5.1. はじめに

この章では最小限の Linux システムを構築していく方法を示します。 このシステムは、最終的に 第6章 にて LFS システムを構築するためのもので、そのために必要なツール類をすべて含んでいます。 最小限とは言いつつも、取り扱いやすい実行環境を提供します。

最小限のシステムを構築するために、以下の二段階の手順を踏みます。 初めにホストシステムに依存しない新しいツールチェーン (コンパイラ、アセンブラ、リンカ、ライブラリ、その他の有用なユーティリティ) を構築します。 次にこのツールチェーンを使って、他の重要なツール類を構築していきます。

この章にて生成されるファイル群は $LFS/tools ディレクトリ配下にインストールされます。 これらのファイルは、次章にてインストールされるファイル群や、ホスト環境にあるファイル群とは区分けされます。 ここで構築されるパッケージ類は、あくまで一時的なものであるため、この後に構築する LFS システムを汚したくないためにこのようにします。