場合 bash は一度実行したファイルのパスを記憶します 。 コンパイルしてインストールした実行ファイルはすぐに利用していくために 、本章での作業では +h ディレクティブを常に使っていくことにします。 login、 agetty、 init といったプログラム (あるいは他のプログラム) は、 システムに誰がいつログインしたかといった情報を多くのログファイルに記録 します。 しかしログファイルがあらかじめ存在していない場合は、ログファイ ルの出力が行われません。 そこでそのようなログファイルを作成し、適切なパ ーミッションを与えます。 touch /var/run/utmp /var/log/{btmp,lastlog,wtmp} chgrp -v utmp /var/run/utmp /var/log/lastlog chmod -v 664 /var/run/utmp /var/log/lastlog /var/run/utmp ファイルは現在ログインしているユーザーの情報を保持します 。 /var/log/wtmp ファイルはすべてのログイン・ログアウトの情報を保持しま す。 /var/log/lastlog ファイルは各ユーザーが最後にログインした情報を保 持します。 /var/log/btmp ファイルは不正なログイン情報を保持します。 6.7. Linux-2.6.32.8 API ヘッダ Linux API ヘッダは Glibc が利用するカーネル API を提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 431 MB 6.7.1. Linux API ヘッダのインストール Linux カーネルはアプリケーションプログラミングインターフェース (Application Programming Interface) を、システムの C ライブラリ (LFS の 場合 Glibc) に対して提供する必要があります。 これを行うには Linux カー ネルのソースに含まれる、さまざまな C ヘッダファイルを「健全化 (sanitizing)」して利用します。 これより前に一度処理を行っていたとしても、不適切なファイルや誤った依存 関係を残さないように、以下を処理します。 make mrproper そしてユーザーが利用するカーネルヘッダファイルをテストし、ソースから抽 出します。 それらはいったん中間的なローカルディレクトリに置かれ、必要な 場所にコピーされます。 ターゲットディレクトリに既にあるファイルは削除さ れてからソースからの抽出処理が行われます。 なおファイルの中にはカーネル 開発者が隠しファイルとしているものがあります。 それらは LFS では必要な いため、中間ディレクトリから削除します。 make headers_check make INSTALL_HDR_PATH=dest headers_install find dest/include \( -name .install -o -name ..install.cmd \) -delete cp -rv dest/include/* /usr/include 6.7.2. Linux API ヘッダの構成 インストールヘッダ: /usr/include/asm/*.h, /usr/include/asm-generic/*.h, /usr/include/drm/*.h, /usr/include/linux/*.h, /usr/include/mtd/*.h, / usr/include/rdma/*.h, /usr/include/scsi/*.h, /usr/include/sound/*.h, / usr/include/video/*.h, /usr/include/xen/*.h 概略説明 /usr/include/asm/*.h The Linux API ASM ヘッダファイル /usr/include/asm-generic/*.h The Linux API ASM の汎用的なヘッダファイル /usr/include/drm/*.h The Linux API DRM ヘッダファイル /usr/include/linux/*.h The Linux API Linux ヘッダファイル /usr/include/mtd/*.h The Linux API MTD ヘッダファイル /usr/include/rdma/*.h The Linux API RDMA ヘッダファイル /usr/include/scsi/*.h The Linux API SCSI ヘッダファイル /usr/include/sound/*.h The Linux API Sound ヘッダファイル /usr/include/video/*.h The Linux API Video ヘッダファイル /usr/include/xen/*.h The Linux API Xen ヘッダファイル 6.8. Man-pages-3.23 Man-pages パッケージは 1,900 以上のマニュアルページを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 21 MB 6.8.1. Man-pages のインストール Man-pages をインストールするために以下を実行します。 make install 6.8.2. Man-pages の構成 インストールファイル: 様々な man ページ 概略説明 man ペー C 言語の関数、重要なデバイスファイル、重要な設定ファイルなどを ジ 説明します。 6.9. Glibc-2.11.1 Glibc パッケージは主要な C ライブラリを提供します。 このライブラリは基 本的な処理ルーチンを含むもので、メモリ割り当て、ディレクトリ走査、ファ イルのオープン・クローズや入出力、文字列操作、パターンマッチング、算術 処理、等々があります。 概算ビルド時間: 16.9 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 637 MB テストスイート込み 6.9.1. Glibc のインストール 注記 LFS が取り扱っていないパッケージの中には GNU libiconv の導入を推奨して いるものがあります。 これは文字データのエンコーディングを変換する機能を 持ちます。 プロジェクトのホームページ (http://www.gnu.org/software/ libiconv/) には以下のような説明があります。 「このライブラリは iconv() 関数を提供します。 この関数を持たないシステムや、Unicode を取り扱うこと ができないシステムにて、この関数を利用することができます。 」 Glibc が iconv() 関数を用意しており Unicode の変換を実現しているため LFS では libiconv は用いないことにします。 Glibc は自らによってビルドされるものであり、そうして完全な形でインスト ールされます。 ただしコンパイラのスペックファイルやリンカは、まだ / tools ディレクトリを示したままです。 スペックファイルやリンカを再調整す るのは Glibc をインストールした後になります。 これは Glibc の autoconf テストが失敗するためであり、最終的にきれいなビルド結果を得るという目的 が達成できないためです。 make install を実行すると test-installation.pl というスクリプトが実行さ れ、新たに作り出された Glibc に対しての簡単な健全性テストが実施されます 。 しかしこの時点ではツールチェーンが /tools ディレクトリを指し示してい るため、誤った Glibc を対象としてテストが実施されてしまいます。 このス クリプトのテスト対象が、これから作り出す Glibc となるように以下を実行し ます。 DL=$(readelf -l /bin/sh | sed -n 's@.*interpret.*/tools\(.*\)]$@\1@p') sed -i "s|libs -o|libs -L/usr/lib -Wl,-dynamic-linker=$DL -o|" \ scripts/test-installation.pl unset DL ldd シェルスクリプトは Bash が定める文法書式により構成されています。 デ フォルトで記述されているインタープリタを /bin/bash に変更します。 BLFS ブックの シェル (Shells) で説明しているように、別の /bin/sh がインスト ールされている場合もあるからです。 sed -i 's|@BASH@|/bin/bash|' elf/ldd.bash.in Glibc のドキュメントではソースディレクトリ以外の専用のビルドディレクト リを作成することが推奨されています。 mkdir -v ../glibc-build cd ../glibc-build 第5章と同じように x86 マシンにおいては CFLAGS に対してコンパイラフラグ の追加が必要です。 ライブラリ構築においても gcc コンパイラに対して最適 化フラグをセットすることで、コンパイル時間を向上 (-pipe) させ、パッケー ジのパフォーマンスも向上 (-O3) させます。 case `uname -m` in i?86) echo "CFLAGS += -march=i486 -mtune=native -O3 -pipe" > configparms ;; esac Glibc をコンパイルするための準備をします。 ../glibc-2.11.1/configure --prefix=/usr \ --disable-profile --enable-add-ons \ --enable-kernel=2.6.18 --libexecdir=/usr/lib/glibc configure オプションの意味: --libexecdir=/usr/lib/glibc このオプションは pt_chown プログラムのインストール先を、デフォルト の /usr/libexec から /usr/lib/glibc に変更します。 パッケージをコンパイルします。 make 重要項目 本節における Glibc のテストスイートは極めて重要なものです。 したがって どのような場合であっても必ず実行してください。 テストを実施する前に、ソースディレクトリからビルドディレクトリにファイ ルを一つコピーします。 いくつかのテストが失敗してしまうことを回避するた めです。 こうしておいてコンパイル結果をテストします。 cp -v ../glibc-2.11.1/iconvdata/gconv-modules iconvdata make -k check 2>&1 | tee glibc-check-log grep Error glibc-check-log posix/annexc のテストはおそらく失敗します。 これは想定されていることで あり無視することができます。 そもそも Glibc のテストスイートはホストシ ステムにある程度依存します。 発生しがちな問題を以下に示します。 ・ nptl/tst-clock2, nptl/tst-clock2, tst-attr3 の各テストは失敗するこ とがあります。 失敗の理由は明確ではありません。 ただ処理速度が原因 してそれらが発生すると思われます。 ・ math テストは、純正 Intel プロセッサや AMD プロセッサが最新のもので はない場合に失敗することがあります。 ・ LFS パーティションを noatime オプションを用いてマウントしている場合 atime テストが失敗します。 2.4. 「新しいパーティションのマウント」 で説明しているように、LFS のビルド中は noatime オプションを使わない ようにしてください。 ・ 旧式のハードウェアや性能の低いハードウェア、あるいは負荷の高いシス テムにおいてテストを行うと、処理時間をオーバーしてタイムアウトが発 生しテストが失敗します。 支障が出る話ではありませんが Glibc のインストール時には /etc/ld.so.conf ファイルが存在していないとして警告メッセージが出力されます。 これをなく すために以下を実行します。 touch /etc/ld.so.conf パッケージをインストールします。 make install システムを各種の言語に対応させるためのロケールは、今までのコマンドでは インストールされませんが、テストスイートにおいてロケールは必要ではあり ません。 ただ将来的にはロケールがないことによって、重要なテストを逃して しまうかもしれません。 各ロケールは localedef プログラムを使ってインストールします。 例えば以 下に示す一つめの localedef では、キャラクタセットには依存しないロケール 定義 /usr/share/i18n/locales/cs_CZ とキャラクタマップ定義 /usr/share/ i18n/charmaps/UTF-8.gz とを結合させて /usr/lib/locale/locale-archive フ ァイルにその情報を付け加えます。 以下のコマンドは、テストを成功させるた めに必要となる最低限のロケールをインストールするものです。 mkdir -pv /usr/lib/locale localedef -i cs_CZ -f UTF-8 cs_CZ.UTF-8 localedef -i de_DE -f ISO-8859-1 de_DE localedef -i de_DE@euro -f ISO-8859-15 de_DE@euro localedef -i de_DE -f UTF-8 de_DE.UTF-8 localedef -i en_HK -f ISO-8859-1 en_HK localedef -i en_PH -f ISO-8859-1 en_PH localedef -i en_US -f ISO-8859-1 en_US localedef -i en_US -f UTF-8 en_US.UTF-8 localedef -i es_MX -f ISO-8859-1 es_MX localedef -i fa_IR -f UTF-8 fa_IR localedef -i fr_FR -f ISO-8859-1 fr_FR localedef -i fr_FR@euro -f ISO-8859-15 fr_FR@euro localedef -i fr_FR -f UTF-8 fr_FR.UTF-8 localedef -i it_IT -f ISO-8859-1 it_IT localedef -i ja_JP -f EUC-JP ja_JP localedef -i tr_TR -f UTF-8 tr_TR.UTF-8 localedef -i zh_CN -f GB18030 zh_CN.GB18030 上に加えて、あなたの国、言語、キャラクタセットを定めるためのロケールを インストールしてください。 必要に応じて glibc-2.11.1/localedata/SUPPORTED に示されるすべてのロケー ルを同時にインストールしてください。 (そこには上のロケールも含め、すべ てのロケールが列記されています。) 以下のコマンドによりそれを実現します 。 ただしこれには相当な処理時間を要します。 make localedata/install-locales さらに必要なら glibc-2.11.1/localedata/SUPPORTED ファイルに示されていな い特殊なロケールは localedef コマンドを使って生成・インストールを行って ください。 6.9.2. Glibc の設定 /etc/nsswitch.conf ファイルを作成しておく必要があります。 Glibc はこの ファイルが無い場合や誤っている場合でもデフォルト設定を用いて動作します が、ネットワーク環境下ではデフォルト設定であっても正しく動作しません。 またタイムゾーンの設定も必要になります。 以下のコマンドを実行して /etc/nsswitch.conf ファイルを生成します。 cat > /etc/nsswitch.conf << "EOF" # Begin /etc/nsswitch.conf passwd: files group: files shadow: files hosts: files dns networks: files protocols: files services: files ethers: files rpc: files # End /etc/nsswitch.conf EOF ローカルなタイムゾーンの設定を行うために、ここでは以下のスクリプトを実 行します。 tzselect 地域情報を設定するためにいくつか尋ねられるのでそれに答えます。 このスク リプトはタイムゾーン名を表示します。 (例えば America/Edmonton などです 。) /usr/share/zoneinfo ディレクトリにはさらに Canada/Eastern や EST5EDT のようなタイムゾーンもあります。 これらはこのスクリプトでは認識 されませんが、利用することは可能です。 以下のコマンドにより /etc/localtime ファイルを生成します。 cp -v --remove-destination /usr/share/zoneinfo/ \ /etc/localtime の部分は設定するタイムゾーンの名前 (例えば Canada/Eastern など) に置き換えてください。 cp オプションの意味: --remove-destination このオプションは既に存在するシンボリックリンクを削除します。 ここで はシンボリックリンクを再生成するのではなく、ファイルのコピーを行い ます。 これは別パーティション内に /usr ディレクトリが存在するケース に対応するためです。 シングルユーザーモードでシステムを起動する際に はこのことが必要となります。 6.9.3. ダイナミックローダの設定 デフォルトにおいてダイナミックリンカ (/lib/ld-linux.so.2) は /lib ディ レクトリと /usr/lib ディレクトリを検索しにいきます。 これに従って、他の プログラムが実行される際に必要となるダイナミックライブラリがリンクされ ます。 もし /lib や /usr/lib 以外のディレクトリにライブラリファイルがあ るなら /etc/ld.so.conf ファイルに記述を追加して、ダイナミックローダがそ れらを探し出せるようにしておくことが必要です。 追加のライブラリが配置さ れるディレクトリとしては /usr/local/lib ディレクトリと /opt/lib ディレ クトリという二つがよく利用されます。 ダイナミックローダの検索パスとして 、それらのディレクトリを追加します。 以下のコマンドを実行して /etc/ld.so.conf ファイルを新たに生成します。 cat > /etc/ld.so.conf << "EOF" # Begin /etc/ld.so.conf /usr/local/lib /opt/lib # End /etc/ld.so.conf EOF 6.9.4. Glibc の構成 インストールプログラム: catchsegv, gencat, getconf, getent, iconv, iconvconfig, ldconfig, ldd, lddlibc4, locale, localedef, mtrace, nscd, pcprofiledump, pt_chown, rpcgen, rpcinfo, sln, sprof, tzselect, xtrace, zdump, zic インストールライブラリ: ld.so, libBrokenLocale.{a,so}, libSegFault.so, libanl.{a,so}, libbsd-compat.a, libc.{a,so}, libc_nonshared.a, libcidn.so, libcrypt.{a,so}, libdl.{a,so}, libg.a, libieee.a, libm. {a,so}, libmcheck.a, libmemusage.so, libnsl.{a,so}, libnss_compat.so, libnss_dns.so, libnss_files.so, libnss_hesiod.so, libnss_nis.so, libnss_nisplus.so, libpcprofile.so, libpthread.{a,so}, libpthread_nonshared.a, libresolv.{a,so}, librpcsvc.a, librt.{a,so}, libthread_db.so, libutil.{a,so} 概略説明 catchsegv プログラムがセグメンテーションフォールトにより停止した 時に、スタックトレースを生成するために利用します。 gencat メッセージカタログを生成します。 getconf ファイルシステムに固有の変数に設定された値を表示します 。 getent 管理データベースから設定項目を取得します。 iconv キャラクターセットを変換します。 iconvconfig 高速ロードができる iconv モジュール設定ファイルを生成し ます。 ldconfig プログラム実行時におけるダイナミックリンカのリンクを設 定します。 ldd 指定したプログラムまたは共有ライブラリが必要としている 共有ライブラリを表示します。 lddlibc4 オブジェクトファイルを使って ldd コマンドを補助します。 [訳註:意味不明] locale 現在のロケールに対する様々な情報を表示します。 localedef ロケールの設定をコンパイルします。 mtrace メモリトレースファイル (memory trace file) を読み込んで 解釈します。 そして可読可能な書式で出力します。 nscd 一般的なネームサービスへの変更要求のキャッシュを提供す るデーモン。 pcprofiledump PC プロファイリングによって生成される情報をダンプします 。 grantpt コマンドのヘルパープログラム。 所有者、グループ pt_chown 、スレーブ擬似端末 (slave pseudo terminal) へのアクセス パーミッションをそれぞれ設定します。 rpcgen リモートプロシージャコール (Remote Procedure Call; RPC) を実装するための C 言語コードを生成します。 rpcinfo RPC サーバーに対しての RPC コールを行います。 sln スタティックなリンクを行う ln プログラム。 sprof 共有オブジェクトのプロファイリングデータを読み込んで表 示します。 tzselect ユーザーに対してシステムの設置地域を問合せ、対応するタ イムゾーンの記述を表示します。 xtrace プログラム内にて現在実行されている関数を表示することで 、そのプログラムの実行状況を追跡します。 zdump タイムゾーンをダンプします。 zic タイムゾーンコンパイラ。 ld.so 共有ライブラリのためのヘルパープログラム。 Glibc が内部で利用するもので、異常が発生しているプログ libBrokenLocale ラムを見つけ出します。 (例えば Motif アプリケーションな ど) 詳しくは glibc-2.11.1/locale/broken_cur_max.c に書 かれたコメントを参照してください。 libSegFault セグメンテーションフォールトのシグナルハンドラ。 catchsegv が利用します。 libanl 非同期の名前解決 (asynchronous name lookup) ライブラリ 。 特定の BSD (Berkeley Software Distribution) プログラム libbsd-compat を Linux 上で動作させるために必要な可搬ライブラリを提供 します。 libc 主要な C ライブラリ。 Glibc が内部的に利用するもので getaddrinfo() 関数によっ libcidn て国際化ドメイン名 (internationalized domain names) を 取り扱います。 libcrypt 暗号化ライブラリ。 libdl ダイナミックリンクのインターフェースライブラリ。 libg 関数を全く含まないダミーのライブラリ。 かつては g++ の ランタイムライブラリであったものです。 このモジュールをリンクすると、数学関数におけるエラー制 libieee 御方法を IEEE (the Institute of Electrical and Electronic Engineers) が定義するものに従うようになりま す。 デフォルトは POSIX.1 エラー制御方法です。 libm 数学ライブラリ。 libmcheck このライブラリにリンクした場合、メモリ割り当てのチェッ ク機能を有効にします。 libmemusage memusage コマンドが利用するもので、プログラムのメモリ使 用に関する情報を収集します。 libnsl ネットワークサービスライブラリ。 NSS (Name Service Switch) ライブラリ。 ホスト、ユーザー libnss 名、エイリアス、サービス、プロトコルなどの名前解決を行 う関数を提供します。 libpcprofile プロファイリングを行う関数を提供するもので、特定のソー ス行に費やされる CPU 時間を追跡するために利用します。 libpthread POSIX スレッドライブラリ。 libresolv インターネットドメインネームサーバーに対しての、パケッ トの生成・送信・解析を行う関数を提供します。 librpcsvc 様々な RPC サービスを実現する関数を提供します。 POSIX.1b リアルタイム拡張 (Realtime Extension) にて既定 librt されている、インターフェースをほぼ網羅した関数を提供し ます。 libthread_db マルチスレッドプログラム用のデバッガを構築するための有 用な関数を提供します。 libutil 数多くの Unix ユーティリティにて利用される 「標準」 関 数を提供します。 6.10. ツールチェーンの再調整 最終的な C ライブラリがこれまでに構築できました。 ここでツールチェーン の調整を再度行います。 これを行うことで、新たに生成したプログラムが新た に生成したライブラリにリンクされます。 この作業は 第5章 の冒頭にて行っ た「調整」作業と同様のことです。 ただし調整される方向が逆になります。 第5章 では、ホストシステムの /{,usr/}lib ディレクトリを新しく作った / tools/lib ディレクトリに仕向けていました。 今度は同じ /tools/lib ディレ クトリを LFS の /{,usr/}lib ディレクトリに向けます。 まず /tools ディレクトリにあるリンカのバックアップをとっておき、第5章に て作成した調整済みリンカに置き換えます。 /tools/$(gcc-dumpmachine)/bin ディレクトリにあるリンカに対してのシンボリックリンクも正しく生成してお きます。 mv -v /tools/bin/{ld,ld-old} mv -v /tools/$(gcc -dumpmachine)/bin/{ld,ld-old} mv -v /tools/bin/{ld-new,ld} ln -sv /tools/bin/ld /tools/$(gcc -dumpmachine)/bin/ld 次に GCC スペックファイルを修正し、新しいダイナミックリンカを指し示すよ うにします。 単純に 「/tools」 という記述を取り除けば、ダイナミックリン カへの正しい参照となります。 またスペックファイルを修正することで GCC がヘッダファイル、および Glibc の起動ファイルを適切に探し出せるようにな ります。 以下の sed によりこれを実現します。 gcc -dumpspecs | sed -e 's@/tools@@g' \ -e '/\*startfile_prefix_spec:/{n;s@.*@/usr/lib/ @}' \ -e '/\*cpp:/{n;s@$@ -isystem /usr/include@}' > \ `dirname $(gcc --print-libgcc-file-name)`/specs スペックファイルの内容を実際に確認して、今変更した内容が正しく反映され ていることを確認しておいてください。 この時点において、調整したツールチェーンの基本的な (コンパイルやリンク などの) 機能が正しく動作していることを確認する必要があります。 これを行 うために以下の健全性検査を実行します。 echo 'main(){}' > dummy.c cc dummy.c -v -Wl,--verbose &> dummy.log readelf -l a.out | grep ': /lib' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドから 出力される結果は以下のようになるはずです。 (ダイナミックリンカの名前は プラットフォームによって違っているかもしれません。) [Requesting program interpreter: /lib/ld-linux.so.2] ダイナミックリンカのディレクトリは、今度は /lib となっているはずです。 ここで起動ファイルが正しく用いられていることを確認します。 grep -o '/usr/lib.*/crt[1in].*succeeded' dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、上のコマンドの出力 は以下のようになるはずです。 /usr/lib/crt1.o succeeded /usr/lib/crti.o succeeded /usr/lib/crtn.o succeeded コンパイラが正しいヘッダファイルを読み取っているかどうかを検査します。 grep -B1 '^ /usr/include' dummy.log 上のコマンドは正常に終了すると、以下の出力を返します。 #include <...> search starts here: /usr/include 次に、新たなリンカが正しいパスを検索して用いられているかどうかを検査し ます。 grep 'SEARCH.*/usr/lib' dummy.log |sed 's|; |\n|g' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドの出 力は以下のようになるはずです。 (作業するプラットフォームに応じて「三つ の組 (target triplet)」の表記は異なります。) SEARCH_DIR("/tools/i686-pc-linux-gnu/lib") SEARCH_DIR("/usr/lib") SEARCH_DIR("/lib"); 次に libc が正しく用いられていることを確認します。 grep "/lib.*/libc.so.6 " dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドの出 力は以下のようになるはずです。 (64 ビットマシンであれば lib64 ディレク トリとなるはずです。) attempt to open /lib/libc.so.6 succeeded 最後に GCC が正しくダイナミックリンカを用いているかを確認します。 grep found dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、上のコマンドの出力 は以下のようになるはずです。 (ダイナミックリンカの名前はプラットフォー ムによって違っているかもしれません。 また 64 ビットマシンであれば lib64 ディレクトリとなるはずです。) found ld-linux.so.2 at /lib/ld-linux.so.2 出力結果が上と異なっていたり、出力が全く得られなかったりした場合は、何 かが根本的に間違っているということです。 どこに問題があるのか調査・再試 行を行って解消してください。 最もありがちな理由は、スペックファイルの修 正を誤っていることです。 問題を残したままこの先には進まないでください。 すべてが正しく動作したら、テストに用いたファイルを削除します。 rm -v dummy.c a.out dummy.log 6.11. Zlib-1.2.3 Zlib パッケージは、各種プログラムから呼び出される、圧縮・伸張 (解凍) を 行う関数を提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 2.8 MB 6.11.1. Zlib のインストール 注記 Zlib は CFLAGS が設定されているときに、共有ライブラリ (shared library) を生成してしまうことが知られています。 したがって CFLAGS 変数を設定して いる場合は、 以下に示す configure スクリプトを実行する際には -fPIC ディ レクティブを追加設定してください。 そしてスタティックライブラリを生成で きたら、そのディレクティブを取り除いて元に戻してください。 Zlib のダイナミックライブラリを生成する準備をします。 ./configure --prefix=/usr --shared --libdir=/lib パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check 共有ライブラリをインストールします。 make install 上のコマンドを実行すると .so ファイルが /lib ディレクトリにインストール されます。 これを削除して /usr/lib へのリンクを再作成します。 rm -v /lib/libz.so ln -sfv ../../lib/libz.so.1.2.3 /usr/lib/libz.so スタティックライブラリをビルドします。 make clean ./configure --prefix=/usr make コンパイル結果を再度テストするには以下を実行します。 make check スタティックライブラリをインストールします。 make install スタティックライブラリのパーミッションを設定します。 chmod -v 644 /usr/lib/libz.a 6.11.2. Zlib の構成 インストールライブラリ: libz.{a,so} 概略説明 libz 各種プログラムから呼び出される、圧縮・伸張 (解凍) を行う関数を提供 します。 6.12. Binutils-2.20 Binutils パッケージは、リンカやアセンブラなどのようにオブジェクトファイ ルを取り扱うツール類を提供します。 概算ビルド時間: 2.1 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 222 MB テストスイート込み 6.12.1. Binutils のインストール PTY が chroot 環境内にて正しく作動しているかどうかを確認するために、以 下の簡単なテストを実行します。 expect -c "spawn ls" 上のコマンドは以下を出力するはずです。 spawn ls 上のような出力ではなく、以下のような出力メッセージが含まれていたら、PTY の動作が適切に構築できていないことを示しています。 Binutils や GCC のテ ストスイートを実行する前に、この症状は解消しておく必要があります。 The system has no more ptys. Ask your system administrator to create more. standards.info ファイルの日付が古いため、インストールしないことにします 。 より新しいものが Autoconf の作業を通じてインストールされます。 rm -fv etc/standards.info sed -i.bak '/^INFO/s/standards.info //' etc/Makefile.in Binutils のドキュメントによると Binutils のビルドにあたっては、ソースデ ィレクトリ以外の専用のビルドディレクトリを作成することが推奨されていま す。 mkdir -v ../binutils-build cd ../binutils-build Binutils をコンパイルするための準備をします。 ../binutils-2.20/configure --prefix=/usr \ --enable-shared パッケージをコンパイルします。 make tooldir=/usr make パラメータの意味: tooldir=/usr 通常 tooldir (実行ファイルが最終的に配置されるディレクトリ) は $ (exec_prefix)/$(target_alias) に設定されています。 x86_64 マシンで は /usr/x86_64-unknown-linux-gnu となります。 LFS は自分で設定を定 めていくシステムですから /usr ディレクトリ配下に CPU ターゲットを特 定するディレクトリを設ける必要がありません。 $(exec_prefix)/$ (target_alias) というディレクトリ構成は、クロスコンパイル環境におい て必要となるものです。 (例えばパッケージをコンパイルするマシンが Intel であり、そこから PowerPC マシン用の実行コードを生成するような 場合です。) 重要項目 本節における Binutils のテストスイートは極めて重要なものです。 したがっ てどのような場合であっても必ず実行してください。 コンパイル結果をテストします。 make check パッケージをインストールします。 make tooldir=/usr install libiberty ヘッダファイルをインストールします。 他のパッケージがこれを必 要としている場合があるためです。 cp -v ../binutils-2.20/include/libiberty.h /usr/include 6.12.2. Binutils の構成 インストールプログラム: addr2line, ar, as, c++filt, gprof, ld, nm, objcopy, objdump, ranlib, readelf, size, strings, strip インストールライブラリ: libiberty.a, libbfd.{a,so}, libopcodes.{a,so} 概略説明 指定された実行モジュール名とアドレスに基づいて、プログラム内 addr2line のアドレスをファイル名と行番号に変換します。 これは実行モジ ュール内のデバッグ情報を利用します。 特定のアドレスがどのソ ースファイルと行番号に該当するかを確認するものです。 ar アーカイブの生成、修正、抽出を行います。 as gcc の出力結果をアセンブルして、オブジェクトファイルとして生 成するアセンブラ。 リンカから呼び出されるもので C++ と Java のシンボルを複合 c++filt (demangle) し、オーバーロード関数が破壊されることを回避しま す。 gprof コールグラフ (call graph) のプロファイルデータを表示します。 複数のオブジェクトファイルやアーカイブファイルから、一つのフ ld ァイルを生成するリンカ。 データの再配置やシンボル参照情報の 結合を行います。 nm 指定されたオブジェクトファイル内のシンボル情報を一覧表示しま す。 objcopy オブジェクトファイルの変換を行います。 指定されたオブジェクトファイルの各種情報を表示します。 様々 objdump なオプションを用いることで特定の情報表示が可能です。 表示さ れる情報は、コンパイル関連ツールを開発する際に有用なものです 。 アーカイブの内容を索引として生成し、それをアーカイブに保存し ranlib ます。 索引は、アーカイブのメンバによって定義されるすべての シンボルの一覧により構成されます。 アーカイブのメンバとは再 配置可能なオブジェクトファイルのことです。 readelf ELF フォーマットのバイナリファイルの情報を表示します。 size 指定されたオブジェクトファイルのセクションサイズと合計サイズ を一覧表示します。 指定されたファイルに対して、印字可能な文字の並びを出力します 。 文字は所定の長さ (デフォルトでは 4文字) 以上のものが対象 strings となります。 オブジェクトファイルの場合デフォルトでは、初期 化セクションとロードされるセクションからのみ文字列を抽出し出 力します。 これ以外の種類のファイルの場合は、ファイル全体が 走査されます。 strip オブジェクトファイルからデバッグシンボルを取り除きます。 以下に示すような数多くの GNU プログラムが利用する処理ルーチ libiberty ンを提供します。 getopt、 obstack、 strerror、 strtol、 strtoul libbfd バイナリファイルディスクリプタ (Binary File Descriptor) ライ ブラリ。 opcodes (オペレーションコード; プロセッサ命令を 「認識可能な libopcodes テキスト」 として表現したもの) を取り扱うライブラリ。 このラ イブラリは objdump などのように、ビルド作業にて利用するユー ティリティプログラムが利用しています。 6.13. GMP-5.0.0 GMP パッケージは数値演算ライブラリを提供します。 このライブラリには任意 精度演算 (arbitrary precision arithmetic) を行う有用な関数が含まれます 。 概算ビルド時間: 1.7 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 39 MB テストスイート込み 6.13.1. GMP のインストール 注記 64 ビットコードを扱う CPU 環境にて CFLAGS を指定していると、 本パッケー ジの configure スクリプトは 64 ビット用の処理を行い失敗します。 これを 回避するには、本パッケージのビルド作業時にのみ、 CFLAGS 変数にパラメー タ ABI=32 を加えて処理を行ってください。 そして作業を終えたら、そのパラ メータを取り除いておいてください。 GMP をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --enable-cxx --enable-mpbsd configure オプションの意味: --enable-cxx C++ サポートを有効にします。 --enable-mpbsd Berkeley MP に対する互換ライブラリをビルドします。 パッケージをコンパイルします。 make 重要項目 本節における GMP のテストスイートは極めて重要なものです。 したがってど のような場合であっても必ず実行してください。 テストを実行します。 make check 2>&1 | tee gmp-check-log 162個のテストが完了することを確認してください。 テスト結果は以下のコマ ンドにより確認することができます。 awk '/tests passed/{total+=$2} ; END{print total}' gmp-check-log パッケージをインストールします。 make install 必要ならドキュメントをインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/gmp-5.0.0 cp -v doc/{isa_abi_headache,configuration} doc/*.html \ /usr/share/doc/gmp-5.0.0 6.13.2. GMP の構成 インストールライブラリ: libgmp.{a,so}, libgmpxx.{a,so}, libmp.{a,so} 概略説明 libgmp 精度演算関数 (precision math functions) を提供します。 libgmpxx C++ 用の精度演算関数を提供します。 libmp Berkley MP 演算関数を提供します。 6.14. MPFR-2.4.2 MPFR パッケージは倍精度演算 (multiple precision) の関数を提供します。 概算ビルド時間: 1.1 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 27.1 MB テストスイート込み 6.14.1. MPFR のインストール MPFR をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --enable-thread-safe パッケージをコンパイルします。 make 重要項目 本節における MPFR のテストスイートは極めて重要なものです。 したがってど のような場合であっても必ず実行してください。 148 個のテストが完了していることを確認してください。 make check パッケージをインストールします。 make install ドキュメントをインストールします。 make html mkdir -pv /usr/share/doc/mpfr-2.4.2 find . -name \*.html -type f -exec cp -v \{} /usr/share/doc/mpfr-2.4.2 \; 6.14.2. MPFR の構成 インストールライブラリ: libmpfr.{a,so} 概略説明 libmpfr 倍精度演算の関数を提供します。 6.15. File-5.04 File パッケージは、指定されたファイルの種類を決定するユーティリティを提 供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 9.5 MB 6.15.1. File のインストール File をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.15.2. File の構成 インストールプログラム: file インストールライブラリ: libmagic.{a,so} 概略説明 指定されたファイルの種類判別を行います。 処理にあたってはいく file つかのテスト、すなわちファイルシステムテスト、マジックナンバー テスト、言語テストを行います。 libmagic マジックナンバーによりファイル判別を行うルーチンを含みます。 file プログラムがこれを利用しています。 6.16. GCC-4.4.3 GCC パッケージは C コンパイラや C++ コンパイラなどの GNU コンパイラコレ クションを提供します。 概算ビルド時間: 44 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 1.1 GB テストスイート込み 6.16.1. GCC のインストール sed による置換を行って libiberty.a をインストールしないようにします。 libiberty.a は Binutils が提供するものを利用することにします。 sed -i 's/install_to_$(INSTALL_DEST) //' libiberty/Makefile.in 5.10. 「GCC-4.4.3 - 2回め」 にて行ったように sed を使って以下のようにコ ンパイラフラグ -fomit-frame-pointer を強制的に指定し、一貫したコンパイ ルを実現します。 case `uname -m` in i?86) sed -i 's/^T_CFLAGS =$/& -fomit-frame-pointer/' \ gcc/Makefile.in ;; esac fixincludes スクリプトは、たまにエラーを引き起こし、それまでにインスト ールされているシステムヘッダーファイルを修正してしまうことがあります。 ここまでにインストールしてきたヘッダファイルは修正する必要がないので、 以下のコマンドを実行して fixincludes スクリプトを実行しないようにします 。 sed -i 's@\./fixinc\.sh@-c true@' gcc/Makefile.in sed による置換を実行して、テストスイートのエラーを回避します。 sed -i 's/getline/get_line/' libiberty/testsuite/test-demangle.c GCC のドキュメントによると GCC のビルドにあたっては、ソースディレクトリ 以外の専用のビルドディレクトリを作成することが推奨されています。 mkdir -v ../gcc-build cd ../gcc-build GCC をコンパイルするための準備をします。 ../gcc-4.4.3/configure --prefix=/usr \ --libexecdir=/usr/lib --enable-shared \ --enable-threads=posix --enable-__cxa_atexit \ --enable-clocale=gnu --enable-languages=c,c++ \ --disable-multilib --disable-bootstrap 他のプログラミング言語は、また別の依存パッケージなどを要しますが、現時 点では準備できていません。 GCC がサポートする他のプログラム言語の構築方 法については BLFS ブックの説明を参照してください。 パッケージをコンパイルします。 make 重要項目 本節における GCC のテストスイートは極めて重要なものです。 したがってど のような場合であっても必ず実行してください。 コンパイル結果をテストします。 エラーが発生しても停止しないようにします 。 make -k check テスト結果を確認するために以下を実行します。 ../gcc-4.4.3/contrib/test_summary テスト結果の概略のみ確認したい場合は、 出力結果をパイプ出力して grep -A7 Summ を実行してください。 テスト結果については http://www.linuxfromscratch.org/lfs/build-logs/6.6 / と http://gcc.gnu.org/ml/gcc-testresults/ にある情報と比較することが できます。 テストに失敗することがありますが、これを回避することはできません。 GCC の開発者はこの問題を認識していますが、まだ解決していない状況です。 特に libmudflap のテストは大いに問題があり GCC のバグとして知られています。 (http://gcc.gnu.org/bugzilla/show_bug.cgi?id=20003) この URL に示されて いる結果と大きく異なっていなかったら、 問題はありませんので先に進んでく ださい。 パッケージをインストールします。 make install パッケージの中には C プリプロセッサが /lib ディレクトリにあることを前提 にしているものがあります。 そのようなものに対応するため、以下のシンボリ ックリンクを作成します。 ln -sv ../usr/bin/cpp /lib パッケージの多くは C コンパイラとして cc を呼び出しています。 これに対 応するため、以下のシンボリックリンクを作成します。 ln -sv gcc /usr/bin/cc 最終的なツールチェーンが出来上がりました。 ここで再びコンパイルとリンク が正しく動作することを確認することが必要です。 そこで本節の初めの方で実 施した健全性テストをここでも実施します。 echo 'main(){}' > dummy.c cc dummy.c -v -Wl,--verbose &> dummy.log readelf -l a.out | grep ': /lib' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドから 出力される結果は以下のようになるはずです。 (ダイナミックリンカの名前は プラットフォームによって違っているかもしれません。) [Requesting program interpreter: /lib/ld-linux.so.2] ここで起動ファイルが正しく用いられていることを確認します。 grep -o '/usr/lib.*/crt[1in].*succeeded' dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、上のコマンドの出力 は以下のようになるはずです。 /usr/lib/gcc/i686-pc-linux-gnu/4.4.3/../../../crt1.o succeeded /usr/lib/gcc/i686-pc-linux-gnu/4.4.3/../../../crti.o succeeded /usr/lib/gcc/i686-pc-linux-gnu/4.4.3/../../../crtn.o succeeded 作業しているマシンアーキテクチャによっては、上の結果が微妙に異なるかも しれません。 その違いは、たいていは /usr/lib/gcc の次のディレクトリ名に あります。 作業マシンが 64 ビット機である場合、ディレクトリ名の後ろの方 に lib64 という名が出てくることになります。 ここで確認すべき重要なポイ ントは gcc が /usr/lib ディレクトリ配下に三つのファイル crt*.o を見つけ 出しているかどうかです。 コンパイラが正しいヘッダファイルを読み取っているかどうかを検査します。 grep -B4 '^ /usr/include' dummy.log 上のコマンドは正常に終了すると、以下の出力を返します。 #include <...> search starts here: /usr/local/include /usr/lib/gcc/x86_64-unknown-linux-gnu/4.4.3/include /usr/lib/gcc/i686-pc-linux-gnu/4.4.3/include-fixed /usr/include もう一度触れておきますが、プラットフォームの 「三つの組 (target triplet)」 の次にくるディレクトリ名は CPU アーキテクチャにより異なる点 に注意してください。 注記 GCC のバージョン 4.3.0 では limits.h ファイルを無条件に include-fixed ディレクトリにインストールします。 したがってそのディレクトリは存在して いなければなりません。 次に、新たなリンカが正しいパスを検索して用いられているかどうかを検査し ます。 grep 'SEARCH.*/usr/lib' dummy.log |sed 's|; |\n|g' 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドの出 力は以下のようになるはずです。 (作業するプラットフォームに応じて「三つ の組 (target triplet)」の表記は異なります。) SEARCH_DIR("/usr/i686-pc-linux-gnu/lib") SEARCH_DIR("/usr/local/lib") SEARCH_DIR("/lib") SEARCH_DIR("/usr/lib"); 64 ビットシステムではさらにいくつかのディレクトリが出力されます。 例え ば x86_64 マシンであれば、その出力は以下のようになります。 SEARCH_DIR("/usr/x86_64-unknown-linux-gnu/lib64") SEARCH_DIR("/usr/local/lib64") SEARCH_DIR("/lib64") SEARCH_DIR("/usr/lib64") SEARCH_DIR("/usr/x86_64-unknown-linux-gnu/lib") SEARCH_DIR("/usr/local/lib") SEARCH_DIR("/lib") SEARCH_DIR("/usr/lib"); 次に libc が正しく用いられていることを確認します。 grep "/lib.*/libc.so.6 " dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、最後のコマンドの出 力は以下のようになるはずです。 (64 ビットマシンであれば lib64 ディレク トリとなるはずです。) attempt to open /lib/libc.so.6 succeeded 最後に GCC が正しくダイナミックリンカを用いているかを確認します。 grep found dummy.log 問題なく動作した場合はエラーがなかったということで、上のコマンドの出力 は以下のようになるはずです。 (ダイナミックリンカの名前はプラットフォー ムによって違っているかもしれません。 また 64 ビットマシンであれば lib64 ディレクトリとなるはずです。) found ld-linux.so.2 at /lib/ld-linux.so.2 出力結果が上と異なっていたり、出力が全く得られなかったりした場合は、何 かが根本的に間違っているということです。 どこに問題があるのか調査・再試 行を行って解消してください。 最もありがちな理由は、スペックファイルの修 正を誤っていることです。 問題を残したままこの先には進まないでください。 すべてが正しく動作したら、テストに用いたファイルを削除します。 rm -v dummy.c a.out dummy.log 6.16.2. GCC の構成 インストールプログラム: c++, cc (gcc へのリンク), cpp, g++, gcc, gccbug, gcov インストールライブラリ: libgcc.a, libgcc_eh.a, libgcc_s.so, libgcov.a, libgomp.{a,so}, libmudflap.{a,so}, libmudflapth.{a,so}, libssp.{a,so}, libssp_nonshared.a, libstdc++.{a,so} libsupc++.a 概略説明 c++ C++ コンパイラ cc C コンパイラ C プリプロセッサ。 コンパイラがこれを利用して、ソース内に記 cpp 述された #include、#define や同じようなステートメントを展開 します。 g++ C++ コンパイラ gcc C コンパイラ gccbug 有用なバグ報告の生成を手助けするスクリプト。 gcov カバレッジテストツール。 プログラムを解析して、最適化が最も 効果的となるのはどこかを特定します。 libgcc gcc のランタイムサポートを提供します。 libgcov GCC のプロファイリングを有効にした場合にこのライブラリがリン クされます。 C/C++ や Fortran において、マルチプラットフォームでの共有メ libgomp モリ並行プログラミング (multi-platform shared-memory parallel programming) を行うための、GNU による OpenMP API イ ンプリメンテーションです。 libmudflap GCC の配列境界チェック (bounds checking) 機能をサポートする ルーチンを提供します。 libssp GCC のスタック破壊を防止する (stack-smashing protection) 機 能をサポートするルーチンを提供します。 libstdc++ 標準 C++ ライブラリ libsupc++ C++ プログラミング言語のためのサポートルーチンを提供します。 6.17. Sed-4.2.1 Sed パッケージはストリームエディタを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 8.3 MB 6.17.1. Sed のインストール Sed をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --bindir=/bin --htmldir=/usr/share/doc/sed-4.2.1 configure オプションの意味: --htmldir HTML ドキュメントをインストールするディレクトリを指定します。 パッケージをコンパイルします。 make HTML ドキュメントを生成します。 make html コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install HTML ドキュメントをインストールします。 make -C doc install-html 6.17.2. Sed の構成 インストールプログラム: sed 概略説明 sed テキストファイルを一度の処理でフィルタリングし変換します。 6.18. Pkg-config-0.23 pkg-config パッケージは、他のパッケージ類の configure やメイクを行う際 に、インクルードパスやライブラリパスの情報を伝えるためのツールを提供し ます。 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 11.5 MB 6.18.1. Pkg-config のインストール Pkg-config をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.18.2. Pkg-config の構成 インストールプログラム: pkg-config 概略説明 pkg-config 指定されたライブラリやパッケージの全般的な情報を返します。 6.19. Ncurses-5.7 Ncurses パッケージは、端末に依存しない、文字ベースのスクリーン制御を行 うライブラリを提供します。 概算ビルド時間: 0.8 SBU 必要ディスク容量: 35 MB 6.19.1. Ncurses のインストール Ncurses をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --with-shared --without-debug --enable-widec configure オプションの意味: --enable-widec このオプションは通常のライブラリ (libncurses.so.5.7) ではなくワイド 文字対応のライブラリ (libncursesw.so.5.7) をビルドすることを指示し ます。 ワイド文字対応のライブラリは、マルチバイトロケールと従来の 8 ビットロケールの双方に対して利用可能です。 通常のライブラリでは 8ビ ットロケールに対してしか動作しません。 ワイド文字対応と通常のものと では、ソース互換があるもののバイナリ互換がありません。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありますが、パッケージをインストールし た後でないと実行できません。 テストスイートのためのファイル群はサブディ レクトリ test/ 以下に残っています。 詳しいことはそのディレクトリ内にあ る README ファイルを参照してください。 パッケージをインストールします。 make install ライブラリを /lib ディレクトリに移動します。 これらはここにあるべきもの です。 mv -v /usr/lib/libncursesw.so.5* /lib ライブラリを移動させたので、シンボリックリンク先が存在しないことになり ます。 そこでリンクを再生成します。 ln -sfv ../../lib/libncursesw.so.5 /usr/lib/libncursesw.so アプリケーションによっては、ワイド文字対応ではないライブラリをリンカが 探し出すよう求めるものが多くあります。 そのようなアプリケーションに対し ては、以下のようなシンボリックリンクやリンカスクリプトを作り出して、ワ イド文字対応のライブラリにリンクさせるよう仕向けます。 for lib in ncurses form panel menu ; do \ rm -vf /usr/lib/lib${lib}.so ; \ echo "INPUT(-l${lib}w)" >/usr/lib/lib${lib}.so ; \ ln -sfv lib${lib}w.a /usr/lib/lib${lib}.a ; \ done ln -sfv libncurses++w.a /usr/lib/libncurses++.a 最後に古いアプリケーションにおいて、ビルド時に -lcurses を指定するもの があるため、これもビルド可能なものにします。 rm -vf /usr/lib/libcursesw.so echo "INPUT(-lncursesw)" >/usr/lib/libcursesw.so ln -sfv libncurses.so /usr/lib/libcurses.so ln -sfv libncursesw.a /usr/lib/libcursesw.a ln -sfv libncurses.a /usr/lib/libcurses.a 必要なら Ncurses のドキュメントをインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/ncurses-5.7 cp -v -R doc/* /usr/share/doc/ncurses-5.7 注記 ここまでの作業手順では、ワイド文字対応ではない Ncurses ライブラリは生成 しませんでした。 ソースからコンパイルして構築するパッケージなら、実行時 にそのようなライブラリにリンクするものはないからです。 バイナリコードし かないアプリケーションを取り扱う場合、あるいは LSB 対応を要する場合で、 それがワイド文字対応ではないライブラリを必要とするなら、以下のコマンド によりそのようなライブラリを生成してください。 make distclean ./configure --prefix=/usr --with-shared --without-normal \ --without-debug --without-cxx-binding make sources libs cp -av lib/lib*.so.5* /usr/lib 6.19.2. Ncurses の構成 インストールプログラム: captoinfo (tic へのリンク), clear, infocmp, infotocap (tic へのリンク), ncursesw5-config, reset (tset へのリンク), tic, toe, tput, tset インストールライブラリ: libcursesw.{a,so} (libncursesw.{a,so} へのシン ボリックリンクおよびリンカスクリプト), libformw.{a,so}, libmenuw. {a,so}, libncurses++w.a, libncursesw.{a,so}, libpanelw.{a,so} これらに 加えてワイド文字対応ではない通常のライブラリで、その名称から "w" を取り 除いたもの。 概略説明 captoinfo termcap の記述を terminfo の記述に変換します。 clear 画面消去が可能ならこれを行います。 infocmp terminfo の記述どうしを比較したり出力したりします。 infotocap terminfo の記述を termcap の記述に変換します。 ncursesw5-config ncurses の設定情報を提供します。 reset 端末をデフォルト設定に初期化します。 terminfo の定義項目に対するコンパイラです。 これはソー ス形式の terminfo ファイルをバイナリ形式に変換し、 tic ncurses ライブラリ内の処理ルーチンが利用できるようにし ます。 terminfo ファイルは特定端末の特性に関する情報が 記述されるものです。 toe 利用可能なすべての端末タイプを一覧表示します。 そこで は端末名と簡単な説明を示します。 端末に依存する機能設定をシェルが利用できるようにします tput 。 また端末のリセットや初期化、あるいは長い端末名称の 表示も行います。 tset 端末の初期化に利用します。 libcurses libncurses へのリンク。 様々な方法により端末画面上に文字列を表示するための関数 libncurses を提供します。 これらの関数を用いた具体例として、カー ネルの make menuconfig の実行によって表示されるメニュ ーがあります。 libform フォームを実装するための関数を提供します。 libmenu メニューを実装するための関数を提供します。 libpanel パネルを実装するための関数を提供します。 6.20. Util-linux-ng-2.17 Util-linux パッケージは様々なユーティリティプログラムを提供します。 フ ァイルシステム、コンソール、パーティション、カーネルメッセージなどを取 り扱うユーティリティです。 概算ビルド時間: 0.6 SBU 必要ディスク容量: 40 MB 6.20.1. FHS コンプライアンス情報 FHS では adjtime ファイルの配置場所として /etc ディレクトリではなく / var/lib/hwclock ディレクトリを推奨しています。hwclock プログラムを FHS 準拠とするために以下を実行します。 sed -e 's@etc/adjtime@var/lib/hwclock/adjtime@g' \ -i $(grep -rl '/etc/adjtime' .) mkdir -pv /var/lib/hwclock 6.20.2. Util-linux-ng のインストール ./configure --enable-arch --enable-partx --enable-write configure オプションの意味: --enable-arch arch プログラムをビルドします。 --enable-partx addpart、delpart、partx プログラムをビルドします。 --enable-write write プログラムをビルドします。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 6.20.3. Util-linux-ng の構成 インストールプログラム: addpart, agetty, arch, blkid, blockdev, cal, cfdisk, chkdupexe, chrt, col, colcrt, colrm, column, ctrlaltdel, cytune, ddate, delpart, dmesg, fdformat, fdisk, findfs, flock, fsck, fsck.cramfs, fsck.minix, getopt, hexdump, hwclock, i386, ionice, ipcmk, ipcrm, ipcs, isosize, ldattach, line, linux32, linux64, logger, look, losetup, lscpu, mcookie, mkfs, mkfs.bfs, mkfs.cramfs, mkfs.minix, mkswap, more, mount, namei, partx, pg, pivot_root, readprofile, rename, renice, rev, rtcwake, script, scriptreplay, setarch, setsid, setterm, sfdisk, swapoff (swapon へのリンク), swapon, switch_root, tailf, taskset, tunelp, ul, umount, uuidd, uuidgen, wall, whereis, write インストールライブラリ: libblkid.{a,so}, libuuid.{a,so} 概略説明 addpart Linux カーネルに対して新しいパーティションの情報を通知しま す。 agetty tty ポートを開いてログイン名の入力を受け付けます。 そして login プログラムを起動します。 arch マシンアーキテクチャを表示します。 blkid ブロックデバイスの属性を見つけて表示するためのコマンドライ ンユーティリティー。 blockdev コマンドラインからブロックデバイスの ioctl の呼び出しを行 います。 cal 簡単なカレンダーを表示します。 cfdisk 指定されたデバイスのパーティションテーブルを操作します。 chkdupexe 重複している実行モジュールを探します。 chrt リアルタイムプロセスの属性を操作します。 col 逆改行 (resverse line feeds) を取り除きます。 colcrt 性能が不十分な端末のために nroff の出力結果から重ね書き (overstriking) や半改行 (half-lines) を取り除きます。 colrm 指定されたカラムを取り除きます。 column 指定されたファイルの内容を複数カラムに整形します。 ctrlaltdel ハードリセットまたはソフトリセットを行うために Ctrl+Alt+Del キー押下時の機能を設定します。 cytune Cyclades カード用のシリアルラインドライバのパラメータを設 定します。 ディスコルディア暦 (Discordian) の日付を表示します。 また ddate は指定されたグレゴリオ暦 (Gregorian) の日付をディスコルデ ィア暦の日付に変換します。 delpart Linux カーネルに対してパーティションが削除されているかどう かを確認します。 dmesg カーネルのブートメッセージをダンプします。 fdformat フロッピーディスクの低レベル (low-level) フォーマットを行 います。 fdisk 指定されたデバイスのパーティションテーブルを操作します。 findfs ファイルシステムに対するラベルまたは UUID (Universally Unique Identifier) を使ってファイルシステムを検索します。 flock ファイルロックを取得して、ロックしたままコマンドを実行しま す。 fsck ファイルシステムのチェックを行い、必要に応じて修復を行いま す。 fsck.cramfs 指定されたデバイス上の Cramfs ファイルシステムに対して一貫 性検査 (consistency check) を行います。 fsck.minix 指定されたデバイス上の Minix ファイルシステムに対して一貫 性検査 (consistency check) を行います。 getopt 指定されたコマンドラインのオプション引数を解析します。 hexdump 指定されたファイルを 16進数書式または他の指定された書式で ダンプします。 システムのハードウェアクロックを読み取ったり設定したりしま hwclock す。 このハードウェアクロックはリアルタイムクリック (Real-Time Clock; RTC) または BIOS (Basic Input-Output System) クロックとも呼ばれます。 i386 setarch へのシンボリックリンク。 ionice プログラムに対する I/O スケジュールクラスとスケジュール優 先度を取得または設定します。 ipcmk 様々な IPC リソースを生成します。 ipcrm 指定された IPC (Inter-Process Communication) リソースを削 除します。 ipcs IPC のステータス情報を提供します。 isosize iso9660 ファイルシステムのサイズを表示します。 ldattach シリアル回線 (serial line) に対して回線規則 (line discipline) を割り当てます。 line 単一行をコピーします。 linux32 setarch へのシンボリックリンク。 linux64 setarch へのシンボリックリンク。 logger 指定したメッセージをシステムログに出力します。 look 指定された文字列で始まる行を表示します。 losetup ループデバイス (loop device) の設定と制御を行います。 lscpu CPU アーキテクチャの情報を表示します。 mcookie xauth のためのマジッククッキー (128ビットのランダムな16進 数値) を生成します。 mkfs デバイス上にファイルシステムを構築します。 (通常はハードデ ィスクパーティションに対して行います。) mkfs.bfs SCO (Santa Cruz Operations) の bfs ファイルシステムを生成 します。 mkfs.cramfs cramfs ファイルシステムを生成します。 mkfs.minix Minix ファイルシステムを生成します。 mkswap 指定されたデバイスまたはファイルをスワップ領域として初期化 します。 more テキストを一度に一画面分だけ表示するフィルタプログラム。 mount ファイルシステムツリー内の特定のディレクトリを、指定された デバイス上のファイルシステムに割り当てます。 namei 指定されたパスに存在するシンボリックリンクを表示します。 partx カーネルに対して、ディスク上にパーティションが存在するか、 何番が存在するかを伝えます。 pg テキストファイルを一度に一画面分表示します。 pivot_root 指定されたファイルシステムを、現在のプロセスに対する新しい ルートファイルシステムにします。 readprofile カーネルのプロファイリング情報を読み込みます。 rename 指定されたファイルの名称を変更します。 renice 実行中のプロセスの優先度を変更します。 rev 指定されたファイル内の行の並びを入れ替えます。 rtcwake 指定された起動時刻までの間、システムをスリープ状態とするモ ードを指定します。 script 端末セッション上での出力結果の写し (typescript) を生成しま す。 scriptreplay タイミング情報 (timing information) を利用して、出力結果の 写し (typescript) を再生します。 新しいプログラム環境にて、表示されるアーキテクチャを変更し setarch ます。 また設定フラグ (personality flag) の設定も行います 。 setsid 新しいセッションで指定されたプログラムを実行します。 setterm 端末の属性を設定します。 sfdisk ディスクパーティションテーブルを操作します。 swapoff ページングまたはスワッピングに利用しているデバイスまたはフ ァイルを無効にします。 ページングまたはスワッピングに利用しているデバイスまたはフ swapon ァイルを有効にします。 また現在利用されているデバイスまた はファイルを一覧表示します。 switch_root 別のファイルシステムを、マウントツリーのルートとして変更し ます。 ログファイルの更新を監視します。 ログファイルの最終の10行 tailf が表示され、ログファイルに新たに書き込みが行われると表示更 新します。 taskset プロセスの CPU 親和性 (affinity) を表示または設定します。 tunelp ラインプリンタのパラメータを設定します。 ul 使用中の端末にて、アンダースコア文字を、エスケープシーケン スを用いた下線文字に変換するためのフィルタ。 umount システムのファイルツリーからファイルシステムを切断します。 uuidd UUID ライブラリから利用されるデーモン。 時刻情報に基づく UUID を、安全にそして一意性を確保して生成します。 新しい UUID を生成します。 生成される UUID は当然、他に生 uuidgen 成されている UUID とは異なり、自他システムでも過去現在にわ たってもユニークなものです。 ファイルの内容、あるいはデフォルトでは標準入力から入力され wall た内容を、現在ログインしている全ユーザーの端末上に表示しま す。 whereis 指定されたコマンドの実行モジュール・ソース・man ページの場 所を表示します。 write 指定されたユーザーに対してメッセージを送信します。 ただし そのユーザーがメッセージ受信が可能である場合に限ります。 libblkid デバイスの識別やトークンの抽出を行う処理ルーチンを提供しま す。 ローカルシステム内だけに限らずアクセスされるオブジェクトに libuuid 対して、一意性が保証された識別子を生成する処理ルーチンを提 供します。 6.21. E2fsprogs-1.41.10 E2fsprogs パッケージは ext2 ファイルシステムを扱うユーティリティを提供 します。これは同時に ext3、ext4 ジャーナリングファイルシステムもサポー トします。 概算ビルド時間: 0.5 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 45 MB テストスイート込み 6.21.1. E2fsprogs のインストール E2fsprogs パッケージは、ソースディレクトリ内にサブディレクトリを作って ビルドすることが推奨されています。 mkdir -v build cd build E2fsprogs をコンパイルするための準備をします。 ../configure --prefix=/usr --with-root-prefix="" \ --enable-elf-shlibs --disable-libblkid --disable-libuuid \ --disable-uuidd --disable-fsck configure オプションの意味: --with-root-prefix="" e2fsck などのプログラムは、極めて重要なものです。 例えば /usr ディ レクトリがマウントされていない時であっても、そういったプログラムは 動作しなければなりません。 それらは /lib ディレクトリや /sbin ディ レクトリに置かれるべきものです。 もしこのオプションの指定がなかった ら、プログラムが /usr ディレクトリにインストールされてしまいます。 --enable-elf-shlibs このオプションは、本パッケージ内のプログラムが利用する共有ライブラ リを生成します。 --disable-* このオプションは libuuid ライブラリ、 libblkid ライブラリ、 uuidd デーモン、 fsck ラッパーをいずれもビルドせずインストールしないよう にします。 これらは Util-Linux-NG パッケージによって既にインストー ルされています。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check E2fsprogs にて行われるテストの中には 256 MB のメモリ割り当てを行うもの があります。 この容量を確保できるだけの RAM がない場合は、十分なスワッ プ領域を確保することが推奨されています。 スワップ領域の生成と有効化につ いては 2.3. 「ファイルシステムの生成」 と 2.4. 「新しいパーティションの マウント」 を参照してください。 実行モジュール、ドキュメント、共有ライブラリをインストールします。 make install スタティックライブラリとヘッダファイルをインストールします。 make install-libs スタティックライブラリへの書き込みを可能とします。 これは後にデバッグシ ンボルを取り除くために必要となります。 chmod -v u+w /usr/lib/{libcom_err,libe2p,libext2fs,libss}.a 本パッケージは gzip 圧縮された.info ファイルをインストールしますが、共 通的な dir を更新しません。 そこで以下のコマンドにより gzip ファイルを 解凍した上で dir ファイルを更新します。 gunzip -v /usr/share/info/libext2fs.info.gz install-info --dir-file=/usr/share/info/dir \ /usr/share/info/libext2fs.info 必要なら、以下のコマンドを実行して追加のドキュメントをインストールしま す。 makeinfo -o doc/com_err.info ../lib/et/com_err.texinfo install -v -m644 doc/com_err.info /usr/share/info install-info --dir-file=/usr/share/info/dir \ /usr/share/info/com_err.info 6.21.2. E2fsprogs の構成 インストールプログラム: badblocks, chattr, compile_et, debugfs, dumpe2fs, e2freefrag, e2fsck, e2image, e2initrd_helper, e2label, e2undo, filefrag, fsck.ext2, fsck.ext3, fsck.ext4, fsck.ext4dev, logsave, lsattr, mk_cmds, mke2fs, mkfs.ext2, mkfs.ext3, mkfs.ext4, mkfs.ext4dev, mklost+found, resize2fs, tune2fs インストールライブラリ: libcom_err.{a,so}, libe2p.{a,so}, libext2fs. {a,so}, libss.{a,so} 概略説明 badblocks デバイス (通常はディスクパーティション) の不良ブロック を検索します。 ext2 ファイルシステム上のファイル属性を変更します。 chattr ext2 ファイルシステムのジャーナリング版である ext3 ファ イルシステムにおいても変更を行います。 エラーテーブルコンパイラ。 これはエラーコード名とメッセ compile_et ージの一覧を、 com_err ライブラリを利用する C ソースコ ードとして変換するものです。 debugfs ファイルシステムデバッガ。 これは ext2 ファイルシステム の状態を調査し変更することができます。 指定されたデバイス上にあるファイルシステムについて、 ス dumpe2fs ーパーブロックの情報とブロックグループの情報を表示しま す。 e2freefrag 空きディスク部分のフラグメンテーションに関する情報を表 示します。 e2fsck ext2 ファイルシステムと ext3 ファイルシステムをチェック し、必要なら修復を行うことができます。 e2image ext2 ファイルシステムの重要なデータをファイルに保存しま す。 e2initrd_helper 指定されたファイルシステムの FS タイプを表示します。 デ バイス名やラベルを指定することもできます。 e2label 指定されたデバイス上にある ext2 ファイルシステムのラベ ルを表示または変更します。 デバイス上にある ext2/ext3/ext4 ファイルシステムの undo e2undo ログを再実行します。 これは e2fsprogs プログラムが処理 に失敗した際に undo を行うこともできます。 filefrag 特定のファイルのフラグメンテーション化がどれほど進んで いるかを表示します。 fsck.ext2 デフォルトでは ext2 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。 fsck.ext3 デフォルトでは ext3 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。 fsck.ext4 デフォルトでは ext4 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。 fsck.ext4dev デフォルトでは ext4 ファイルシステムの開発版をチェック します。 これは e2fsck へのハードリンクです。 logsave コマンドの出力結果をログファイルに保存します。 lsattr ext2 ファイルシステム上のファイル属性を一覧表示します。 コマンド名とヘルプメッセージの一覧を、 サブシステムライ mk_cmds ブラリ libss を利用する C ソースコードとして変換するも のです。 mke2fs 指定されたデバイス上に ext2 ファイルシステム、または ext3 ファイルシステムを生成します。 mkfs.ext2 デフォルトでは ext2 ファイルシステムを生成します。 これ は mke2fs へのハードリンクです。 mkfs.ext3 デフォルトでは ext3 ファイルシステムを生成します。 これ は mke2fs へのハードリンクです。 mkfs.ext4 デフォルトでは ext4 ファイルシステムを生成します。 これ は mke2fs へのハードリンクです。 mkfs.ext4dev デフォルトでは ext4 ファイルシステム開発版を生成します 。 これは mke2fs へのハードリンクです。 ext2 ファイルシステム上に lost+found ディレクトリを生成 mklost+found するために利用します。 このコマンドはそのディレクトリに 対してあらかじめディスクブロックの情報を割り当てておく ことで、 e2fsck コマンドの負荷を軽減します。 resize2fs ext2 ファイルシステムを拡張または縮小するために利用しま す。 tune2fs ext2 ファイルシステム上にて調整可能なシステムパラメータ を調整します。 libcom_err 共通的なエラー表示ルーチン。 libe2p 以下のコマンド dumpe2fs、 chattr、 lsattr が利用します 。 libext2fs ユーザーレベルのプログラムが ext2 ファイルシステムを操 作可能とするためのルーチンを提供します。 libss debugfs コマンドが利用します。 6.22. Coreutils-8.4 Coreutils パッケージはシステムの基本的な特性を表示したり設定したりする ためのユーティリティを提供します。 概算ビルド時間: 3.2 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 98 MB テストスイート込み 6.22.1. Coreutils のインストール このパッケージが提供するプログラムとして uname があります。 このプログ ラムは -p オプションを指定したとき、常に unknown を返すという問題があり ます。 インテルアーキテクチャの CPU に対して、以下のパッチによりこれを 修正します。 case `uname -m` in i?86 | x86_64) patch -Np1 -i ../coreutils-8.4-uname-1.patch ;; esac POSIX では Coreutils により生成されるプログラムは、マルチバイトロケール であっても、文字データを正しく取り扱うことを求めています。 以下のパッチ は標準に準拠することと、国際化処理に関連するバグを解消することを行いま す。 patch -Np1 -i ../coreutils-8.4-i18n-1.patch 注記 このパッチには以前は多くのバグがありました。 新たなバグを発見したら、 Coreutils の開発者に報告する前に、このパッチを適用せずにバグが再現する かどうかを確認してください。 Coreutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr \ --enable-no-install-program=kill,uptime configure オプションの意味: --enable-no-install-program=kill,uptime 指定のプログラムは、後に他のパッケージからインストールするため Coreutils からはインストールしないことを指示します。 パッケージをコンパイルします。 make テストスイートを実行しない場合は 「パッケージをインストールします。」 と書かれたところまで読み飛ばしてください。 テストスイートを実行します。 まずは root ユーザーに対するテストを実行し ます。 make NON_ROOT_USERNAME=nobody check-root ここからのテストは nobody ユーザーにより実行します。 ただしいくつかのテ ストでは、複数のグループに属するユーザーを必要とします。 そのようなテス トを確実に実施するために、一時的なグループを作って nobody ユーザーがそ れに属するようにします。 echo "dummy:x:1000:nobody" >> /etc/group 特定のファイルのパーミッションを変更して root ユーザー以外でもコンパイ ルとテストができるようにします。 chown -Rv nobody . テストを実行します。 su-tools nobody -s /bin/bash -c "make RUN_EXPENSIVE_TESTS=yes check" 一時的に作成したグループを削除します。 sed -i '/dummy/d' /etc/group パッケージをインストールします。 make install FHS が規定しているディレクトリにプログラムを移します。 mv -v /usr/bin/{cat,chgrp,chmod,chown,cp,date,dd,df,echo} /bin mv -v /usr/bin/{false,ln,ls,mkdir,mknod,mv,pwd,rm} /bin mv -v /usr/bin/{rmdir,stty,sync,true,uname} /bin mv -v /usr/bin/chroot /usr/sbin LFS-ブートスクリプトパッケージにあるスクリプトでは、 head、 sleep、 nice に依存しているものがあります。 ブート処理の初期段階においては /usr ディレクトリは認識されないため、上のプログラムはルートパーティションに 移す必要があります。 mv -v /usr/bin/{head,sleep,nice} /bin 6.22.2. Coreutils の構成 インストールプログラム: base64, basename, cat, chcon, chgrp, chmod, chown, chroot, cksum, comm, cp, csplit, cut, date, dd, df, dir, dircolors, dirname, du, echo, env, expand, expr, factor, false, fmt, fold, groups, head, hostid, id, install, join, link, ln, logname, ls, md5sum, mkdir, mkfifo, mknod, mktemp, mv, nice, nl, nohup, nproc, od, paste, pathchk, pinky, pr, printenv, printf, ptx, pwd, readlink, rm, rmdir, runcon, seq, sha1sum, sha224sum, sha256sum, sha384sum, sha512sum, shred, shuf, sleep, sort, split, stat, stdbuf, stty, sum, sync, tac, tail, tee, test, timeout, touch, tr, true, truncate, tsort, tty, uname, unexpand, uniq, unlink, users, vdir, wc, who, whoami, yes 概略説明 base64 base64 (RFC 3548) 規格に従ってデータのエンコード、デコードを 行います。 basename ファイル名からパス部分と指定されたサフィックスを取り除きます 。 cat 複数ファイルを連結して標準出力へ出力します。 chcon ファイルやディレクトリに対してセキュリティコンテキスト (security context) を変更します。 chgrp ファイルやディレクトリのグループ所有権を変更します。 指定されたファイルのパーミッションを、指定されたモードに変更 chmod します。 モードは、変更内容を表す文字表現か、8進数表現を用い ることができます。 chown ファイルやディレクトリの所有者またはグループを変更します。 chroot 指定したディレクトリを / ディレクトリとみなしてコマンドを実行 します。 cksum 指定された複数のファイルについて、CRC (Cyclic Redundancy Check; 巡回冗長検査) チェックサム値とバイト数を表示します。 comm ソート済の二つのファイルを比較して、一致しない固有の行と一致 する行を三つのカラムに分けて出力します。 cp ファイルをコピーします。 指定されたファイルを複数の新しいファイルに分割します。 分割は csplit 指定されたパターンか行数により行います。 そして分割後のファイ ルにはバイト数を出力します。 cut 指定されたフィールド位置や文字位置によってテキスト行を部分的 に取り出します。 date 指定された書式により現在時刻を表示します。 またはシステム日付 を設定します。 dd 指定されたブロックサイズとブロック数によりファイルをコピーし ます。 変換処理を行うことができます。 マウントされているすべてのファイルシステムに対して、ディスク df の空き容量 (使用量) を表示します。 あるいは指定されたファイル を含んだファイルシステムについてのみの情報を表示します。 dir 指定されたディレクトリの内容を一覧表示します。 (ls コマンドに 同じ。) dircolors 環境変数 LS_COLOR にセットするべきコマンドを出力します。 これ は ls がカラー設定を行う際に利用します。 dirname ファイル名から、ディレクトリ名以外のサフィックスを取り除きま す。 カレントディレクトリ、指定ディレクトリ (サブディレクトリを含 du む)、指定された個々のファイルについて、それらが利用しているデ ィスク使用量を表示します。 echo 指定された文字列を表示します。 env 環境設定を変更してコマンドを実行します。 expand タブ文字を空白文字に変換します。 expr 表現式を評価します。 factor 指定された整数値すべてに対する素因数 (prime factor) を表示し ます。 false 何も行わず処理に失敗します。これは常に失敗を意味するステータ スコードを返して終了します。 fmt 指定されたファイル内にて段落を整形します。 fold 指定されたファイル内の行を折り返します。 groups ユーザーの所属グループを表示します。 head 指定されたファイルの先頭10行 (あるいは指定された行数) を表示 します。 hostid ホスト識別番号 (16進数) を表示します。 id 現在のユーザーあるいは指定されたユーザーについて、有効なユー ザーID、グループID、所属グループを表示します。 install ファイルコピーを行います。その際にパーミッションモードを設定 し、可能なら所有者やグループも設定します。 join 2つのファイル内にて共通項を持つ行を結合します。 link 指定された名称により、ファイルへのハードリンクを生成します。 ln ファイルに対するハードリンク、あるいはソフトリンク (シンボリ ックリンク) を生成します。 logname 現在のユーザーのログイン名を表示します。 ls 指定されたディレクトリ内容を一覧表示します。 md5sum MD5 (Message Digest 5) チェックサム値を表示、あるいはチェック します。 mkdir 指定された名前のディレクトリを生成します。 指定された名前の FIFO (First-In, First-Out) を生成します。 こ mkfifo れは UNIX の用語で 「名前付きパイプ (named pipe)」 とも呼ばれ ます。 指定された名前のデバイスノードを生成します。 デバイスノードは mknod キャラクタ型特殊ファイル (character special file)、ブロック特 殊ファイル (block special file)、FIFO です。 mktemp 安全に一時ファイルを生成します。 これはスクリプト内にて利用さ れます。 mv ファイルあるいはディレクトリを移動、名称変更します。 nice スケジューリング優先度を変更してプログラムを実行します。 nl 指定されたファイル内の行を数えます。 nohup ハングアップに関係なくコマンドを実行します。 その出力はログフ ァイルにリダイレクトされます。 nproc プロセスが利用可能なプロセスユニット (processing unit) の数を 表示します。 od ファイル内容を 8進数または他の書式でダンプします。 paste 指定された複数ファイルを結合します。 その際には各行を順に並べ て結合し、その間をタブ文字で区切ります。 pathchk ファイル名が有効で移植可能であるかをチェックします。 pinky 軽量な finger クライアント。 指定されたユーザーに関する情報を 表示します。 pr ファイルを印刷するために、ページ番号を振りカラム整形を行いま す。 printenv 環境変数の内容を表示します。 printf 指定された引数を指定された書式で表示します。 C 言語の printf 関数に似ています。 ptx 指定されたファイル内のキーワードに対して整列済インデックス (permuted index) を生成します。 pwd 現在の作業ディレクトリ名を表示します。 readlink 指定されたシンボリックリンクの対象を表示します。 rm ファイルまたはディレクトリを削除します。 rmdir ディレクトリが空である時にそのディレクトリを削除します。 runcon 指定されたセキュリティコンテキストでコマンドを実行します。 seq 指定された範囲と増分に従って数値の並びを表示します。 sha1sum 160 ビットの SHA1 (Secure Hash Algorithm 1) チェックサム値を 表示またはチェックします。 sha224sum 224 ビットの SHA1 チェックサム値を表示またはチェックします。 sha256sum 256 ビットの SHA1 チェックサム値を表示またはチェックします。 sha384sum 384 ビットの SHA1 チェックサム値を表示またはチェックします。 sha512sum 512 ビットの SHA1 チェックサム値を表示またはチェックします。 shred 指定されたファイルに対して、複雑なパターンデータを繰り返し上 書きすることで、データ復旧を困難なものにします。 shuf テキスト行を入れ替えます。 sleep 指定時間だけ停止します。 sort 指定されたファイル内の行をソートします。 split 指定されたファイルを、バイト数または行数を指定して分割します 。 stat ファイルやファイルシステムのステータスを表示します。 stdbuf 本コマンド実行により、標準ストリームに対するバッファリング操 作を変更します。 stty 端末回線の設定や表示を行います。 sum 指定されたファイルのチェックサムやブロック数を表示します。 ファイルシステムのバッファを消去します。 変更のあったブロック sync は強制的にディスクに書き出し、スーパーブロック (super block) を更新します。 tac 指定されたファイルを逆順にして連結します。 tail 指定されたファイルの最終の10行 (あるいは指定された行数) を表 示します。 tee 標準入力を読み込んで、標準出力と指定ファイルの双方に出力しま す。 test ファイルタイプの比較やチェックを行います。 timeout 指定時間内だけコマンドを実行します。 ファイルのタイムスタンプを更新します。 そのファイルに対するア touch クセス時刻、更新時刻を現在時刻にするものです。 そのファイルが 存在しなかった場合はゼロバイトのファイルを新規生成します。 tr 標準入力から読み込んだ文字列に対して、変換・圧縮・削除を行い ます。 true 何も行わず処理に成功します。これは常に成功を意味するステータ スコードを返して終了します。 truncate ファイルを指定されたサイズに縮小または拡張します。 tsort トポロジカルソート (topological sort) を行います。 指定された ファイルの部分的な順序に従って並び替えリストを出力します。 tty 標準入力に接続された端末のファイル名を表示します。 uname システム情報を表示します。 unexpand 空白文字をタブ文字に変換します。 uniq 連続する同一行を一行のみ残して削除します。 unlink 指定されたファイルを削除します。 users 現在ログインしているユーザー名を表示します。 vdir ls -l と同じ。 wc 指定されたファイルの行数、単語数、バイト数を表示します。 複数 ファイルが指定された場合はこれに加えて合計も出力します。 who 誰がログインしているかを表示します。 whoami 現在有効なユーザーIDに関連づいているユーザー名を表示します。 yes 処理が停止されるまで繰り返して 「y」 または指定文字を出力しま す。 6.23. Iana-Etc-2.30 Iana-Etc パッケージはネットワークサービスやプロトコルのためのデータを提 供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 2.3 MB 6.23.1. Iana-Etc のインストール 以下のコマンドを実行します。 これは IANA が提供している生のデータを正し い書式のデータとして変換し /etc/protocols ファイルと /etc/services ファ イルとして生成します。 make このパッケージにはテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 6.23.2. Iana-Etc の構成 インストールファイル: /etc/protocols, /etc/services 概略説明 /etc/ TCP/IP により利用可能な様々な DARPA インターネットプロトコル protocols (DARPA Internet protocols) を記述しています。 /etc/ インターネットサービスを分かりやすく表現した名称と、その割り services 当てポートおよびプロトコルの種類の対応情報を提供します。 6.24. M4-1.4.13 M4 パッケージはマクロプロセッサを提供します。 概算ビルド時間: 0.4 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 14.2 MB 6.24.1. M4 のインストール M4 をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするために以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.24.2. M4 の構成 インストールプログラム: m4 概略説明 指定されたファイル内のマクロ定義を展開して、そのコピーを生成します。 マクロ定義には埋め込み (built-in) マクロとユーザー定義マクロがあり、 いくらでも引数を定義することができます。 マクロ定義の展開だけでなく m4 m4 には以下のような埋め込み関数があります。 指定ファイルの読み込み、 Unix コマンド実行、整数演算処理、テキスト操作、再帰処理などです。 m4 プログラムはコンパイラのフロントエンドとして利用することができ、それ 自体でマクロプロセッサとして用いることもできます。 6.25. Bison-2.4.1 Bison パッケージは構文解析ツールを提供します。 概算ビルド時間: 1.1 SBU 必要ディスク容量: 19.2 MB 6.25.1. Bison のインストール Bison をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr bison プログラムが $PATH 上にない場合に、この Bison の configure を行っ てビルドすると、国際化されたエラーメッセージのサポートがないままビルド されてしまいます。 これを正すために以下の設定を追加します。 echo '#define YYENABLE_NLS 1' >> lib/config.h パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするなら以下を実行します。(約 0.5 SBU) make check パッケージをインストールします。 make install 6.25.2. Bison の構成 インストールプログラム: bison, yacc インストールライブラリ: liby.a 概略説明 構文規則の記述に基づいて、テキストファイルの構造を解析するプログ bison ラムを生成します。 Bison は Yacc (Yet Another Compiler Compiler) の互換プログラムです。 bison のラッパースクリプト。 yacc プログラムがあるなら bison を yacc 呼び出さずに yacc を実行します。 -y オプションが指定された時は bison を実行します。 Yacc 互換の関数として yyerror 関数と main 関数を含むライブラリで liby.a す。 このライブラリはあまり使い勝手の良いものではありません。 た だし POSIX ではこれが必要になります。 6.26. Procps-3.2.8 Procps パッケージはプロセス監視を行うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 2.3 MB 6.26.1. Procps のインストール watch コマンドにおいて、ユニコードに関する問題を修正するためにパッチを 適用します。 patch -Np1 -i ../procps-3.2.8-watch_unicode-1.patch パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 6.26.2. Procps の構成 インストールプログラム: free, kill, pgrep, pkill, pmap, ps, pwdx, skill, slabtop, snice, sysctl, tload, top, uptime, vmstat, w, watch インストールライブラリ: libproc.so 概略説明 free 物理メモリ、スワップメモリの双方において、メモリの使用量、未使 用量を表示します。 kill プロセスに対してシグナルを送信します。 pgrep プロセスの名前などの属性によりプロセスを調べます。 pkill プロセスの名前などの属性によりプロセスに対してシグナルを送信し ます。 pmap 指定されたプロセスのメモリマップを表示します。 ps 現在実行中のプロセスを一覧表示します。 pwdx プロセスが実行されているカレントディレクトリを表示します。 skill 指定された条件に合致するプロセスに対してシグナルを送信します。 slabtop リアルタイムにカーネルのスラブキャッシュ (slab cache) 情報を詳 細に示します。 snice 指定された条件に合致するプロセスのスケジュール優先度 (scheduleing priority) を表示します。 sysctl システム稼動中にカーネル設定を修正します。 tload システムの負荷平均 (load average) をグラフ化して表示します。 top CPU をより多く利用しているプロセスの一覧を表示します。 これはリ アルタイムにプロセッサの動作状況を逐次表示します。 uptime システムの稼動時間、ログインユーザー数、システム負荷平均 (load average) を表示します。 仮想メモリの統計情報を表示します。 そこではプロセス、メモリ、ペ vmstat ージング、ブロック入出力 (Input/Output; IO) トラップ、CPU 使用 状況を表示します。 w どのユーザーがログインしていて、どこから、そしていつからログイ ンしているかを表示します。 指定されたコマンドを繰り返し実行します。 そしてその出力結果の先 watch 頭の一画面分を表示します。 出力結果が時間の経過とともにどのよう に変わるかを確認することができます。 libproc 本パッケージのほとんどのプログラムが利用している関数を提供しま す。 6.27. Grep-2.5.4 Grep パッケージはファイル内の検索を行うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 7.3 MB 6.27.1. Grep のインストール 現時点の Grep パッケージには、特にマルチバイトロケールに関する処理にお いて多くのバグがあります。 以下のパッチは Debian プロジェクトによるもの であり、いくつかのバグを修正します。 またいくつかのテストが成功するよう になり、UTF-8 ロケールでの処理性能が改善されます。 patch -Np1 -i ../grep-2.5.4-debian_fixes-1.patch Grep をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr \ --bindir=/bin \ --without-included-regex configure オプションの意味: --without-included-regex Glibc-2.11.1 において本パッケージをビルドした場合、configure による Glibc の正規表現ライブラリのチェックが正しく機能しません。 本オプシ ョンは Glibc の正規表現ライブラリを強制的に利用するよう指定します。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check || true fmbtest.sh に対するテストは失敗します。 "|| true" という入力は、自動的 にビルドを行うようなスクリプトを用いた場合に、テストが失敗しても処理続 行するようにするものです。 正常に処理されれば 14つのテストのうち 1つの テスト失敗だけとなりますが、サブテストが 2つ失敗します。 パッケージをインストールします。 make install 6.27.2. Grep の構成 インストールプログラム: egrep, fgrep, grep 概略説明 egrep 拡張正規表現 (extended regular expression) にマッチした行を表示し ます。 fgrep 固定文字列の一覧にマッチした行を表示します。 grep 基本的な正規表現に合致した行を出力します。 6.28. Readline-6.1 Readline パッケージは、コマンドラインの編集や履歴管理を行うライブラリを 提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 13.8 MB 6.28.1. Readline のインストール Readline を再インストールすると、それまでの古いライブラリは <ライブラリ 名>.old というファイル名でコピーされます。 これは普通は問題ないことです が ldconfig によるリンクに際してエラーを引き起こすことがあります。 これ を避けるため以下の二つの sed コマンドを実行します。 sed -i '/MV.*old/d' Makefile.in sed -i '/{OLDSUFF}/c:' support/shlib-install Readline のドキュメントに示されるバージョン番号を適切なものにします。 sed -i -e 's/0x0600/0x0601/' \ -e 's/6\.0/6.1/' \ -e 's/RL_VERSION_MINOR\t0/RL_VERSION_MINOR\t1/' readline.h Readline をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --libdir=/lib パッケージをコンパイルします。 make SHLIB_LIBS=-lncurses make オプションの意味: SHLIB_LIBS=-lncurses このオプションにより Readline を libncurses ライブラリ (その実体は libncursesw ライブラリ) にリンクします。 このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install スタティックライブラリを適切なディレクトリに移動します。 mv -v /lib/lib{readline,history}.a /usr/lib 次に /lib ディレクトリにある .so ファイルを削除して、それらを /usr/lib にリンクし直します。 rm -v /lib/lib{readline,history}.so ln -sfv ../../lib/libreadline.so.6 /usr/lib/libreadline.so ln -sfv ../../lib/libhistory.so.6 /usr/lib/libhistory.so 必要ならドキュメントをインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/readline-6.1 install -v -m644 doc/*.{ps,pdf,html,dvi} \ /usr/share/doc/readline-6.1 6.28.2. Readline の構成 インストールライブラリ: libhistory.{a,so}, libreadline.{a,so} 概略説明 libhistory 入力履歴を適切に再現するためのユーザーインターフェースを提 供します。 libreadline コマンドラインインターフェースを提供している様々なコマンド において、適切なインターフェースを提供します。 6.29. Bash-4.1 Bash は Bourne-Again SHell を提供します。 概算ビルド時間: 1.4 SBU 必要ディスク容量: 35 MB 6.29.1. Bash のインストール Bash をコンパイルするための準備を行います。 ./configure --prefix=/usr --bindir=/bin \ --htmldir=/usr/share/doc/bash-4.1 --without-bash-malloc \ --with-installed-readline configure オプションの意味: --htmldir このオプションは HTML ドキュメントをインストールするディレクトリを 指定します。 --with-installed-readline このオプションは Bash が持つ独自の readline ライブラリではなく、既 にインストールした readline ライブラリを用いることを指示します。 パッケージをコンパイルします。 make テストスィートを実行しない場合は 「パッケージをインストールします。」 と書かれた箇所まで読み飛ばしてください。 テストを実施するにあたっては、既に設定しているロケールが用いられるよう に変更します。 また nobody ユーザーに対して標準入力からの読み込みを可能 とし、ソースツリーへの書き込みを可能とします。 sed -i 's/LANG/LC_ALL/' tests/intl.tests sed -i 's@tests@& /etc/hosts 不正な utf-8 エンコーディングの文字があるとセグメンテーションフォールト を起こすため、これを修正します。 patch -Np1 -i ../perl-5.10.1-utf8-1.patch ここでビルドするバージョンの Perl は Compress::Raw::Zlib モジュールをビ ルドします。 デフォルトではビルドの際に Zlib のソースを内部的にコピーし ます。 以下のコマンドは、既にインストールされている Zlib ライブラリを用 いるようにします。 sed -i -e "s|BUILD_ZLIB\s*= True|BUILD_ZLIB = False|" \ -e "s|INCLUDE\s*= ./zlib-src|INCLUDE = /usr/include|" \ -e "s|LIB\s*= ./zlib-src|LIB = /usr/lib|" \ ext/Compress-Raw-Zlib/config.in Perl のビルド設定を完全に制御したい場合は 対話的な Configure スクリプト を用いて手作業により行います。 Perl がデフォルトで定める設定でも構わな い場合は、以下のコマンドにより Perl をコンパイルするための準備をします 。 sh Configure -des -Dprefix=/usr \ -Dvendorprefix=/usr \ -Dman1dir=/usr/share/man/man1 \ -Dman3dir=/usr/share/man/man3 \ -Dpager="/usr/bin/less -isR" configure オプションの意味: -Dvendorprefix=/usr このオプションは各種の perl モジュールをどこにインストールするかを 指定します。 -Dpager="/usr/bin/less -isR" このオプションは perldoc プログラムが less プログラムを呼び出す際の エラーを正します。 -Dman1dir=/usr/share/man/man1 -Dman3dir=/usr/share/man/man3 まだ Groff をインストールしていないので Configure スクリプトが Perl の man ページを必要としないと判断してしまいます。 このオプションを 指定することによりその判断を正します。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。(約 2.5 SBU) make test パッケージをインストールします。 make install 6.33.2. Perl の構成 インストールプログラム: a2p, c2ph, config_data, corelist, cpan, cpan2dist, cpanp, cpanp-run-perl, dprofpp, enc2xs, find2perl, h2ph, h2xs, instmodsh, libnetcfg, perl, perl5.10.1 (perl へのリンク), perlbug, perldoc, perlivp, piconv, pl2pm, pod2html, pod2latex, pod2man, pod2text, pod2usage, podchecker, podselect, prove, psed (s2p へのリン ク), pstruct (c2ph へのリンク), ptar, ptardiff, s2p, shasum, splain, xsubpp インストールライブラリ: ここでは列記できないほどの数多くのライブラリ 概略説明 a2p awk スクリプトを Perl スクリプトに変換します。 c2ph cc -g -S によって生成されるような C 言語構造体をダンプし ます。 config_data Perl モジュールの設定を検索または変更します。 corelist Module::CoreList に対するコマンドラインフロントエンド。 cpan コマンドラインから CPAN (Comprehensive Perl Archive Network) との通信を行います。 cpan2dist CPANPLUS の配布物生成ツール。 cpanp CPANPLUS ランチャー。 cpanp-run-perl Perl スクリプト。(説明要。) dprofpp Perl プロファイルデータを表示します。 Unicode キャラクターマッピングまたは Tcl エンコーディン enc2xs グファイルから、 Perl の Encode 拡張モジュールを構築しま す。 find2perl find コマンドを Perl に変換します。 h2ph C 言語のヘッダーファイル .h を Perl のヘッダーファイル .ph に変換します。 h2xs C 言語のヘッダーファイル .h を Perl 拡張 (Perl extension) に変換します。 インストールされている Perl モジュールを調査するシェルス instmodsh クリプト。 インストールされたモジュールから tarball を作 ることもできます。 libnetcfg libnet ライブラリの設定に利用します。 perl C 言語、 sed、 awk、 sh の持つ機能を寄せ集めて出来上がっ た言語。 perl5.10.1 perl へのハードリンク。 perlbug Perl およびそのモジュールに関するバグ報告を生成して、電 子メールを送信します。 pod フォーマットのドキュメントを表示します。 pod フォー perldoc マットは Perl のインストールツリーあるいは Perl スクリプ ト内に埋め込まれています。 Perl Installation Verification Procedure のこと。 Perl perlivp とライブラリが正しくインストールできているかを調べるもの です。 piconv キャラクターエンコーディングを変換する iconv の Perl バ ージョン。 pl2pm Perl4 の .pl ファイルを Perl5 の .pm モジュールファイル への変換を行うツール。 pod2html pod フォーマットから HTML フォーマットに変換します。 pod2latex pod フォーマットから LaTeX フォーマットへ変換します。 pod2man pod データを *roff の入力ファイル形式に変換します。 pod2text pod データをアスキーテキスト形式に変換します。 pod2usage ファイル内に埋め込まれた pod ドキュメントから使用方法の 記述部分を表示します。 podchecker pod 形式の文書ファイルに対して文法をチェックします。 podselect pod ドキュメントに対して指定したセクションを表示します。 prove Test::Harness モジュールのテストを行うコマンドラインツー ル。 psed ストリームエディタ sed の Perl バージョン。 pstruct cc -g -S によって生成されるような C 言語構造体をダンプし ます。 ptar Perl で書かれた tar 相当のプログラム。 ptardiff アーカイブの抽出前後を比較する Perl プログラム。 s2p sed スクリプトを Perl スクリプトに変換します。 shasum SHA チェックサム値を表示またはチェックします。 splain Perl スクリプトの警告エラーの診断結果を詳細 (verbose) に 出力するために利用します。 xsubpp Perl の XS コードを C 言語コードに変換します。 6.34. Autoconf-2.65 Autoconf パッケージは、ソースコードを自動的に設定するシェルスクリプトの 生成を行うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 4.8 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 12.4 MB テストスイート込み 6.34.1. Autoconf のインストール Autoconf をコンパイルするための準備を行います。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check このテストはおよそ 4.7 SBU ほど要します。そのうちの 6つのテストは Automake を利用するものであるためスキップされます。 すべてのテストを網 羅したいなら、Automake をインストールした後に、再度テストを実行すること が必要です。 パッケージをインストールします。 make install 6.34.2. Autoconf の構成 インストールプログラム: autoconf, autoheader, autom4te, autoreconf, autoscan, autoupdate, ifnames 概略説明 ソースコードを提供するソフトウェアパッケージを自動的に設定す る (configure する) シェルスクリプトを生成します。 これによ autoconf り数多くの Unix 互換システムへの適用を可能とします。 生成さ れる設定 (configure) スクリプトは独立して動作します。 つまり これを実行するにあたっては autoconf プログラムを必要としませ ん。 autoheader C言語の #define 文を configure が利用するためのテンプレート ファイルを生成するツール。 autom4te M4 マクロプロセッサに対するラッパー。 autoconf と automake のテンプレートファイルが変更された時に autoreconf 、自動的に autoconf、 autoheader、 aclocal、 automake、 gettextize、 libtoolize を無駄なく適正な順で実行します。 ソフトウェアパッケージに対する configure.in ファイルの生成を サポートします。 ディレクトリツリー内のソースファイルを調査 autoscan して、共通的な可搬性に関わる問題を見出します。 そして configure.scan ファイルを生成して、そのパッケージの configure.in ファイルの雛形として提供します。 autoupdate configure.in ファイルにおいて、かつての古い autoconf マクロ が利用されている場合に、それを新しいマクロに変更します。 ソフトウェアパッケージにおける configure.in ファイルの記述作 成をサポートします。 これはそのパッケージが利用する C プリプ ロセッサの条件ディレクティブの識別子を出力します。 可搬性を ifnames 考慮した構築ができている場合は、本プログラムが configure ス クリプトにおいて何をチェックするべきかを決定してくれます。 また autoscan によって生成された configure.in ファイルでの過 不足を調整する働きもします。 6.35. Automake-1.11.1 Automake パッケージは Autoconf が利用する Makefile などを生成するプログ ラムを提供します。 概算ビルド時間: 18.3 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 28.8 MB テストスイート込み 6.35.1. Automake のインストール Automake をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --docdir=/usr/share/doc/automake-1.11.1 パッケージをコンパイルします。 make ビルド結果をテストするには、以下を実行します。 make check このテストには 10 SBU ほど要します。 パッケージをインストールします。 make install 6.35.2. Automake の構成 インストールプログラム: acinstall, aclocal, aclocal-1.11.1, automake, automake-1.11.1, compile, config.guess, config.sub, depcomp, elisp-comp, install-sh, mdate-sh, missing, mkinstalldirs, py-compile, symlink-tree, ylwrap 概略説明 acinstall aclocal 風の M4 ファイルをインストールするスクリプト。 aclocal configure.in ファイルの内容に基づいて aclocal.m4 ファイ ルを生成します。 aclocal-1.11.1 aclocal へのハードリンク。 Makefile.am ファイルから Makefile.in ファイルを自動生成 するツール。 パッケージ内のすべての Makefile.in ファイ automake ルを作るには、このプログラムをトップディレクトリから実 行します。 configure.in ファイルを調べて、適切な Makefile.am ファイルを検索します。そして対応する Makefile.in ファイルを生成します。 automake-1.11.1 automake へのハードリンク。 compile コンパイラのラッパースクリプト。 config.guess 指定されたビルドタイプ、ホストタイプ、ターゲットタイプ に対しての正規化した「三つ組」を推定するスクリプト。 config.sub 設定を検証するサブルーチンスクリプト。 depcomp プログラムをコンパイルするためのスクリプトで、コンパイ ル結果を得ると同時に依存情報も生成します。 elisp-comp Emacs Lisp コードをバイトコンパイルします。 install-sh プログラムやスクリプトやデータファイルをインストールす るスクリプト。 mdate-sh ファイルやディレクトリの更新時刻を表示するスクリプト。 インストール中に GNU プログラムが存在しなかった場合に、 missing 共通のスタブ (stub) プログラムとして動作するスクリプト 。 mkinstalldirs ディレクトリツリーを生成するスクリプト。 py-compile Python プログラムをコンパイルします。 symlink-tree ディレクトリツリーに対するシンボリックリンクのツリーを 生成するスクリプト。 ylwrap lex と yacc に対するラッパースクリプト。 6.36. Bzip2-1.0.5 Bzip2 パッケージはファイル圧縮・伸長 (解凍) を行うプログラムを提供しま す。 テキストファイルであれば、これまでよく用いられてきた gzip に比べて bzip2 の方が圧縮率の高いファイルを生成できます。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 6.4 MB 6.36.1. Bzip2 のインストール 本パッケージのドキュメントをインストールするためにパッチを当てます。 patch -Np1 -i ../bzip2-1.0.5-install_docs-1.patch 以下のコマンドによりシンボリックリンクを相対的なものとしてインストール します。 sed -i 's@\(ln -s -f \)$(PREFIX)/bin/@\1@' Makefile Bzip2 をコンパイルするための準備をします。 make -f Makefile-libbz2_so make clean make パラメータの意味: -f Makefile-libbz2_so このパラメータは Bzip2 のビルドにあたって通常の Makefile ファイルで はなく Makefile-libbz2_so ファイルを利用することを指示します。 これ はダイナミックライブラリ libbz2.so ライブラリをビルドし、Bzip2 の各 種プログラムをこれにリンクします。 パッケージのコンパイルとテストを行います。 make パッケージをインストールします。 make PREFIX=/usr install 共有化された bzip2 実行モジュールを /bin ディレクトリにインストールしま す。 また必要となるシンボリックリンクを生成し不要なものを削除します。 cp -v bzip2-shared /bin/bzip2 cp -av libbz2.so* /lib ln -sv ../../lib/libbz2.so.1.0 /usr/lib/libbz2.so rm -v /usr/bin/{bunzip2,bzcat,bzip2} ln -sv bzip2 /bin/bunzip2 ln -sv bzip2 /bin/bzcat 6.36.2. Bzip2 の構成 インストールプログラム: bunzip2 (bzip2 へのリンク), bzcat (bzip2 へのリ ンク), bzcmp (bzdiff へのリンク), bzdiff, bzegrep (bzgrep へのリンク), bzfgrep (bzgrep へのリンク), bzgrep, bzip2, bzip2recover, bzless (bzmore へのリンク), bzmore インストールライブラリ: libbz2.{a,so} 概略説明 bunzip2 bzip2 で圧縮されたファイルを解凍します。 bzcat 解凍結果を標準出力に出力します。 bzcmp bzip2 で圧縮されたファイルに対して cmp を実行します。 bzdiff bzip2 で圧縮されたファイルに対して diff を実行します。 bzegrep bzip2 で圧縮されたファイルに対して egrep を実行します。 bzfgrep bzip2 で圧縮されたファイルに対して fgrep を実行します。 bzgrep bzip2 で圧縮されたファイルに対して grep を実行します。 ブロックソート法 (バロウズ-ホイラー変換) とハフマン符号化 bzip2 法を用いてファイル圧縮を行います。 圧縮率は、従来用いられ てきた 「Lempel-Ziv」 アルゴリズムによるもの、例えば gzip コマンドによるものに比べて高いものです。 bzip2recover 壊れた bzip2 ファイルの復旧を試みます。 bzless bzip2 で圧縮されたファイルに対して less を実行します。 bzmore bzip2 で圧縮されたファイルに対して more を実行します。 libbz2* ブロックソート法 (バロウズ-ホイラー変換) による可逆的なデ ータ圧縮を提供するライブラリ。 6.37. Diffutils-2.8.1 Diffutils パッケージはファイルやディレクトリの差分を表示するプログラム を提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 6.3 MB 6.37.1. Diffutils のインストール POSIX によると diff コマンドは、設定されているロケールに従って空白文字 を適切に取り扱うことが必要になります。 以下のパッチは、標準に対応してい ない問題を修正します。 patch -Np1 -i ../diffutils-2.8.1-i18n-1.patch 上のパッチを適用すると Diffutils は man ページ diff.1 を再生成しようと しますが、その際には現時点で存在しない help2man プログラムを呼び出そう とします。 その結果として diff コマンドの man ページが読めなくなってし まいます。 そこでこれを解消するために man/diff.1 ファイルのタイムスタン プを更新します。 touch man/diff.1 Diffutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 6.37.2. Diffutils の構成 インストールプログラム: cmp, diff, diff3, sdiff 概略説明 cmp 二つのファイルを比較して、どこが異なるか、あるいは何バイト異なる かを示します。 diff 二つのファイルまたは二つのディレクトリを比較して、ファイル内のど の行に違いがあるかを示します。 diff3 三つのファイルの各行を比較します。 sdiff 二つのファイルを結合して対話的に結果を出力します。 6.38. Gawk-3.1.7 Gawk パッケージはテキストファイルを操作するプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 19 MB 6.38.1. Gawk のインストール Gawk をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --libexecdir=/usr/lib パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 必要ならドキュメントをインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/gawk-3.1.7 cp -v doc/{awkforai.txt,*.{eps,pdf,jpg}} \ /usr/share/doc/gawk-3.1.7 6.38.2. Gawk の構成 インストールプログラム: awk (gawk へのリンク), gawk, gawk-3.1.7, grcat, igawk, pgawk, pgawk-3.1.7, pwcat 概略説明 awk gawk へのリンク。 gawk テキストファイルを操作するプログラム。 これは awk の GNU イ ンプリメンテーションです。 gawk-3.1.7 gawk へのハードリンク。 grcat グループデータベースファイル /etc/group をダンプします。 igawk gawk に対してファイルをインクルードする機能を付与します。 pgawk gawk のプロファイル版。 pgawk-3.1.7 pgawk へのハードリンク。 pwcat パスワードデータベースファイル /etc/passwd をダンプします。 6.39. Findutils-4.4.2 Findutils パッケージはファイル検索を行うプログラムを提供します。 このプ ログラムはディレクトリツリーを再帰的に検索したり、データベースの生成・ 保守・検索を行います。 (データベースによる検索は再帰的検索に比べて処理 速度は速いものですが、データベースが最新のものに更新されていない場合は 信頼できない結果となります。) 概算ビルド時間: 0.5 SBU 必要ディスク容量: 22 MB 6.39.1. Findutils のインストール Findutils をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --libexecdir=/usr/lib/findutils \ --localstatedir=/var/lib/locate configure オプションの意味: --localstatedir locate データベースの場所を FHS コンプライアンスが定めているディレ クトリ /var/lib/locate に変更します。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするなら以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install LFS ブートスクリプトパッケージでは、いくつかのスクリプトが find を利用 しています。 /usr ディレクトリはブート処理の初めでは認識できないため、 このプログラムはルートパーティションに置く必要があります。 同じく updatedb スクリプトは明示的なパスを修正する必要があります。 mv -v /usr/bin/find /bin sed -i 's/find:=${BINDIR}/find:=\/bin/' /usr/bin/updatedb 6.39.2. Findutils の構成 インストールプログラム: bigram, code, find, frcode, locate, oldfind, updatedb, xargs 概略説明 bigram かつて利用されていたコマンドで locate データベースを生成します 。 code かつて利用されていたコマンドで locate データベースを生成します 。 これは frcode の前身です。 find 指定された条件に合致するファイルを、指定されたディレクトリツリ ー内から検索します。 updatedb コマンドから呼び出され、ファイル名の一覧を圧縮します frcode 。 これは前置圧縮 (front-compression) を行うもので、データベー スサイズを 1/4 から 1/5 に減らします。 locate ファイル名データベースを検索して、指定された文字列を含むもの、 または検索パターンに合致するものを表示します。 oldfind find の古い版であり、find とは異なるアルゴリズムを用いています 。 locate データベースを更新します。 これはすべてのファイルシステ updatedb ムを検索します。 (検索非対象とする設定がない限りは、マウントさ れているすべてのファイルシステムを対象とします。) そして検索さ れたファイル名をデータベースに追加します。 xargs 指定されたコマンドに対してファイル名の一覧を受け渡して実行しま す。 6.40. Flex-2.5.35 Flex パッケージは、字句パターンを認識するプログラムを生成するユーティリ ティを提供します。 概算ビルド時間: 0.7 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 28 MB テストスイート込み 6.40.1. Flex のインストール C++ のスキャナ生成に含まれるバグを修正するためのパッチを適用します。 こ れがないと GCC-4.4.3 を用いた時にスキャナに関するコンパイルに失敗します 。 patch -Np1 -i ../flex-2.5.35-gcc44-1.patch Flex をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするために以下を実行します。(約 0.5 SBU) make check パッケージをインストールします。 make install 他のパッケージの中には lex ライブラリが /usr/lib ディレクトリにあるもの として動作しています。 これに対応するためシンボリックリンクを作成します 。 ln -sv libfl.a /usr/lib/libl.a プログラムの中には flex コマンドが用いられず、その前身である lex コマン ドを実行しようとするものがあります。 そういったプログラムへ対応するため に lex という名のラッパースクリプトを生成します。 このスクリプトは lex のエミュレーションモードとして flex を実行します。 cat > /usr/bin/lex << "EOF" #!/bin/sh # Begin /usr/bin/lex exec /usr/bin/flex -l "$@" # End /usr/bin/lex EOF chmod -v 755 /usr/bin/lex 必要ならドキュメントファイル flex.pdf をインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/flex-2.5.35 cp -v doc/flex.pdf \ /usr/share/doc/flex-2.5.35 6.40.2. Flex の構成 インストールプログラム: flex, lex インストールライブラリ: libfl.a, libfl_pic.a 概略説明 テキスト内のパターンを認識するためのプログラムを生成するツール flex 。 これは多彩なパターン検索の規則構築を可能とします。 これを利 用することで特別なプログラムの生成が不要となります。 lex lex のエミュレーションモードとして flex を実行するスクリプト。 libfl.a flex ライブラリ。 6.41. Gettext-0.17 Gettext パッケージは国際化を行うユーティリティを提供します。 各種プログ ラムに対して NLS (Native Language Support) を含めてコンパイルすることが できます。 つまり各言語による出力メッセージが得られることになります。 概算ビルド時間: 5.8 SBU 必要ディスク容量: 125 MB 6.41.1. Gettext のインストール 以下のパッチを適用して、ファイルのパーミッションと所有者を設定し、内部 バグを訂正します。 patch -Np1 -i ../gettext-0.17-upstream_fixes-2.patch Gettext をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr \ --docdir=/usr/share/doc/gettext-0.17 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするなら (3 SBU 程度の処理時間を要しますが) 以下 を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.41.2. Gettext の構成 インストールプログラム: autopoint, config.charset, config.rpath, envsubst, gettext, gettext.sh, gettextize, hostname, msgattrib, msgcat, msgcmp, msgcomm, msgconv, msgen, msgexec, msgfilter, msgfmt, msggrep, msginit, msgmerge, msgunfmt, msguniq, ngettext, recode-sr-latin, xgettext インストールライブラリ: libasprintf.{a,so}, libgettextlib.so, libgettextpo.{a,so}, libgettextsrc.so, preloadable_libintl.so 概略説明 Gettext 標準のインフラストラクチャーファイル autopoint (infrastructure file) をソースパッケージ内にコピー します。 config.charset システム依存の、キャラクターエンコーディングのエイ リアス対応表を出力します。 システムに依存する変数一覧を出力します。 その変数と config.rpath は、実行モジュールにおける共有ライブラリの検索パス をどのように設定するかを示すものです。 envsubst 環境変数をシェル書式の文字列として変換します。 gettext メッセージカタログ内の翻訳文を参照し、メッセージを ユーザーの利用言語に変換します。 gettext.sh 主に gettext におけるシェル関数ライブラリとして機能 します。 パッケージの国際化対応を始めるにあたり、標準的な gettextize Gettext 関連ファイルを、指定されたパッケージのトッ プディレクトリにコピーします。 hostname 様々な書式のネットワークホスト名を表示します。 翻訳カタログ内のメッセージの属性に応じて、そのメッ msgattrib セージを抽出します。 またメッセージの属性を操作しま す。 msgcat 指定された .po ファイルを連結します。 二つの .po ファイルを比較して、同一の msgid による msgcmp 文字定義が両者に含まれているかどうかをチェックしま す。 msgcomm 指定された .po ファイルにて共通のメッセージを検索し ます。 msgconv 翻訳カタログを別のキャラクターエンコーディングに変 換します。 msgen 英語用の翻訳カタログを生成します。 msgexec 翻訳カタログ内の翻訳文すべてに対してコマンドを適用 します。 msgfilter 翻訳カタログ内の翻訳文すべてに対してフィルター処理 を適用します。 msgfmt 翻訳カタログからバイナリメッセージカタログを生成し ます。 指定された検索パターンに合致する、あるいは指定され msggrep たソースファイルに属する翻訳カタログの全メッセージ を出力します。 msginit 新規に .po ファイルを生成します。 その時にはユーザ ーの環境設定に基づいてメタ情報を初期化します。 msgmerge 二つの翻訳ファイルを一つにまとめます。 msgunfmt バイナリメッセージカタログを翻訳テキストに逆コンパ イルします。 msguniq 翻訳カタログ中に重複した翻訳がある場合にこれを統一 します。 ngettext 出力メッセージをユーザーの利用言語に変換します。 特 に複数形のメッセージを取り扱います。 recode-sr-latin セルビア語のテキストに対し、キリル文字からラテン文 字にコード変換します。 指定されたソースファイルから、翻訳対象となるメッセ xgettext ージ行を抽出して、翻訳テンプレートとして生成します 。 autosprintf クラスを定義します。 これは C++ プログ libasprintf ラムにて利用できる C 言語書式の出力ルーチンを生成す るものです。 文字列と ストリー ムを利用します。 様々な Gettext プログラムが利用している共通的ルーチ libgettextlib ンを提供するプライベートライブラリです。 これは一般 的な利用を想定したものではありません。 .po ファイルの出力に特化したプログラムを構築する際 に利用します。 Gettext が提供する標準的なアプリケー libgettextpo ション (msgcomm、 msgcmp、 msgattrib、 msgen) など では処理出来ないものがある場合に、このライブラリを 利用します。 様々な Gettext プログラムが利用している共通的ルーチ libgettextsrc ンを提供するプライベートライブラリです。 これは一般 的な利用を想定したものではありません。 LD_PRELOAD が利用するライブラリ。 翻訳されていない preloadable_libintl メッセージを収集 (log) する libintl をサポートしま す。 6.42. Groff-1.20.1 Groff パッケージはテキストを処理して整形するプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.7 SBU 必要ディスク容量: 66 MB 6.42.1. Groff のインストール Groff はデフォルトの用紙サイズを設定する環境変数 PAGE を参照します。 米 国のユーザーであれば PAGE=letter と設定するのが適当です。 その他のユー ザーなら PAGE=A4 とするのが良いかもしれません。 このデフォルト用紙サイ ズはコンパイルにあたって設定されます。 「A4」 なり 「letter」 なりの値 は /etc/papersize ファイルにて設定することも可能です。 Groff をコンパイルするための準備をします。 PAGE= ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make docdir=/usr/share/doc/groff-1.20.1 install xman のようなドキュメント関連プログラムが正しく動作するように、以下のよ うなシンボリックリンクを作成します。 ln -sv eqn /usr/bin/geqn ln -sv tbl /usr/bin/gtbl 6.42.2. Groff の構成 インストールプログラム: addftinfo, afmtodit, chem, eqn, eqn2graph, gdiffmk, geqn (eqn へのリンク), grap2graph, grn, grodvi, groff, groffer, grog, grolbp, grolj4, grops, grotty, gtbl (tbl へのリンク), hpftodit, indxbib, lkbib, lookbib, mmroff, neqn, nroff, pdfroff, pfbtops, pic, pic2graph, post-grohtml, preconv, pre-grohtml, refer, roff2dvi, roff2html, roff2pdf, roff2ps, roff2text, roff2x, soelim, tbl, tfmtodit, troff 概略説明 addftinfo troff のフォントファイルを読み込んで groff システムが利用 する付加的なフォントメトリック情報を追加します。 afmtodit groff と grops が利用するフォントファイルを生成します。 chem 化学構造図 (chemical structure diagrams) を生成するための Groff プロセッサ。 eqn troff の入力ファイル内に埋め込まれている記述式をコンパイル して troff が解釈できるコマンドとして変換します。 eqn2graph troff の EQN (数式) を、刈り込んだ (crop した) イメージに 変換します。 gdiffmk groff、nroff、troff の入力ファイルを比較して、その差異を出 力します。 geqn eqn へのリンク。 grap2graph grap ダイアグラムを、刈り込んだ (crop した) ビットマップイ メージに変換します。 grn gremlin 図を表すファイルを処理するための groff プリプロセ ッサ。 grodvi TeX の dvi フォーマットを生成するための groff ドライバプロ グラム。 groff 文書整形システムのためのフロントエンド。 通常は groff troff プログラムを起動し、指定されたデバイスに適合したポス トプロセッサを呼び出します。 groffer groff ファイルや man ページを X 上や TTY 端末上に表示しま す。 入力ファイルを読み込んで、印刷時には groff コマンドオプシ grog ョンのどれが必要かを推定します。 コマンドオプションは -e、 -man、 -me、 -mm、 -ms、 -p、 -s のいずれかです。 そしてそ のオプションを含んだ groff コマンドを表示します。 grolbp Canon CAPSL プリンタ (LBP-4 または LBP-8 シリーズのレーザ ープリンタ) に対する groff ドライバプログラム。 grolj4 HP LaserJet 4 プリンタにて利用される PCL5 フォーマットの出 力を生成する groff のドライバプログラム。 grops GNU troff の出力を PostScript に変換します。 grotty GNU troff の出力を、タイプライタ風のデバイスに適した形式に 変換します。 gtbl tbl へのリンク。 HP のタグ付けが行われたフォントメトリックファイルから、 hpftodit groff -Tlj4 コマンドにて利用されるフォントファイルを生成し ます。 指定されたファイル内に示される参考文献データベース indxbib (bibliographic database) に対しての逆引きインデックス (inverted index) を生成します。 これは refer、 lookbib、 lkbib といったコマンドが利用します。 lkbib 指定されたキーを用いて参考文献データベースを検索し、合致し たすべての情報を表示します。 (標準入力が端末であれば) 標準エラー出力にプロンプトを表示 して、標準入力から複数のキーワードを含んだ一行を読み込みま lookbib す。 そして指定されたファイルにて示される参考文献データベ ース内に、そのキーワードが含まれるかどうかを検索します。 キーワードが含まれるものを標準出力に出力します。入力がなく なるまでこれを繰り返します。 mmroff groff 用の単純なプリプロセッサ。 neqn 数式を ASCII (American Standard Code for Information Interchange) 形式で出力します。 nroff groff を利用して nroff コマンドをエミュレートするスクリプ ト。 pdfroff groff を利用して pdf 文書ファイルを生成します。 pfbtops .pfb フォーマットの PostScript フォントを ASCII フォーマッ トに変換します。 troff または TeX の入力ファイル内に埋め込まれた図の記述を pic 、 troff または TeX が処理できるコマンドの形式に変換します 。 pic2graph PIC ダイアグラムを、刈り込んだ (crop した) イメージに変換 します。 post-grohtml GNU troff の出力を HTML に変換します。 preconv 入力ファイルのエンコーディングを GNU troff が取り扱うもの に変換します。 pre-grohtml GNU troff の出力を HTML に変換します。 ファイル内容を読み込んで、そのコピーを標準出力へ出力します refer 。 ただし引用文を表す .[ と .] で囲まれた行、および引用文 をどのように処理するかを示したコマンドを意味する .R1 と .R2 で囲まれた行は、コピーの対象としません。 roff2dvi roff ファイルを DVI フォーマットに変換します。 roff2html roff ファイルを HTML フォーマットに変換します。 roff2pdf roff ファイルを PDF フォーマットに変換します。 roff2ps roff ファイルを ps ファイルに変換します。 roff2text roff ファイルをテキストファイルに変換します。 roff2x roff ファイルを他のフォーマットに変換します。 soelim 入力ファイルを読み込んで .so ファイル の形式で記述されてい る行を、記述されている ファイル だけに置き換えます。 tbl troff 入力ファイル内に埋め込まれた表の記述を troff が処理 できるコマンドの形式に変換します。 tfmtodit コマンド groff -Tdvi を使ってフォントファイルを生成します 。 Unix の troff コマンドと高い互換性を持ちます。 通常は troff groff コマンドを用いて本コマンドが起動されます。 groff コ マンドは、プリプロセッサ、ポストプロセッサを、適切な順で適 切なオプションをつけて起動します。 6.43. GRUB-1.97.2 GRUB パッケージは GRand Unified Bootloader を提供します。 概算ビルド時間: 0.4 SBU 必要ディスク容量: 27.6 MB 6.43.1. GRUB のインストール GRUB をコンパイルするための準備をします。 mkdir build cd build ../configure --prefix=/usr \ --sysconfdir=/etc \ --disable-grub-emu \ --disable-grub-emu-usb \ --disable-grub-fstest \ --disable-efiemu ビルドの際には専用のディレクトリを設けます。 生成ファイルが 2,400 個も あるため、それらをソースディレクトリの外で生成します。 これは開発者が推 奨していることです。 --disable オプションは、LFS で本当に必要となる機能 やテストプログラムだけを生成するもので、ビルド結果を最小限に抑えます。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install GRUB を使ってシステムのブート起動設定を行う方法については 8.4. 「GRUB を用いたブートプロセスの設定」 で説明しています。 6.43.2. GRUB の構成 インストールプログラム: grub-editenv, grub-mkelfimage, grub-mkfont, grub-mkimage, grub-mkrescue, grub-dumpbios, grub-install, grub-mkconfig, grub-mkdevicemap, grub-probe, grub-setup インストールディレクトリ: /usr/lib/grub, /etc/grub.d, /usr/share/grub, /usr/inclue/grub 概略説明 grub-editenv 環境ブロック (environment block) を編集するツール。 grub-mkelfimage GRUB のブートイメージ (bootable image) を生成します。 grub-mkfont GRUB にて利用するフォントを更新します。 grub-mkimage GRUB のブートイメージを生成します。 grub-mkrescue フロッピーディスク用の GRUB のブートイメージを生成しま す。 grub-dumpbios vbios と int10 ダンプを生成します。 grub-install 指定したドライブに GRUB をインストールします。 grub-mkconfig GRUB の設定ファイルを生成します。 grub-mkdevicemap デバイスマップファイルを自動的に生成します。 grub-probe 指定されたパスやデバイスに対するデバイス情報を検証 (probe) します。 grub-setup デバイスからのブートを行うためにイメージファイルをセッ トアップします。 6.44. Gzip-1.4 Gzip パッケージはファイルの圧縮、伸長 (解凍) を行うプログラムを提供しま す。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 3.3 MB 6.44.1. Gzip のインストール Gzip をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --bindir=/bin パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install ルートファイルシステム上に置く必要のないプログラムを移動させます。 mv -v /bin/{gzexe,uncompress,zcmp,zdiff,zegrep} /usr/bin mv -v /bin/{zfgrep,zforce,zgrep,zless,zmore,znew} /usr/bin 6.44.2. Gzip の構成 インストールプログラム: gunzip, gzexe, gzip, uncompress, zcat, zcmp, zdiff, zegrep, zfgrep, zforce, zgrep, zless, zmore, znew 概略説明 gunzip gzip により圧縮されたファイルを解凍します。 gzexe 自動解凍形式の実行ファイルを生成します。 gzip Lempel-Ziv (LZ77) 方式により指定されたファイルを圧縮します。 uncompress 圧縮されたファイルを解凍します。 zcat gzip により圧縮されたファイルを解凍して標準出力へ出力します 。 zcmp gzip により圧縮されたファイルに対して cmp を実行します。 zdiff gzip により圧縮されたファイルに対して diff を実行します。 zegrep gzip により圧縮されたファイルに対して egrep を実行します。 zfgrep gzip により圧縮されたファイルに対して fgrep を実行します。 指定されたファイルが gzip により圧縮されている場合に、強制的 zforce に拡張子 .gz を付与します。 こうすることで gzip は再度の圧縮 を行わないようになります。 これはファイル転送によってファイ ル名が切り詰められてしまった場合に活用することができます。 zgrep gzip により圧縮されたファイルに対して grep を実行します。 zless gzip により圧縮されたファイルに対して less を実行します。 zmore gzip により圧縮されたファイルに対して more を実行します。 compress フォーマットの圧縮ファイルを gzip フォーマットのフ znew ァイルとして再圧縮します。 つまり .Z から .gz への変換を行い ます。 6.45. IPRoute2-2.6.31 IPRoute2 パッケージは IPV4 ベースの基本的または応用的ネットワーク制御を 行うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 5.7 MB 6.45.1. IPRoute2 のインストール 本パッケージにて提供している arpd プログラムは Berkeley DB に依存してい ます。 arpd はベースとする Linux システムにとって普通は必要となりません 。 そこで Berkeley DB への依存を取り除くために、以下の sed コマンドを実 行します。 arpd プログラムを必要とする場合は BLFS ブックの http:// www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/server/databases.html#db に示さ れる Berkeley DB の構築手順に従ってください。 sed -i '/^TARGETS/s@arpd@@g' misc/Makefile パッケージをコンパイルします。 make DESTDIR= make オプションの意味: DESTDIR= このオプションにより IPRoute2 の実行モジュール類を適切なディレクト リにインストールします。 デフォルトでは DESTDIR は /usr ディレクト リに設定されています。 このパッケージにテストスイートはありますが、このテストの前提条件からす ると chroot 環境のもとでは信頼のあるテスト結果を得ることには無理があり ます。 もし LFS システムを構築した後にテストスイートを実施したいなら、 カーネル設定において /proc/config.gz CONFIG_IKCONFIG_PROC ("General setup" -> "Enable access to .config through /proc/config.gz") のサポー トを有効にしてカーネルをビルドしてください。 そしてサブディレクトリ testsuite/ にて 'make alltests' を実行してください。 パッケージをインストールします。 make DESTDIR= SBINDIR=/sbin MANDIR=/usr/share/man \ DOCDIR=/usr/share/doc/iproute2-2.6.31 install 6.45.2. IPRoute2 の構成 インストールプログラム: ctstat (lnstat へのリンク), genl, ifcfg, ifstat, ip, lnstat, nstat, routef, routel, rtacct, rtmon, rtpr, rtstat (lnstat へのリンク), ss, tc 概略説明 ctstat 接続ステータスの表示ユーティリティ。 genl ip コマンドに対するシェルスクリプトラッパー。 http:// ifcfg www.skbuff.net/iputils/ にて提供されている iputils パッケージの arping プログラムと rdisk プログラムを利用します。 ifstat インターフェースの統計情報を表示します。 インターフェースによっ て送受信されたパケット量が示されます。 主となる実行モジュールで、複数の機能性を持ちます。 ip link <デバイス名> はデバイスのステータスを参照し、またステー タスの変更を行います。 ip addr はアドレスとその属性を参照し、新しいアドレスの追加、古い アドレスの削除を行います。 ip neighbor は、隣接ルーター (neighbor) の割り当てや属性を参照し 、隣接ルーターの項目追加や古いものの削除を行います。 ip rule は、ルーティングポリシー (routing policy) を参照し、変更 を行います。 ip ip route は、ルーティングテーブル (routing table) を参照し、ルー ティングルール (routing table rule) を変更します。 ip tunnel は、IP トンネル (IP tunnel) やその属性を参照し、変更を 行います。 ip maddr は、マルチキャストアドレス (multicast address) やその属 性を参照し、変更を行います。 ip mroute は、マルチキャストルーティング (multicast routing) の 設定、変更、削除を行います。 ip monitor は、デバイスの状態、アドレス、ルートを継続的に監視し ます。 lnstat Linux のネットワーク統計情報を提供します。 これはかつての rtstat プログラムを汎用的に機能充足を図ったプログラムです。 nstat ネットワーク統計情報を表示します。 routef ip route のコンポーネント。 これはルーティングテーブルをクリアし ます。 routel ip route のコンポーネント。 これはルーティングテーブルの一覧を表 示します。 rtacct /proc/net/rt_acct の内容を表示します。 rtmon ルート監視ユーティリティー。 rtpr ip -o コマンドにより出力される内容を読みやすい形に戻します。 rtstat ルートステータスの表示ユーティリティー。 ss netstat コマンドと同じ。 アクティブな接続を表示します。 トラフィック制御プログラム (Traffic Controlling Executable)。 こ れは QOS (Quality Of Service) と COS (Class Of Service) を実装す るプログラムです。 tc qdisc は、キューイング規則 (queueing discipline) の設定を行い ます。 tc tc class は、キューイング規則スケジューリング (queueing discipline scheduling) に基づくクラスの設定を行います。 tc estimator は、ネットワークフローを見積もります。 tc filter は、QOS/COS パケットのフィルタリング設定を行います。 tc policy は、QOS/COS ポリシーの設定を行います。 6.46. Kbd-1.15.1 Kbd パッケージは、キーテーブル (key-table) ファイルとキーボードユーティ リティを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 16.0 MB 6.46.1. Kbd のインストール Kbd パッケージには標準的な configure スクリプトが用意されていません。 そこで以下のようにして生成します。 autoreconf バックスペース (backspace) キーとデリート (delete) キーは Kbd パッケー ジのキーマップ内では一貫した定義にはなっていません。 以下のパッチは i386 用のキーマップについてその問題を解消します。 patch -Np1 -i ../kbd-1.15.1-backspace-1.patch パッチを当てればバックスペースキーの文字コードは 127 となり、デリートキ ーはよく知られたエスケープコードを生成することになります。 Kbd をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --datadir=/lib/kbd configure オプションの意味: --datadir=/lib/kbd このオプションによりキーボードレイアウトのデータを /usr/share/kbd ディレクトリではなく、ルートパーティションとなるようにします。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 注記 ベラルーシ語のような言語において Kbd パッケージは正しいキーマップを提供 せず、 ISO-8859-5 エンコーディングで CP1251 キーマップであるものとして 扱われます。 そのような言語ユーザーは個別に正しいキーマップをダウンロー ドして設定する必要があります。 LFS-ブートスクリプトパッケージの中には kbd_mode、 loadkeys、 openvt、 setfont に依存しているものがあります。 システム起動時の初期段階において /usr ディレクトリは参照不能であるため、上の実行モジュールはルートパーテ ィションに置く必要があります。 mv -v /usr/bin/{kbd_mode,loadkeys,openvt,setfont} /bin 必要ならドキュメントをインストールします。 mkdir -v /usr/share/doc/kbd-1.15.1 cp -R -v doc/* \ /usr/share/doc/kbd-1.15.1 6.46.2. Kbd の構成 インストールプログラム: chvt, deallocvt, dumpkeys, fgconsole, getkeycodes, kbd_mode, kbdrate, loadkeys, loadunimap, mapscrn, openvt, psfaddtable (psfxtable へのリンク), psfgettable (psfxtable へのリンク), psfstriptable (psfxtable へのリンク), psfxtable, resizecons, setfont, setkeycodes, setleds, setmetamode, showconsolefont, showkey, unicode_start, unicode_stop 概略説明 chvt 現在表示されている仮想端末を切り替えます。 deallocvt 未使用の仮想端末への割り当てを開放します。 dumpkeys キーボード変換テーブル (keyboard translation table) の 情報をダンプします。 fgconsole アクティブな仮想端末数を表示します。 getkeycodes カーネルのスキャンコード-キーコード (scancode-to-keycode) マッピングテーブルを表示します。 kbd_mode キーボードモードの表示または設定を行います。 kbdrate キーボードのリピート速度 (repeat rate) と遅延時間 (delay rate) を設定します。 loadkeys キーボード変換テーブル (keyboard translation tables) を ロードします。 loadunimap カーネルのユニコード-フォント (unicode-to-font) マッピ ングテーブルをロードします。 かつてのプログラムです。 これはユーザー定義の文字マッピ mapscrn ングテーブルをコンソールドライバーにロードするために利 用します。 現在では setfont を利用します。 openvt 新しい仮想端末 (virtual terminal; VT) 上でプログラムを 起動します。 psfaddtable psfxtable へのリンク。 psfgettable psfxtable へのリンク。 psfstriptable psfxtable へのリンク。 psfxtable コンソールフォント用のユニコード文字テーブルを取り扱い ます。 resizecons カーネルが認識しているコンソールサイズを変更します。 setfont EGA (Enhanced Graphic Adapter) フォントや VGA (Video Graphics Array) フォントを変更します。 カーネルのスキャンコード-キーコード setkeycodes (scancode-to-keycode) マッピングテーブルの項目をロード します。 キーボード上に特殊キーがある場合に利用します。 setleds キーボードフラグや LED (Light Emitting Diode) を設定し ます。 setmetamode キーボードのメタキー (meta-key) 設定を定義します。 showconsolefont 現在設定されている EGA/VGA コンソールスクリーンフォント を表示します。 showkey キーボード上にて押下されたキーのスキャンコード、キーコ ード、ASCII コードを表示します。 キーボードとコンソールをユニコードモードにします。 キー マップファイルが ISO-8859-1 エンコーディングで書かれて unicode_start いる場合にのみこれを利用します。 他のエンコーディングの 場合、このプログラムの出力結果は正しいものになりません 。 unicode_stop キーボードとコンソールをユニコードモードから戻します。 6.47. Less-436 Less パッケージはテキストファイルビューアを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 2.9 MB 6.47.1. Less のインストール Less をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --sysconfdir=/etc configure オプションの意味: --sysconfdir=/etc 本パッケージによって作成されるプログラムが /etc ディレクトリにある 設定ファイルを参照するように指示します。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 6.47.2. Less の構成 インストールプログラム: less, lessecho, lesskey 概略説明 less ファイルビューアまたはページャ。 指示されたファイルの内容を表 示します。 表示中にはスクロール、文字検索、移動が可能です。 lessecho Unix システム上のファイル名において * や ? といったメタ文字 (meta-characters) を展開するために必要となります。 lesskey less におけるキー割り当てを設定するために利用します。 6.48. Make-3.81 Make パッケージは、 パッケージ類をコンパイルするためのプログラムを提供 します。 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 9.7 MB 6.48.1. Make のインストール 最新のパッケージリリース以降に判明した不備を修正します。 patch -Np1 -i ../make-3.81-upstream_fixes-1.patch Make をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.48.2. Make の構成 インストールプログラム: make 概略説明 make パッケージの構成要素に対して、どれを(再)コンパイルするかを自動判別 し、対応するコマンドを実行します。 6.49. Man-DB-2.5.6 Man-DB パッケージは man ページを検索したり表示したりするプログラムを提 供します。 概算ビルド時間: 0.4 SBU 必要ディスク容量: 22 MB 6.49.1. Man-DB のインストール Man-DB をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --libexecdir=/usr/lib \ --sysconfdir=/etc --disable-setuid \ --with-browser=/usr/bin/lynx --with-vgrind=/usr/bin/vgrind \ --with-grap=/usr/bin/grap configure オプションの意味 --disable-setuid これは man プログラムが man ユーザーに対して setuid を実行しないよ うにします。 --with-... この三つのオプションはデフォルトで利用するプログラムを指定します。 lynx はテキストベースの Web ブラウザです。 (BLFS でのインストール手 順を参照してください。) vgrind はプログラムソースを Groff の入力形 式に変換します。 grap は Groff 文書においてグラフを組版するために利 用します。 vgrind と grap は man ページを見るだけであれば必要ありま せん。 これらは LFS や BLFS には含まれません。 もし利用したい場合は LFS の構築を終えた後に自分でインストールしてください。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには、以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.49.2. LFS における英語以外のマニュアルページ 以下に示す表は /usr/share/man/ 配下にインストールされる man ページ とそのエンコーディングを示します。 Man-DB は man ページが UTF-8 エンコ ーディングかどうかを正しく認識します。 表 6.1. 8 ビット man ページのキャラクタエンコーディング ┌─────────┬─────┬──────────┬──────┐ │ 言語 (コード) │エンコーデ│ 言語 (コード) │エンコーディ│ │ │ ィング │ │ ング │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │デンマーク語 (da) │ISO-8859-1│クロアチア語 (hr) │ISO-8859-1 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ドイツ語 (de) │ISO-8859-1│ハンガリー語 (hu) │ISO-8859-2 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │英語 (en) │ISO-8859-1│日本語 (ja) │EUC-JP │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │スペイン語 (es) │ISO-8859-1│韓国語 (ko) │EUC-KR │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │エストニア語 (et) │ISO-8859-1│リトアニア語 (lt) │ISO-8859-13 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │フィンランド語 │ISO-8859-1│ラトビア語 (lv) │ISO-8859-13 │ │(fi) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │フランス語 (fr) │ISO-8859-1│マケドニア語 (mk) │ISO-8859-5 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │アイルランド語 │ISO-8859-1│ポーランド語 (pl) │ISO-8859-2 │ │(ga) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ガリシア語 (gl) │ISO-8859-1│ルーマニア語 (ro) │ISO-8859-2 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │インドネシア語 │ISO-8859-1│ロシア語 (ru) │KOI8-R │ │(id) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │アイスランド語 │ISO-8859-1│スロバキア語 (sk) │ISO-8859-2 │ │(is) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │イタリア語 (it) │ISO-8859-1│スロベニア語 (sl) │ISO-8859-2 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ノルウェー語 ブー │ │ │ │ │クモール │ISO-8859-1│セルビア Latin │ISO-8859-2 │ │(Norwegian Bokmal;│ │(sr@latin) │ │ │nb) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │オランダ語 (nl) │ISO-8859-1│セルビア語 (sr) │ISO-8859-5 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ノルウェー語 ニー │ │ │ │ │ノシュク │ISO-8859-1│トルコ語 (tr) │ISO-8859-9 │ │(Norwegian │ │ │ │ │Nynorsk; nn) │ │ │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ノルウェー語 (no) │ISO-8859-1│ウクライナ語 (uk) │KOI8-U │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ポルトガル語 (pt) │ISO-8859-1│ベトナム語 (vi) │TCVN5712-1 │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │スウェーデン語 │ │中国語 簡体字 │ │ │(sv) │ISO-8859-1│(Simplified Chinese)│GBK │ │ │ │(zh_CN) │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ │ │中国語 簡体字 │ │ │ベラルーシ語 (be) │CP1251 │(Simplified │GBK │ │ │ │Chinese), シンガポー│ │ │ │ │ル (zh_SG) │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ │ │中国語 繁体字 │ │ │ブルガリア語 (bg) │CP1251 │(Traditional │BIG5HKSCS │ │ │ │Chinese), 香港 │ │ │ │ │(zh_HK) │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ │ │中国語 繁体字 │ │ │チェコ語 (cs) │ISO-8859-2│(Traditional │BIG5 │ │ │ │Chinese) (zh_TW) │ │ ├─────────┼─────┼──────────┼──────┤ │ギリシア語 (el) │ISO-8859-7│ │ │ └─────────┴─────┴──────────┴──────┘ 注記 上に示されていない言語によるマニュアルページはサポートされません。 6.49.3. Man-DB の構成 インストールプログラム: accessdb, apropos (whatis へのリンク), catman, lexgrog, man, mandb, manpath, whatis, zsoelim 概略説明 accessdb whatis データベースの内容をダンプして読みやすい形で出力します 。 apropos whatis データベースを検索して、指定した文字列を含むシステムコ マンドの概略説明を表示します。 catman フォーマット済マニュアルページを生成、更新します。 lexgrog 指定されたマニュアルページについて、一行のサマリー情報を表示し ます。 man 指定されたマニュアルページを整形して表示します。 mandb whatis データベースを生成、更新します。 $MANPATH の内容を表示します。 あるいは ($MANPATH が設定されて manpath いない場合は) man.conf 内の設定とユーザー設定に基づいて適切な 検索パスを表示します。 whatis whatis データベースを検索して、指定されたキーワードを含むシス テムコマンドの概略説明を表示します。 zsoelim ファイルの内容を読み込んで、 .so file の形で書かれている記述行 を、その file の内容に置き換えます。 6.50. Module-Init-Tools-3.11.1 Module-Init-Tools パッケージは、Linux カーネル 2.5.47 以上においてカー ネルモジュールを扱うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 必要ディスク容量: 8.7 MB 6.50.1. Module-Init-Tools のインストール 本パッケージのテストスイートは開発者の必要を満たす目的で構築されていま す。 make check を実行すると、特別な形で modprobe プログラムがビルドさ れます。 しかしこれは普通に用いるには無意味なものです。 テストスイート を実行するなら (約 0.2 SBU) 以下のコマンドを実行します。 (make clean コ マンドはソースツリーをきれいなものとするために必要で、次に再コンパイル して通常利用するプログラムをビルドします。) ./configure make check ./tests/runtests make clean Module-Init-Tools をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/ --enable-zlib-dynamic --mandir=/usr/share/man パッケージをコンパイルします。 make パッケージをインストールします。 make INSTALL=install install make パラメータの意味: INSTALL=install インストールする実行ファイル類が既に存在している場合、普通 make install を実行しただけではそれらをインストールしません。 このオプシ ョンを指定することでその動作を変更します。 つまりデフォルトのインス トールラッパースクリプトを用いるのではなく install コマンドを用いる ようにします。 6.50.2. Module-Init-Tools の構成 インストールプログラム: depmod, insmod, insmod.static, lsmod, modinfo, modprobe, rmmod 概略説明 存在しているモジュール内に含まれるシンボル名に基づいて、 depmod モジュールの依存関係を記述したファイル (dependency file) を生成します。 これは modprobe が、必要なモジュールを自動 的にロードするために利用します。 insmod 稼動中のカーネルに対してロード可能なモジュールをインスト ールします。 insmod.static スタティックライブラリによってコンパイルされた insmod コ マンド。 lsmod その時点でロードされているモジュールを一覧表示します。 modinfo カーネルモジュールに関連付いたオブジェクトファイルを調べ て、出来る限りの情報を表示します。 depmod によってモジュールの依存関係を記述したファイル modprobe (dependency file) が生成されます。 これを使って関連するモ ジュールを自動的にロードします。 rmmod 稼動中のカーネルからモジュールをアンロードします。 6.51. Patch-2.6.1 Patch パッケージは「パッチ」ファイルを適用することにより、ファイルの修 正・生成を行うプログラムを提供します。 「パッチ」ファイルは diff プログ ラムにより生成されます。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 1.9 MB 6.51.1. Patch のインストール ed プログラムを必要とするテストの実行を行わないよう、パッチを適用します 。 patch -Np1 -i ../patch-2.6.1-test_fix-1.patch Patch をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 6.51.2. Patch の構成 インストールプログラム: patch 概略説明 パッチファイルに従って対象ファイルを修正します。 パッチファイルは patch 通常 diff コマンドによって修正前後の違いが列記されているものです 。 そのような違いを対象ファイルに適用することで patch はパッチを 適用したファイルを生成します。 6.52. Psmisc-22.10 Psmisc パッケージは稼動中プロセスの情報表示を行うプログラムを提供します 。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 2.5 MB 6.52.1. Psmisc のインストール Psmisc をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install Psmisc の pidof プログラムはデフォルトではインストールされませんが、通 常これは問題にはなりません。 それはこの後に Sysvinit パッケージによって インストールされるからです。 Sysvinit の pidof プログラムはより適切なプ ログラムです。 しかし特定のシステムにおいて Sysvinit を利用しないなら、 以下のシンボリックリックを生成して Psmisc のインストールを完了させます 。 ln -sv killall /bin/pidof 6.52.2. Psmisc の構成 インストールプログラム: fuser, killall, peekfd, pstree, pstree.x11 (pstree へのリンク) 概略説明 fuser 指定されたファイルまたはファイルシステムを利用しているプロセ スのプロセス ID (PID) を表示します。 プロセス名を用いてそのプロセスを終了 (kill) させます。 指定 killall されたコマンドを起動しているすべてのプロセスに対してシグナル が送信されます。 peekfd PID を指定することによって、稼動中のそのプロセスのファイルデ ィスクリプタを調べます。 pstree 稼働中のプロセスをツリー形式で表示します。 pstree.x11 pstree と同じです。 ただし終了時には確認画面が表示されます。 6.53. Shadow-4.1.4.2 Shadow パッケージはセキュアなパスワード管理を行うプログラムを提供します 。 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 30 MB 6.53.1. Shadow のインストール 注記 もっと強力なパスワードを利用したい場合は http:// www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/postlfs/cracklib.html にて示して いる Cracklib パッケージを参照してください。 Cracklib パッケージは Shadow パッケージよりも前にインストールします。 その場合 Shadow パッケ ージの configure スクリプトでは --with-libcrack パラメータをつけて実行 する必要があります。 groups コマンドとその man ページをインストールしないようにします。 これ は Coreutils パッケージにて、より良いバージョンが提供されているからです 。 sed -i 's/groups$(EXEEXT) //' src/Makefile.in find man -name Makefile.in -exec sed -i 's/groups\.1 / /' {} \; 中国語と韓国語の man ページはインストールしません。 Man-DB がそれらを正 しく扱うことができないためです。 sed -i -e 's/ ko//' -e 's/ zh_CN zh_TW//' man/Makefile.in パスワード暗号化に関して、デフォルトの crypt 手法ではなく、より強力な MD5 手法を用いることにします。 こうしておくと 8文字以上のパスワード入力 が可能となります。 またメールボックスを収めるディレクトリとして Shadow ではデフォルトで /var/spool/mail ディレクトリを利用していますが、これは 古いものであるため /var/mail ディレクトリに変更します。 sed -i -e 's@#ENCRYPT_METHOD DES@ENCRYPT_METHOD MD5@' \ -e 's@/var/spool/mail@/var/mail@' etc/login.defs 注記 Cracklib のサポートを含めて Shadow をビルドする場合は以下を実行します。 sed -i 's@DICTPATH.*@DICTPATH\t/lib/cracklib/pw_dict@' \ etc/login.defs Shadow をコンパイルするための準備をします。 ./configure --sysconfdir=/etc パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install 不適切なディレクトリにインストールされるプログラムを移動させます。 mv -v /usr/bin/passwd /bin 6.53.2. Shadow の構成 このパッケージには、ユーザーやグループの追加・修正・削除、そのパスワー ドの設定・変更、その他の管理操作を行うユーティリティが含まれます。 パス ワードのシャドウイング (password shadowing) というものが何を意味するの か、その詳細についてはこのパッケージのソース内にある doc/HOWTO を参照し てください。 Shadow によるサポートを利用する場合、パスワード認証を必要 とするプログラム (ディスプレイマネージャ、FTP プログラム、POP3、デーモ ン、など) は Shadow に準拠したものでなければなりません。 つまりそれらの プログラムが、シャドウ化された (shadowed) パスワードを受け入れて動作し なければならないということです。 Shadow によるパスワードの利用を有効にするために、以下のコマンドを実行し ます。 pwconv また Shadow によるグループパスワードを有効にするために、以下を実行しま す。 grpconv Shadow の useradd コマンドに対する通常の設定には、注意すべき点がありま す。 まず useradd コマンドによりユーザーを生成する場合のデフォルトの動 作では、ユーザー名と同じグループを自動生成します。 ユーザーID (UID) と グループID (GID) は 1000 以上が割り当てられます。 useradd コマンドの利 用時に特にパラメータを与えなければ、追加するユーザーのグループは新たな 固有グループが生成されることになります。 この動作が不適当であれば useradd コマンドの実行時に -g パラメータを利用することが必要です。 デフ ォルトで適用されるパラメータは /etc/default/useradd ファイルに定義され ています。 このファイルのパラメータ定義を必要に応じて書き換えてください 。 /etc/default/useradd のパラメータ説明 GROUP=1000 このパラメータは /etc/group ファイルにて設定されるグループIDの先頭 番号を指定します。 必要なら任意の数値に設定することもできます。 useradd コマンドは既存の UID 値、GID 値を再利用することはありません 。 このパラメータによって定義された数値が実際に指定された場合、この 値以降で利用可能な値が利用されます。 また useradd コマンドの実行時 に、パラメータ -g を利用せず、かつグループID 1000 のグループが存在 していなかった場合は、以下のようなメッセージが出力されます。 useradd: unknown GID 1000 ("GID 1000 が不明です") このメッセージは 無視することができます。 この場合グループIDには 1000 が利用されます 。 CREATE_MAIL_SPOOL=yes このパラメータは useradd コマンドの実行によって、追加されるユーザー 用のメールボックスに関するファイルが生成されます。 useradd コマンド は、このファイルのグループ所有者を mail (グループID 0660) に設定し ます。 メールボックスに関するファイルを生成したくない場合は、以下の コマンドを実行します。 sed -i 's/yes/no/' /etc/default/useradd 6.53.3. root パスワードの設定 root ユーザーのパスワードを設定します。 passwd root 6.53.4. Shadow の構成 インストールプログラム: chage, chfn, chgpasswd, chpasswd, chsh, expiry, faillog, gpasswd, groupadd, groupdel, groupmems, groupmod, grpck, grpconv, grpunconv, lastlog, login, logoutd, newgrp, newusers, nologin, passwd, pwck, pwconv, pwunconv, sg (newgrp へのリンク), su, useradd, userdel, usermod, vigr (vipw へのリンク), vipw 概略説明 chage ユーザーのパスワード変更を行うべき期間を変更します。 chfn ユーザーのフルネームや他の情報を変更します。 chgpasswd グループのパスワードをバッチモードにて更新します。 chpasswd ユーザーのパスワードをバッチモードにて更新します。 chsh ユーザーのデフォルトのログインシェルを変更します。 expiry 現時点でのパスワード失効に関する設定をチェックし更新します。 ログイン失敗のログを調査します。 ログインの失敗を繰り返すこと faillog でアカウントがロックされる際の、最大の失敗回数を設定します。 またその失敗回数をリセットします。 gpasswd グループに対してメンバーや管理者を追加・削除します。 groupadd 指定した名前でグループを生成します。 groupdel 指定された名前のグループを削除します。 groupmems スーパーユーザー権限を持たなくても、自分自身のグループのメン バーリストを管理可能とします。 groupmod 指定されたグループの名前や GID を修正します。 grpck グループファイル /etc/group と /etc/gshadow の整合性を確認し ます。 grpconv 通常のグループファイルから Shadow グループファイルを生成・更 新します。 grpunconv /etc/gshadow ファイルを元に /etc/group ファイルを更新し /etc/ gshadow ファイルを削除します。 lastlog 全ユーザーの中での最新ログインの情報、または指定ユーザーの最 新ログインの情報を表示します。 login ユーザーのログインを行います。 logoutd ログオン時間とポートに対する制限を実施するためのデーモン。 newgrp ログインセッション中に現在の GID を変更します。 newusers ユーザーアカウントの情報を生成または更新します。 ユーザーアカウントが利用不能であることをメッセージ表示します nologin 。 利用不能なユーザーアカウントに対するデフォルトシェルとして 利用することを意図しています。 passwd ユーザーアカウントまたはグループアカウントに対するパスワード を変更します。 pwck パスワードファイル /etc/passwd と /etc/shadow の整合性を確認 します。 pwconv 通常のパスワードファイルを元に shadow パスワードファイルを生 成・更新します。 pwunconv /etc/shadow ファイルを元に /etc/passwd ファイルを更新し /etc/ shadow を削除します。 sg ユーザーの GID を指定されたグループにセットした上で、指定され たコマンドを実行します。 su ユーザー ID とグループ ID を変更してシェルを実行します。 useradd 指定した名前で新たなユーザーを生成します。 あるいは新規ユーザ ーのデフォルトの情報を更新します。 userdel 指定されたユーザーアカウントを削除します。 usermod 指定されたユーザーのログイン名、UID (User Identification)、利 用シェル、初期グループ、ホームディレクトリなどを変更します。 vigr /etc/group ファイル、あるいは /etc/gshadow ファイルを編集しま す。 vipw /etc/passwd ファイル、あるいは /etc/shadow ファイルを編集しま す。 6.54. Sysklogd-1.5 Sysklogd パッケージは、例えばカーネルが異常発生時に出力するログのような 、システムログメッセージを取り扱うプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 0.5 MB 6.54.1. Sysklogd のインストール パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make BINDIR=/sbin install 6.54.2. Sysklogd の設定 以下を実行して /etc/syslog.conf ファイルを生成します。 cat > /etc/syslog.conf << "EOF" # Begin /etc/syslog.conf auth,authpriv.* -/var/log/auth.log *.*;auth,authpriv.none -/var/log/sys.log daemon.* -/var/log/daemon.log kern.* -/var/log/kern.log mail.* -/var/log/mail.log user.* -/var/log/user.log *.emerg * # End /etc/syslog.conf EOF 6.54.3. Sysklogd の構成 インストールプログラム: klogd, syslogd 概略説明 klogd カーネルメッセージを受け取り出力するシステムデーモン。 システムプログラムが出力するログ情報を出力します。 出力されるロ syslogd グ情報には少なくとも処理日付、ホスト名が出力されます。 また通常 はプログラム名も出力されます。 ただこれはログ出力デーモンがどれ だけ信頼のおけるものであるかに依存する情報です。 6.55. Sysvinit-2.86 Sysvinit パッケージは、システムの起動、実行、シャットダウンを制御するプ ログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 1 MB 6.55.1. Sysvinit のインストール ランレベルが変更される時 (例えばシステムが停止する時) init コマンドは各 種のプロセスに対して停止シグナル (termination signals) を送信します。 ただしその対象は init プログラム自身が起動したプロセスであり、新たなラ ンレベルでは起動しないプロセスです。 一方で init コマンドが出力するメッ セージは 「Sending processes the TERM signal」 (プロセスに対して TERM シグナルを送信します) というものです。 このメッセージは、その時点にて稼 動中の全プロセスに対してシグナルを送信しているかのように誤解してしまい ます。 これを正すためにソースを修正して 「Sending processes configured via /etc/inittab the TERM signal」 (/etc/inittab で設定されているプロセ スに対して TERM シグナルを送信します) というメッセージに置き換えます。 sed -i 's@Sending processes@& configured via /etc/inittab@g' \ src/init.c wall コマンドは Util-linux-ng パッケージにおいてメンテナンスされており 、既にインストールが出来ています。 そこで Sysvinit が提供する wall コマ ンドはインストールせず、その man ページもインストールしないようにします 。 sed -i -e 's/utmpdump wall/utmpdump/' \ -e 's/mountpoint.1 wall.1/mountpoint.1/' src/Makefile パッケージをコンパイルします。 make -C src 本パッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make -C src install 6.55.2. Sysvinit の設定 以下のコマンドを実行して新しい /etc/inittab ファイルを生成します。 cat > /etc/inittab << "EOF" # Begin /etc/inittab id:3:initdefault: si::sysinit:/etc/rc.d/init.d/rc sysinit l0:0:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 0 l1:S1:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 1 l2:2:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 2 l3:3:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 3 l4:4:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 4 l5:5:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 5 l6:6:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 6 ca:12345:ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t1 -a -r now su:S016:once:/sbin/sulogin 1:2345:respawn:/sbin/agetty tty1 9600 2:2345:respawn:/sbin/agetty tty2 9600 3:2345:respawn:/sbin/agetty tty3 9600 4:2345:respawn:/sbin/agetty tty4 9600 5:2345:respawn:/sbin/agetty tty5 9600 6:2345:respawn:/sbin/agetty tty6 9600 # End /etc/inittab EOF 6.55.3. Sysvinit の構成 インストールプログラム: bootlogd, halt, init, killall5, last, lastb (last へのリンク), mesg, mountpoint, pidof (killall5 へのリンク), poweroff (halt へのリンク), reboot (halt へのリンク), runlevel, shutdown, sulogin, telinit (init へのリンク), utmpdump 概略説明 bootlogd ブート時のメッセージをログファイルに出力します。 ランレベルが既に 0 ではない通常の起動状態の場合に shutdown halt をオプション -h をつけて実行します。 そしてカーネルに対して システム停止を指示します。 システムが停止される状況は /var/ log/wtmp ファイルに記録されます。 カーネルがハードウェアを初期化した後に、最初に起動するプロセ init スです。 ブート処理がこのプロセスに引き継がれ、指示されたプ ロセスをすべて起動していきます。 プロセスすべてに対してシグナルを送信します。 ただし自分のセ killall5 ッション内の起動プロセスは除きます。 つまり本コマンドを実行 したスクリプトは停止されません。 ユーザーの最新のログイン (ログアウト) の情報を表示します。 last これは /var/log/wtmp ファイルの終わりから調べているものです 。 またシステムブート、シャットダウン、ランレベルの変更時の 情報も示します。 lastb ログインに失敗した情報を表示します。 これは /var/log/btmp に 記録されています。 mesg 現在のユーザーの端末に対して、他のユーザーがメッセージ送信で きるかどうかを制御します。 mountpoint 指定されたディレクトリがマウントポイントであるかどうかをチェ ックします。 pidof 指定されたプログラムの PID を表示します。 poweroff カーネルに対してシステムの停止を指示し、コンピュータの電源を 切ります。 (halt を参照してください。) reboot カーネルに対してシステムの再起動を指示します。 (halt を参照 してください。) runlevel 現在のランレベルと直前のランレベルを表示します。 最新のラン レベルは /var/run/utmp ファイルに記録されています。 shutdown システムの終了を安全に行います。 その際にはプロセスすべてへ のシグナル送信を行い、ログインユーザーへの通知も行います。 root ユーザーでのログインを行います。 通常は init が起動する sulogin もので、システムがシングルユーザーモードで起動する際に利用さ れます。 telinit init に対してランレベルの変更を指示します。 utmpdump 指定されたログファイル内の情報を分かりやすく表示します。 6.56. Tar-1.22 Tar パッケージはアーカイブプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 1.9 SBU テストスイート込み 必要ディスク容量: 21.2 MB 6.56.1. Tar のインストール Tar をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --bindir=/bin --libexecdir=/usr/sbin パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするために以下を実行します。(約 1 SBU) make check パッケージをインストールします。 make install 6.56.2. Tar の構成 インストールプログラム: rmt, tar 概略説明 rmt プロセス間通信のコネクションを通じて磁気テープドライブを遠隔操作し ます。 tar アーカイブの生成、アーカイブからのファイル抽出、アーカイブの内容一 覧表示を行います。 アーカイブは tarball とも呼ばれます。 6.57. Texinfo-4.13a Texinfo パッケージは info ページへの読み書き・変換を行うプログラムを提 供します。 概算ビルド時間: 0.3 SBU 必要ディスク容量: 21 MB 6.57.1. Texinfo のインストール Texinfo をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make check パッケージをインストールします。 make install 必要なら TeX システムに属するコンポーネント類をインストールします。 make TEXMF=/usr/share/texmf install-tex make パラメータの意味: TEXMF=/usr/share/texmf Makefile 変数である TEXMF に TeX ツリーのルートディレクトリを設定し ます。 これは後に TeX パッケージをインストールするための準備です。 ドキュメントシステム Info は、 メニュー項目の一覧を単純なテキストファイ ルに保持しています。 そのファイルは /usr/share/info/dir にあります。 残 念ながら数々のパッケージの Makefile は、既にインストールされている info ページとの同期を取る処理を行わない場合があります。 /usr/share/info/dir の再生成を必要とするなら、以下のコマンドを実行してこれを実現します。 cd /usr/share/info rm -v dir for f in * do install-info $f dir 2>/dev/null done 6.57.2. Texinfo の構成 インストールプログラム: info, infokey, install-info, makeinfo, pdftexi2dvi, texi2dvi, texi2pdf, texindex 概略説明 info ページを見るために利用します。 これは man ページに似 info ていますが、単に利用可能なコマンドラインオプションを説明す るだけのものではなく、おそらくはもっと充実しています。 例 えば man bison と info bison を比較してみてください。 infokey Info のカスタマイズ情報を設定したソースファイルをバイナリ 形式にコンパイルします。 install-info info ページをインストールします。 info 索引ファイルにある 索引項目も更新します。 makeinfo 指定された Texinfo ソースファイルを Info ページ、プレーン テキスト、HTML ファイルに変換します。 pdftexi2dvi 指定された Texinfo ドキュメントファイルを PDF (Portable Document Format) ファイルに変換します。 texi2dvi 指定された Texinfo ドキュメントファイルを、デバイスに依存 しない印刷可能なファイルに変換します。 texi2pdf 指定された Texinfo ドキュメントファイルを PDF (Portable Document Format) ファイルに変換します。 texindex Texinfo 索引ファイルの並び替えを行います。 6.58. Udev-151 Udev パッケージはデバイスノードを動的に生成するプログラムを提供します。 概算ビルド時間: 0.2 SBU 必要ディスク容量: 11.6 MB 6.58.1. Udev のインストール udev-config という Tar アーカイブファイルには Udev パッケージをビルドす る際の LFS 独自のファイルが含まれています。 以下のようにしてこのファイ ルを Udev ソースディレクトリに展開します。 tar -xvf ../udev-config-20100128.tar.bz2 デバイスやディレクトリのいくつかはシステム起動時に必要になりますが、起 動処理の初期段階であるために Udev はそれらを認識できません。 そこでそれ らのデバイスまたはディレクトリを生成します。 install -dv /lib/{firmware,udev/devices/{pts,shm}} mknod -m0666 /lib/udev/devices/null c 1 3 ln -sv /proc/self/fd /lib/udev/devices/fd ln -sv /proc/self/fd/0 /lib/udev/devices/stdin ln -sv /proc/self/fd/1 /lib/udev/devices/stdout ln -sv /proc/self/fd/2 /lib/udev/devices/stderr ln -sv /proc/kcore /lib/udev/devices/core パッケージをコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr \ --sysconfdir=/etc --sbindir=/sbin \ --with-rootlibdir=/lib --libexecdir=/lib/udev \ --docdir=/usr/share/doc/udev-151 \ --disable-extras --disable-introspection configure オプションの意味: --with-rootlibdir=/lib このオプションは libudev ライブラリのインストール先を指定します。 このライブラリは /lib ディレクトリにインストールする必要があります 。 デフォルトでは --rootlibdir は /usr/lib ディレクトリとなっていま すが、/usr ディレクトリが認識できるようになる前の、ブート起動時に Udev が認識できなければならないためです。 --libexecdir=/lib/udev このオプションは Udev の内部ルールやヘルパープログラムのインストー ル先を指定します。 --docdir=/usr/share/doc/udev-151 このオプションは、Udev のドキュメントをインストールします。 インス トールにあたっては、他のパッケージとの整合を保った名称が用いられま す。 --disable-extras このオプションは、特定のヘルパープログラムや他のプログラム類 (extras) をインストールしないようにします。 他のプログラム類は、さ らに外部ライブラリを必要としており、それらは LFS システムには含まれ ていません。 詳しくは Udev が提供する README ファイルを参照してくだ さい。 --disable-introspection このオプションは Udev のイントロスペクション (introspection) 機能を 無効にします。 この機能は、LFS システムにてインストールするパッケー ジではなく、別のパッケージにて必要となるものです。 詳しくは Udev の README ファイルを参照してください。 パッケージをコンパイルします。 make このパッケージにテストスイートはありません。 パッケージをインストールします。 make install Udev を正しく作動させるためには正しい設定が必要です。 しかしデフォルト の設定ではすべてのデバイスを網羅できていません。 まずは Udev が提供する 以下の特別な2つのルールをインストールします。 これらはデバイスマッパー (device-mapper) と RAID の設定をサポートします。 install -m644 -v rules/packages/64-*.rules \ /lib/udev/rules.d/ 特定のハンドヘルド (hand-held) デバイスへのシンボリックリンクを生成する ファイルをインストールします。 install -m644 -v rules/packages/40-pilot-links.rules \ /lib/udev/rules.d/ ISDN デバイスを取り扱うファイルをインストールします。 install -m644 -v rules/packages/40-isdn.rules \ /lib/udev/rules.d/ LFS 固有のカスタムルールファイルをインストールします。 cd udev-config-20100128 make install LFS 固有のカスタムルールファイルについて説明しているドキュメントをイン ストールします。 make install-doc 6.58.2. Udev の構成 インストールプログラム: ata_id, cdrom_id, collect, create_floppy_devices, edd_id, firmware.sh, fstab_import, path_id, scsi_id, udevadm, udevd, usb_id, write_cd_rules, write_net_rules インストールライブラリ: libudev.{a,so} インストールディレクトリ: /etc/udev 概略説明 ata_id ATA ドライブに対するユニークな文字列と追加情報 (uuid、ラベル) を Udev に提供します。 cdrom_id CD-ROM ドライブや DVD-ROM ドライブの情報を Udev に提供します。 現在の uevent の ID と (すべての対象 uevent に対 collect する) ID のリストを与えることで、現在の ID を登録 し、すべての対象 ID が既に登録済みであるかどうか を示します。 create_floppy_devices CMOS タイプに基づく、すべてのフロッピーデバイスを 生成します。 edd_id BIOS ディスクドライブに対する EDD ID を Udev に提 供する。 firmware.sh ファームウェアをデバイスにアップロードします。 /etc/fstab に記述された項目の中から現在のデバイス fstab_import に合致するものを探し出し、その情報を Udev に提供 します。 path_id デバイスへのパスとして、可能な限り最も短くユニー クなハードウェアパスを提供します。 特定のデバイスに対する SCSI INQUIRY コマンド送信 scsi_id の結果として得られるデータに基づく、ユニークな SCSI 識別子を Udev に対して提供します。 汎用的な Udev 管理ツール。 udevd デーモンの制御、 Udev データベースデータの提供、uevent の監視、 udevadm uevent の完了までの待機、Udev 設定のテスト、指定 デバイスに対する uevent の起動、といったことを行 います。 ネットワークソケット上の uevent を待ち受けるデー udevd モン。 デバイスを生成し、その uevent に対応する外 部プログラムを起動します。 usb_id USB デバイスに関する情報を Udev に対して提供しま す。 光学ドライブに対する固定的な名称を定めた Udev ル write_cd_rules ールを生成するためのスクリプト。 (7.10. 「デバイ スへのシンボリックリンクの生成」 も参照のこと。) ネットワークインターフェースに対する固定的な名称 write_net_rules を定めた Udev ルールを生成するためのスクリプト。 (7.13. 「ネットワークスクリプトの設定」 も参照の こと。) libudev Udev デバイス情報のインターフェースライブラリ。 /etc/udev Udev 設定ファイル、デバイスのパーミッション、デバ イス命名規則を定めます。 6.59. Vim-7.2 Vim パッケージは強力なテキストエディタを提供します。 概算ビルド時間: 1.0 SBU 必要ディスク容量: 79 MB Vim の代替ソフトウェア もし Emacs、Joe、Nano など他のエディタを用いたい場合は http:// www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/postlfs/editors.html に示される 手順に従ってインストールしてください。 6.59.1. Vim のインストール まず2つのアーカイブ vim-7.2.tar.bz2、 vim-7.2-lang.tar.gz を同一ディレ クトリに解凍します。 (2つめのアーカイブを用いるのは任意です。) Vim-7.2 の初期版リリース以降に開発者によって発見された種々の問題を解消 するために、以下のパッチを適用します。 patch -Np1 -i ../vim-7.2-fixes-5.patch 設定ファイル vimrc がインストールされるデフォルトディレクトリを /etc に 変更します。 echo '#define SYS_VIMRC_FILE "/etc/vimrc"' >> src/feature.h Vim をコンパイルするための準備をします。 ./configure --prefix=/usr --enable-multibyte configure オプションの意味: --enable-multibyte このオプションは、マルチバイトエンコーディングによるファイルの編集 をサポートする指示を行います。 マルチバイト文字を用いるロケールにと ってはこれが必要です。 例えば Fedora Core のようにデフォルトで UTF-8 を採用している Linux ディストリビューションにおいては、新規に 生成するテキストファイルを編集できるようにするために、このオプショ ンを指定することが有用です。 パッケージをコンパイルします。 make コンパイル結果をテストするには以下を実行します。 make test このテストスイートは数多くのバイナリデータを端末画面上に出力します。 こ れは端末画面の設定によっては問題を引き起こします。 これを避けるには出力 をリダイレクトしてログファイルに出力するようにしてください。 パッケージをインストールします。 make install たいていのユーザーは vim ではなく vi を使うようです。 vi を入力しても vim が実行されるように、実行モジュールに対するシンボリックリンクを作成 します。 さらに指定された言語による man ページへのシンボリックリンクも 作成します。 ln -sv vim /usr/bin/vi for L in /usr/share/man/{,*/}man1/vim.1; do ln -sv vim.1 $(dirname $L)/vi.1 done デフォルトでは Vim のドキュメントが /usr/share/vim にインストールされま す。 以下のようなシンボリックリンクを生成することで /usr/share/doc/ vim-7.2 へアクセスしてもドキュメントが参照できるようにし、他のパッケー ジが配置するドキュメントの場所と整合を取ります。 ln -sv ../vim/vim72/doc /usr/share/doc/vim-7.2 LFS システムに対して X ウィンドウシステムをインストールする場合 X のイ ンストールの後で Vim を再コンパイルする必要があります。 Vim には GUI 版 があり X や他のライブラリがインストールされていて 初めて構築できるため です。 この作業の詳細については Vim のドキュメントと BLFS ブックの http://www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/postlfs/editors.html# postlfs-editors-vim に示されている Vim のインストール説明のページを参照 してください。 6.59.2. Vim の設定 デフォルトで vim は Vi 非互換モード (vi-incompatible mode) で起動します 。 他のエディタを使ってきたユーザーにとっては、よく分からないものかもし れません。 以下の設定における 「nocompatible」 (非互換) は、Vi の新しい 機能を利用することを意味しています。 もし 「compatible」 (互換) モード に変更したい場合は、この設定ファイルの冒頭にて行っておくことが必要です 。 このモード設定は他の設定を置き換えるものとなることから、まず初めに行 っておかなければならないものだからです。 以下のコマンドを実行して vim の設定ファイルを生成します。 cat > /etc/vimrc << "EOF" " Begin /etc/vimrc set nocompatible set backspace=2 syntax on if (&term == "iterm") || (&term == "putty") set background=dark endif " End /etc/vimrc EOF set nocompatible と設定しておくと vi 互換モードでの動作に比べて有用な動 作となります。 (これがデフォルトになっています。) その設定の記述から 「 no」 の文字を取り除けば、旧来の vi コマンドの動作となります。 set backspace=2 を設定しておくと、行を超えてもバックスペースキーによる編集 が可能となります。 またインデントが自動的に行われ、コマンド起動時には自 動的に挿入モードとなります。 syntax on パラメータを指定すれば vim の文 法ハイライト (syntax highlighting) 機能が有効になります。 最後にある if 文は、set background=dark を指定した場合に、特定の端末エミュレータ上に おいて vim が背景色を誤って認識しないようにするためのものです。 エミュ レータの背景色が黒色であった場合に、より適切なハイライトが実現できます 。 この他に利用できるオプションについては、以下のコマンドを実行することで 出力される説明を参照してください。 vim -c ':options' 注記 Vim がインストールするスペルファイル (spell files) はデフォルトでは英語 に対するものだけです。 必要とする言語のスペルファイルをインストールする なら ftp://ftp.vim.org/pub/vim/runtime/spell/ から、特定の言語、エンコ ーディングによる *.spl ファイル、またオプションとして *.sug ファイルを ダウンロードしてください。 そしてそれらのファイルを /usr/share/vim/ vim72/spell/ ディレクトリに保存してください。 スペルファイルを利用するには /etc/vimrc ファイルにて、例えば以下のよう な設定が必要になります。 set spelllang=en,ru set spell 詳しくは、上で説明した URL にて提供されている README ファイルを参照して ください。 6.59.3. Vim の構成 インストールプログラム: ex (vim へのリンク), rview (vim へのリンク), rvim (vim へのリンク), vi (vim へのリンク), view (vim へのリンク), vim, vimdiff (vim へのリンク), vimtutor, xxd 概略説明 ex vim を ex モードで起動します。 rview view の機能限定版。 シェルは起動できず、サスペンドも行うことは できません。 rvim vim の機能限定版。 シェルは起動できず、サスペンドも行うことは できません。 vi vim へのリンク。 view vim を読み込み専用モード (read-only mode) で起動します。 vim エディタ。 vimdiff vim により、同一ファイルにおける2つまたは3つの版を同時に編集 し、差異を表示します。 vimtutor vim の基本的なキー操作とコマンドについて教えてくれます。 xxd 指定されたファイルの内容を 16進数ダンプとして変換します。 逆の 変換も行うことができるため、バイナリパッチにも利用されます。 6.60. デバッグシンボルについて プログラムやライブラリの多くは、デフォルトではデバッグシンボルを含めて コンパイルされています。 (gcc の -g オプションが用いられています。) デ バッグ情報を含めてコンパイルされたプログラムやライブラリは、デバッグ時 にメモリアドレスが参照できるだけでなく、処理ルーチンや変数の名称も知る ことができます。 しかしそういったデバッグ情報は、プログラムやライブラリのファイルサイズ を極端に大きくします。 以下にデバッグシンボルが占める割合の例を示します 。 ・ デバッグシンボルを含んだ bash の実行ファイル: 1200 KB ・ デバッグシンボルを含まない bash の実行ファイル: 480 KB ・ デバッグシンボルを含んだ Glibc と GCC の関連ファイル (/lib と /usr/ lib): 87 MB ・ デバッグシンボルを含まない Glibc と GCC の関連ファイル: 16MB 利用するコンパイラや C ライブラリの違いによって、生成されるファイルのサ イズは異なります。 デバッグシンボルを含む、あるいは含まないサイズを比較 した場合、その差は 2倍から 5倍の違いがあります。 プログラムをデバッグするユーザーはそう多くはありません。 デバッグシンボ ルを削除すればディスク容量はかなり節減できます。 次節ではプログラムやラ イブラリからデバッグシンボルを取り除く (strip する) 方法を示します。 6.61. 再度のストリップ 対象ユーザーがプログラマではなく、プログラム類をデバッグするような使い 方をしないのであれば、実行ファイルやライブラリに含まれるデバッグシンボ ルを削除しても構いません。 そうすれば 90 MB ものサイズ削減を図ることが できます。 たとえデバッグできなくなっても困らないはずです。 以下に示すコマンドは、いとも簡単なものです。 ただし入力つづりは簡単に間 違いやすいので、もし誤った入力をするとシステムを利用不能にしてしまいま す。 したがって strip コマンドを実行する前に、現時点の LFS システムのバ ックアップを取っておくことをお勧めします。 ストリップを実行する前には、ストリップしようとしている実行ファイルが実 行中でないことを十分確認してください。 また 6.4. 「Chroot 環境への移行 」 に示したコマンドにより chroot 環境に入っているかどうか定かでない場合 は、 いったんログアウトしてください。 logout 再度 chroot 環境に入ります。 chroot $LFS /tools/bin/env -i \ HOME=/root TERM=$TERM PS1='\u:\w\$ ' \ PATH=/bin:/usr/bin:/sbin:/usr/sbin \ /tools/bin/bash --login 以下により実行バイナリやライブラリを安全にストリップします。 /tools/bin/find /{,usr/}{bin,lib,sbin} -type f \ -exec /tools/bin/strip --strip-debug '{}' ';' ファイルフォーマットが認識できないファイルがいくつも警告表示されますが 、無視して構いません。 この警告は、処理したファイルが実行モジュールでは なくスクリプトファイルであることを示しています。 ディスク容量が極端に少ない場合は /{,usr/}{bin,sbin} ディレクトリにある 実行モジュールに対して --strip-all オプションを用いることもできます。 この場合さらに数 MB の容量を節約できます。 ただしこれをライブラリに対し て用いてはなりません。 これを用いてしまうとライブラリが破壊されてしまい ます。 6.62. 仕切り直し それまで入っていた chroot 環境からいったん抜け出て、以下の chroot コマ ンドにより入り直します。 chroot "$LFS" /usr/bin/env -i \ HOME=/root TERM="$TERM" PS1='\u:\w\$ ' \ PATH=/bin:/usr/bin:/sbin:/usr/sbin \ /bin/bash --login 上を実行するのは /tools ディレクトリがもう必要ないからです。 ですから / tools ディレクトリが一切無くてよいなら削除しても構いません。 注記 /tools ディレクトリを削除すると、ツールチェーンのテストに用いていた Tcl 、Expect、DejaGNU も削除することになります。 後々これらのプログラムを用 いるなら、再度コンパイルとインストールを行う必要があります。 BLFS ブッ クにてその手順を説明しているので http://www.linuxfromscratch.org/blfs/ を参照してください。 仮想カーネルファイルシステムを、手動により、あるいはリブートによりアン マウントした場合は chroot 環境に入る前にそれらがマウントされていること を確認してください。 その作業手順は 6.2.2. 「/dev のマウントと有効化」 と 6.2.3. 「仮想カーネルファイルシステムのマウント」 で説明しています。 第7章 ブートスクリプトの設定 7.1. はじめに この章では LFS ブートスクリプトパッケージのインストールと設定について説 明します。 スクリプトのほとんどは修正する必要がありませんが、 中にはハ ードウェアに依存する情報を取り扱うため追加設定を要するものもあります。 System V系のスクリプトが広く用いられていることから、本書でもこれを利用 します。 これとは別の方法として BSD 系の初期化スクリプトがあり http:// www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/bsd-init.txt にて説明さ れています。また LFS メーリングリストで 「depinit」 という語を検索して みれば、さらに別の方法が示されていますので確認してください。 初期化スクリプトに関して別の方法をとるのであれば、本章は読み飛ばして 第 8章 に進んでください。 7.2. LFS-ブートスクリプト-20100124 LFS-ブートスクリプトパッケージは LFS システムの起動、終了時に利用するス クリプトを提供します。 概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下 必要ディスク容量: 980 KB 7.2.1. LFS ブートスクリプトのインストール パッケージをインストールします。 make install 7.2.2. LFS ブートスクリプトの構成 インストールスクリプト: checkfs, cleanfs, console, consolelog, functions, halt, ifdown, ifup, localnet, modules, mountfs, mountkernfs, network, rc, reboot, sendsignals, setclock, static, swap, sysctl, sysklogd, template, udev, udev_retry 概略説明 ファイルシステムがマウントされる前にその整合性をチェックし checkfs ます。 (ただしジャーナルファイルシステムとネットワークベー スのファイルシステムは除きます。) リブートの際に不要となるファイルを削除します。 例えば /var/ run/ ディレクトリや /var/lock/ ディレクトリの配下にあるファ cleanfs イルです。 /var/run/utmp ファイルは再生成されます。 また / etc/nologin、 /fastboot、 /forcefsck がおそらく存在しており 、これらは削除されます。 必要となるキーボードレイアウトに対しての正しいキーマップテ console ーブルをロードします。 同時にスクリーンフォントもセットしま す。 consolelog カーネルのログレベルを設定して、コンソールに出力されるメッ セージを制御します。 functions 共通的な関数を提供します。 例えばエラーやステータスのチェッ クなどであり、これはブートスクリプトの多くが利用します。 halt システムを停止します。 ifdown ネットワークデバイスを停止するネットワークスクリプトをサポ ートします。 ifup ネットワークデバイスを起動するネットワークスクリプトをサポ ートします。 localnet システムのホスト名とローカルループバックデバイスを設定しま す。 modules /etc/sysconfig/modules にて一覧設定されているカーネルモジュ ールをロードします。 その際には引数が指定され利用されます。 ファイルシステムをすべてマウントします。 ただし noauto が設 mountfs 定されているものやネットワークベースのファイルシステムは除 きます。 mountkernfs 仮想カーネルファイルシステムをマウントします。 例えば proc などです。 ネットワークカードなどのネットワークインターフェースを設定 network します。 そして (可能であれば) デフォルトゲートウェイを設定 します。 ランレベルを制御するマスタースクリプト。 他のブートスクリプ rc トを一つずつ実行します。 その際には実行されるシンボリックの 名前によって実行順序を決定します。 reboot システムを再起動します。 sendsignals システムが再起動または停止する前に、プロセスすべてが停止し ていることを確認します。 setclock ハードウェアクロックが UTC 時刻に設定されていなければ、カー ネルクロックをローカル時刻としてリセットします。 ネットワークインターフェースに対して固定 IP (Internet static Protocol) アドレスを割り当てるために必要となる機能を提供し ます。 swap スワップファイルやスワップパーティションを有効または無効に します。 sysctl /etc/sysctl.conf ファイルが存在している場合、実行中のカーネ ルに対してシステム設定値をロードします。 sysklogd システムログデーモンおよびカーネルログデーモンの起動と停止 を行います。 template 他のデーモン用としてブートスクリプトを生成するためのテンプ レート。 udev /dev ディレクトリを準備して Udev を起動します。 Udev の uevent が失敗した場合にこれを再実行します。 そして udev_retry 必要に応じて、生成されたルールファイルを /dev/.udev から / etc/udev/rules.d へコピーします。 7.3. ブートスクリプトはどのようにして動くのか Linux では SysVinit という特別なブート機能があり ランレベル (run-levels) という考え方に基づいています。 ランレベルの扱いはシステム によって異なりますので、ある Linux において動作しているからといって LFS においても全く同じように動くわけではありません。 LFS では独自の方法でこ れを取り入れることにします。 ただし標準として受け入れられるような方法を 取ります。 SysVinit (これ以降は 「init」 と表現します) はランレベルという仕組みに より動作します。 ランレベルには7つのレベル (0 から 6) があります。 (実 際にはランレベルはそれ以上あるのですが、特殊な場合であって普通は利用さ れません。 詳しくは init(8) を参照してください。) 各レベルは、コンピュ ータの起動時における処理動作に対応づいており、デフォルトのランレベルは 3 となっています。 ランレベルの詳細を以下に説明します。 0: コンピュータの停止 1: シングルユーザーモード 2: マルチユーザーモード、ネットワークなし 3: マルチユーザーモード、ネットワークあり 4: 将来の拡張用として予約されています。 3 と同じものとして扱われます。 5: 4 と同様。通常 (X の xdm や KDE の kdm のような) GUI ログインに用い られます。 6: コンピュータの再起動 ランレベルを変更するには init を実行します。 はラ ンレベルを示す数字です。 例えばコンピュータを再起動するには init 6 コマ ンドを実行します。 これは reboot コマンドのエイリアスとなっています。 同様に init 0 は halt のエイリアスです。 /etc/rc.d ディレクトリの配下には複数のサブディレクトリがあります。 その ディレクトリ名は rc?.d のようになっています。 (? はランレベルの数字を表 します。) また rcsysinit.d というサブディレクトリもあります。 それらサ ブディレクトリ内には数多くのシンボリックリンクがあります。 シンボリック リンクの先頭一文字には K や S が用いられ、続いて二桁の数値文字がつけら れています。 K はサービスの停止 (kill)、S はサービスの起動 (start) を意 味します。 二桁の数字はスクリプトの起動順を定めるもので、00 から 99 ま でが割振られ、小さな数字から順に実行されます。 init コマンドによってラ ンレベルが変更される時は、そのランレベルに応じて必要なサービスが起動す るか停止することになります。 スクリプトファイルは /etc/rc.d/init.d ディレクトリにあります。 実際の処 理はここにあるファイルが用いられます。 これらに対してはシンボリックリン クが用意されています。 サービスの起動と停止を行うシンボリックリンクは / etc/rc.d/init.d ディレクトリにあるスクリプトを指し示しています。 このよ うにしているのは、各スクリプトが start、 stop、 restart、 reload、 status といった様々なパラメータにより呼び出されるためです。 K の名前を 持つシンボリックリンクが起動されるということは stop パラメータをつけて 該当するスクリプトが実行されるということです。 同様に S の名前を持つシ ンボリックリンクが起動されるということは start パラメータをつけて呼び出 されるということになります。 上の説明には例外があります。 rc0.d ディレクトリと rc6.d ディレクトリに ある、S で始まるシンボリックリンクはサービスを何も起動させません。 stop パラメータが与えられ、何らかのサービスを停止します。 ユーザーがシステム を再起動したり停止したりする際には、サービスを起動させる必要はないわけ で、システムを停止するだけで済むからです。 スクリプトに対するパラメータは以下のとおりです。 start サービスを起動します。 stop サービスを停止します。 restart サービスをいったん停止し再起動します。 reload サービスの設定ファイルを更新します。 設定ファイルが変更されたものの 、サービスの再起動は必要ではない場合に利用します。 status サービスがどの PID 値で動いているかを表示します。 ブート機能を動作させる方法は自由に取り決めて設定して構いません。 このシ ステムはつまるところあなた自身のシステムだからです。 上に示したファイル 類はブート機能を定めた一例に過ぎません。 7.4. Setclock スクリプトの設定 setclock スクリプトはハードウェアクロックから時刻を読み取ります。 ハー ドウェアクロックは BIOS クロック、あるいは CMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor) クロックとしても知られているものです。 ハードウェ アクロックが UTC に設定されていると setclock スクリプトは /etc/ localtime ファイルを参照して、ハードウェアクロックの示す時刻をローカル 時刻に変換します。 /etc/localtime ファイルは hwclock プログラムに対して 、ユーザーがどのタイムゾーンに位置するかを伝えます。 ハードウェアクロッ クが UTC に設定されているかどうかを知る方法はないので、手動で設定を行う 必要があります。 setclock スクリプトは udev によって起動されます。この時というのはブート 時であり、カーネルがハードウェアを検出する時です。 停止パラメータを与え て手動でこのスクリプトを実行することもできます。 その場合 CMOS クロック に対してシステム時刻が保存されます。 ハードウェアクロックが UTC に設定されているかどうか忘れた場合は hwclock --localtime --show を実行すれば確認できます。 このコマンドにより、ハー ドウェアクロックに基づいた現在時刻が表示されます。 その時刻が手元の時計 と同じ時刻であれば、ローカル時刻として設定されているわけです。 一方それ がローカル時刻でなかった場合は、おそらくは UTC に設定されているからでし ょう。 hwclock によって示された時刻からタイムゾーンに応じた一定時間を加 減してみてください。 例えばタイムゾーンが MST であった場合、これは GMT -0700 なので、7時間を加えればローカル時刻となります。 ハードウェアクロックが UTC 時刻として設定されていない 場合は、以下に示 す変数 UTC の値を 0 (ゼロ) にしてください。 以下のコマンドを実行して /etc/sysconfig/clock ファイルを新規に作成しま す。 cat > /etc/sysconfig/clock << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/clock UTC=1 # Set this to any options you might need to give to hwclock, # such as machine hardware clock type for Alphas. CLOCKPARAMS= # End /etc/sysconfig/clock EOF LFS において時刻の取り扱い方を示した分かりやすいヒントが http:// www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/time.txt にあります。 そ こではタイムゾーン、UTC、環境変数 TZ などについて説明しています。 7.5. Linux コンソールの設定 この節ではブートスクリプト console、 consolelog の設定方法について説明 します。 このスクリプトはキーボードマップ、コンソールフォント、カーネル ログレベルを設定します。 非アスキー文字 (例えば著作権、ポンド記号、ユー ロ記号など) を使わず、キーボードが US 配列であるなら、本節は読み飛ばし てください。 console ブートスクリプトの設定ファイルが存在しない場合は、 このスクリプトは何も行いません。 console スクリプトと consolelog スクリプトは、設定情報を /etc/sysconfig /console ファイルから読み込みます。 まずは利用するキーボードマップとス クリーンフォントを定めます。 様々な言語に応じた設定方法については http: //www.tldp.org/HOWTO/HOWTO-INDEX/other-lang.html を参照してください。 よく分からない場合は /lib/kbd ディレクトリを見て、正しいキーマップとス クリーンフォントを探してください。 マニュアルページ loadkeys(1) と setfont(8) を見て、これらのプログラムに対する適切な引数を決定してくださ い。 /etc/sysconfig/console ファイルの各行には、変数 = "値" という記述を行い ます。 そして変数には以下に示すものが利用可能です。 LOGLEVEL この変数は、コンソールに出力されるカーネルメッセージのログレベルを 指定するもので dmesg コマンドにより設定されます。 有効な設定値は "1" (メッセージ出力なし) から "8" まであり、デフォルトは "7" です。 KEYMAP この変数は loadkeys プログラムに対する引数を指定します。 このプログ ラムは 「es」 などのキーマップをロードします。 この変数がセットされ ていない場合、ブートスクリプトは loadkeys プログラムを実行せず、デ フォルトのカーネルキーマップが用いられます。 KEYMAP_CORRECTIONS この変数は (あまり利用されませんが) loadkeys プログラムを二度目に呼 び出す際の引数を指定します。 普通のキーマップでは十分な設定にならな い時の微調整を行うために利用します。 例えばユーロ記号がキーマップの 中に含まれておらずこれを付け加える場合には、この変数に対して 「 euro2」 を設定します。 FONT この変数は setfont プログラムへの引数を指定します。 一般にこの変数 にはフォント名、「-m」、アプリケーションキャラクタマップ (application character map) を順に指定します。 例えばフォントとして 「lat1-16」、アプリケーションキャラクタマップとして 「8859-1」 を指 定する場合、この変数には 「lat1-16 -m 8859-1」 を設定します。 (これ は米国にて適当な設定となります。) UTF-8 モードの場合、カーネルは UTF-8 キーマップ内の 8 ビットキーコードを変換するためにアプリケーシ ョンキャラクタマップを利用します。 したがって "-m" パラメータには、 キーマップ内キーコードのエンコーディングを指定する必要があります。 UNICODE コンソールを UTF-8 モードにするには、この変数を 「1」、 「yes」、 「true」 のいずれかに指定します。 UTF-8 ベースのロケールであればこ の設定を行います。 そうでないロケールにおいて設定するのは不適切です 。 LEGACY_CHARSET キーボードレイアウトの多くに対して、Kbd パッケージは標準的な Unicode キーマップを提供していません。 この変数にて UTF-8 ではない キーマップのエンコーディングが指定されていたら console ブートスクリ プトは利用可能な UTF-8 キーマップに変換します。 以下はいくつかの設定例です。 ・ Unicode を用いない設定では、普通は KEYMAP 変数と FONT 変数のみを定 めます。 例えばポーランド語の設定であれば以下のようになります。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console KEYMAP="pl2" FONT="lat2a-16 -m 8859-2" # End /etc/sysconfig/console EOF ・ 上で述べたように、普通のキーマップの設定に対して多少の修正を必要と する場合もあります。 以下の例はドイツ語のキーマップにユーロ記号を加 える例です。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console KEYMAP="de-latin1" KEYMAP_CORRECTIONS="euro2" FONT="lat0-16 -m 8859-15" # End /etc/sysconfig/console EOF ・ 以下は Unicode を用いたブルガリア語の設定例です。 通常のキーマップ が存在しているものと仮定しています。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console UNICODE="1" KEYMAP="bg_bds-utf8" FONT="LatArCyrHeb-16" # End /etc/sysconfig/console EOF ・ 上の例においては 512 個のグリフを持つ LatArCyrHeb-16 フォントを利用 しています。 この場合、フレームバッファを利用していなければ Linux コンソール上に鮮やかな色づけを行うことは出来なくなります。 フレーム バッファがない状態で文字フォントを変更することなく色づけを適切に行 いたい場合は、以下に示すように 256 個のグリフを持った、この言語に固 有のフォントを用いる方法もあります。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console UNICODE="1" KEYMAP="bg_bds-utf8" FONT="cyr-sun16" # End /etc/sysconfig/console EOF ・ 以下の例では ISO-8859-15 から UTF-8 へのキーマップ変換の自動化 (keymap autoconversion) を指定し、Unicode におけるデッドキー (dead keys) を有効にするものです。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console UNICODE="1" KEYMAP="de-latin1" KEYMAP_CORRECTIONS="euro2" LEGACY_CHARSET="iso-8859-15" FONT="LatArCyrHeb-16 -m 8859-15" # End /etc/sysconfig/console EOF ・ キーマップにデッドキー (dead keys) を持つものがあります。 そのキー 自身は文字を意味するものではなく、次のキー入力による文字に対するア クセント記号をつける目的のものなどです。 または複合的な入力規則を定 義するもの、例えば 「Ctrl+.、A、E を入力することで ? を得るもの」 があります。 Linux-2.6.32.8 ではキーマップに応じてデッドキーや複合 的な入力規則を解釈します。 ただしこれが正しく動作するのは、元の文字 がマルチバイトではない場合に限ります。 このような欠点は西欧のキーマ ップでは問題にはなりません。 アクセント記号なら、アクセント記号がつ いていない ASCII 文字を使ったり、ASCII 文字を二つ使って工夫したりす るからです。 しかし UTF-8 モードでは問題になります。 例えばギリシャ 語にて 「alpha」 の文字の上にアクセント記号を付けたい場合が問題です 。 これを解決するには、一つには UTF-8 の利用を諦めることであり、も う一つは X ウィンドウシステムを使うことで、そのような入力処理の制約 を解消することです。 ・ 中国語、日本語、韓国語などを利用する場合 Linux コンソールにはそれら の文字を表示できません。 この言語を利用するユーザーは X ウィンドウ システムを使ってください。 そこで用いるフォントは、必要となるコード 範囲の文字を有しており、入力メソッドも用意されています。 (例えば SCIM は数多くの言語入力をサポートしています。) 注記 /etc/sysconfig/console ファイルは Linux のテキストコンソール上の言語設 定を行うだけです。 X ウィンドウシステム、SSH セッション、シリアルコンソ ールでのキーボードレイアウトや端末フォントの設定とは無関係です。 それら に対しては、上に列記した最後の二項目における制約は適用されません。 日本語訳情報 日本の方であれば 「日本語106キーボード」 をほぼ間違いなくお使いかと思い ますので KEYMAP 変数には 「jp106」 を設定することになるでしょう。 FONT 変数について訳者は十分な知識がありません。 ここに何を設定すべきか分から ない (調べていない) ため、何も設定しないでいる状態です。 訳者は LFS シ ステム構築後は SSH 接続によりシステムアクセスしており、その場合ここでの フォントの設定がどうであろうと (おそらく) 無関係であるため、あまり気に せずにいます。 何か情報を頂けるようであればご教示よろしくお願いいたしま す。 訳者が行っている設定は以下のとおりです。 cat > /etc/sysconfig/console << "EOF" # Begin /etc/sysconfig/console KEYMAP="jp106" # End /etc/sysconfig/console EOF 7.6. Sysklogd スクリプトの設定 sysklogd スクリプトは syslogd プログラムをパラメータ -m 0 で実行します 。 このオプションは syslogd がデフォルトで 20分おきにログファイルに対し て周期的にタイムスタンプを書き込む機能を無効にします。 この機能を有効に したい場合は sysklogd スクリプトを書き換えてください。詳しくは man syslogd を入力して man ページを参照してください。 7.7. /etc/inputrc ファイルの生成 inputrc ファイルはキーボードに応じたキーボードマップを定めます。 このフ ァイルは入力に関連するライブラリ Readline が利用するもので、このライブ ラリは Bash などのシェルから呼び出されます。 ユーザー固有のキーボードマップを必要となるのはまれなので、以下の /etc/ inputrc ファイルによって、ログインユーザーすべてに共通するグローバルな 定義を生成します。 各ユーザーごとにこのデフォルト定義を上書きする必要が 出てきた場合は、ユーザーのホームディレクトリに .inputrc ファイルを生成 して、修正マップを定義することもできます。 inputrc ファイルの設定方法については info bash により表示される Readline Init File の節に詳しい説明があります。 info readline にも有用 な情報があります。 以下はグローバルな inputrc ファイルの一般的な定義例です。 コメントをつ けて各オプションを説明しています。 コメントはコマンドと同一行に記述する ことはできません。 以下のコマンドを実行してこのファイルを生成します。 cat > /etc/inputrc << "EOF" # Begin /etc/inputrc # Modified by Chris Lynn # Allow the command prompt to wrap to the next line set horizontal-scroll-mode Off # Enable 8bit input set meta-flag On set input-meta On # Turns off 8th bit stripping set convert-meta Off # Keep the 8th bit for display set output-meta On # none, visible or audible set bell-style none # All of the following map the escape sequence of the value # contained in the 1st argument to the readline specific functions "\eOd": backward-word "\eOc": forward-word # for linux console "\e[1~": beginning-of-line "\e[4~": end-of-line "\e[5~": beginning-of-history "\e[6~": end-of-history "\e[3~": delete-char "\e[2~": quoted-insert # for xterm "\eOH": beginning-of-line "\eOF": end-of-line # for Konsole "\e[H": beginning-of-line "\e[F": end-of-line # End /etc/inputrc EOF 7.8. Bash シェルの初期起動ファイル シェルプログラムである /bin/bash (これ以降は単に 「シェル」 と表現しま す) は、初期起動ファイルをいくつも利用して環境設定を行います。 個々のフ ァイルにはそれぞれに目的があり、ログインや対話環境を様々に制御します。 /etc ディレクトリにあるファイルは一般にグローバルな設定を行います。 こ れに対応づいたファイルがユーザーのホームディレクトリにある場合は、グロ ーバルな設定を上書きします。 対話型ログインシェルは /bin/login プログラムを利用して /etc/passwd ファ イルを読み込み、ログインが成功することで起動します。 同じ対話型でも非ロ グインシェルの場合は [prompt]$/bin/bash のようなコマンドラインからの入 力を経て起動します。 非対話型のシェルはシェルスクリプト動作中に実行され ます。 非対話型であるのは、スクリプトの実行の最中にユーザーからの入力を 待つことがないためです。 より詳しい情報は info bash の Bash Startup Files and Interactive Shells の節を参照してください。 /etc/profile ファイルと ~/.bash_profile ファイルは、対話型のログインシ ェルとして起動した時に読み込まれます。 本節の終わりに示す /etc/profile ファイルは言語を設定するために必要とな る環境変数を定義します。 これを設定することによって以下の内容が定められ ます。 ・ プログラムの出力結果を指定した言語で得ることができます。 ・ キャラクタを英字、数字、その他のクラスに分類します。 この設定は、英 語以外のロケールにおいて、コマンドラインに非アスキー文字が入力され た場合に bash が正しく入力を受け付けるために必要となります。 ・ 各国ごとに正しくアルファベット順が並ぶようにします。 ・ 適切なデフォルト用紙サイズを設定します。 ・ 通貨、日付、時刻を正しい書式で出力するように設定します。 以下において と示しているものは、言語を表す2文字の英字 (例えば 「 en」) に、また は、国を表す2文字の英字 (例えば 「GB」) にそれぞれ 置き換えてください。 は、選択したロケールに対応したキャラクタ マップ (charmap) に置き換えてください。 オプションの修飾子として 「 @euro」 といった記述もあります。 以下のコマンドを実行すれば Glibc が取り扱うロケールを一覧で見ることがで きます。 locale -a キャラクタマップにはエイリアスがいくつもあります。 例えば 「ISO-8859-1 」 は 「iso8859-1」 や 「iso88591」 として記述することもできます。 ただ しアプリケーションによってはエイリアスを正しく取り扱うことができないも のがあります。 (「UTF-8」 の場合、「UTF-8」 と書かなければならず、これ を 「utf8」 としてはならない場合があります。) そこでロケールに対する正 規の名称を選ぶのが最も無難です。 正規の名称は以下のコマンドを実行すれば 分かります。 ここで は locale -a コマンドの出力から得られ たロケールを指定します。 (本書の例では 「en_GB.iso88591」 としています 。) LC_ALL= locale charmap 「en_GB.iso88591」 ロケールの場合、上のコマンドの出力は以下となります。 ISO-8859-1 出力された結果が 「en_GB.ISO-8859-1」 に対するロケール設定として用いる べきものです。 こうして探し出したロケールは動作確認しておくことが重要で す。 Bash の起動ファイルに記述するのはその後です。 LC_ALL= locale language LC_ALL= locale charmap LC_ALL= locale int_curr_symbol LC_ALL= locale int_prefix 上のコマンドを実行すると、言語名やロケールに応じたキャラクタエンコーデ ィングが出力されます。 また通貨や各国ごとの国際電話番号プレフィックスも 出力されます。 コマンドを実行した際に以下のようなメッセージが表示された ら、第6章にてロケールをインストールしていないか、あるいはそのロケールが Glibc のデフォルトのインストールではサポートされていないかのいずれかで す。 locale: Cannot set LC_* to default locale: No such file or directory このエラーが発生したら localedef コマンドを使って、目的とするロケールを インストールするか、別のロケールを選ぶ必要があります。 これ以降の説明で は Glibc がこのようなエラーを生成していないことを前提に話を進めます。 LFS には含まれない他のパッケージにて、指定したロケールをサポートしてい ないものがあります。 例えば X ライブラリ (X ウィンドウシステムの一部) では、内部ファイルに指定されたキャラクタマップ名に合致しないロケールを 利用した場合に、以下のようなメッセージを出力します。 Warning: locale not supported by Xlib, locale set to C Xlib ではキャラクタマップはたいてい、英大文字とダッシュ記号を用いて表現 されます。 例えば "iso88591" ではなく "ISO-8859-1" となります。 ロケー ル設定におけるキャラクタマップ部分を取り除いてみれば、適切なロケール設 定を見出すことができます。 これはまた locale charmap コマンドを使って、 設定を変えてみてロケールを指定してみれば確認できます。 例えば "de_DE.ISO-8859-15@euro" という設定を "de_DE@euro" に変えてみて Xlib が そのロケールを認識するかどうか確認してみてください。 これ以外のパッケージでも、パッケージが求めるものとは異なるロケール設定 がなされた場合に、適切に処理されないケースがあります。 (そして必ずしも エラーメッセージが表示されない場合もあります。) そういったケースでは、 利用している Linux ディストリビューションがどのようにロケール設定をサポ ートしているかを調べてみると、有用な情報が得られるかもしれません。 適切なロケール設定が決まったら /etc/profile ファイルを生成します。 cat > /etc/profile << "EOF" # Begin /etc/profile export LANG=_.<@modifiers> # End /etc/profile EOF ロケール設定の 「C」 (デフォルト) と 「en_US」 (米国の英語利用ユーザー に推奨) は異なります。 「C」 は US-ASCII 7 ビットキャラクタセットを用い ます。 もし最上位ビットがセットされたキャラクタがあれば不適当なものとし て取り扱います。 例えば ls コマンドにおいてクエスチョン記号が表示される ことがあるのはこのためです。 また Mutt や Pine などにより電子メールが送 信される際に、そういった文字は RFC には適合しないメールとして送信されま す。 送信された文字は 「不明な 8ビット (unknown 8-bit)」 として示されま す。 そこで 8ビット文字を必要としない場合には 「C」 ロケールを指定して ください。 UTF-8 ベースのロケールは多くのプログラムにおいてサポートされていません 。 この問題については http://www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/ introduction/locale-issues.html にて説明しており、可能なものは解決を図 っていこうとしているところです。 7.9. LFS システムにおけるデバイスとモジュールの扱い 第6章にて Udev パッケージをインストールしました。 このパッケージがどの ように動作するかの詳細を説明する前に、デバイスを取り扱うかつての方法に ついて順を追って説明していきます。 Linux システムは一般に、スタティックなデバイス生成方法を採用していまし た。 この方法では /dev のもとに膨大な量の (場合によっては何千にもおよ ぶ) デバイスノードが生成されます。 現実に存在するハードウェアデバイスが 存在するかどうかに関わらずです。 これは MAKEDEV スクリプトを通じて生成 されます。 このスクリプトからは mknod プログラムが呼び出されますが、そ の呼び出しは、この世に存在するありとあらゆるデバイスのメジャー/マイナー 番号を用いて行われます。 Udev による方法では、カーネルが検知したデバイスだけがデバイスノードとな ります。 デバイスノードはシステムが起動するたびに生成されることになるの で、 tmpfs ファイルシステム上に保存されます。 (tmpfs は仮想ファイルシス テムであり、メモリ上に置かれます。) デバイスノードの情報はさほど多くな いので、消費するメモリ容量は無視できるほど少ないものです。 7.9.1. 開発経緯 2000年2月に新しいファイルシステム devfs がカーネル 2.3.46 に導入され、 2.4系の安定版カーネルにて利用できるようになりました。 このファイルシス テムはカーネルのソース内に含まれ実現されていましたが、デバイスを動的に 生成するこの手法は、主要なカーネル開発者の十分な支援は得られませんでし た。 devfs が採用した手法で問題になるのは、主にデバイスの検出・生成・命名の 方法です。 特にデバイスの命名方法がおそらく最も重大な問題です。 一般的 に言えることとして、デバイス名が変更可能であるならデバイス命名の規則は システム管理者が考えることであって、特定の開発者に委ねるべきことではあ りません。 また devfs にはその設計に起因した競合の問題があるため、根本 的にカーネルを修正しなければ解消できる問題ではありません。 そこで長い間 、保守されることがなかったために非推奨 (deprecated) として位置づけられ 、最終的に 2006年6月にはカーネルから取り除かれました。 開発版の 2.5 系カーネルと、後にリリースされた安定版のカーネル 2.6 系を 経て、新しい仮想ファイルシステム sysfs が登場しました。 sysfs が実現し たのは、システムのハードウェア設定をユーザー空間のプロセスとして表に出 したことです。 ユーザー空間での設定を可視化したことによって devfs が為 していたことを、ユーザー空間にて現実に見ることが可能になったわけです。 7.9.2. Udev の実装 7.9.2.1. Sysfs ファイルシステム sysfs ファイルシステムについては上で簡単に触れました。 sysfs はどのよう にしてシステム上に存在するデバイスを知るのか、そしてどのデバイス番号が 利用されるのか。 そこが知りたいところです。 カーネルに直接組み込まれて 構築されたドライバでは、対象のオブジェクトがカーネルによって検出された ものとしてそのオブジェクトを sysfs に登録します。 モジュールとしてコン パイルされたドライバでは、その登録がモジュールのロード時に行われます。 sysfs ファイルシステムが (/sys に) マウントされると、組み込みのドライバ によって sysfs に登録されたデータは、ユーザー空間のプロセスとデバイスノ ード生成を行う udevd にて利用可能となります。 7.9.2.2. Udev ブートスクリプト 初期起動スクリプト S10udev は、Linux のブート時にデバイスノード生成を受 け持ちます。 このスクリプトは /sbin/hotplug のデフォルトから uevent ハ ンドラを取り除きます。 この時点でカーネルは、他の実行モジュールを呼び出 す必要がないからです。 そのかわりに、カーネルが起動する uevent をネット リンクソケット (netlink socket) 上で待ち受けます。 そしてブートスクリプ トが /lib/udev/devices 内にある静的なデバイスノードをすべて /dev にコピ ーします。 デバイスやディレクトリ、シンボリックリンクがこの時点で利用可 能になっていないと、システム起動の初期段階において動的デバイスを扱う処 理が動作しないためです。 あるいは udevd 自身がそれを必要とするからでも あります。 /lib/udev/devices 内に静的なデバイスノードを生成することで、 動的デバイスを取り扱うことができないデバイスも動作させることができます 。 こうしてブートスクリプトは Udev デーモン、つまり udevd を起動し、そ れがどのような uevent であっても対応できるものとなります。 最後にブート スクリプトはカーネルに対して、すべてのデバイスにおいて既に登録されてい る uevent を再起動させ、 udevd がそれを待ち受けるものとなります。 7.9.2.3. デバイスノードの生成 Udev はデバイスのメジャー番号、マイナー番号を認識するために /sys ディレ クトリ内の sysfs の情報を参照します。 例えば /sys/class/tty/vcs/dev に は 「7:0」 という文字があります。 この文字は udevd が利用するもので、メ ジャー番号が 7、マイナー番号が 0 のデバイスノードを生成します。 /dev デ ィレクトリ配下に生成されるノードの名称とパーミッションは、 /etc/udev/ rules.d/ ディレクトリにある各種ファイルが指定する規則に従って決まります 。 それらのファイルは番号付けがされています。 LFS-ブートスクリプトパッ ケージにおける方法に似ています。 Udev がデバイスを生成しようとしてその 生成規則が見つけられなかった場合は、デフォルトのパーミッションは 660、 デフォルトの所有者は root:root となります。 Udev におけるデバイス生成規 則を設定するファイルについて、その文法を示したドキュメントが /usr/share /doc/udev-151/writing_udev_rules/index.html にあります。 7.9.2.4. モジュールのロード モジュールとしてコンパイルされたデバイスドライバの場合、デバイス名の別 名が作り出されています。 その別名は modinfo プログラムを使えば確認する ことができます。 そしてこの別名は、モジュールがサポートするバス固有の識 別子に関連づけられます。 例えば snd-fm801 ドライバは、ベンダーID 0x1319 とデバイスID 0x0801 の PCI ドライバをサポートします。 そして 「 pci:v00001319d00000801sv*sd*bc04sc01i*」 というエイリアスがあります。 たいていのデバイスでは、sysfs を通じてドライバがデバイスを扱うものであ り、ドライバのエイリアスをバスドライバが提供します。 /sys/bus/pci/ devices/0000:00:0d.0/modalias ファイルならば 「 pci:v00001319d00000801sv00001319sd00001319bc04sc01i00」 という文字列を 含んでいるはずです。 Udev が提供するデフォルトの生成規則によって udevd から /sbin/modprobe が呼び出されることになり、その際には uevent に関す る環境変数 MODALIAS の設定内容が利用されます。 (この環境変数の内容は sysfs 内の modalias ファイルの内容と同じはずです。) そしてワイルドカー ドが指定されているならそれが展開された上で、エイリアス文字列に合致する モジュールがすべてロードされることになります。 上の例で forte ドライバがあったとすると、snd-fm801 の他にそれもロードさ れてしまいます。 これは古いものでありロードされて欲しくないものです。 不要なドライバのロードを防ぐ方法については後述しているので参照してくだ さい。 カーネルは、ネットワークプロトコル、ファイルシステム、NLS サポートとい った各種モジュールも、要求に応じてロードすることもできます。 7.9.2.5. ホットプラグ可能な/ダイナミックなデバイスの扱い USB (Universal Serial Bus) で MP3 プレイヤーを接続しているような場合、 カーネルは現在そのデバイスが接続されているということを認識しており、 uevent が生成済の状態にあります。 その uevent は上で述べたように udevd が取り扱うことになります。 7.9.3. モジュールロードとデバイス生成の問題 自動的にデバイスが生成される際には、いくつか問題が発生します。 7.9.3.1. カーネルモジュールが自動的にロードされない問題 Udev がモジュールをロードできるためには、バス固有のエイリアスがあって、 バスドライバが sysfs に対して適切なエイリアスを提供していることが必要で す。 そうでない場合は、別の手段を通じてモジュールのロードを仕組まなけれ ばなりません。 Linux-2.6.32.8 においての Udev は、 INPUT、IDE、PCI、USB 、SCSI、SERIO、FireWire の各デバイスに対するドライバをロードします。 そ れらのデバイスドライバが適切に構築されているからです。 目的のデバイスドライバが Udev に対応しているかどうかは、 modinfo コマン ドに引数としてモジュール名を与えて実行します。 /sys/bus ディレクトリ配 下にあるそのデバイス用のディレクトリを見つけ出して、 modalias ファイル が存在しているかどうかを見ることで分かります。 sysfs に modalias ファイルが存在しているなら、そのドライバはデバイスを サポートし、デバイスとの直接のやり取りが可能であることを表します。 ただ しエイリアスを持っていなければ、それはドライバのバグです。 その場合は Udev に頼ることなくドライバをロードするしかありません。 そしてそのバグ が解消されるのを待つしかありません。 /sys/bus ディレクトリ配下の対応するディレクトリ内に modalias ファイルが なかったら、これはカーネル開発者がそのバス形式に対する modalias のサポ ートをまだ行っていないことを意味します。 Linux-2.6.32.8 では ISA バスが これに該当します。 最新のカーネルにて解消されることを願うしかありません 。 Udev は snd-pcm-oss のような 「ラッパー (wrapper)」 ドライバや loop の ような、現実のハードウェアに対するものではないドライバは、ロードするこ とができません。 7.9.3.2. カーネルモジュールが自動的にロードされず Udev もロードしようと しない問題 「ラッパー (wrapper)」 モジュールが単に他のモジュールの機能を拡張するだ けのものであるなら (例えば snd-pcm-oss は snd-pcm の機能拡張を行うもの で、 OSS アプリケーションに対してサウンドカードを利用可能なものにするだ けのものであるため) modprobe の設定によってラッパーモジュールを先にロー ドし、その後でラップされるモジュールがロードされるようにします。 これは 以下のように /etc/modprobe.d/.conf ファイル内にて 「install」 の記述行を加えることで実現します。 install snd-pcm /sbin/modprobe -i snd-pcm ; \ /sbin/modprobe snd-pcm-oss ; true 問題のモジュールがラッパーモジュールではなく、単独で利用できるものであ れば、 S05modules ブートスクリプトを編集して、システム起動時にこのモジ ュールがロードされるようにします。 これは /etc/sysconfig/modules ファイ ルにて、そのモジュール名を単独の行に記述することで実現します。 この方法 はラッパーモジュールに対しても動作しますが、この場合は次善策となります 。 7.9.3.3. Udev が不必要なモジュールをロードする問題 不必要なモジュールはこれをビルドしないことにするか、あるいは /etc/ modprobe.d/blacklist.conf ファイルにブラックリスト (blacklist) として登 録してください。 例えば forte モジュールをブラックリストに登録するには 以下のようにします。 blacklist forte ブラックリストに登録されたモジュールは modprobe コマンドを使えば手動で ロードすることもできます。 7.9.3.4. Udev が不正なデバイスを生成する、または誤ったシンボリックリン クを生成する問題 デバイス生成規則が意図したデバイスに合致していないと、この状況が往々に して起こります。 例えば生成規則の記述が不十分であった場合、SCSI ディス ク (本来望んでいるデバイス) と、それに対応づいたものとしてベンダーが提 供する SCSI ジェネリックデバイス (これは誤ったデバイス) の両方に生成規 則が合致してしまいます。 記述されている生成規則を探し出して正確に記述し てください。 その際には udevadm info コマンドを使って情報を確認してくだ さい。 7.9.3.5. Udev 規則が不審な動きをする問題 この問題は、一つ前に示したものが別の症状となって現れたものかもしれませ ん。 そのような理由でなく、生成規則が正しく sysfs の属性を利用している のであれば、それはカーネルの処理タイミングに関わる問題であって、カーネ ルを修正すべきものです。 今の時点では、該当する sysfs の属性の利用を待 ち受けるような生成規則を生成し、 /etc/udev/rules.d/ 10-wait_for_sysfs.rules ファイルにそれを追加することで対処できます。 (/ etc/udev/rules.d/10-wait_for_sysfs.rules ファイルがなければ新規に生成し ます。) もしこれを実施してうまくいった場合は LFS 開発メーリングリストに お知らせください。 7.9.3.6. Udev がデバイスを生成しない問題 ここでは以下のことを前提としています。 まずドライバがカーネル内に静的に 組み入れられて構築されているか、あるいは既にモジュールとしてロードされ ていること。 そして Udev が異なった名前のデバイスを生成していないことで す。 Udev がデバイスノード生成のために必要となる情報を知るためには、カーネル ドライバが sysfs に対して属性データを提供していなければなりません。 こ れはカーネルツリーの外に配置されるサードパーティ製のドライバであれば当 たり前のことです。 したがって /lib/udev/devices において、適切なメジャ ー・マイナー番号を用いた静的なデバイスノードを生成してください。 (カー ネルのドキュメント devices.txt またはサードパーティベンダーが提供するド キュメントを参照してください。) この静的デバイスノードは、S10udev ブー トスクリプトによって /dev にコピーされます。 7.9.3.7. 再起動後にデバイスの命名順がランダムに変わってしまう問題 これは Udev の設計仕様に従って発生するもので、uevent の扱いとモジュール のロードが平行して行われるためです。 このために命名順が予期できないもの になります。 これを 「固定的に」 することはできません。 ですからカーネ ルがデバイス名を固定的に定めるようなことを求めるのではなく、シンボリッ クリンクを用いた独自の生成規則を作り出して、そのデバイスの固定的な属性 を用いた固定的な名前を用いる方法を取ります。 固定的な属性とは例えば、 Udev によってインストールされる様々な *_id という名のユーティリティが出 力するシリアル番号などです。 設定例については 7.10. 「デバイスへのシン ボリックリンクの生成」 や 7.13. 「ネットワークスクリプトの設定」 を参照 してください。 7.9.4. 参考情報 さらに参考になるドキュメントが以下のサイトにあります: ・ devfs のユーザー空間での実装方法 http://www.kroah.com/linux/talks/ ols_2003_udev_paper/Reprint-Kroah-Hartman-OLS2003.pdf ・ sysfs ファイルシステム http://www.kernel.org/pub/linux/kernel/ people/mochel/doc/papers/ols-2005/mochel.pdf ・ より詳細なドキュメントへのリンク http://www.kernel.org/pub/linux/ utils/kernel/hotplug/udev.html 7.10. デバイスへのシンボリックリンクの生成 7.10.1. CD-ROM のシンボリックリンク 後にインストールしていくソフトウェア (例えばメディアプレーヤーなど) で は、/dev/cdrom や /dev/dvd といったシンボリックリンクを必要とするものが あります。 これらはそれぞれ CD-ROM、DVD-ROM を指し示しています。 こうい ったシンボリックリンクは /etc/fstab ファイルに設定しておくのが便利です 。 Udev が提供するスクリプトファイルで、ルールファイル (rules files) を 生成するものがあります。 そのルールファイルは、各デバイスの性能に応じて シンボリックファイルを構成します。 もっともこのスクリプトファイルを利用 する際には、二つ存在する動作モードのいずれを用いるかを決めなければなり ません。 一つは 「パス (by-path)」 モードです。 これは USB デバイスやファームウ ェアデバイスに対してデフォルトで利用されます。 これによって作り出される ルールは CD や DVD デバイスに対して物理パスが用いられます。 二つめは 「 ID (by-id)」 モードです。 デフォルトで IDE や SCSI デバイスに利用されま す。 このモードで作り出されるルールは CD や DVD デバイス自身が持つ識別 文字列が用いられます。 パスは Udev の path_id スクリプトによって決定し ます。 一方、識別文字列は ata_id プログラムまたは scsi_id プログラムに よってハードウェアから読み出されます。 ata_id、 scsi_id のいずれである かは、そのデバイスによって決まります。 二つの方法にはそれぞれに利点があります。 どちらの方法が適切であるかは、 デバイスがどのように変更されるかによります。 デバイスに対する物理パス (そのデバイスが接続しているポートやスロット) を変更したい場合、例えば IDE ポートや USB コネクタを切り替えたいような場合、 「ID (by-id)」 モー ドを使うべきです。 一方、デバイスの識別文字列を変えたい場合、つまりデバ イスが故障したために、同等の性能の新しいデバイスを同一コネクタに接続し ようとする場合は、 「パス (by-path)」 モードを使うべきです。 いずれの変更の可能性もあるならば、より変更の可能性の高いケースに従って モードを選ぶべきです。 重要項目 外部接続のデバイス (例えば USB 接続の CD ドライブなど) はパス (by-path) モードを用いるべきではありません。 そのようなデバイスは接続するたびに外 部ポートが新しくなり、物理パスが変わってしまうためです。 こういった外部 接続のデバイスを物理パスで認識させ Udev ルールを構成した場合は、あらゆ るデバイスがこの問題を抱えることになります。 これは CD や DVD ドライブ だけに限った話ではありません。 Udev スクリプトが利用しているキーの値を確認したい場合は /sys ディレクト リ配下を確認します。 例えば CD-ROM デバイスについては /sys/block/hdd を 確認します。 そして以下のようなコマンドを実行します。 udevadm test /sys/block/hdd 出力結果には *_id というプログラム名を示した行がたくさん表示されます。 「ID (by-id)」 モードは ID_SERIAL 値が存在して空でなければこれを利用し ます。 そうでない時は ID_MODEL と ID_REVISION を利用します。 「パス (by-path)」 モードは ID_PATH の値を利用します。 デフォルトモードが利用状況に合わない場合は、 /lib/udev/rules.d/ 75-cd-aliases-generator.rules ファイルに対して以下のように修正を行いま す。 mode の部分は 「by-id」 か 「by-path」 に置き換えます。 sed -i -e 's/write_cd_rules/& mode/' \ /lib/udev/rules.d/75-cd-aliases-generator.rules ここでルールファイルやシンボリックリンクを作成する必要はありません。 こ の時点ではホストの /dev ディレクトリに対して LFS システムに向けてのバイ ンドマウント (bind-mounted) を行っており、ホスト上にシンボリックリンク が存在していると仮定しているからです。 ルールファイルとシンボリックリン クは LFS システムを初めてブートした時に生成されます。 もっとも CD-ROM デバイスが複数あると、ブート時に生成されるシンボリック リンクが、ホスト利用時に指し示されていたものとは異なる場合が発生します 。 デバイスの検出順は予測できないものだからです。 LFS システムを初めて 起動した時の割り当ては、たぶん固定的に行われるはずです。 つまりこのこと は、ホストシステムと LFS システムの双方で、シンボリックリンクが同じデバ イスを指し示すことが必要である場合にのみ問題となります。 これが必要であ るなら、生成されている /etc/udev/rules.d/70-persistent-cd.rules ファイ ルを起動後に調査して (おそらくは編集して) 割り当てられたシンボリックリ ンクが望むものになっているかどうかを確認してください。 7.10.2. 重複するデバイスの取り扱い方 7.9. 「LFS システムにおけるデバイスとモジュールの扱い」 で説明したよう に、 /dev 内に同一機能を有するデバイスがあったとすると、その検出順は本 質的にランダムです。 例えば USB 接続のウェブカメラと TV チューナーがあ ったとして、 /dev/video0 がウェブカメラを、また /dev/video1 がチューナ ーをそれぞれ参照していたとしても、システム起動後はその順が逆になること があります。 サウンドカードやネットワークカードを除いた他のハードウェア であれば、 Udev ルールを適切に記述することで、固定的なシンボリックリン クを作り出すことができます。 ネットワークカードについては、別途 7.13. 「ネットワークスクリプトの設定」 にて説明しています。 またサウンドカー ドの設定方法は BLFS にて説明しています。 利用しているデバイスに上の問題の可能性がある場合 (お使いの Linux ディス トリビューションではそのような問題がなかったとしても) /sys/class ディレ クトリや /sys/block ディレクトリ配下にある対応ディレクトリを探してくだ さい。 ビデオデバイスであれば /sys/class/video4linux/videoX といったデ ィレクトリです。 そしてそのデバイスを一意に特定する識別情報を確認してく ださい。 (通常はベンダー名、プロダクトID、シリアル番号などです。) udevadm info -a -p /sys/class/video4linux/video0 シンボリックリンクを生成するルールを作ります。 cat > /etc/udev/rules.d/83-duplicate_devs.rules << "EOF" # Persistent symlinks for webcam and tuner KERNEL=="video*", ATTRS{idProduct}=="1910", ATTRS{idVendor}=="0d81", \ SYMLINK+="webcam" KERNEL=="video*", ATTRS{device}=="0x036f", ATTRS{vendor}=="0x109e", \ SYMLINK+="tvtuner" EOF こうしたとしても /dev/video0 と /dev/video1 はチューナーとウェブカメラ のいずれかをランダムに指し示すことに変わりありません。 (したがって直接 このデバイス名を使ってはなりません。) しかしシンボリックリンク /dev/ tvtuner と /dev/webcam は常に正しいデバイスを指し示すようになります。 7.11. localnet スクリプトの設定 localnet スクリプトの行う作業の1つが、システムのホスト名を定めることで す。 この設定は /etc/sysconfig/network ファイルにて行います。 以下のコマンドにより /etc/sysconfig/network ファイルを生成しホスト名を 定めます。 echo "HOSTNAME=" > /etc/sysconfig/network の部分はコンピュータに与える名称に置き換えてください。 ここには完 全修飾ドメイン名 (Fully Qualified Domain Name; FQDN) を記述しないでくだ さい。 それは次節に示す /etc/hosts ファイルにて設定します。 7.12. /etc/hosts ファイルの設定 ネットワークカードの準備ができたら完全修飾ドメイン名 (fully-qualified domain name; FQDN) とそのエイリアス名を決定して /etc/hosts ファイルに記 述します。 記述書式は以下のとおりです。 IP_address myhost.example.org aliases インターネットに公開されていないコンピュータである場合 (つまり登録ドメ インであったり、あらかじめ IP アドレスが割り当てられていたりする場合。 普通のユーザーはこれを持ちません。) IP アドレスはプライベートネットワー ク IP アドレスの範囲で指定します。 以下がそのアドレス範囲です。 Private Network Address Range Normal Prefix 10.0.0.1 - 10.255.255.254 8 172.x.0.1 - 172.x.255.254 16 192.168.y.1 - 192.168.y.254 24 x は 16 から 31、y は 0 から 255 の範囲の数値です。 IP アドレスの例は 192.168.11.1 となります。 また FQDN の例としては lfs.example.org となります。 ネットワークカードを用いない場合でも FQDN の記述は行ってください。 特定 のプログラムが動作する際に必要となることがあるからです。 以下のようにして /etc/hosts ファイルを生成します。 cat > /etc/hosts << "EOF" # Begin /etc/hosts (network card version) 127.0.0.1 localhost <192.168.1.1> [alias1] [alias2 ...] # End /etc/hosts (network card version) EOF <192.168.1.1> や の部分は利用状況に応じて書き換 えてください。 (ネットワーク管理者から IP アドレスを指定されている場合 や、既存のネットワーク環境に接続する場合など。) エイリアスの記述 ( alias1, alias2 ) は省略しても構いません。 ネットワークカードを設定しない場合は、以下のようにして /etc/hosts ファ イルを生成します。 cat > /etc/hosts << "EOF" # Begin /etc/hosts (no network card version) 127.0.0.1 localhost # End /etc/hosts (no network card version) EOF 7.13. ネットワークスクリプトの設定 本節はネットワークカードを設定する場合にのみ作業を行っていきます。 ネットワークカードを利用しない場合は、ネットワークカードに関連する設定 ファイルを生成する必要はありません。 その場合は、ランレベルに対するすべ てのディレクトリ (/etc/rc.d/rc*.d) から network シンボリックリンクを削 除してください。 7.13.1. ネットワークインターフェースに対する固定名称の作成 Udev やモジュラー化されたネットワークドライバにおいて、ネットワークイン ターフェースの番号の割振りは再起動により変更されます。 ドライバモジュー ルの読み込みが並列で行われるためランダムになるからです。 例えば Intel 製と Realtek 製の二つのネットワークカードを持つコンピュータにおいて、 Intel 製が eth0、 Realtek 製が eth1 となったとします。 しかし時にはシス テムの再起動によって番号割り振りが逆転することもあります。 これを避ける には Udev ルールを生成して、ネットワークカードの MAC アドレスに基づいて 固定的に名称を定める方法があります。 ブートを繰り返しても特定のデバイスには同一の名前が割り当たるようなルー ル記述を試しに生成します。 まずは以下を実行します。 for NIC in /sys/class/net/* ; do INTERFACE=${NIC##*/} udevadm test --action=add $NIC done そして /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules ファイルを見て、どのネ ットワークデバイスにどんな名前が割り当てられているかを確認します。 cat /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules このファイルの先頭にはコメントが数行あり、続いてそれぞれの NIC に対する 行があります。 NIC ごとの記述では一行めがコメントで、そのハードウェア ID が記されています。 (PCI カードである場合、PCI ベンダとデバイス ID が 記述されます。) またドライバが検出できている場合には、カッコ書きでドラ イバ名も示されます。 ハードウェア ID もドライバ名も、インターフェースに 対して与えられる名称とは無関係で、単に分かりやすくするために記されてい るにすぎません。 二行めは Udev ルールであり、その NIC を定め、名称を割 り当てている記述です。 Udev ルールはいくつかのキー項目で構成され、それぞれがカンマで区切られる か、場合によっては空白文字で区切られています。 このキー項目とその内容は 以下のようになります。 ・ SUBSYSTEM=="net" - ネットワークカードではないデバイスは無視すること を指示します。 ・ ACTION=="add" - uevent の add イベントではないものは無視することを 指示します。 (uevent の "remove" イベントや "change" イベントも発生 しますが、これらはネットワークインターフェースの名前を変更するもの ではありません。) ・ DRIVERS=="?*" - Udev に対して VLAN やブリッジサブインターフェース (bridge sub-interfaces) を無視することを指示します。 (サブインター フェースにはドライバがないためです。) サブインターフェースに名前が 割り当てられたとすると、親デバイスの名前と衝突してしまうため、サブ インターフェースの名前割り当てはスキップされます。 ・ ATTR{address} - このキーの値は NIC の MAC アドレスを表します。 ・ ATTR{type}=="1" - 特定のワイヤレスドライバでは複数の仮想インターフ ェースが生成されますが、そのうちの主となるインターフェースにのみル ールが合致するようにします。 二つめ以降のインターフェースに対する処 理は、VLAN やブリッジサブインターフェースがスキップされるのと同じく スキップされます。 名前割り当てが行われてしまうと名前衝突を起こすた めです。 ・ KERNEL=="eth*" - 複数のネットワークインターフェースを有するマシンを 取り扱うためのルールを加えます。 このルールでは全インターフェースに 同一の MAC アドレスが用いられます。 (PS3 などがそういったマシンにな ります。) 各インターフェースに対して個別の命名が行われたとすると Udev はそれぞれを別のものとして取り扱います。 これはたいていの Linux From Scratch ユーザーにとって必要ありません。 ただそうなった としても問題はありません。 ・ NAME - Udev がインターフェースに対して割り当てる名前をキーの値とし て指定します。 NAME に定義される値が重要です。 どのネットワークカードにどんな名前が割 り当てられているかをよく確認してください。 そして以下において設定ファイ ルを生成する際には NAME に定義されている名称を利用してください。 7.13.2. ネットワークインターフェースに対する設定ファイルの生成 どのネットワークインターフェースを起動させるかは /etc/sysconfig/ network-devices ディレクトリ配下のネットワークスクリプトにより設定しま す。 そのディレクトリには、設定を行ないたい各ネットワークインターフェー スに対するサブディレクトリを準備します。 例えばネットワークインターフェ ースの名が 「xyz」 である場合 ifconfig.xyz というサブディレクトリとしま す。 このサブディレクトリ内にはネットワークインターフェースの属性、つま り IP アドレスやサブネットマスクなどを定義したファイルを置きます。 以下のコマンドは、例として eth0 デバイスに対しての ipv4 ファイルを生成 するものです。 cd /etc/sysconfig/network-devices mkdir -v ifconfig.eth0 cat > ifconfig.eth0/ipv4 << "EOF" ONBOOT=yes SERVICE=ipv4-static IP=192.168.1.1 GATEWAY=192.168.1.2 PREFIX=24 BROADCAST=192.168.1.255 EOF 各変数の値は各ファイルごとに適切なものに設定してください。 ONBOOT 変数 を 「yes」 に設定している場合、システム起動時にネットワークスクリプトが 実行され、ネットワークインターフェースカード (network interface card; NIC) を有効にします。 「yes」 以外に設定している場合、ネットワークスク リプトは NIC に対して何も行わないため NIC は有効にはなりません。 SERVICE 変数はIP アドレスの取得方法を指定します。 LFS-ブートスクリプト は IP アドレス割り当て方法をモジュール化しています。 そして /etc/ sysconfig/network-devices/services ディレクトリに追加でファイルを生成す れば、他の IP アドレス割り当て方法をとることもできます。 通常は DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) において利用されるものです。 これ については BLFS ブックにて説明しています。 GATEWAY 変数は、デフォルトゲートウェイが存在するならその IP アドレスを 指定します。 存在しない場合は、の変数設定を行っている一行をコメントにし ます。 PREFIX 変数はサブネットマスクにて用いられるビット数を指定します。 IP ア ドレスの各オクテット (octet) は 8 ビットで構成されます。 例えばサブネッ トマスクが 255.255.255.0 である場合、ネットワーク番号 (network number) を特定するには最初の三つのオクテット (24ビット) が用いられることを意味 します。 もし 255.255.255.240 であるなら、最初の 28 ビットということに なります。 24 ビットを超えるプレフィックスは、通常は DSL やケーブルを用 いたインターネットサービスプロバイダー (Internet Service Provider; ISP) がよく利用しています。 上の例 (PREFIX=24) では、サブネットマスクは 255.255.255.0 となります。 PREFIX 変数の値は、ネットワーク環境に応じて 変更してください。 7.13.3. /etc/resolv.conf ファイルの生成 インターネットへの接続を行う場合には、ドメイン名サービス (domain name service; DNS) による名前解決を必要とします。 これによりインターネットド メイン名を IP アドレスに、あるいはその逆の変換を行います。 これを行うに は ISP やネットワーク管理者が指定する DNS サーバーの割り振り IP アドレ スを /etc/resolv.conf ファイルに設定します。 以下のコマンドによりこのフ ァイルを生成します。 cat > /etc/resolv.conf << "EOF" # Begin /etc/resolv.conf domain nameserver nameserver # End /etc/resolv.conf EOF (ネームサーバーの IP アドレス) の部分に は、 DNS が割り振る適切な IP アドレスを記述します。 IP アドレスの設定は 複数行う場合もあります。 (代替構成を必要とするなら二次サーバーを設ける ことでしょう。) 一つのサーバーのみで十分な場合は、二つめの nameserver の行は削除します。 ローカルネットワークにおいてはルーターの IP アドレス を設定することになるでしょう。 第8章 LFS システムのブート設定 8.1. はじめに ここからは LFS システムをブート可能にしていきます。 この章では fstab フ ァイルを作成し、LFS システムのカーネルを構築します。 また GRUB のブート ローダをインストールして LFS システムの起動時にブートローダを選択できる ようにします。 8.2. /etc/fstab ファイルの生成 /etc/fstab ファイルは、種々のプログラムがファイルシステムのマウント状況 を確認するために利用するファイルです。 ファイルシステムがデフォルトでど こにマウントされ、それがどういう順序であるか、マウント前に (整合性エラ ーなどの) チェックを行うかどうか、という設定が行われます。 新しいファイ ルシステムに対する設定は以下のようにして生成します。 cat > /etc/fstab << "EOF" # Begin /etc/fstab # file system mount-point type options dump fsck # order /dev/ / defaults 1 1 /dev/ swap swap pri=1 0 0 proc /proc proc defaults 0 0 sysfs /sys sysfs defaults 0 0 devpts /dev/pts devpts gid=4,mode=620 0 0 tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0 # End /etc/fstab EOF の部分はシステムに合わせて正しい記述に書き換えて ください。 例えば hda2、 hda5、 ext3 といったものです。 上のファイルの6 行分の記述内容の詳細は man 5 fstab により確認してください。 マウントポイント /dev/shm は tmpfs ファイルシステムを指し示すもので POSIX 共有メモリ (POSIX-shared memory) を利用するためのものです。 この 共有メモリを正しく動作させるためには、これをサポートする機能をカーネル に組み入れておく必要があります。 (詳しくは次節にて説明します。) POSIX 共有ライブラリを利用するソフトウェアは、今のところは非常に少ないことを 覚えておいてください。 したがってマウントポイント /dev/shm は設定しなく ても構いません。 詳細については、カーネルのソース内にある Documentation /filesystems/tmpfs.txt を参照してください。 MS-DOS や Windows において利用されるファイルシステム (例えば vfat、ntfs 、smbfs、cifs、iso9660、udf) では、ファイル名称内に用いられた非アスキー 文字を正しく認識させるために、マウントオプションとして 「iocharset」 を 指定することが必要となります。 オプションに設定する値は利用するロケール とすることが必要で、カーネルが理解できる形でなければなりません。 またこ れを動作させるために、対応するキャラクタセット定義 (File systems -> Native Language Support にあります) をカーネルに組み入れるか、モジュー ルとしてビルドすることが必要です。 vfat や smbfs ファイルシステムを用い るなら、さらに 「codepage」 オプションも必要です。 このオプションには、 国情報に基づいて MS-DOS にて用いられるコードページ番号をセットします。 例えば USB フラッシュドライブをマウントし ru_RU.KOI8-R をセットするユー ザーであれば /etc/fstab ファイルの設定は以下のようになります。 noauto,user,quiet,showexec,iocharset=koi8r,codepage=866 ru_RU.UTF-8 をセットするなら以下のように変わります。 noauto,user,quiet,showexec,iocharset=utf8,codepage=866 注記 後者の設定では、カーネルが以下のようなメッセージを出力します。 FAT: utf8 is not a recommended IO charset for FAT filesystems, filesystem will be case sensitive! 否定的な設定を勧めるメッセージですが、これは無視して構いません。 「 iocharset」 オプションに他の設定を行ったとしても UTF-8 ロケールでは結局 はファイル名の表示を正しく処理できないためです。 ファイルシステムによっては codepage と iocharset のデフォルト値をカーネ ルにおいて設定することもできます。 カーネルにおいて対応する設定は 「 Default NLS Option」 (CONFIG_NLS_DEFAULT)、 「Default Remote NLS Option 」 (CONFIG_SMB_NLS_DEFAULT)、 「Default codepage for FAT」 (CONFIG_FAT_DEFAULT_CODEPAGE)、 「Default iocharset for FAT」 (CONFIG_FAT_DEFAULT_IOCHARSET) です。 なお ntfs ファイルシステムに対し ては、カーネルのコンパイル時に設定する項目はありません。 特定のハードディスクにおいて ext3 ファイルシステムでの電源供給不足時の 信頼性を向上させることができます。 これは /etc/fstab での定義においてマ ウントオプション barrier=1 を指定します。 ハードディスクがこのオプショ ンをサポートしているかどうかは hdparm を実行することで確認できます。 例 えば以下のコマンドを実行します。 hdparm -I /dev/sda | grep NCQ 何かが出力されたら、このオプションがサポートされていることを意味します 。 論理ボリュームマネージャ (Logical Volume Management; LVM) に基づいたパ ーティションでは barrier オプションは利用できません。 8.3. Linux-2.6.32.8 Linux パッケージは Linux カーネルを提供します。 概算ビルド時間: 1.5 - 5.0 SBU 必要ディスク容量: 450 - 500 MB 8.3.1. カーネルのインストール カーネルの構築は、カーネルの設定・コンパイル・インストールの順に行って いきます。 本書が行っているカーネル設定の方法以外については、カーネルソ ースツリー内にある README ファイルを参照してください。 コンパイルするための準備として以下のコマンドを実行します。 make mrproper これによりカーネルソースが完全にクリーンなものになります。 カーネル開発 チームは、カーネルコンパイルするなら、そのたびにこれを実行することを推 奨しています。 tar コマンドにより伸張しただけのソースではクリーンなもの にはなりません。 メニュー形式のインターフェースによりカーネルを設定します。 カーネルの設 定方法に関する一般的な情報が http://www.linuxfromscratch.org/hints/ downloads/files/kernel-configuration.txt にあるので参照してください。 BLFS では LFS が取り扱わない各種パッケージに対して、必要となるカーネル 設定項目を説明しています。 http://www.linuxfromscratch.org/blfs/view/ svn/longindex.html#kernel-config-index を参照してください。 make LANG= LC_ALL= menuconfig make パラメータの意味: LANG= LC_ALL= これはホストのロケール設定を指示するものです。 この設定は UTF-8 で の表示設定がされたテキストコンソールにて、 menuconfig の ncurses に よる行表示を適切に行うために必要となります。 の部分は、ホストの $LANG 変数の値に置き換えてくだ さい。 ホストにてその値が設定されていない場合は $LC_ALL あるいは $LC_CTYPE の値を設定してください。 上のコマンドではなく、状況によっては make oldconfig を実行することが適 当な場合もあります。 詳細についてはカーネルソース内の README ファイルを 参照してください。 カーネル設定は行わずに、ホストシステムにあるカーネル設定ファイル .config をコピーして利用することもできます。 そのファイルが存在すればの 話です。 その場合は linux-2.6.32.8 ディレクトリにそのファイルをコピーし てください。 もっともこのやり方はお勧めしません。 設定項目をメニューか ら探し出して、カーネル設定を一から行っていくことが望ましいことです。 カーネルイメージとモジュールをコンパイルします。 make カーネルモジュールを利用する場合 /etc/modprobe.d ディレクトリ内での設定 を必要とします。 モジュールやカーネル設定に関する情報は 7.9. 「LFS シス テムにおけるデバイスとモジュールの扱い」 や linux-2.6.32.8/ Documentation ディレクトリにあるカーネルドキュメントを参照してください 。 また modprobe.conf(5) も有用です。 カーネル設定においてモジュールを利用することにした場合、モジュールをイ ンストールします。 make modules_install カーネルのコンパイルが終わったら、インストールの完了に向けてあと少し作 業を行います。 /boot ディレクトリにいくつかのファイルをコピーします。 カーネルイメージへのパスは、利用しているプラットフォームによってさまざ まです。 そのファイル名は、好みにより自由に変更して構いません。 ただし vmlinux という語は必ず含めてください。 これにより、次節で説明するブート プロセスを自動的に設定するために必要なことです。 以下のコマンドは x86 アーキテクチャの場合の例です。 cp -v arch/x86/boot/bzImage /boot/vmlinux-2.6.32.8-lfs-6.6 System.map はカーネルに対するシンボルファイルです。 このファイルはカー ネル API の各関数のエントリポイントをマッピングしています。 同様に実行 中のカーネルのデータ構成のアドレスを保持します。 このファイルは、カーネ ルに問題があった場合にその状況を調べる手段として利用できます。 マップフ ァイルをインストールするには以下を実行します。 cp -v System.map /boot/System.map-2.6.32.8 カーネル設定ファイル .config は、上で実行した make menuconfig によって 生成されます。 このファイル内には、今コンパイルしたカーネルの設定項目の 情報がすべて保持されています。 将来このファイルを参照する必要が出てくる かもしれないため、このファイルを保存しておきます。 cp -v .config /boot/config-2.6.32.8 Linux カーネルのドキュメントをインストールします。 install -d /usr/share/doc/linux-2.6.32.8 cp -r Documentation/* /usr/share/doc/linux-2.6.32.8 カーネルのソースディレクトリは所有者が root ユーザーになっていません。 我々は chroot 環境内の root ユーザーとなってパッケージを展開してきまし たが、展開されたファイル類はパッケージ開発者が用いていたユーザー ID、グ ループ ID が適用されています。 このことは普通はあまり問題になりません。 というのもパッケージをインストールした後のソースファイルは、たいていは 削除するからです。 一方 Linux のソースファイルは、削除せずに保持してお くことがよく行われます。 このことがあるため開発者の用いたユーザーIDが、 インストールしたマシン内の誰かの ID に割り当たった状態となりえます。 そ の人はカーネルソースを自由に書き換えてしまう権限を持つことになるわけで す。 カーネルのソース・ファイルを保持しておくつもりなら linux-2.6.32.8 ディ レクトリにおいて chown -R 0:0 を実行しておいてください。 これによりその ディレクトリの所有者は root ユーザーとなります。 警告 カーネルを説明する書の中には、カーネルのソースディレクトリに対してシン ボリックリンク /usr/src/linux の生成を勧めているものがあります。 これは カーネル 2.6 系以前におけるものであり LFS システム上では生成してはなり ません 。 ベースとなる LFS システムを構築し、そこに新たなパッケージを追 加していこうとした際に、そのことが問題となるからです。 警告 さらに include ディレクトリにあるヘッダファイルは、必ず Glibc のコンパ イルによって得られるものでなければならず、つまりは Linux カーネルの tarball によって提供されるものでなければなりません。 したがってカーネル ヘッダによって上書きされてしまうのは避けなければなりません。 8.3.2. Linux モジュールのロード順の設定 USB ドライバをモジュールとして構築した場合は /etc/modprobe.d/usb.conf ファイルを生成する必要があります。 USB ドライバには ehci_hcd、ohci_hcd 、uhci_hcd があります。 これらのロード順は正しく行う必要があります。 ehci_hcd は ohci_hcd や uhci_hcd よりも先にロードしなければなりません。 これを行わないとブート時に警告メッセージが出力されます。 以下のコマンドを実行して /etc/modprobe.d/usb.conf ファイルを生成します 。 install -v -m755 -d /etc/modprobe.d cat > /etc/modprobe.d/usb.conf << "EOF" # Begin /etc/modprobe.d/usb.conf install ohci_hcd /sbin/modprobe ehci_hcd ; /sbin/modprobe -i ohci_hcd ; true install uhci_hcd /sbin/modprobe ehci_hcd ; /sbin/modprobe -i uhci_hcd ; true # End /etc/modprobe.d/usb.conf EOF 8.3.3. Linux の構成 インストールファイル: config-2.6.32.8, lfskernel-2.6.32.8, System.map-2.6.32.8 概略説明 config-2.6.32.8 カーネルの設定をすべて含みます。 Linux システムのエンジンです。 コンピュータを 起動した際には、オペレーティングシステム内にて 最初にロードされるものです。 カーネルはコンピ ュータのハードウェアを構成するあらゆるコンポー vmlinux-2.6.32.8-lfs-6.6 ネントを検知して初期化します。 そしてそれらの コンポーネントをツリー階層のファイルとして、ソ フトウェアが利用できるようにします。 ただひと つの CPU からマルチタスクを処理するマシンとし て、あたかも多数のプログラムが同時稼動している ように仕向けます。 アドレスとシンボルのリストです。 カーネル内の System.map-2.6.32.8 すべての関数とデータ構成のエントリポイントおよ びアドレスを示します。 8.4. GRUB を用いたブートプロセスの設定 8.4.1. はじめに ブートローディングというものは複雑に入り組んでいます。 そこで注意すべき 点を順に説明していきます。 ご自身が現時点で利用しているブートローダーが 何であるのか、あるいはブートを必要とする他のオペレーティングシステムが ハードドライブに存在しているかどうかについては、よく確認しておいてくだ さい。 またコンピュータが利用不能に (ブート不能に) なってしまうことに備 えて、コンピュータを「復旧 (resucue)」するブートディスクの生成も忘れな いでください。 これ以降の手順にて、 GRUB に関する特別なファイル類をハードドライブ上の 所定ディレクトリに書き出します。 ここではバックアップ目的で GRUB のブー トフロッピーディスケットを生成しておくことを強く推奨します。 空のフロッ ピーディスケットを挿入して以下を実行してください。 cd /tmp grub-mkrescue --image-type=floppy floppy.img dd if=floppy.img of=/dev/fd0 bs=1440 count=1 GRUB ではドライブやパーティションに対して (hdn,m) といった書式の命名法 を採用しています。 n はドライブ番号であり m はパーティション番号です。 いずれもゼロから数え始めます。 ただしパーティションの番号は普通は1から 数え始め、拡張パーティションは5から数え始めます。 かつてのバージョンで は共にゼロから数え始めていましたが、今はそうではないので注意してくださ い。 例えばパーティション sda1 は (hd0,1) となり、パーティション sdb3 は (hd1,3) となります。 Linux システムでの取り扱いとは違って GRUB では CD-ROM ドライブをハードドライブとしては扱いません。 例えば CD が hdb で あり2番めのハードドライブが hdc であった場合、2番めのハードドライブは (hd1) と表記されます。 ディスクデバイスを GRUB がどのような名称で取り扱うかを確認する場合は以 下を実行してください。 grub-mkdevicemap --device-map=device.map cat device.map ブートパーティションをどこにするかは各人に委ねられていて、それによって 設定方法が変わります。 推奨される1つの手順としては、ブートパーティショ ンとして独立した小さな (100MB 程度のサイズの) パーティションを設けるこ とです。 こうしておくと、この後に LFS であろうが商用ディストリビューシ ョンであろうが、システム導入する際に同一のブートファイルを利用すること が可能です。 つまりどのようなブートシステムからでもアクセスが可能となり ます。 この方法をとるなら、新たなパーティションをマウントした上で、現在 /boot ディレクトリにある全ファイルを (例えば前節にてビルドした Linux カ ーネルも) 新しいパーティションに移動させる必要があります。 そしていった んパーティションをアンマウントし、再度 /boot としてマウントしなおすこと になります。 これを行った後は/etc/fstab を適切に書き換えてください。 現時点での LFS パーティションでも問題なく動作します。 ただし複数システ ムを取り扱うための設定は、より複雑になります。 8.4.2. 設定作業 ここまでの情報に基づいて、ルートパーティションの名称を (あるいはブート パーティションを別パーティションとするならそれも含めて) 決定します。 以 下では例として、ルートパーティション (あるいは別立てのブートパーティシ ョン) が sda2 であるとします。 以下を実行して GRUB ファイル類を /boot/grub にインストールします。 grub-install --grub-setup=/bin/true /dev/sda ここでは --grub-setup=/bin/true を指定して、マスタブートレコード (Master Boot Record; MBR) への書き込みを行わないようにしています。 書き 込みを行ってしまってから元に戻すのは大変な作業になります。 そこでここで は事前にテストを行う方法をとります。 /boot/grub/grub.cfg ファイルを生成します。 grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg grub-mkconfig コマンドは /etc/grub.d/ ディレクトリにあるファイル類を利 用して、上のファイルの内容を決定します。 上の設定ファイルは以下のような ものです。 # # DO NOT EDIT THIS FILE # # It is automatically generated by /usr/sbin/grub-mkconfig using templates # from /etc/grub.d and settings from /etc/default/grub # ### BEGIN /etc/grub.d/00_header ### set default=0 set timeout=5 ### END /etc/grub.d/00_header ### ### BEGIN /etc/grub.d/10_linux ### menuentry "GNU/Linux, Linux 2.6.30.2-lfs65" { insmod ext2 set root=(hd0,2) search --no-floppy --fs-uuid --set 915852a7-859e-45a6-9ff0-d3ebfdb5cea2 linux /boot/vmlinux-2.6.32.8-lfs-6.6 root=/dev/sda2 ro } menuentry "GNU/Linux, Linux 2.6.30.2-lfs65 (recovery mode)" { insmod ext2 set root=(hd0,2) search --no-floppy --fs-uuid --set 915852a7-859e-45a6-9ff0-d3ebfdb5cea2 linux /boot/vmlinux-2.6.32.8-lfs-6.6 root=/dev/sda2 ro single } menuentry "GNU/Linux, Linux 2.6.28-11-server" { insmod ext2 set root=(hd0,2) search --no-floppy --fs-uuid --set 6b4c0339-5501-4a85-8351-e398e5252be8 linux /boot/vmlinuz-2.6.28-11-server root=UUID=6b4c0339-5501-4a85-8351-e398e5252be8 ro initrd /boot/initrd.img-2.6.28-11-server } menuentry "GNU/Linux, Linux 2.6.28-11-server (recovery mode)" { insmod ext2 set root=(hd0,2) search --no-floppy --fs-uuid --set 6b4c0339-5501-4a85-8351-e398e5252be8 linux /boot/vmlinuz-2.6.28-11-server root=UUID=6b4c0339-5501-4a85-8351-e398e5252be8 ro single initrd /boot/initrd.img-2.6.28-11-server } ### END /etc/grub.d/10_linux ### ### BEGIN /etc/grub.d/30_os-prober ### ### END /etc/grub.d/30_os-prober ### ### BEGIN /etc/grub.d/40_custom ### # This file provides an easy way to add custom menu entries. Simply type the # menu entries you want to add after this comment. Be careful not to change # the 'exec tail' line above. ### END /etc/grub.d/40_custom ### このファイルを無闇に編集するのは避けるべきですが、 grub-mkconfig コマン ドを再実行しない限りは、編集作業を行っても構いません。 search と書かれ た行は LFS システムにとっては意味がありません。 これは initrd イメージ を取り扱う際に必要となるコマンドであるからです。 ブートパーティションを 別のパーティションとしてインストールするのであれば、 linux や initrd と 書かれた行で、ファイル名称に含まれる /boot の記述は不要です。 このファ イル例では、Ubuntu のカーネルファイルが /boot に同様にあるものとして示 しています。 8.4.3. 設定のテスト GRUB のコアイメージ (core image) もマルチブートカーネル (Multiboot kernel) です。 したがって GRUB Legacy を既にインストール済であるなら、 それまでの古いブートローダーを用いて新たな GRUB-1.97.2 をロードすること が可能です。 具体的な方法としては、まず chroot 環境からいったん抜け出た 上で再度入り直し、本節の残りの作業を進めます。 /sbin/reboot ... grub> root (hd0,1) grub> kernel /boot/grub/core.img grub> boot 上に示しているコマンドは GRUB Legacy であるものとして説明しています。 この時点で GRUB は (GRUB Legacy と非常に似た) プロンプトを表示します。 そこではさまざまな入力を行ったり、grub.cfg ファイルに定められているシス テムを起動することもできます。 8.4.4. マスタブートレコードへの書き込み 上で示したように GRUB の設定に対するテストを終えたら、再び chroot 環境 に入ります。 警告 以下に示すコマンドを実行すると、現在のブートローダーを上書きします。 上 書きするのが不適当であるならコマンドを実行しないでください。 例えばマス タブートレコード (Master Boot Record; MBR) を管理するサードパーティ製の ブートマネージャソフトウェアを利用している場合などがこれに該当します。 以下により MBR を書き換えます。 grub-setup '' DEVICE の部分はブートディスクに応じて書き換えてください。 通常は '(hd0) ' あるいは /dev/sda となるはずです。 (hd0) を指定する場合は、カッコの文 字をバックスラッシュによりエスケープするか、シングルクォートで囲むよう にしてください。 そうしておかないと、サブシェルを表わすものとして解釈さ れてしまうからです。 このプログラムは以下に示すデフォルト値を用います。 ここまでの手順におい て本書とは異なる方法をとっている場合は、適切に修正してください。 ・ ブートイメージ - boot.img ・ コアイメージ - core.img ・ ディレクトリ - /boot/grub ・ デバイスマップ - device.map ・ デフォルトルート設定 - 自動推測 注記 ルート設定は grub.cfg ファイル内にて 'set root' の指定がない場合のデフ ォルト値です。 これは、カーネルや他の関連ファイルが検出するパーティショ ンとなり、 'linux' の設定行内にあるパラメータ 'root=' での設定内容とは 異なります。 'root=' での設定は、カーネルが '/' としてマウントしたパー ティションを意味します。 上に示した grub.cfg のサンプルでは、どちらも / dev/sda2 に設定していますが、ブートパーティションを別に用意している場合 は設定値が異なることとなります。 第9章 作業終了 9.1. 作業終了 できました! LFS システムのインストール終了です。 あなたの輝かしいカス タムメイドの Linux システムが完成したことでしょう。 /etc/lfs-release というファイルをここで作成することにします。 このファ イルを作っておけば、どのバージョンの LFS をインストールしたのか、すぐに 判別できます。 (もしあなたが質問を投げた時には、我々もすぐに判別できる ことになります。) 以下のコマンドによりこのファイルを生成します。 echo 6.6 > /etc/lfs-release 9.2. ユーザー登録 これにより本書の作業は終了です。 LFS ユーザー登録を行ってカウンタを取得 しますか? 以下のページ http://www.linuxfromscratch.org/cgi-bin/ lfscounter.cgi にて氏名と LFS バージョンを登録して下さい。 それではシステムの再起動を行ないましょう。 9.3. システムの再起動 ソフトウェアのインストールがすべて完了しました。 ここでコンピュータを再 起動しますが、いくつか注意しておいて下さい。 本書を通じて構築したシステ ムは最小限のものです。 これ以降に様々なことを繰り広げていくには、機能が 不足しているはずです。 もうしばらくは今までと同じように chroot 環境を利 用して BLFS ブックからいくつかのパッケージをインストールしていきましょ う。 その後のリブートにより新しい LFS システムを起動すれば、より一層、 満足できる環境を得ることになるはずです。 例えば Lynx のようなテキストウ ェブブラウザをインストールすれば、仮想端末上で BLFS ブックを参照でき、 同時にパッケージのビルドを行っていくことができます。 GPM パッケージを導 入すれば、仮想端末上にてコピー・ペースト作業を行うことができます。 また ネットワーク接続にあたって固定 IP アドレスが不適当である場合には Dhcpcd や PPP といったパッケージをインストールしておくのが良いでしょう。 さあよろしいですか。 新しくインストールした LFS システムの再起動を行い ましょう。 まずは chroot 環境から抜けます。 logout 仮想ファイルシステムをアンマウントします。 umount -v $LFS/dev/pts umount -v $LFS/dev/shm umount -v $LFS/dev umount -v $LFS/proc umount -v $LFS/sys LFS ファイルシステムもアンマウントします。 umount -v $LFS 複数のパーティションを生成していた場合は、以下のようにして複数パーティ ションをアンマウントします。 メインのパーティションのアンマウントはその 後に行います。 umount -v $LFS/usr umount -v $LFS/home umount -v $LFS 以下のようにしてシステムを再起動します。 shutdown -r now これまでの作業にて GRUB ブートローダが設定されているはずです。 そのメニ ューには LFS 6.6 を起動するためのメニュー項目があるはずです。 再起動が無事行われ LFS システムを使うことができます。 必要に応じてさら なるソフトウェアをインストールしていってください。 9.4. 今度は何? 本書をお読み頂き、ありがとうございます。 本書が皆さんにとって有用なもの となり、システムの構築方法について十分に学んで頂けたものと思います。 LFS システムをインストールしたら 「次は何を?」 とお考えになるかもしれ ません。 その質問に答えるために以下に各種の情報をまとめます。 ・ 保守 あらゆるソフトウェアにおいて、バグやセキュリティの情報は日々報告さ れています。 LFS システムはソースコードからコンパイルしていますので 、そのような報告を見逃さずにおくことは皆さんの仕事となります。 その ような報告をオンラインで提供する情報の場がありますので、いくつかを 以下に示しましょう。 □ Freshmeat.net (http://freshmeat.net/) Freshmeat は、システムにインストールされているパッケージの新し いバージョンが提供されると、それを (電子メールで) 通知してくれ ます。 □ CERT (Computer Emergency Response Team) CERT にはメーリングリストがあり、数々のオペレーティングシステム やアプリケーションにおけるセキュリティ警告を公開しています。 購 読に関する情報は http://www.us-cert.gov/cas/signup.html を参照 してください。 □ バグトラック (Bugtraq) バグトラックは、完全公開のコンピュータセキュリティに関するメー リングリストです。 これは新たに発見されたセキュリティに関する問 題を公開しています。 また時には、その問題を解消するフィックス情 報も提供してくれます。 購読に関する情報は http:// www.securityfocus.com/archive を参照してください。 ・ Beyond Linux From Scratch Beyond Linux From Scratch ブックは、 LFS ブックが取り扱うソフトウェ アの範囲を超えて、数多くのソフトウェアをインストールする手順を示し ています。 BLFS プロジェクトは以下にあります。 http:// www.linuxfromscratch.org/blfs/. ・ LFS ヒント (LFS Hints) LFS ヒントは有用なドキュメントを集めたものです。 LFS コミュニティの ボランティアによって投稿されたものです。 それらのヒントは http:// www.linuxfromscratch.org/hints/list.html にて参照することができます 。 ・ メーリングリスト 皆さんにも参加して頂ける LFS メーリングリストがあります。 何かの助 けが必要になったり、最新の開発を行いたかったり、あるいはプロジェク トに貢献したいといった場合に、参加して頂くことができます。 詳しくは 第1章 - メーリングリスト を参照してください。 ・ Linux ドキュメントプロジェクト (The Linux Documentation Project; TLDP) Linux ドキュメントプロジェクトの目指すことは Linux のドキュメントに 関わる問題を共同で取り組むことです。 TLDP ではハウツー (HOWTO)、ガ イド、man ページを数多く提供しています。 以下のサイトにあります。 http://www.tldp.org/ 第IV部 付録 付録 A. 略語と用語 日本語訳情報 本節における日本語訳は、訳語が一般的に普及していると思われるものは、そ の訳語とカッコ書き内に原語を示します。 逆に訳語に適当なものがないと思わ れるものは、無理に訳出せず原語だけを示すことにします。 この判断はあくま で訳者によるものであるため、不適切・不十分な個所についてはご指摘くださ い。 ABI アプリケーション バイナリ インターフェース (Application Binary Interface) ALFS Automated Linux From Scratch ALSA Advanced Linux Sound Architecture API アプリケーション プログラミング インターフェース (Application Programming Interface) ASCII American Standard Code for Information Interchange BIOS ベーシック インプット/アウトプット システム; バイオス (Basic Input/Output System) BLFS Beyond Linux From Scratch BSD Berkeley Software Distribution chroot ルートのチェンジ (change root) CMOS シーモス (Complementary Metal Oxide Semiconductor) COS Class Of Service CPU 中央演算処理装置 (Central Processing Unit) CRC 巡回冗長検査 (Cyclic Redundancy Check) CVS Concurrent Versions System DHCP ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル (Dynamic Host Configuration Protocol) DNS ドメインネームサービス (Domain Name Service) EGA Enhanced Graphics Adapter ELF Executable and Linkable Format EOF ファイルの終端 (End of File) EQN 式 (equation) EVMS Enterprise Volume Management System ext2 second extended file system ext3 third extended file system ext4 fourth extended file system FAQ よく尋ねられる質問 (Frequently Asked Questions) FHS ファイルシステム階層標準 (Filesystem Hierarchy Standard) FIFO ファーストイン、ファーストアウト (First-In, First Out) FQDN 完全修飾ドメイン名 (Fully Qualified Domain Name) FTP ファイル転送プロトコル (File Transfer Protocol) GB ギガバイト (gigabytes) GCC GNU コンパイラ コレクション (GNU Compiler Collection) GID グループ識別子 (Group Identifier) GMT グリニッジ標準時 (Greenwich Mean Time) GPG GNU Privacy Guard HTML ハイパーテキスト マークアップ ランゲージ (Hypertext Markup Language) IDE Integrated Drive Electronics IEEE Institute of Electrical and Electronic Engineers IO 入出力 (Input/Output) IP インターネット プロトコル (Internet Protocol) IPC プロセス間通信 (Inter-Process Communication) IRC インターネット リレイ チャット (Internet Relay Chat) ISO 国際標準化機構 (International Organization for Standardization) ISP インターネット サービス プロバイダ (Internet Service Provider) KB キロバイト (kilobytes) LED 発光ダイオード (Light Emitting Diode) LFS Linux From Scratch LSB Linux Standard Base MB メガバイト (megabytes) MBR マスタ ブート レコード (Master Boot Record) MD5 Message Digest 5 NIC ネットワーク インターフェース カード (Network Interface Card) NLS Native Language Support NNTP Network News Transport Protocol NPTL Native POSIX Threading Library OSS Open Sound System PCH プリコンパイル済みヘッダ (Pre-Compiled Headers) PCRE Perl Compatible Regular Expression PID プロセス識別子 (Process Identifier) PLFS Pure Linux From Scratch PTY 仮想端末 (pseudo terminal) QA 品質保証 (Quality Assurance) QOS クオリティ オブ サービス (Quality Of Service) RAM ランダム アクセス メモリ (Random Access Memory) RPC リモート プロシージャ コール (Remote Procedure Call) RTC リアルタイムクロック (Real Time Clock) SBU 標準ビルド時間 (Standard Build Unit) SCO サンタ クルズ オペレーション社 (The Santa Cruz Operation) SGR Select Graphic Rendition SHA1 Secure-Hash Algorithm 1 SMP 対称型マルチプロセッサ (Symmetric Multi-Processor) TLDP The Linux Documentation Project TFTP Trivial File Transfer Protocol TLS スレッド ローカル ストレージ (Thread-Local Storage) UID ユーザー識別子 (User Identifier) umask user file-creation mask USB ユニバーサル シリアル バス (Universal Serial Bus) UTC 協定世界時 (Coordinated Universal Time) UUID 汎用一意識別子 (Universally Unique Identifier) VC 仮想コンソール (Virtual Console) VGA ビデオ グラフィックス アレイ (Video Graphics Array) VT 仮想端末 (Virtual Terminal) 付録 B. 謝辞 Linux From Scratch プロジェクトへ貢献して下さった以下の方々および組織団 体に感謝致します。 ・ Gerard Beekmans - LFS 構築者、 LFS プロジェクトリーダー ・ Matthew Burgess - LFS プロジ ェクトリーダー、LFS テクニカルライター/編集者 ・ Bruce Dubbs - LFS リリース管理 者、LFS テクニカルライター/編集者 ・ Jim Gifford - CLFS プロジェクト共 同リーダー ・ Bryan Kadzban - LFS テクニカル ライター ・ Randy McMurchy - BLFS プロジェ クトリーダー、LFS 編集者 ・ DJ Lucas - LFS、BLFS 編集者 ・ Ken Moffat - LFS、CLFS 編集者 ・ Ryan Oliver - CLFS プロジェクト 共同リーダー ・ この他に数多くの方々にも協力頂きました。 皆さまには LFS や BLFS な どのメーリングリストにて、 提案、ブック内容のテスト、バグ報告、作業 指示、パッケージインストールの経験談などを通じて、本ブック製作にご 協力頂きました。 翻訳者 ・ Manuel Canales Esparcia - スペインの LFS 翻訳プロジェクト ・ Johan Lenglet - フランスの LFS 翻訳プロジェクト ・ Anderson Lizardo - ポルトガル の LFS 翻訳プロジェクト ・ Thomas Reitelbach - ドイツの LFS 翻訳 プロジェクト ミラー管理者 北米のミラー ・ Scott Kveton - lfs.oregonstate.edu ミラー ・ William Astle - ca.linuxfromscratch.org ミラ ー ・ Eujon Sellers - lfs.introspeed.com ミラー ・ Justin Knierim - lfs-matrix.net ミラー 南米のミラー ・ Manuel Canales Esparcia - lfsmirror.lfs-es.info ミラー ・ Luis Falcon - torredehanoi.org ミラー ヨーロッパのミラー ・ Guido Passet - nl.linuxfromscratch.org ミラー ・ Bastiaan Jacques - lfs.pagefault.net ミラ ー ・ Sven Cranshoff - lfs.lineo.be ミラー ・ Scarlet Belgium - lfs.scarlet.be ミラー ・ Sebastian Faulborn - lfs.aliensoft.org ミラー ・ Stuart Fox - lfs.dontuse.ms ミラー ・ Ralf Uhlemann - lfs.oss-mirror.org ミラ ー ・ Antonin Sprinzl - at.linuxfromscratch.org ミラー ・ Fredrik Danerklint - se.linuxfromscratch.org ミラー ・ Franck - lfs.linuxpourtous.com ミ ラー ・ Philippe Baque - lfs.cict.fr ミラー ・ Vitaly Chekasin - lfs.pilgrims.ru ミラ ー ・ Benjamin Heil - lfs.wankoo.org ミラー アジアのミラー ・ Satit Phermsawang - lfs.phayoune.org ミラー ・ Shizunet Co.,Ltd. - lfs.mirror.shizu-net.jp ミラー ・ Init World - lfs.initworld.com ミラー オーストラリアのミラー ・ Jason Andrade - au.linuxfromscratch.org ミラー 以前のプロジェクトチームメンバー ・ Christine Barczak - LFS ブック編集者 ・ Archaic - LFS テクニカルライター/編 集者、 HLFS プロジェクトリーダー、 BLFS 編集者、 ヒントプロジェクト とパッチプロジェクトの管理者 ・ Nathan Coulson - LFS-ブートス クリプトの管理者 ・ Timothy Bauscher ・ Robert Briggs ・ Ian Chilton ・ Jeroen Coumans - ウェブサイト 開発者、 FAQ 管理者 ・ Manuel Canales Esparcia - LFS/ BLFS/HLFS の XML と XSL の管理者 ・ Alex Groenewoud - LFS テクニカルライター ・ Marc Heerdink ・ Jeremy Huntwork - LFS テク ニカルライター、LFS LiveCD 管理者 ・ Mark Hymers ・ Seth W. Klein - FAQ 管理者 ・ Nicholas Leippe - Wiki 管理 者 ・ Anderson Lizardo - ウェブサイ トのバックエンドスクリプトの管理者 ・ Dan Nicholson - LFS/BLFS 編集者 ・ Alexander E. Patrakov - LFS テクニカルライター、 LFS 国際化に関する編集者、 LFS Live CD 管理者 ・ Simon Perreault ・ Scot Mc Pherson - LFS NNTP ゲー トウェイ管理者 ・ Greg Schafer - LFS テクニカルライ ター、 次世代 64 ビット機での構築手法の開発者 ・ Jesse Tie-Ten-Quee - LFS テクニカルライター ・ James Robertson - Bugzilla 管 理者 ・ Tushar Teredesai - BLFS ブック 編集者、 ヒントプロジェクト・パッチプロジェクトのリーダー ・ Jeremy Utley - LFS テクニカル ライター、 Bugzilla 管理者、 LFS-ブートスクリプト管理者 ・ Zack Winkles - LFS テクニカルライター 付録 C. パッケージの依存関係 LFS にて構築するパッケージはすべて、他のいくつかのパッケージに依存して いて、それらがあって初めて適切にインストールができます。 パッケージの中 には互いに依存し合っているものもあります。 つまり一つめのパッケージが二 つめのパッケージに依存しており、二つめが実は一つめのパッケージにも依存 しているような例です。 こういった依存関係があることから LFS においてパ ッケージを構築する順番は非常に重要なものとなります。 本節は LFS にて構 築する各パッケージの依存関係を示すものです。 ビルドするパッケージの個々には、3種類あるいは4種類の依存関係を示してい ます。 1つめは対象パッケージをコンパイルしてビルドするために必要となる パッケージです。 2つめは一つめのものに加えて、テストスイートを実行する ために必要となるパッケージです。 3つめは対象パッケージをビルドし、最終 的にインストールするために必要となるパッケージです。 たいていの場合、そ れらのパッケージに含まれているスクリプトが、実行モジュールへのパスを固 定的に取り扱っています。 所定の順番どおりにパッケージのビルドを行わない と、最終的にインストールされるシステムにおいて、スクリプトの中に /tools /bin/[実行モジュール] といったパスが含まれてしまうことになりかねません 。 これは明らかに不適切なことです。 依存関係として4つめに示すのは任意のパッケージであり LFS では説明してい ないものです。 しかし皆さんにとっては有用なパッケージであるはずです。 それらのパッケージは、さらに別のパッケージを必要としていたり、互いに依 存し合っていることがあります。 そういった依存関係があるため、それらをイ ンストールする場合には、LFS をすべて仕上げた後に再度 LFS 内のパッケージ を再構築する方法をお勧めします。 再インストールに関しては、たいていは BLFS にて説明しています。 Autoconf インストール依存パッケージ: Bash, Coreutils, Grep, M4, Make, Perl, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Automake, Diffutils, Findutils, GCC, Libtool 事前インストールパッケージ: Automake 任意依存パッケージ: Emacs Automake インストール依存パッケージ: Autoconf, Bash, Coreutils, Gettext, Grep, M4, Make, Perl, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Binutils, Bison, Bzip2, DejaGNU, Diffutils, Expect, Findutils, Flex, GCC, Gettext, Gzip, Libtool, Tar. 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Bash インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Bison, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Patch, Readline, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: Xorg Binutils インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Perl, Sed, Texinfo Zlib テストスイート依存パッケージ: DejaGNU, Expect 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Bison インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, M4, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: Diffutils, Findutils 事前インストールパッケージ: Flex, Kbd, Tar 任意依存パッケージ: Doxygen (テストスイート用) Bzip2 インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Glibc, Make, Patch テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Coreutils インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, GMP, Grep, Make, Patch, Perl, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Diffutils, E2fsprogs, Findutils, Util-linux-ng 事前インストールパッケージ: Bash, Diffutils, Findutils, Man-DB, Udev 任意依存パッケージ: Perl Expect と IO:Tty モジュール (テストスイート用) DejaGNU インストール依存パッケージ: Bash, Coreutils, Diffutils, GCC, Grep, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Diffutils インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Patch, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Expect インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Patch, Sed, Tcl テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし E2fsprogs インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Gzip, Make, Pkg-config, Sed, Texinfo, Util-linux-ng テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし File インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Sed, Zlib テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Findutils インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: DejaGNU, Diffutils, Expect 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Flex インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, M4, Make, Patch, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Bison, Gawk 事前インストールパッケージ: IPRoute2, Kbd, Man-DB 任意依存パッケージ: なし Gawk インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Patch, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Diffutils 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Gcc インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Findutils, Gawk, GCC, Gettext, Glibc, GMP, Grep, M4, Make, MPFR, Patch, Perl, Sed, Tar, Texinfo テストスイート依存パッケージ: DejaGNU, Expect 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: CLooG-PPL, GNAT and PPL GDBM インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Grep, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Gettext インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Diffutils, Perl, Tcl 事前インストールパッケージ: Automake 任意依存パッケージ: なし Glibc インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Gettext, Grep, Gzip, Make, Perl, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: File 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし GMP インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, M4, Make, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: MPFR, GCC 任意依存パッケージ: なし Grep インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Patch, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Gawk 事前インストールパッケージ: Man-DB 任意依存パッケージ: Pcre, Xorg, CUPS Groff インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Bison, Coreutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Patch, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: Man-DB, Perl 任意依存パッケージ: GPL Ghostscript GRUB インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Gzip インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Diffutils 事前インストールパッケージ: Man-DB 任意依存パッケージ: なし Iana-Etc インストール依存パッケージ: Coreutils, Gawk, Make テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: Perl 任意依存パッケージ: なし Inetutils インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Patch, Sed, Texinfo, Zlib テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: Tar 任意依存パッケージ: なし IProute2 インストール依存パッケージ: Bash, Bison, Coreutils, Flex, GCC, Glibc, Make, Linux API ヘッダ テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Kbd 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Shadow 任意依存パッケージ: Cracklib Shadow インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Findutils, Gawk, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Sysklogd インストール依存パッケージ: Binutils, Coreutils, GCC, Glibc, Make, Patch テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Sysvinit インストール依存パッケージ: Binutils, Coreutils, GCC, Glibc, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Tar インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Bison, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Inetutils, Make, Sed, Texinfo テストスイート依存パッケージ: Diffutils, Findutils, Gawk, Gzip 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Tcl インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Texinfo インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Patch, Sed テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Udev インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Gawk, GCC, Glibc, Grep, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Util-linux-ng インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, Findutils, Gawk, GCC, Gettext, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Sed, Zlib テストスイート依存パッケージ: テストスイートはありません 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: なし Vim インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, Diffutils, GCC, Glibc, Grep, Make, Ncurses, Sed テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: なし 任意依存パッケージ: Xorg, GTK+2, LessTif, Python, Tcl, Ruby, GPM Zlib インストール依存パッケージ: Bash, Binutils, Coreutils, GCC, Glibc, Make, Sed テストスイート依存パッケージ: なし 事前インストールパッケージ: File, Module-Init-Tools, Perl, Util-linux-ng 任意依存パッケージ: なし 付録 D. ブートスクリプトと sysconfig スクリプト version-20100124 本付録に示すスクリプトは、それらが収容されているディレクトリごとに列記 します。 /etc/rc.d/init.d、 /etc/sysconfig、 /etc/sysconfig/ network-devices、 /etc/sysconfig/network-devices/services の順です。 各 ディレクトリにおいてのスクリプトは呼び出し順に説明します。 D.1. /etc/rc.d/init.d/rc rc スクリプトは init によって呼び出される最初のスクリプトであり、ブート 処理を初期化します。 #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/rc # # Description : Main Run Level Control Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # This sets a few default terminal options. stty sane # These 3 signals will not cause our script to exit trap "" INT QUIT TSTP [ "${1}" != "" ] && runlevel=${1} if [ "${runlevel}" = "" ]; then echo "Usage: ${0} " >&2 exit 1 fi previous=${PREVLEVEL} [ "${previous}" = "" ] && previous=N if [ ! -d ${rc_base}/rc${runlevel}.d ]; then boot_mesg "${rc_base}/rc${runlevel}.d does not exist." ${WARNING} boot_mesg_flush exit 1 fi # Attempt to stop all service started by previous runlevel, # and killed in this runlevel if [ "${previous}" != "N" ]; then for i in $(ls -v ${rc_base}/rc${runlevel}.d/K* 2> /dev/null) do check_script_status suffix=${i#$rc_base/rc$runlevel.d/K[0-9][0-9]} prev_start=$rc_base/rc$previous.d/S[0-9][0-9]$suffix sysinit_start=$rc_base/rcsysinit.d/S[0-9][0-9]$suffix if [ "${runlevel}" != "0" ] && [ "${runlevel}" != "6" ]; then if [ ! -f ${prev_start} ] && [ ! -f ${sysinit_start} ]; then boot_mesg -n "WARNING:\n\n${i} can't be" ${WARNING} boot_mesg -n " executed because it was not" boot_mesg -n " not started in the previous" boot_mesg -n " runlevel (${previous})." boot_mesg "" ${NORMAL} boot_mesg_flush continue fi fi ${i} stop error_value=${?} if [ "${error_value}" != "0" ]; then print_error_msg fi done fi #Start all functions in this runlevel for i in $( ls -v ${rc_base}/rc${runlevel}.d/S* 2> /dev/null) do if [ "${previous}" != "N" ]; then suffix=${i#$rc_base/rc$runlevel.d/S[0-9][0-9]} stop=$rc_base/rc$runlevel.d/K[0-9][0-9]$suffix prev_start=$rc_base/rc$previous.d/S[0-9][0-9]$suffix [ -f ${prev_start} ] && [ ! -f ${stop} ] && continue fi check_script_status case ${runlevel} in 0|6) ${i} stop ;; *) ${i} start ;; esac error_value=${?} if [ "${error_value}" != "0" ]; then print_error_msg fi done # End $rc_base/init.d/rc D.2. /etc/rc.d/init.d/functions #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/functions # # Description : Run Level Control Functions # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : With code based on Matthias Benkmann's simpleinit-msb # http://winterdrache.de/linux/newboot/index.html # ######################################################################## ## Environmental setup # Setup default values for environment umask 022 export PATH="/bin:/usr/bin:/sbin:/usr/sbin" # Signal sent to running processes to refresh their configuration RELOADSIG="HUP" # Number of seconds between STOPSIG and FALLBACK when stopping processes KILLDELAY="3" ## Screen Dimensions # Find current screen size if [ -z "${COLUMNS}" ]; then COLUMNS=$(stty size) COLUMNS=${COLUMNS##* } fi # When using remote connections, such as a serial port, stty size returns 0 if [ "${COLUMNS}" = "0" ]; then COLUMNS=80 fi ## Measurements for positioning result messages COL=$((${COLUMNS} - 8)) WCOL=$((${COL} - 2)) ## Provide an echo that supports -e and -n # If formatting is needed, $ECHO should be used case "`echo -e -n test`" in -[en]*) ECHO=/bin/echo ;; *) ECHO=echo ;; esac ## Set Cursor Position Commands, used via $ECHO SET_COL="\\033[${COL}G" # at the $COL char SET_WCOL="\\033[${WCOL}G" # at the $WCOL char CURS_UP="\\033[1A\\033[0G" # Up one line, at the 0'th char ## Set color commands, used via $ECHO # Please consult `man console_codes for more information # under the "ECMA-48 Set Graphics Rendition" section # # Warning: when switching from a 8bit to a 9bit font, # the linux console will reinterpret the bold (1;) to # the top 256 glyphs of the 9bit font. This does # not affect framebuffer consoles NORMAL="\\033[0;39m" # Standard console grey SUCCESS="\\033[1;32m" # Success is green WARNING="\\033[1;33m" # Warnings are yellow FAILURE="\\033[1;31m" # Failures are red INFO="\\033[1;36m" # Information is light cyan BRACKET="\\033[1;34m" # Brackets are blue STRING_LENGTH="0" # the length of the current message #******************************************************************************* # Function - boot_mesg() # # Purpose: Sending information from bootup scripts to the console # # Inputs: $1 is the message # $2 is the colorcode for the console # # Outputs: Standard Output # # Dependencies: - sed for parsing strings. # - grep for counting string length. # # Todo: #******************************************************************************* boot_mesg() { local ECHOPARM="" while true do case "${1}" in -n) ECHOPARM=" -n " shift 1 ;; -*) echo "Unknown Option: ${1}" return 1 ;; *) break ;; esac done ## Figure out the length of what is to be printed to be used ## for warning messages. STRING_LENGTH=$((${#1} + 1)) # Print the message to the screen ${ECHO} ${ECHOPARM} -e "${2}${1}" } boot_mesg_flush() { # Reset STRING_LENGTH for next message STRING_LENGTH="0" } boot_log() { # Left in for backwards compatibility : } echo_ok() { ${ECHO} -n -e "${CURS_UP}${SET_COL}${BRACKET}[${SUCCESS} OK ${BRACKET}]" ${ECHO} -e "${NORMAL}" boot_mesg_flush } echo_failure() { ${ECHO} -n -e "${CURS_UP}${SET_COL}${BRACKET}[${FAILURE} FAIL ${BRACKET}]" ${ECHO} -e "${NORMAL}" boot_mesg_flush } echo_warning() { ${ECHO} -n -e "${CURS_UP}${SET_COL}${BRACKET}[${WARNING} WARN ${BRACKET}]" ${ECHO} -e "${NORMAL}" boot_mesg_flush } print_error_msg() { echo_failure # $i is inherited by the rc script boot_mesg -n "FAILURE:\n\nYou should not be reading this error message.\n\n" ${FAILURE} boot_mesg -n " It means that an unforeseen error took" boot_mesg -n " place in ${i}, which exited with a return value of" boot_mesg " ${error_value}.\n" boot_mesg_flush boot_mesg -n "If you're able to track this" boot_mesg -n " error down to a bug in one of the files provided by" boot_mesg -n " the LFS book, please be so kind to inform us at" boot_mesg " lfs-dev@linuxfromscratch.org.\n" boot_mesg_flush boot_mesg -n "Press Enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER } check_script_status() { # $i is inherited by the rc script if [ ! -f ${i} ]; then boot_mesg "${i} is not a valid symlink." ${WARNING} echo_warning continue fi if [ ! -x ${i} ]; then boot_mesg "${i} is not executable, skipping." ${WARNING} echo_warning continue fi } evaluate_retval() { error_value="${?}" if [ ${error_value} = 0 ]; then echo_ok else echo_failure fi # This prevents the 'An Unexpected Error Has Occurred' from trivial # errors. return 0 } print_status() { if [ "${#}" = "0" ]; then echo "Usage: ${0} {success|warning|failure}" return 1 fi case "${1}" in success) echo_ok ;; warning) # Leave this extra case in because old scripts # may call it this way. case "${2}" in running) ${ECHO} -e -n "${CURS_UP}" ${ECHO} -e -n "\\033[${STRING_LENGTH}G " boot_mesg "Already running." ${WARNING} echo_warning ;; not_running) ${ECHO} -e -n "${CURS_UP}" ${ECHO} -e -n "\\033[${STRING_LENGTH}G " boot_mesg "Not running." ${WARNING} echo_warning ;; not_available) ${ECHO} -e -n "${CURS_UP}" ${ECHO} -e -n "\\033[${STRING_LENGTH}G " boot_mesg "Not available." ${WARNING} echo_warning ;; *) # This is how it is supposed to # be called echo_warning ;; esac ;; failure) echo_failure ;; esac } reloadproc() { local pidfile="" local failure=0 while true do case "${1}" in -p) pidfile="${2}" shift 2 ;; -*) log_failure_msg "Unknown Option: ${1}" return 2 ;; *) break ;; esac done if [ "${#}" -lt "1" ]; then log_failure_msg "Usage: reloadproc [-p pidfile] pathname" return 2 fi # This will ensure compatibility with previous LFS Bootscripts if [ -n "${PIDFILE}" ]; then pidfile="${PIDFILE}" fi # Is the process running? if [ -z "${pidfile}" ]; then pidofproc -s "${1}" else pidofproc -s -p "${pidfile}" "${1}" fi # Warn about stale pid file if [ "$?" = 1 ]; then boot_mesg -n "Removing stale pid file: ${pidfile}. " ${WARNING} rm -f "${pidfile}" fi if [ -n "${pidlist}" ]; then for pid in ${pidlist} do kill -"${RELOADSIG}" "${pid}" || failure="1" done (exit ${failure}) evaluate_retval else boot_mesg "Process ${1} not running." ${WARNING} echo_warning fi } statusproc() { local pidfile="" local base="" local ret="" while true do case "${1}" in -p) pidfile="${2}" shift 2 ;; -*) log_failure_msg "Unknown Option: ${1}" return 2 ;; *) break ;; esac done if [ "${#}" != "1" ]; then shift 1 log_failure_msg "Usage: statusproc [-p pidfile] pathname" return 2 fi # Get the process basename base="${1##*/}" # This will ensure compatibility with previous LFS Bootscripts if [ -n "${PIDFILE}" ]; then pidfile="${PIDFILE}" fi # Is the process running? if [ -z "${pidfile}" ]; then pidofproc -s "${1}" else pidofproc -s -p "${pidfile}" "${1}" fi # Store the return status ret=$? if [ -n "${pidlist}" ]; then ${ECHO} -e "${INFO}${base} is running with Process"\ "ID(s) ${pidlist}.${NORMAL}" else if [ -n "${base}" -a -e "/var/run/${base}.pid" ]; then ${ECHO} -e "${WARNING}${1} is not running but"\ "/var/run/${base}.pid exists.${NORMAL}" else if [ -n "${pidfile}" -a -e "${pidfile}" ]; then ${ECHO} -e "${WARNING}${1} is not running"\ "but ${pidfile} exists.${NORMAL}" else ${ECHO} -e "${INFO}${1} is not running.${NORMAL}" fi fi fi # Return the status from pidofproc return $ret } # The below functions are documented in the LSB-generic 2.1.0 #******************************************************************************* # Function - pidofproc [-s] [-p pidfile] pathname # # Purpose: This function returns one or more pid(s) for a particular daemon # # Inputs: -p pidfile, use the specified pidfile instead of pidof # pathname, path to the specified program # # Outputs: return 0 - Success, pid's in stdout # return 1 - Program is dead, pidfile exists # return 2 - Invalid or excessive number of arguments, # warning in stdout # return 3 - Program is not running # # Dependencies: pidof, echo, head # # Todo: Remove dependency on head # This replaces getpids # Test changes to pidof # #******************************************************************************* pidofproc() { local pidfile="" local lpids="" local silent="" pidlist="" while true do case "${1}" in -p) pidfile="${2}" shift 2 ;; -s) # Added for legacy opperation of getpids # eliminates several '> /dev/null' silent="1" shift 1 ;; -*) log_failure_msg "Unknown Option: ${1}" return 2 ;; *) break ;; esac done if [ "${#}" != "1" ]; then shift 1 log_failure_msg "Usage: pidofproc [-s] [-p pidfile] pathname" return 2 fi if [ -n "${pidfile}" ]; then if [ ! -r "${pidfile}" ]; then return 3 # Program is not running fi lpids=`head -n 1 ${pidfile}` for pid in ${lpids} do if [ "${pid}" -ne "$$" -a "${pid}" -ne "${PPID}" ]; then kill -0 "${pid}" 2>/dev/null && pidlist="${pidlist} ${pid}" fi if [ "${silent}" != "1" ]; then echo "${pidlist}" fi test -z "${pidlist}" && # Program is dead, pidfile exists return 1 # else return 0 done else pidlist=`pidof -o $$ -o $PPID -x "$1"` if [ "${silent}" != "1" ]; then echo "${pidlist}" fi # Get provide correct running status if [ -n "${pidlist}" ]; then return 0 else return 3 fi fi if [ "$?" != "0" ]; then return 3 # Program is not running fi } #******************************************************************************* # Function - loadproc [-f] [-n nicelevel] [-p pidfile] pathname [args] # # Purpose: This runs the specified program as a daemon # # Inputs: -f, run the program even if it is already running # -n nicelevel, specifies a nice level. See nice(1). # -p pidfile, uses the specified pidfile # pathname, pathname to the specified program # args, arguments to pass to specified program # # Outputs: return 0 - Success # return 2 - Invalid of excessive number of arguments, # warning in stdout # return 4 - Program or service status is unknown # # Dependencies: nice, rm # # Todo: LSB says this should be called start_daemon # LSB does not say that it should call evaluate_retval # It checks for PIDFILE, which is deprecated. # Will be removed after BLFS 6.0 # loadproc returns 0 if program is already running, not LSB compliant # #******************************************************************************* loadproc() { local pidfile="" local forcestart="" local nicelevel="10" # This will ensure compatibility with previous LFS Bootscripts if [ -n "${PIDFILE}" ]; then pidfile="${PIDFILE}" fi while true do case "${1}" in -f) forcestart="1" shift 1 ;; -n) nicelevel="${2}" shift 2 ;; -p) pidfile="${2}" shift 2 ;; -*) log_failure_msg "Unknown Option: ${1}" return 2 #invalid or excess argument(s) ;; *) break ;; esac done if [ "${#}" = "0" ]; then log_failure_msg "Usage: loadproc [-f] [-n nicelevel] [-p pidfile] pathname [args]" return 2 #invalid or excess argument(s) fi if [ -z "${forcestart}" ]; then if [ -z "${pidfile}" ]; then pidofproc -s "${1}" else pidofproc -s -p "${pidfile}" "${1}" fi case "${?}" in 0) log_warning_msg "Unable to continue: ${1} is running" return 0 # 4 ;; 1) boot_mesg "Removing stale pid file: ${pidfile}" ${WARNING} rm -f "${pidfile}" ;; 3) ;; *) log_failure_msg "Unknown error code from pidofproc: ${?}" return 4 ;; esac fi nice -n "${nicelevel}" "${@}" evaluate_retval # This is "Probably" not LSB compliant, # but required to be compatible with older bootscripts return 0 } #******************************************************************************* # Function - killproc [-p pidfile] pathname [signal] # # Purpose: # # Inputs: -p pidfile, uses the specified pidfile # pathname, pathname to the specified program # signal, send this signal to pathname # # Outputs: return 0 - Success # return 2 - Invalid of excessive number of arguments, # warning in stdout # return 4 - Unknown Status # # Dependencies: kill, rm # # Todo: LSB does not say that it should call evaluate_retval # It checks for PIDFILE, which is deprecated. # Will be removed after BLFS 6.0 # #******************************************************************************* killproc() { local pidfile="" local killsig=TERM # default signal is SIGTERM pidlist="" # This will ensure compatibility with previous LFS Bootscripts if [ -n "${PIDFILE}" ]; then pidfile="${PIDFILE}" fi while true do case "${1}" in -p) pidfile="${2}" shift 2 ;; -*) log_failure_msg "Unknown Option: ${1}" return 2 ;; *) break ;; esac done if [ "${#}" = "2" ]; then killsig="${2}" elif [ "${#}" != "1" ]; then shift 2 log_failure_msg "Usage: killproc [-p pidfile] pathname [signal]" return 2 fi # Is the process running? if [ -z "${pidfile}" ]; then pidofproc -s "${1}" else pidofproc -s -p "${pidfile}" "${1}" fi # Remove stale pidfile if [ "$?" = 1 ]; then boot_mesg "Removing stale pid file: ${pidfile}." ${WARNING} rm -f "${pidfile}" fi # If running, send the signal if [ -n "${pidlist}" ]; then for pid in ${pidlist} do kill -${killsig} ${pid} 2>/dev/null # Wait up to 3 seconds, for ${pid} to terminate case "${killsig}" in TERM|SIGTERM|KILL|SIGKILL) # sleep in 1/10ths of seconds and # multiply KILLDELAY by 10 local dtime="${KILLDELAY}0" while [ "${dtime}" != "0" ] do kill -0 ${pid} 2>/dev/null || break sleep 0.1 dtime=$(( ${dtime} - 1)) done # If ${pid} is still running, kill it kill -0 ${pid} 2>/dev/null && kill -KILL ${pid} 2>/dev/null ;; esac done # Check if the process is still running if we tried to stop it case "${killsig}" in TERM|SIGTERM|KILL|SIGKILL) if [ -z "${pidfile}" ]; then pidofproc -s "${1}" else pidofproc -s -p "${pidfile}" "${1}" fi # Program was terminated if [ "$?" != "0" ]; then # Remove the pidfile if necessary if [ -f "${pidfile}" ]; then rm -f "${pidfile}" fi echo_ok return 0 else # Program is still running echo_failure return 4 # Unknown Status fi ;; *) # Just see if the kill returned successfully evaluate_retval ;; esac else # process not running print_status warning not_running fi } #******************************************************************************* # Function - log_success_msg "message" # # Purpose: Print a success message # # Inputs: $@ - Message # # Outputs: Text output to screen # # Dependencies: echo # # Todo: logging # #******************************************************************************* log_success_msg() { ${ECHO} -n -e "${BOOTMESG_PREFIX}${@}" ${ECHO} -e "${SET_COL}""${BRACKET}""[""${SUCCESS}"" OK ""${BRACKET}""]""${NORMAL}" return 0 } #******************************************************************************* # Function - log_failure_msg "message" # # Purpose: Print a failure message # # Inputs: $@ - Message # # Outputs: Text output to screen # # Dependencies: echo # # Todo: logging # #******************************************************************************* log_failure_msg() { ${ECHO} -n -e "${BOOTMESG_PREFIX}${@}" ${ECHO} -e "${SET_COL}""${BRACKET}""[""${FAILURE}"" FAIL ""${BRACKET}""]""${NORMAL}" return 0 } #******************************************************************************* # Function - log_warning_msg "message" # # Purpose: print a warning message # # Inputs: $@ - Message # # Outputs: Text output to screen # # Dependencies: echo # # Todo: logging # #******************************************************************************* log_warning_msg() { ${ECHO} -n -e "${BOOTMESG_PREFIX}${@}" ${ECHO} -e "${SET_COL}""${BRACKET}""[""${WARNING}"" WARN ""${BRACKET}""]""${NORMAL}" return 0 } # End $rc_base/init.d/functions D.3. /etc/rc.d/init.d/mountkernfs #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/mountkernfs # # Description : Mount proc and sysfs # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg -n "Mounting kernel-based file systems:" ${INFO} if ! mountpoint /proc >/dev/null; then boot_mesg -n " /proc" ${NORMAL} mount -n /proc || failed=1 fi if ! mountpoint /sys >/dev/null; then boot_mesg -n " /sys" ${NORMAL} mount -n /sys || failed=1 fi boot_mesg "" ${NORMAL} (exit ${failed}) evaluate_retval ;; *) echo "Usage: ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/mountkernfs D.4. /etc/rc.d/init.d/consolelog #!/bin/sh # Begin $rc_base/init.d/consolelog ######################################################################## # # Description : Set the kernel log level for the console # # Authors : Dan Nicholson - dnicholson AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : /proc must be mounted before this can run # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # set the default loglevel LOGLEVEL=7 if [ -r /etc/sysconfig/console ]; then . /etc/sysconfig/console fi case "${1}" in start) case "$LOGLEVEL" in [1-8]) boot_mesg "Setting the console log level to ${LOGLEVEL}..." dmesg -n $LOGLEVEL evaluate_retval ;; *) boot_mesg "Console log level '${LOGLEVEL}' is invalid" ${FAILURE} echo_failure ;; esac ;; status) # Read the current value if possible if [ -r /proc/sys/kernel/printk ]; then read level line < /proc/sys/kernel/printk else boot_mesg "Can't read the current console log level" ${FAILURE} echo_failure fi # Print the value if [ -n "$level" ]; then ${ECHO} -e "${INFO}The current console log level" \ "is ${level}${NORMAL}" fi ;; *) echo "Usage: ${0} {start|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/consolelog D.5. /etc/rc.d/init.d/modules #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/modules # # Description : Module auto-loading script # # Authors : Zack Winkles # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # Assure that the kernel has module support. [ -e /proc/ksyms -o -e /proc/modules ] || exit 0 case "${1}" in start) # Exit if there's no modules file or there are no # valid entries [ -r /etc/sysconfig/modules ] && egrep -qv '^($|#)' /etc/sysconfig/modules || exit 0 boot_mesg -n "Loading modules:" ${INFO} # Only try to load modules if the user has actually given us # some modules to load. while read module args; do # Ignore comments and blank lines. case "$module" in ""|"#"*) continue ;; esac # Attempt to load the module, making # sure to pass any arguments provided. modprobe ${module} ${args} >/dev/null # Print the module name if successful, # otherwise take note. if [ $? -eq 0 ]; then boot_mesg -n " ${module}" ${NORMAL} else failedmod="${failedmod} ${module}" fi done < /etc/sysconfig/modules boot_mesg "" ${NORMAL} # Print a message about successfully loaded # modules on the correct line. echo_ok # Print a failure message with a list of any # modules that may have failed to load. if [ -n "${failedmod}" ]; then boot_mesg "Failed to load modules:${failedmod}" ${FAILURE} echo_failure fi ;; *) echo "Usage: ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/modules D.6. /etc/rc.d/init.d/udev #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/udev # # Description : Udev cold-plugging script # # Authors : Zack Winkles, Alexander E. Patrakov # # Version : 00.02 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Populating /dev with device nodes..." if ! grep -q '[[:space:]]sysfs' /proc/mounts; then echo_failure boot_mesg -n "FAILURE:\n\nUnable to create" ${FAILURE} boot_mesg -n " devices without a SysFS filesystem" boot_mesg -n "\n\nAfter you press Enter, this system" boot_mesg -n " will be halted and powered off." boot_mesg -n "\n\nPress Enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER /etc/rc.d/init.d/halt stop fi # Mount a temporary file system over /dev, so that any devices # made or removed during this boot don't affect the next one. # The reason we don't write to mtab is because we don't ever # want /dev to be unavailable (such as by `umount -a'). if ! mountpoint /dev > /dev/null; then mount -n -t tmpfs tmpfs /dev -o mode=755 fi if [ ${?} != 0 ]; then echo_failure boot_mesg -n "FAILURE:\n\nCannot mount a tmpfs" ${FAILURE} boot_mesg -n " onto /dev, this system will be halted." boot_mesg -n "\n\nAfter you press Enter, this system" boot_mesg -n " will be halted and powered off." boot_mesg -n "\n\nPress Enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER /etc/rc.d/init.d/halt stop fi # Udev handles uevents itself, so we don't need to have # the kernel call out to any binary in response to them echo > /proc/sys/kernel/hotplug # Copy static device nodes to /dev cp -a /lib/udev/devices/* /dev # Start the udev daemon to continually watch for, and act on, # uevents /sbin/udevd --daemon # Now traverse /sys in order to "coldplug" devices that have # already been discovered /sbin/udevadm trigger # Now wait for udevd to process the uevents we triggered /sbin/udevadm settle evaluate_retval ;; *) echo "Usage ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/udev D.7. /etc/rc.d/init.d/swap #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/swap # # Description : Swap Control Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Activating all swap files/partitions..." swapon -a evaluate_retval ;; stop) boot_mesg "Deactivating all swap files/partitions..." swapoff -a evaluate_retval ;; restart) ${0} stop sleep 1 ${0} start ;; status) boot_mesg "Retrieving swap status." ${INFO} echo_ok echo swapon -s ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop|restart|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/swap D.8. /etc/rc.d/init.d/setclock #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/setclock # # Description : Setting Linux Clock # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} . /etc/sysconfig/clock case "${UTC}" in yes|true|1) CLOCKPARAMS="${CLOCKPARAMS} --utc" ;; no|false|0) CLOCKPARAMS="${CLOCKPARAMS} --localtime" ;; esac case ${1} in start) boot_mesg "Setting system clock..." hwclock --hctosys ${CLOCKPARAMS} >/dev/null evaluate_retval ;; stop) boot_mesg "Setting hardware clock..." hwclock --systohc ${CLOCKPARAMS} >/dev/null evaluate_retval ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop}" ;; esac D.9. /etc/rc.d/init.d/checkfs #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/checkfs # # Description : File System Check # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # A. Luebke - luebke@users.sourceforge.net # # Version : 00.00 # # Notes : # # Based on checkfs script from LFS-3.1 and earlier. # # From man fsck # 0 - No errors # 1 - File system errors corrected # 2 - System should be rebooted # 4 - File system errors left uncorrected # 8 - Operational error # 16 - Usage or syntax error # 32 - Fsck canceled by user request # 128 - Shared library error # ######################################################################### . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) if [ -f /fastboot ]; then boot_mesg -n "/fastboot found, will not perform" ${INFO} boot_mesg " file system checks as requested." echo_ok exit 0 fi boot_mesg "Mounting root file system in read-only mode..." mount -n -o remount,ro / >/dev/null evaluate_retval if [ ${?} != 0 ]; then echo_failure boot_mesg -n "FAILURE:\n\nCannot check root" ${FAILURE} boot_mesg -n " filesystem because it could not be mounted" boot_mesg -n " in read-only mode.\n\nAfter you" boot_mesg -n " press Enter, this system will be" boot_mesg -n " halted and powered off." boot_mesg -n "\n\nPress enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER ${rc_base}/init.d/halt stop fi if [ -f /forcefsck ]; then boot_mesg -n "/forcefsck found, forcing file" ${INFO} boot_mesg " system checks as requested." echo_ok options="-f" else options="" fi boot_mesg "Checking file systems..." # Note: -a option used to be -p; but this fails e.g. # on fsck.minix fsck ${options} -a -A -C -T error_value=${?} if [ "${error_value}" = 0 ]; then echo_ok fi if [ "${error_value}" = 1 ]; then echo_warning boot_mesg -n "WARNING:\n\nFile system errors" ${WARNING} boot_mesg -n " were found and have been corrected." boot_mesg -n " You may want to double-check that" boot_mesg -n " everything was fixed properly." boot_mesg "" ${NORMAL} fi if [ "${error_value}" = 2 -o "${error_value}" = 3 ]; then echo_warning boot_mesg -n "WARNING:\n\nFile system errors" ${WARNING} boot_mesg -n " were found and have been been" boot_mesg -n " corrected, but the nature of the" boot_mesg -n " errors require this system to be" boot_mesg -n " rebooted.\n\nAfter you press enter," boot_mesg -n " this system will be rebooted" boot_mesg -n "\n\nPress Enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER reboot -f fi if [ "${error_value}" -gt 3 -a "${error_value}" -lt 16 ]; then echo_failure boot_mesg -n "FAILURE:\n\nFile system errors" ${FAILURE} boot_mesg -n " were encountered that could not be" boot_mesg -n " fixed automatically. This system" boot_mesg -n " cannot continue to boot and will" boot_mesg -n " therefore be halted until those" boot_mesg -n " errors are fixed manually by a" boot_mesg -n " System Administrator.\n\nAfter you" boot_mesg -n " press Enter, this system will be" boot_mesg -n " halted and powered off." boot_mesg -n "\n\nPress Enter to continue..." ${INFO} boot_mesg "" ${NORMAL} read ENTER ${rc_base}/init.d/halt stop fi if [ "${error_value}" -ge 16 ]; then echo_failure boot_mesg -n "FAILURE:\n\nUnexpected Failure" ${FAILURE} boot_mesg -n " running fsck. Exited with error" boot_mesg -n " code: ${error_value}." boot_mesg "" ${NORMAL} exit ${error_value} fi ;; *) echo "Usage: ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/checkfs D.10. /etc/rc.d/init.d/mountfs #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/mountfs # # Description : File System Mount Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Remounting root file system in read-write mode..." mount -n -o remount,rw / >/dev/null evaluate_retval # Remove fsck-related file system watermarks. rm -f /fastboot /forcefsck boot_mesg "Recording existing mounts in /etc/mtab..." > /etc/mtab mount -f / || failed=1 mount -f /proc || failed=1 mount -f /sys || failed=1 (exit ${failed}) evaluate_retval # This will mount all filesystems that do not have _netdev in # their option list. _netdev denotes a network filesystem. boot_mesg "Mounting remaining file systems..." mount -a -O no_netdev >/dev/null evaluate_retval ;; stop) boot_mesg "Unmounting all other currently mounted file systems..." umount -a -d -r >/dev/null evaluate_retval ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/mountfs D.11. /etc/rc.d/init.d/udev_retry #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/udev_retry # # Description : Udev cold-plugging script (retry) # # Authors : Alexander E. Patrakov # # Version : 00.02 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Retrying failed uevents, if any..." # From Debian: "copy the rules generated before / was mounted # read-write": for file in /dev/.udev/tmp-rules--*; do dest=${file##*tmp-rules--} [ "$dest" = '*' ] && break cat $file >> /etc/udev/rules.d/$dest rm -f $file done # Re-trigger the failed uevents in hope they will succeed now /sbin/udevadm trigger --type=failed # Now wait for udevd to process the uevents we triggered /sbin/udevadm settle evaluate_retval ;; *) echo "Usage ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/udev_retry D.12. /etc/rc.d/init.d/cleanfs #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/cleanfs # # Description : Clean file system # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # Function to create files/directory on boot. create_files() { # Read in the configuration file. exec 9>&0 < /etc/sysconfig/createfiles while read name type perm usr grp dtype maj min junk do # Ignore comments and blank lines. case "${name}" in ""|\#*) continue ;; esac # Ignore existing files. if [ ! -e "${name}" ]; then # Create stuff based on its type. case "${type}" in dir) mkdir "${name}" ;; file) :> "${name}" ;; dev) case "${dtype}" in char) mknod "${name}" c ${maj} ${min} ;; block) mknod "${name}" b ${maj} ${min} ;; pipe) mknod "${name}" p ;; *) boot_mesg -n "\nUnknown device type: ${dtype}" ${WARNING} boot_mesg "" ${NORMAL} ;; esac ;; *) boot_mesg -n "\nUnknown type: ${type}" ${WARNING} boot_mesg "" ${NORMAL} continue ;; esac # Set up the permissions, too. chown ${usr}:${grp} "${name}" chmod ${perm} "${name}" fi done exec 0>&9 9>&- } case "${1}" in start) boot_mesg -n "Cleaning file systems:" ${INFO} boot_mesg -n " /tmp" ${NORMAL} cd /tmp && find . -xdev -mindepth 1 ! -name lost+found \ -delete || failed=1 boot_mesg -n " /var/lock" ${NORMAL} cd /var/lock && find . -type f -exec rm -f {} \; || failed=1 boot_mesg " /var/run" ${NORMAL} cd /var/run && find . ! -type d ! -name utmp \ -exec rm -f {} \; || failed=1 > /var/run/utmp if grep -q '^utmp:' /etc/group ; then chmod 664 /var/run/utmp chgrp utmp /var/run/utmp fi (exit ${failed}) evaluate_retval if egrep -qv '^(#|$)' /etc/sysconfig/createfiles 2>/dev/null; then boot_mesg "Creating files and directories..." create_files evaluate_retval fi ;; *) echo "Usage: ${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/cleanfs D.13. /etc/rc.d/init.d/console #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/console # # Description : Sets keymap and screen font # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # Alexander E. Patrakov # # Version : 00.03 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # Native English speakers probably don't have /etc/sysconfig/console at all if [ -f /etc/sysconfig/console ] then . /etc/sysconfig/console else exit 0 fi is_true() { [ "$1" = "1" ] || [ "$1" = "yes" ] || [ "$1" = "true" ] } failed=0 case "${1}" in start) boot_mesg "Setting up Linux console..." # There should be no bogus failures below this line! # Figure out if a framebuffer console is used [ -d /sys/class/graphics/fb0 ] && USE_FB=1 || USE_FB=0 # Figure out the command to set the console into the # desired mode is_true "${UNICODE}" && MODE_COMMAND="${ECHO} -en '\033%G' && kbd_mode -u" || MODE_COMMAND="${ECHO} -en '\033%@\033(K' && kbd_mode -a" # On framebuffer consoles, font has to be set for each vt in # UTF-8 mode. This doesn't hurt in non-UTF-8 mode also. ! is_true "${USE_FB}" || [ -z "${FONT}" ] || MODE_COMMAND="${MODE_COMMAND} && setfont ${FONT}" # Apply that command to all consoles mentioned in # /etc/inittab. Important: in the UTF-8 mode this should # happen before setfont, otherwise a kernel bug will # show up and the unicode map of the font will not be # used. # FIXME: Fedora Core also initializes two spare consoles # - do we want that? for TTY in `grep '^[^#].*respawn:/sbin/agetty' /etc/inittab | grep -o '\btty[[:digit:]]*\b'` do openvt -f -w -c ${TTY#tty} -- \ /bin/sh -c "${MODE_COMMAND}" || failed=1 done # Set the font (if not already set above) and the keymap is_true "${USE_FB}" || [ -z "${FONT}" ] || setfont $FONT || failed=1 [ -z "${KEYMAP}" ] || loadkeys ${KEYMAP} >/dev/null 2>&1 || failed=1 [ -z "${KEYMAP_CORRECTIONS}" ] || loadkeys ${KEYMAP_CORRECTIONS} >/dev/null 2>&1 || failed=1 # Convert the keymap from $LEGACY_CHARSET to UTF-8 [ -z "$LEGACY_CHARSET" ] || dumpkeys -c "$LEGACY_CHARSET" | loadkeys -u >/dev/null 2>&1 || failed=1 # If any of the commands above failed, the trap at the # top would set $failed to 1 ( exit $failed ) evaluate_retval ;; *) echo $"Usage:" "${0} {start}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/console D.14. /etc/rc.d/init.d/localnet #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/localnet # # Description : Loopback device # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} . /etc/sysconfig/network case "${1}" in start) boot_mesg "Bringing up the loopback interface..." ip addr add 127.0.0.1/8 label lo dev lo ip link set lo up evaluate_retval boot_mesg "Setting hostname to ${HOSTNAME}..." hostname ${HOSTNAME} evaluate_retval ;; stop) boot_mesg "Bringing down the loopback interface..." ip link set lo down evaluate_retval ;; restart) ${0} stop sleep 1 ${0} start ;; status) echo "Hostname is: $(hostname)" ip link show lo ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop|restart|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/localnet D.15. /etc/rc.d/init.d/sysctl #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/sysctl # # Description : File uses /etc/sysctl.conf to set kernel runtime # parameters # # Authors : Nathan Coulson (nathan AT linuxfromscratch D0T org) # Matthew Burgress (matthew AT linuxfromscratch D0T org) # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) if [ -f "/etc/sysctl.conf" ]; then boot_mesg "Setting kernel runtime parameters..." sysctl -q -p evaluate_retval fi ;; status) sysctl -a ;; *) echo "Usage: ${0} {start|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/sysctl D.16. /etc/rc.d/init.d/sysklogd #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/sysklogd # # Description : Sysklogd loader # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Starting system log daemon..." loadproc syslogd -m 0 boot_mesg "Starting kernel log daemon..." loadproc klogd ;; stop) boot_mesg "Stopping kernel log daemon..." killproc klogd boot_mesg "Stopping system log daemon..." killproc syslogd ;; reload) boot_mesg "Reloading system log daemon config file..." reloadproc syslogd ;; restart) ${0} stop sleep 1 ${0} start ;; status) statusproc syslogd statusproc klogd ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop|reload|restart|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/sysklogd D.17. /etc/rc.d/init.d/network #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/network # # Description : Network Control Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # Nathan Coulson - nathan AT linuxfromscratch D0T org # Kevin P. Fleming - kpfleming@linuxfromscratch.org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} . /etc/sysconfig/network case "${1}" in start) # Start all network interfaces for file in ${network_devices}/ifconfig.* do interface=${file##*/ifconfig.} # skip if $file is * (because nothing was found) if [ "${interface}" = "*" ] then continue fi IN_BOOT=1 ${network_devices}/ifup ${interface} done ;; stop) # Reverse list FILES="" for file in ${network_devices}/ifconfig.* do FILES="${file} ${FILES}" done # Stop all network interfaces for file in ${FILES} do interface=${file##*/ifconfig.} # skip if $file is * (because nothing was found) if [ "${interface}" = "*" ] then continue fi IN_BOOT=1 ${network_devices}/ifdown ${interface} done ;; restart) ${0} stop sleep 1 ${0} start ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop|restart}" exit 1 ;; esac # End /etc/rc.d/init.d/network D.18. /etc/rc.d/init.d/sendsignals #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/sendsignals # # Description : Sendsignals Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in stop) boot_mesg "Sending all processes the TERM signal..." killall5 -15 error_value=${?} sleep ${KILLDELAY} if [ "${error_value}" = 0 ]; then echo_ok else echo_failure fi boot_mesg "Sending all processes the KILL signal..." killall5 -9 error_value=${?} sleep ${KILLDELAY} if [ "${error_value}" = 0 ]; then echo_ok else echo_failure fi ;; *) echo "Usage: ${0} {stop}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/sendsignals D.19. /etc/rc.d/init.d/reboot #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/reboot # # Description : Reboot Scripts # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in stop) boot_mesg "Restarting system..." reboot -d -f -i ;; *) echo "Usage: ${0} {stop}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/reboot D.20. /etc/rc.d/init.d/halt #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/halt # # Description : Halt Script # # Authors : Gerard Beekmans - gerard AT linuxfromscratch D0T org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in stop) halt -d -f -i -p ;; *) echo "Usage: {stop}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/halt D.21. /etc/rc.d/init.d/template #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $rc_base/init.d/ # # Description : # # Authors : # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} case "${1}" in start) boot_mesg "Starting..." loadproc ;; stop) boot_mesg "Stopping..." killproc ;; reload) boot_mesg "Reloading..." reloadproc ;; restart) ${0} stop sleep 1 ${0} start ;; status) statusproc ;; *) echo "Usage: ${0} {start|stop|reload|restart|status}" exit 1 ;; esac # End $rc_base/init.d/ D.22. /etc/sysconfig/rc ######################################################################## # Begin /etc/sysconfig/rc # # Description : rc script configuration # # Authors : # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## rc_base=/etc/rc.d rc_functions=${rc_base}/init.d/functions network_devices=/etc/sysconfig/network-devices # End /etc/sysconfig/rc D.23. /etc/sysconfig/modules ######################################################################## # Begin /etc/sysconfig/modules # # Description : Module auto-loading configuration # # Authors : # # Version : 00.00 # # Notes : The syntax of this file is as follows: # [ ...] # # Each module should be on it's own line, and any options that you want # passed to the module should follow it. The line deliminator is either # a space or a tab. ######################################################################## # End /etc/sysconfig/modules D.24. /etc/sysconfig/createfiles ######################################################################## # Begin /etc/sysconfig/createfiles # # Description : Createfiles script config file # # Authors : # # Version : 00.00 # # Notes : The syntax of this file is as follows: # if type is equal to "file" or "dir" # # if type is equal to "dev" # # # is the name of the file which is to be created # is either file, dir, or dev. # file creates a new file # dir creates a new directory # dev creates a new device # is either block, char or pipe # block creates a block device # char creates a character deivce # pipe creates a pipe, this will ignore the and fields # and are the major and minor numbers used for the device. ######################################################################## # End /etc/sysconfig/createfiles D.25. /etc/sysconfig/network-devices/ifup #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $network_devices/ifup # # Description : Interface Up # # Authors : Nathan Coulson - nathan AT linuxfromscratch D0T org # Kevin P. Fleming - kpfleming@linuxfromscratch.org # # Version : 00.00 # # Notes : the IFCONFIG variable is passed to the scripts found # in the services directory, to indicate what file the # service should source to get environmental variables. # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # Collect a list of configuration files for our interface if [ -n "${2}" ]; then for file in ${@#$1} # All parameters except $1 do FILES="${FILES} ${network_devices}/ifconfig.${1}/${file}" done elif [ -d "${network_devices}/ifconfig.${1}" ]; then FILES=`echo ${network_devices}/ifconfig.${1}/*` else FILES="${network_devices}/ifconfig.${1}" fi boot_mesg "Bringing up the ${1} interface..." boot_mesg_flush # Process each configruation file for file in ${FILES}; do # skip backup files if [ "${file}" != "${file%""~""}" ]; then continue fi if [ ! -f "${file}" ]; then boot_mesg "${file} is not a network configuration file or directory." ${WARNING} echo_warning continue fi ( . ${file} # Will not process this service if started by boot, and ONBOOT # is not set to yes if [ "${IN_BOOT}" = "1" -a "${ONBOOT}" != "yes" ]; then continue fi # Will not process this service if started by hotplug, and # ONHOTPLUG is not set to yes if [ "${IN_HOTPLUG}" = "1" -a "${ONHOTPLUG}" != "yes" \ -a "${HOSTNAME}" != "(none)" ]; then continue fi if [ -n "${SERVICE}" -a -x "${network_devices}/services/${SERVICE}" ]; then if [ -z "${CHECK_LINK}" -o "${CHECK_LINK}" = "y" \ -o "${CHECK_LINK}" = "yes" -o "${CHECK_LINK}" = "1" ]; then if ip link show ${1} > /dev/null 2>&1; then link_status=`ip link show ${1}` if [ -n "${link_status}" ]; then if ! echo "${link_status}" | grep -q UP; then ip link set ${1} up fi fi else boot_mesg "Interface ${1} doesn't exist." ${WARNING} echo_warning continue fi fi IFCONFIG=${file} ${network_devices}/services/${SERVICE} ${1} up else boot_mesg "Unable to process ${file}. Either" ${FAILURE} boot_mesg " the SERVICE variable was not set," boot_mesg " or the specified service cannot be executed." echo_failure continue fi ) done # End $network_devices/ifup D.26. /etc/sysconfig/network-devices/ifdown #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $network_devices/ifdown # # Description : Interface Down # # Authors : Nathan Coulson - nathan AT linuxfromscratch D0T org # Kevin P. Fleming - kpfleming@linuxfromscratch.org # # Version : 00.01 # # Notes : the IFCONFIG variable is passed to the scripts found # in the services directory, to indicate what file the # service should source to get environmental variables. # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} # Collect a list of configuration files for our interface if [ -n "${2}" ]; then for file in ${@#$1}; do # All parameters except $1 FILES="${FILES} ${network_devices}/ifconfig.${1}/${file}" done elif [ -d "${network_devices}/ifconfig.${1}" ]; then FILES=`echo ${network_devices}/ifconfig.${1}/*` else FILES="${network_devices}/ifconfig.${1}" fi # Reverse the order configuration files are processed in for file in ${FILES}; do FILES2="${file} ${FILES2}" done FILES=${FILES2} # Process each configuration file for file in ${FILES}; do # skip backup files if [ "${file}" != "${file%""~""}" ]; then continue fi if [ ! -f "${file}" ]; then boot_mesg "${file} is not a network configuration file or directory." ${WARNING} echo_warning continue fi ( . ${file} # Will not process this service if started by boot, and ONBOOT # is not set to yes if [ "${IN_BOOT}" = "1" -a "${ONBOOT}" != "yes" ]; then continue fi # Will not process this service if started by hotplug, and # ONHOTPLUG is not set to yes if [ "${IN_HOTPLUG}" = "1" -a "${ONHOTPLUG}" != "yes" ]; then continue fi # This will run the service script, if SERVICE is set if [ -n "${SERVICE}" -a -x "${network_devices}/services/${SERVICE}" ]; then if ip link show ${1} > /dev/null 2>&1 then IFCONFIG=${file} ${network_devices}/services/${SERVICE} ${1} down else boot_mesg "Interface ${1} doesn't exist." ${WARNING} echo_warning fi else boot_mesg -n "Unable to process ${file}. Either" ${FAILURE} boot_mesg -n " the SERVICE variable was not set," boot_mesg " or the specified service cannot be executed." echo_failure continue fi ) done if [ -z "${2}" ]; then link_status=`ip link show $1 2>/dev/null` if [ -n "${link_status}" ]; then if echo "${link_status}" | grep -q UP; then boot_mesg "Bringing down the ${1} interface..." ip link set ${1} down evaluate_retval fi fi fi # End $network_devices/ifdown D.27. /etc/sysconfig/network-devices/services/ipv4-static #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $network_devices/services/ipv4-static # # Description : IPV4 Static Boot Script # # Authors : Nathan Coulson - nathan AT linuxfromscratch D0T org # Kevin P. Fleming - kpfleming@linuxfromscratch.org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} . ${IFCONFIG} if [ -z "${IP}" ]; then boot_mesg "IP variable missing from ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 fi if [ -z "${PREFIX}" -a -z "${PEER}" ]; then boot_mesg -n "PREFIX variable missing from ${IFCONFIG}," ${WARNING} boot_mesg " assuming 24." echo_warning PREFIX=24 args="${args} ${IP}/${PREFIX}" elif [ -n "${PREFIX}" -a -n "${PEER}" ]; then boot_mesg "PREFIX and PEER both specified in ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 elif [ -n "${PREFIX}" ]; then args="${args} ${IP}/${PREFIX}" elif [ -n "${PEER}" ]; then args="${args} ${IP} peer ${PEER}" fi if [ -n "${BROADCAST}" ]; then args="${args} broadcast ${BROADCAST}" fi case "${2}" in up) boot_mesg "Adding IPv4 address ${IP} to the ${1} interface..." ip addr add ${args} dev ${1} evaluate_retval if [ -n "${GATEWAY}" ]; then if ip route | grep -q default; then boot_mesg "Gateway already setup; skipping." ${WARNING} echo_warning else boot_mesg "Setting up default gateway..." ip route add default via ${GATEWAY} dev ${1} evaluate_retval fi fi ;; down) if [ -n "${GATEWAY}" ]; then boot_mesg "Removing default gateway..." ip route del default evaluate_retval fi boot_mesg "Removing IPv4 address ${IP} from the ${1} interface..." ip addr del ${args} dev ${1} evaluate_retval ;; *) echo "Usage: ${0} [interface] {up|down}" exit 1 ;; esac # End $network_devices/services/ipv4-static D.28. /etc/sysconfig/network-devices/services/ipv4-static-route #!/bin/sh ######################################################################## # Begin $network_devices/services/ipv4-static-route # # Description : IPV4 Static Route Script # # Authors : Kevin P. Fleming - kpfleming@linuxfromscratch.org # # Version : 00.00 # # Notes : # ######################################################################## . /etc/sysconfig/rc . ${rc_functions} . ${IFCONFIG} case "${TYPE}" in ("" | "network") need_ip=1 need_gateway=1 ;; ("default") need_gateway=1 args="${args} default" desc="default" ;; ("host") need_ip=1 ;; ("unreachable") need_ip=1 args="${args} unreachable" desc="unreachable " ;; (*) boot_mesg "Unknown route type (${TYPE}) in ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 ;; esac if [ -n "${need_ip}" ]; then if [ -z "${IP}" ]; then boot_mesg "IP variable missing from ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 fi if [ -z "${PREFIX}" ]; then boot_mesg "PREFIX variable missing from ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 fi args="${args} ${IP}/${PREFIX}" desc="${desc}${IP}/${PREFIX}" fi if [ -n "${need_gateway}" ]; then if [ -z "${GATEWAY}" ]; then boot_mesg "GATEWAY variable missing from ${IFCONFIG}, cannot continue." ${FAILURE} echo_failure exit 1 fi args="${args} via ${GATEWAY}" fi if [ -n "${SOURCE}" ]; then args="${args} src ${SOURCE}" fi case "${2}" in up) boot_mesg "Adding '${desc}' route to the ${1} interface..." ip route add ${args} dev ${1} evaluate_retval ;; down) boot_mesg "Removing '${desc}' route from the ${1} interface..." ip route del ${args} dev ${1} evaluate_retval ;; *) echo "Usage: ${0} [interface] {up|down}" exit 1 ;; esac # End $network_devices/services/ipv4-static-route 付録 E. Udev 設定ルール 本付録にて udev-config-20100128.tar.bz2 に含まれるルールを列記します。 インストール手順は 6.58. 「Udev-151」 を参照してください。 E.1. 55-lfs.rules # /etc/udev/rules.d/55-lfs.rules: Rule definitions for LFS. # Core kernel devices # This causes the system clock to be set as soon as /dev/rtc becomes available. SUBSYSTEM=="rtc", ACTION=="add", MODE="0644", RUN+="/etc/rc.d/init.d/setclock start" KERNEL=="rtc", ACTION=="add", MODE="0644", RUN+="/etc/rc.d/init.d/setclock start" # Comms devices KERNEL=="ippp[0-9]*", GROUP="dialout" KERNEL=="isdn[0-9]*", GROUP="dialout" KERNEL=="isdnctrl[0-9]*", GROUP="dialout" KERNEL=="dcbri[0-9]*", GROUP="dialout" 付録 F. LFS ライセンス 本ブックはクリエイティブコモンズ (Creative Commons) の 表示-非営利-継承 (Attribution-NonCommercial-ShareAlike) 2.0 ライセンスに従います。 本書のインストール手順のコマンドを抜き出したものは MIT ライセンスに従っ てください。 F.1. クリエイティブコモンズライセンス 日本語訳情報 以下は日本語へ訳出することなく、原文のライセンス条項をそのまま示します 。 Creative Commons Legal Code Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0 重要項目 CREATIVE COMMONS CORPORATION IS NOT A LAW FIRM AND DOES NOT PROVIDE LEGAL SERVICES. DISTRIBUTION OF THIS LICENSE DOES NOT CREATE AN ATTORNEY-CLIENT RELATIONSHIP. CREATIVE COMMONS PROVIDES THIS INFORMATION ON AN "AS-IS" BASIS. CREATIVE COMMONS MAKES NO WARRANTIES REGARDING THE INFORMATION PROVIDED, AND DISCLAIMS LIABILITY FOR DAMAGES RESULTING FROM ITS USE. License THE WORK (AS DEFINED BELOW) IS PROVIDED UNDER THE TERMS OF THIS CREATIVE COMMONS PUBLIC LICENSE ("CCPL" OR "LICENSE"). THE WORK IS PROTECTED BY COPYRIGHT AND/OR OTHER APPLICABLE LAW. ANY USE OF THE WORK OTHER THAN AS AUTHORIZED UNDER THIS LICENSE OR COPYRIGHT LAW IS PROHIBITED. BY EXERCISING ANY RIGHTS TO THE WORK PROVIDED HERE, YOU ACCEPT AND AGREE TO BE BOUND BY THE TERMS OF THIS LICENSE. THE LICENSOR GRANTS YOU THE RIGHTS CONTAINED HERE IN CONSIDERATION OF YOUR ACCEPTANCE OF SUCH TERMS AND CONDITIONS. 1. Definitions 1. "Collective Work" means a work, such as a periodical issue, anthology or encyclopedia, in which the Work in its entirety in unmodified form, along with a number of other contributions, constituting separate and independent works in themselves, are assembled into a collective whole. A work that constitutes a Collective Work will not be considered a Derivative Work (as defined below) for the purposes of this License. 2. "Derivative Work" means a work based upon the Work or upon the Work and other pre-existing works, such as a translation, musical arrangement, dramatization, fictionalization, motion picture version, sound recording, art reproduction, abridgment, condensation, or any other form in which the Work may be recast, transformed, or adapted, except that a work that constitutes a Collective Work will not be considered a Derivative Work for the purpose of this License. For the avoidance of doubt, where the Work is a musical composition or sound recording, the synchronization of the Work in timed-relation with a moving image ("synching") will be considered a Derivative Work for the purpose of this License. 3. "Licensor" means the individual or entity that offers the Work under the terms of this License. 4. "Original Author" means the individual or entity who created the Work. 5. "Work" means the copyrightable work of authorship offered under the terms of this License. 6. "You" means an individual or entity exercising rights under this License who has not previously violated the terms of this License with respect to the Work, or who has received express permission from the Licensor to exercise rights under this License despite a previous violation. 7. "License Elements" means the following high-level license attributes as selected by Licensor and indicated in the title of this License: Attribution, Noncommercial, ShareAlike. 2. Fair Use Rights. Nothing in this license is intended to reduce, limit, or restrict any rights arising from fair use, first sale or other limitations on the exclusive rights of the copyright owner under copyright law or other applicable laws. 3. License Grant. Subject to the terms and conditions of this License, Licensor hereby grants You a worldwide, royalty-free, non-exclusive, perpetual (for the duration of the applicable copyright) license to exercise the rights in the Work as stated below: 1. to reproduce the Work, to incorporate the Work into one or more Collective Works, and to reproduce the Work as incorporated in the Collective Works; 2. to create and reproduce Derivative Works; 3. to distribute copies or phonorecords of, display publicly, perform publicly, and perform publicly by means of a digital audio transmission the Work including as incorporated in Collective Works; 4. to distribute copies or phonorecords of, display publicly, perform publicly, and perform publicly by means of a digital audio transmission Derivative Works; The above rights may be exercised in all media and formats whether now known or hereafter devised. The above rights include the right to make such modifications as are technically necessary to exercise the rights in other media and formats. All rights not expressly granted by Licensor are hereby reserved, including but not limited to the rights set forth in Sections 4(e) and 4(f). 4. Restrictions.The license granted in Section 3 above is expressly made subject to and limited by the following restrictions: 1. You may distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform the Work only under the terms of this License, and You must include a copy of, or the Uniform Resource Identifier for, this License with every copy or phonorecord of the Work You distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform. You may not offer or impose any terms on the Work that alter or restrict the terms of this License or the recipients' exercise of the rights granted hereunder. You may not sublicense the Work. You must keep intact all notices that refer to this License and to the disclaimer of warranties. You may not distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform the Work with any technological measures that control access or use of the Work in a manner inconsistent with the terms of this License Agreement. The above applies to the Work as incorporated in a Collective Work, but this does not require the Collective Work apart from the Work itself to be made subject to the terms of this License. If You create a Collective Work, upon notice from any Licensor You must, to the extent practicable, remove from the Collective Work any reference to such Licensor or the Original Author, as requested. If You create a Derivative Work, upon notice from any Licensor You must, to the extent practicable, remove from the Derivative Work any reference to such Licensor or the Original Author, as requested. 2. You may distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform a Derivative Work only under the terms of this License, a later version of this License with the same License Elements as this License, or a Creative Commons iCommons license that contains the same License Elements as this License (e.g. Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0 Japan). You must include a copy of, or the Uniform Resource Identifier for, this License or other license specified in the previous sentence with every copy or phonorecord of each Derivative Work You distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform. You may not offer or impose any terms on the Derivative Works that alter or restrict the terms of this License or the recipients' exercise of the rights granted hereunder, and You must keep intact all notices that refer to this License and to the disclaimer of warranties. You may not distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform the Derivative Work with any technological measures that control access or use of the Work in a manner inconsistent with the terms of this License Agreement. The above applies to the Derivative Work as incorporated in a Collective Work, but this does not require the Collective Work apart from the Derivative Work itself to be made subject to the terms of this License. 3. You may not exercise any of the rights granted to You in Section 3 above in any manner that is primarily intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation. The exchange of the Work for other copyrighted works by means of digital file-sharing or otherwise shall not be considered to be intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation, provided there is no payment of any monetary compensation in connection with the exchange of copyrighted works. 4. If you distribute, publicly display, publicly perform, or publicly digitally perform the Work or any Derivative Works or Collective Works, You must keep intact all copyright notices for the Work and give the Original Author credit reasonable to the medium or means You are utilizing by conveying the name (or pseudonym if applicable) of the Original Author if supplied; the title of the Work if supplied; to the extent reasonably practicable, the Uniform Resource Identifier, if any, that Licensor specifies to be associated with the Work, unless such URI does not refer to the copyright notice or licensing information for the Work; and in the case of a Derivative Work, a credit identifying the use of the Work in the Derivative Work (e.g., "French translation of the Work by Original Author," or "Screenplay based on original Work by Original Author"). Such credit may be implemented in any reasonable manner; provided, however, that in the case of a Derivative Work or Collective Work, at a minimum such credit will appear where any other comparable authorship credit appears and in a manner at least as prominent as such other comparable authorship credit. 5. For the avoidance of doubt, where the Work is a musical composition: 1. Performance Royalties Under Blanket Licenses. Licensor reserves the exclusive right to collect, whether individually or via a performance rights society (e.g. ASCAP, BMI, SESAC), royalties for the public performance or public digital performance (e.g. webcast) of the Work if that performance is primarily intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation. 2. Mechanical Rights and Statutory Royalties. Licensor reserves the exclusive right to collect, whether individually or via a music rights agency or designated agent (e.g. Harry Fox Agency), royalties for any phonorecord You create from the Work ("cover version") and distribute, subject to the compulsory license created by 17 USC Section 115 of the US Copyright Act (or the equivalent in other jurisdictions), if Your distribution of such cover version is primarily intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation. 6. Webcasting Rights and Statutory Royalties. For the avoidance of doubt, where the Work is a sound recording, Licensor reserves the exclusive right to collect, whether individually or via a performance-rights society (e.g. SoundExchange), royalties for the public digital performance (e.g. webcast) of the Work, subject to the compulsory license created by 17 USC Section 114 of the US Copyright Act (or the equivalent in other jurisdictions), if Your public digital performance is primarily intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation. 6. Webcasting Rights and Statutory Royalties. For the avoidance of doubt, where the Work is a sound recording, Licensor reserves the exclusive right to collect, whether individually or via a performance-rights society (e.g. SoundExchange), royalties for the public digital performance (e.g. webcast) of the Work, subject to the compulsory license created by 17 USC Section 114 of the US Copyright Act (or the equivalent in other jurisdictions), if Your public digital performance is primarily intended for or directed toward commercial advantage or private monetary compensation. 5. Representations, Warranties and Disclaimer UNLESS OTHERWISE MUTUALLY AGREED TO BY THE PARTIES IN WRITING, LICENSOR OFFERS THE WORK AS-IS AND MAKES NO REPRESENTATIONS OR WARRANTIES OF ANY KIND CONCERNING THE WORK, EXPRESS, IMPLIED, STATUTORY OR OTHERWISE, INCLUDING, WITHOUT LIMITATION, WARRANTIES OF TITLE, MERCHANTIBILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE, NONINFRINGEMENT, OR THE ABSENCE OF LATENT OR OTHER DEFECTS, ACCURACY, OR THE PRESENCE OF ABSENCE OF ERRORS, WHETHER OR NOT DISCOVERABLE. SOME JURISDICTIONS DO NOT ALLOW THE EXCLUSION OF IMPLIED WARRANTIES, SO SUCH EXCLUSION MAY NOT APPLY TO YOU. 6. Limitation on Liability. EXCEPT TO THE EXTENT REQUIRED BY APPLICABLE LAW, IN NO EVENT WILL LICENSOR BE LIABLE TO YOU ON ANY LEGAL THEORY FOR ANY SPECIAL, INCIDENTAL, CONSEQUENTIAL, PUNITIVE OR EXEMPLARY DAMAGES ARISING OUT OF THIS LICENSE OR THE USE OF THE WORK, EVEN IF LICENSOR HAS BEEN ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGES. 7. Termination 1. This License and the rights granted hereunder will terminate automatically upon any breach by You of the terms of this License. Individuals or entities who have received Derivative Works or Collective Works from You under this License, however, will not have their licenses terminated provided such individuals or entities remain in full compliance with those licenses. Sections 1, 2, 5, 6, 7, and 8 will survive any termination of this License. 2. Subject to the above terms and conditions, the license granted here is perpetual (for the duration of the applicable copyright in the Work). Notwithstanding the above, Licensor reserves the right to release the Work under different license terms or to stop distributing the Work at any time; provided, however that any such election will not serve to withdraw this License (or any other license that has been, or is required to be, granted under the terms of this License), and this License will continue in full force and effect unless terminated as stated above. 8. Miscellaneous 1. Each time You distribute or publicly digitally perform the Work or a Collective Work, the Licensor offers to the recipient a license to the Work on the same terms and conditions as the license granted to You under this License. 2. Each time You distribute or publicly digitally perform a Derivative Work, Licensor offers to the recipient a license to the original Work on the same terms and conditions as the license granted to You under this License. 3. If any provision of this License is invalid or unenforceable under applicable law, it shall not affect the validity or enforceability of the remainder of the terms of this License, and without further action by the parties to this agreement, such provision shall be reformed to the minimum extent necessary to make such provision valid and enforceable. 4. No term or provision of this License shall be deemed waived and no breach consented to unless such waiver or consent shall be in writing and signed by the party to be charged with such waiver or consent. 5. This License constitutes the entire agreement between the parties with respect to the Work licensed here. There are no understandings, agreements or representations with respect to the Work not specified here. Licensor shall not be bound by any additional provisions that may appear in any communication from You. This License may not be modified without the mutual written agreement of the Licensor and You. 重要項目 Creative Commons is not a party to this License, and makes no warranty whatsoever in connection with the Work. Creative Commons will not be liable to You or any party on any legal theory for any damages whatsoever, including without limitation any general, special, incidental or consequential damages arising in connection to this license. Notwithstanding the foregoing two (2) sentences, if Creative Commons has expressly identified itself as the Licensor hereunder, it shall have all rights and obligations of Licensor. Except for the limited purpose of indicating to the public that the Work is licensed under the CCPL, neither party will use the trademark "Creative Commons" or any related trademark or logo of Creative Commons without the prior written consent of Creative Commons. Any permitted use will be in compliance with Creative Commons' then-current trademark usage guidelines, as may be published on its website or otherwise made available upon request from time to time. Creative Commons may be contacted at http://creativecommons.org/. F.2. MIT ライセンス (The MIT License) 日本語訳情報 以下は日本語へ訳出することなく、原文のライセンス条項をそのまま示します 。 Copyright (C) 1999-2010 Gerard Beekmans Permission is hereby granted, free of charge, to any person obtaining a copy of this software and associated documentation files (the "Software"), to deal in the Software without restriction, including without limitation the rights to use, copy, modify, merge, publish, distribute, sublicense, and/or sell copies of the Software, and to permit persons to whom the Software is furnished to do so, subject to the following conditions: The above copyright notice and this permission notice shall be included in all copies or substantial portions of the Software. THE SOFTWARE IS PROVIDED "AS IS", WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING BUT NOT LIMITED TO THE WARRANTIES OF MERCHANTABILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE AND NONINFRINGEMENT. IN NO EVENT SHALL THE AUTHORS OR COPYRIGHT HOLDERS BE LIABLE FOR ANY CLAIM, DAMAGES OR OTHER LIABILITY, WHETHER IN AN ACTION OF CONTRACT, TORT OR OTHERWISE, ARISING FROM, OUT OF OR IN CONNECTION WITH THE SOFTWARE OR THE USE OR OTHER DEALINGS IN THE SOFTWARE. 項目別もくじ パッケージ ・ Autoconf: Autoconf-2.65 ・ Automake: Automake-1.11.1 ・ Bash: Bash-4.1 □ ツール: Bash-4.1 ・ Binutils: Binutils-2.20 □ ツール, 1回め: Binutils-2.20 - 1回め □ ツール, 2回め: Binutils-2.20 - 2回め ・ Bison: Bison-2.4.1 ・ Bootscripts: LFS-ブートスクリプト-20100124 □ 利用方法: ブートスクリプトはどのようにして動くのか ・ Bzip2: Bzip2-1.0.5 □ ツール: Bzip2-1.0.5 ・ Coreutils: Coreutils-8.4 □ ツール: Coreutils-8.4 ・ DejaGNU: DejaGNU-1.4.4 ・ Diffutils: Diffutils-2.8.1 □ ツール: Diffutils-2.8.1 ・ E2fsprogs: E2fsprogs-1.41.10 ・ Expect: Expect-5.43.0 ・ File: File-5.04 ・ Findutils: Findutils-4.4.2 □ ツール: Findutils-4.4.2 ・ Flex: Flex-2.5.35 ・ Gawk: Gawk-3.1.7 □ ツール: Gawk-3.1.7 ・ GCC: GCC-4.4.3 □ ツール, 1回め: GCC-4.4.3 - 1回め □ ツール, 2回め: GCC-4.4.3 - 2回め ・ GDBM: GDBM-1.8.3 ・ Gettext: Gettext-0.17 □ ツール: Gettext-0.17 ・ Glibc: Glibc-2.11.1 □ ツール: Glibc-2.11.1 ・ GMP: GMP-5.0.0 ・ Grep: Grep-2.5.4 □ ツール: Grep-2.5.4 ・ Groff: Groff-1.20.1 ・ GRUB: GRUB-1.97.2 ・ Gzip: Gzip-1.4 □ ツール: Gzip-1.4 ・ Iana-Etc: Iana-Etc-2.30 ・ Inetutils: Inetutils-1.7 ・ IPRoute2: IPRoute2-2.6.31 ・ Kbd: Kbd-1.15.1 ・ Less: Less-436 ・ Libtool: Libtool-2.2.6b ・ Linux: Linux-2.6.32.8 □ API ヘッダ: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ □ ツール, API ヘッダ: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ ・ M4: M4-1.4.13 □ ツール: M4-1.4.13 ・ Make: Make-3.81 □ ツール: Make-3.81 ・ Man-DB: Man-DB-2.5.6 ・ Man-pages: Man-pages-3.23 ・ Module-Init-Tools: Module-Init-Tools-3.11.1 ・ MPFR: MPFR-2.4.2 ・ Ncurses: Ncurses-5.7 □ ツール: Ncurses-5.7 ・ Patch: Patch-2.6.1 □ ツール: Patch-2.6.1 ・ Perl: Perl-5.10.1 □ ツール: Perl-5.10.1 ・ Pkg-config: Pkg-config-0.23 ・ Procps: Procps-3.2.8 ・ Psmisc: Psmisc-22.10 ・ Readline: Readline-6.1 ・ Sed: Sed-4.2.1 □ ツール: Sed-4.2.1 ・ Shadow: Shadow-4.1.4.2 □ 設定: Shadow の構成 ・ Sysklogd: Sysklogd-1.5 □ 設定: Sysklogd の設定 ・ Sysvinit: Sysvinit-2.86 □ 設定: Sysvinit の設定 ・ Tar: Tar-1.22 □ ツール: Tar-1.22 ・ Tcl: Tcl-8.5.8 ・ Texinfo: Texinfo-4.13a □ ツール: Texinfo-4.13a ・ Udev: Udev-151 □ 利用方法: LFS システムにおけるデバイスとモジュールの扱い ・ Util-linux-ng: Util-linux-ng-2.17 ・ Vim: Vim-7.2 ・ Zlib: Zlib-1.2.3 プログラム ・ a2p: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ accessdb: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ acinstall: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ aclocal: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ aclocal-1.11.1: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ addftinfo: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ addpart: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ addr2line: Binutils-2.20 -- 説明 ・ afmtodit: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ agetty: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ apropos: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ ar: Binutils-2.20 -- 説明 ・ arch: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ as: Binutils-2.20 -- 説明 ・ ata_id: Udev-151 -- 説明 ・ autoconf: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ autoheader: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ autom4te: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ automake: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ automake-1.11.1: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ autopoint: Gettext-0.17 -- 説明 ・ autoreconf: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ autoscan: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ autoupdate: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ awk: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ badblocks: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ base64: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ basename: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ bash: Bash-4.1 -- 説明 ・ bashbug: Bash-4.1 -- 説明 ・ bigram: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ bison: Bison-2.4.1 -- 説明 ・ blkid: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ blockdev: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ bootlogd: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ bunzip2: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzcat: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzcmp: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzdiff: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzegrep: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzfgrep: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzgrep: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzip2: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzip2recover: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzless: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ bzmore: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ c++: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ c++filt: Binutils-2.20 -- 説明 ・ c2ph: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cal: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ captoinfo: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ cat: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ catchsegv: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ catman: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ cc: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ cdrom_id: Udev-151 -- 説明 ・ cfdisk: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ chage: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ chattr: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ chcon: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ chem: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ chfn: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ chgpasswd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ chgrp: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ chkdupexe: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ chmod: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ chown: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ chpasswd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ chroot: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ chrt: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ chsh: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ chvt: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ cksum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ clear: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ cmp: Diffutils-2.8.1 -- 説明 ・ code: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ col: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ colcrt: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ collect: Udev-151 -- 説明 ・ colrm: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ column: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ comm: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ compile: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ compile_et: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ config.charset: Gettext-0.17 -- 説明 ・ config.guess: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ config.rpath: Gettext-0.17 -- 説明 ・ config.sub: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ config_data: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ corelist: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cp: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ cpan: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cpan2dist: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cpanp: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cpanp-run-perl: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ cpp: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ create_floppy_devices: Udev-151 -- 説明 ・ csplit: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ ctrlaltdel: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ctstat: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ cut: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ cytune: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ date: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ dd: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ ddate: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ deallocvt: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ debugfs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ delpart: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ depcomp: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ depmod: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ df: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ diff: Diffutils-2.8.1 -- 説明 ・ diff3: Diffutils-2.8.1 -- 説明 ・ dir: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ dircolors: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ dirname: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ dmesg: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ dprofpp: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ du: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ dumpe2fs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ dumpkeys: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ e2freefrag: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ e2fsck: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ e2image: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ e2initrd_helper: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ e2label: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ e2undo: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ echo: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ edd_id: Udev-151 -- 説明 ・ egrep: Grep-2.5.4 -- 説明 ・ elisp-comp: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ enc2xs: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ env: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ envsubst: Gettext-0.17 -- 説明 ・ eqn: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ eqn2graph: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ ex: Vim-7.2 -- 説明 ・ expand: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ expect: Expect-5.43.0 -- 説明 ・ expiry: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ expr: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ factor: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ faillog: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ false: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ fdformat: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fdisk: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fgconsole: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ fgrep: Grep-2.5.4 -- 説明 ・ file: File-5.04 -- 説明 ・ filefrag: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ find: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ find2perl: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ findfs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ firmware.sh: Udev-151 -- 説明 ・ flex: Flex-2.5.35 -- 説明 ・ flock: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fmt: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ fold: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ frcode: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ free: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ fsck: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fsck.cramfs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fsck.ext2: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ fsck.ext3: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ fsck.ext4: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ fsck.ext4dev: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ fsck.minix: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ fstab_import: Udev-151 -- 説明 ・ ftp: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ fuser: Psmisc-22.10 -- 説明 ・ g++: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ gawk: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ gawk-3.1.7: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ gcc: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ gccbug: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ gcov: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ gdiffmk: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ gencat: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ genl: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ geqn: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ getconf: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ getent: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ getkeycodes: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ getopt: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ gettext: Gettext-0.17 -- 説明 ・ gettext.sh: Gettext-0.17 -- 説明 ・ gettextize: Gettext-0.17 -- 説明 ・ gpasswd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ gprof: Binutils-2.20 -- 説明 ・ grap2graph: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grcat: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ grep: Grep-2.5.4 -- 説明 ・ grn: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grodvi: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ groff: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ groffer: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grog: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grolbp: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grolj4: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grops: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ grotty: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ groupadd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ groupdel: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ groupmems: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ groupmod: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ groups: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ grpck: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ grpconv: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ grpunconv: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ grub-dumpbios: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-editenv: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-install: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkconfig: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkdevicemap: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkelfimage: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkfont: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkimage: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-mkrescue: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-probe: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ grub-setup: GRUB-1.97.2 -- 説明 ・ gtbl: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ gunzip: Gzip-1.4 -- 説明 ・ gzexe: Gzip-1.4 -- 説明 ・ gzip: Gzip-1.4 -- 説明 ・ h2ph: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ h2xs: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ halt: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ head: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ hexdump: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ hostid: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ hostname: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ hostname: Gettext-0.17 -- 説明 ・ hpftodit: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ hwclock: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ i386: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ iconv: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ iconvconfig: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ id: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ ifcfg: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ ifnames: Autoconf-2.65 -- 説明 ・ ifstat: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ igawk: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ indxbib: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ info: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ infocmp: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ infokey: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ infotocap: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ init: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ insmod: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ insmod.static: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ install: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ install-info: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ install-sh: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ instmodsh: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ ionice: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ip: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ ipcmk: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ipcrm: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ipcs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ isosize: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ join: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ kbdrate: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ kbd_mode: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ kill: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ killall: Psmisc-22.10 -- 説明 ・ killall5: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ klogd: Sysklogd-1.5 -- 説明 ・ last: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ lastb: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ lastlog: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ ld: Binutils-2.20 -- 説明 ・ ldattach: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ldconfig: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ ldd: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ lddlibc4: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ less: Less-436 -- 説明 ・ lessecho: Less-436 -- 説明 ・ lesskey: Less-436 -- 説明 ・ lex: Flex-2.5.35 -- 説明 ・ lexgrog: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ lfskernel-2.6.32.8: Linux-2.6.32.8 -- 説明 ・ libnetcfg: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ libtool: Libtool-2.2.6b -- 説明 ・ libtoolize: Libtool-2.2.6b -- 説明 ・ line: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ link: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ linux32: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ linux64: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ lkbib: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ ln: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ lnstat: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ loadkeys: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ loadunimap: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ locale: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ localedef: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ locate: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ logger: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ login: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ logname: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ logoutd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ logsave: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ look: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ lookbib: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ losetup: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ls: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ lsattr: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ lscpu: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ lsmod: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ m4: M4-1.4.13 -- 説明 ・ make: Make-3.81 -- 説明 ・ makeinfo: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ man: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ mandb: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ manpath: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ mapscrn: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ mcookie: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ md5sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ mdate-sh: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ mesg: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ missing: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ mkdir: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ mke2fs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mkfifo: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ mkfs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mkfs.bfs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mkfs.cramfs: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mkfs.ext2: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mkfs.ext3: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mkfs.ext4: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mkfs.ext4dev: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mkfs.minix: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mkinstalldirs: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ mklost+found: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mknod: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ mkswap: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mktemp: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ mk_cmds: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ mmroff: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ modinfo: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ modprobe: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ more: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mount: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ mountpoint: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ msgattrib: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgcat: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgcmp: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgcomm: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgconv: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgen: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgexec: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgfilter: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgfmt: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msggrep: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msginit: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgmerge: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msgunfmt: Gettext-0.17 -- 説明 ・ msguniq: Gettext-0.17 -- 説明 ・ mtrace: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ mv: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ namei: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ ncursesw5-config: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ neqn: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ newgrp: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ newusers: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ ngettext: Gettext-0.17 -- 説明 ・ nice: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ nl: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ nm: Binutils-2.20 -- 説明 ・ nohup: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ nologin: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ nproc: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ nroff: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ nscd: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ nstat: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ objcopy: Binutils-2.20 -- 説明 ・ objdump: Binutils-2.20 -- 説明 ・ od: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ oldfind: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ openvt: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ partx: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ passwd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ paste: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ patch: Patch-2.6.1 -- 説明 ・ pathchk: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ path_id: Udev-151 -- 説明 ・ pcprofiledump: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ pdfroff: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ pdftexi2dvi: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ peekfd: Psmisc-22.10 -- 説明 ・ perl: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ perl5.10.1: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ perlbug: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ perldoc: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ perlivp: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pfbtops: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ pg: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ pgawk: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ pgawk-3.1.7: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ pgrep: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ pic: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ pic2graph: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ piconv: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pidof: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ ping: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ ping6: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ pinky: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ pivot_root: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ pkg-config: Pkg-config-0.23 -- 説明 ・ pkill: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ pl2pm: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pmap: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ pod2html: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pod2latex: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pod2man: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pod2text: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ pod2usage: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ podchecker: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ podselect: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ post-grohtml: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ poweroff: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ pr: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ pre-grohtml: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ preconv: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ printenv: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ printf: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ prove: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ ps: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ psed: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ psfaddtable: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ psfgettable: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ psfstriptable: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ psfxtable: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ pstree: Psmisc-22.10 -- 説明 ・ pstree.x11: Psmisc-22.10 -- 説明 ・ pstruct: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ ptar: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ ptardiff: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ ptx: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ pt_chown: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ pwcat: Gawk-3.1.7 -- 説明 ・ pwck: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ pwconv: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ pwd: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ pwdx: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ pwunconv: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ py-compile: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ ranlib: Binutils-2.20 -- 説明 ・ rcp: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ readelf: Binutils-2.20 -- 説明 ・ readlink: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ readprofile: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ reboot: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ recode-sr-latin: Gettext-0.17 -- 説明 ・ refer: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ rename: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ renice: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ reset: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ resize2fs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ resizecons: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ rev: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ rexec: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ rlogin: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ rm: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ rmdir: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ rmmod: Module-Init-Tools-3.11.1 -- 説明 ・ rmt: Tar-1.22 -- 説明 ・ roff2dvi: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ roff2html: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ roff2pdf: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ roff2ps: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ roff2text: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ roff2x: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ routef: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ routel: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ rpcgen: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ rpcinfo: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ rsh: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ rtacct: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ rtcwake: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ rtmon: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ rtpr: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ rtstat: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ runcon: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ runlevel: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ runtest: DejaGNU-1.4.4 -- 説明 ・ rview: Vim-7.2 -- 説明 ・ rvim: Vim-7.2 -- 説明 ・ s2p: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ script: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ scriptreplay: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ scsi_id: Udev-151 -- 説明 ・ sdiff: Diffutils-2.8.1 -- 説明 ・ sed: Sed-4.2.1 -- 説明 ・ seq: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ setarch: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ setfont: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ setkeycodes: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ setleds: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ setmetamode: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ setsid: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ setterm: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ sfdisk: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ sg: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ sh: Bash-4.1 -- 説明 ・ sha1sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sha224sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sha256sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sha384sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sha512sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ shasum: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ showconsolefont: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ showkey: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ shred: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ shuf: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ shutdown: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ size: Binutils-2.20 -- 説明 ・ skill: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ slabtop: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ sleep: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sln: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ snice: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ soelim: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ sort: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ splain: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ split: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sprof: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ ss: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ stat: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ stdbuf: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ strings: Binutils-2.20 -- 説明 ・ strip: Binutils-2.20 -- 説明 ・ stty: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ su: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ sulogin: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ sum: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ swapoff: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ swapon: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ switch_root: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ symlink-tree: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ sync: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ sysctl: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ syslogd: Sysklogd-1.5 -- 説明 ・ tac: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tail: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tailf: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ talk: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ tar: Tar-1.22 -- 説明 ・ taskset: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ tbl: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ tc: IPRoute2-2.6.31 -- 説明 ・ tclsh: Tcl-8.5.8 -- 説明 ・ tclsh8.5: Tcl-8.5.8 -- 説明 ・ tee: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ telinit: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ telnet: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ test: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ texi2dvi: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ texi2pdf: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ texindex: Texinfo-4.13a -- 説明 ・ tfmtodit: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ tftp: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ tic: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ timeout: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tload: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ toe: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ top: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ touch: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tput: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ tr: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ traceroute: Inetutils-1.7 -- 説明 ・ troff: Groff-1.20.1 -- 説明 ・ true: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ truncate: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tset: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ tsort: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tty: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ tune2fs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ tunelp: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ tzselect: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ udevadm: Udev-151 -- 説明 ・ udevd: Udev-151 -- 説明 ・ ul: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ umount: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ uname: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ uncompress: Gzip-1.4 -- 説明 ・ unexpand: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ unicode_start: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ unicode_stop: Kbd-1.15.1 -- 説明 ・ uniq: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ unlink: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ updatedb: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ uptime: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ usb_id: Udev-151 -- 説明 ・ useradd: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ userdel: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ usermod: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ users: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ utmpdump: Sysvinit-2.86 -- 説明 ・ uuidd: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ uuidgen: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ vdir: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ vi: Vim-7.2 -- 説明 ・ view: Vim-7.2 -- 説明 ・ vigr: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ vim: Vim-7.2 -- 説明 ・ vimdiff: Vim-7.2 -- 説明 ・ vimtutor: Vim-7.2 -- 説明 ・ vipw: Shadow-4.1.4.2 -- 説明 ・ vmstat: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ w: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ wall: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ watch: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ wc: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ whatis: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ・ whereis: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ who: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ whoami: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ write: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ write_cd_rules: Udev-151 -- 説明 ・ write_net_rules: Udev-151 -- 説明 ・ xargs: Findutils-4.4.2 -- 説明 ・ xgettext: Gettext-0.17 -- 説明 ・ xsubpp: Perl-5.10.1 -- 説明 ・ xtrace: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ xxd: Vim-7.2 -- 説明 ・ yacc: Bison-2.4.1 -- 説明 ・ yes: Coreutils-8.4 -- 説明 ・ ylwrap: Automake-1.11.1 -- 説明 ・ zcat: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zcmp: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zdiff: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zdump: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ zegrep: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zfgrep: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zforce: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zgrep: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zic: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ zless: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zmore: Gzip-1.4 -- 説明 ・ znew: Gzip-1.4 -- 説明 ・ zsoelim: Man-DB-2.5.6 -- 説明 ライブラリ ・ ld.so: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libanl: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libasprintf: Gettext-0.17 -- 説明 ・ libbfd: Binutils-2.20 -- 説明 ・ libblkid: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ libBrokenLocale: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libbsd-compat: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libbz2*: Bzip2-1.0.5 -- 説明 ・ libc: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libcidn: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libcom_err: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ libcrypt: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libcurses: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ libdl: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libe2p: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ libexpect-5.43: Expect-5.43.0 -- 説明 ・ libext2fs: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ libfl.a: Flex-2.5.35 -- 説明 ・ libform: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ libg: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libgcc*: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libgcov: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libgdbm: GDBM-1.8.3 -- 説明 ・ libgettextlib: Gettext-0.17 -- 説明 ・ libgettextpo: Gettext-0.17 -- 説明 ・ libgettextsrc: Gettext-0.17 -- 説明 ・ libgmp: GMP-5.0.0 -- 説明 ・ libgmpxx: GMP-5.0.0 -- 説明 ・ libgomp: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libhistory: Readline-6.1 -- 説明 ・ libiberty: Binutils-2.20 -- 説明 ・ libieee: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libltdl: Libtool-2.2.6b -- 説明 ・ libm: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libmagic: File-5.04 -- 説明 ・ libmcheck: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libmemusage: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libmenu: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ libmp: GMP-5.0.0 -- 説明 ・ libmpfr: MPFR-2.4.2 -- 説明 ・ libmudflap*: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libncurses: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ libnsl: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libnss: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libopcodes: Binutils-2.20 -- 説明 ・ libpanel: Ncurses-5.7 -- 説明 ・ libpcprofile: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libproc: Procps-3.2.8 -- 説明 ・ libpthread: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libreadline: Readline-6.1 -- 説明 ・ libresolv: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ librpcsvc: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ librt: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libSegFault: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libss: E2fsprogs-1.41.10 -- 説明 ・ libssp*: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libstdc++: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libsupc++: GCC-4.4.3 -- 説明 ・ libtcl8.5.so: Tcl-8.5.8 -- 説明 ・ libtclstub8.5.a: Tcl-8.5.8 -- 説明 ・ libthread_db: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libudev: Udev-151 -- 説明 ・ libutil: Glibc-2.11.1 -- 説明 ・ libuuid: Util-linux-ng-2.17 -- 説明 ・ liby.a: Bison-2.4.1 -- 説明 ・ libz: Zlib-1.2.3 -- 説明 ・ preloadable_libintl: Gettext-0.17 -- 説明 スクリプト ・ checkfs: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ cleanfs: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ console: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ 設定: Linux コンソールの設定 ・ consolelog: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ 設定: Linux コンソールの設定 ・ functions: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ halt: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ ifdown: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ ifup: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ localnet: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ /etc/hosts: /etc/hosts ファイルの設定 □ 設定: localnet スクリプトの設定 ・ modules: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ mountfs: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ mountkernfs: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ network: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ /etc/hosts: /etc/hosts ファイルの設定 □ 設定: ネットワークスクリプトの設定 ・ rc: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ reboot: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ sendsignals: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ setclock: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ 設定: Setclock スクリプトの設定 ・ static: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ swap: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ sysctl: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ sysklogd: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 □ 設定: Sysklogd スクリプトの設定 ・ template: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ udev: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 ・ udev_retry: LFS-ブートスクリプト-20100124 -- 説明 その他 ・ /boot/config-2.6.32.8: Linux-2.6.32.8 -- 説明 ・ /boot/System.map-2.6.32.8: Linux-2.6.32.8 -- 説明 ・ /dev/*: 仮想カーネルファイルシステムの準備 ・ /etc/fstab: /etc/fstab ファイルの生成 ・ /etc/group: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ /etc/hosts: /etc/hosts ファイルの設定 ・ /etc/inittab: Sysvinit の設定 ・ /etc/inputrc: /etc/inputrc ファイルの生成 ・ /etc/ld.so.conf: ダイナミックローダの設定 ・ /etc/lfs-release: 作業終了 ・ /etc/localtime: Glibc の設定 ・ /etc/modprobe.d/usb.conf: Linux モジュールのロード順の設定 ・ /etc/nsswitch.conf: Glibc の設定 ・ /etc/passwd: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ /etc/profile: Bash シェルの初期起動ファイル ・ /etc/protocols: Iana-Etc-2.30 ・ /etc/resolv.conf: /etc/resolv.conf ファイルの生成 ・ /etc/services: Iana-Etc-2.30 ・ /etc/syslog.conf: Sysklogd の設定 ・ /etc/udev: Udev-151 -- 説明 ・ /etc/vimrc: Vim の設定 ・ /usr/include/asm-generic/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/asm/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/drm/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/linux/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/mtd/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/rdma/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/scsi/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/sound/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/video/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /usr/include/xen/*.h: Linux-2.6.32.8 API ヘッダ -- 説明 ・ /var/log/btmp: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ /var/log/lastlog: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ /var/log/wtmp: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ /var/run/utmp: 基本的なファイルとリンクの生成 ・ man pages: Man-pages-3.23 -- 説明