5.11. Tcl-8.5.8

Tcl パッケージはツールコマンド言語 (Tool Command Language) を提供します。

概算ビルド時間: 0.5 SBU
必要ディスク容量: 32 MB

5.11.1. Tcl のインストール

本パッケージとこれに続く二つのパッケージ (Expect と DejaGNU) は、GCC および Binutils におけるテストスイートを実行するのに必要となるためインストールするものです。 テスト目的のためにこれら三つのパッケージをインストールするというのは、少々大げさなことかもしれません。 ただ本質的ではないことであっても、重要なツール類が正常に動作するという確認が得られれば安心できます。 本章ではテストスイートを実行することは必須ではないため、実行しないものとしていますが、それらの三つのパッケージは 第6章 で行うテストのために必要となるものです。

Tcl をコンパイルするための準備をします。

cd unix
./configure --prefix=/tools

パッケージをビルドします。

make

コンパイルが終了しました。 前にも述べたように、この章にて一時的ツールのテストスイートを実行することは必須ではありません。 しかしテストスイートを実行するなら、以下を実行します。

TZ=UTC make test

Tcl のテストスイートは、特定のホスト環境において失敗することがありますが、その原因はよく分かっていません。 したがってテストスイートの失敗は驚くことではなく、さして重大なことではありません。 TZ=UTC はタイムゾーンを協定世界時間 (Coordinated Universal Time; UTC) あるいはグリニッジ標準時間としても知られる時間に設定します。 ただしこれはテストスイートを実行する時だけの設定です。 こうしておけば時刻に関するテストが正しく処理されます。 環境変数 TZ については 第7章 にて詳しく説明しています。

パッケージをインストールします。

make install

インストールされたライブラリを書き込み可能にします。 こうすることで後にデバッグシンボルを削除できるようにします。

chmod -v u+w /tools/lib/libtcl8.5.so

Tcl のヘッダファイルをインストールします。 これらは次にビルドする Expect が必要とするファイルです。

make install-private-headers

必要となるシンボリックリンクを生成します。

ln -sv tclsh8.5 /tools/bin/tclsh

5.11.2. Tcl の構成

インストールプログラム: tclsh (tclsh8.5 へのリンク), tclsh8.5
インストールライブラリ: libtcl8.5.so, libtclstub8.5.a

概略説明

tclsh8.5

Tcl コマンドシェル

tclsh

tclsh8.5 へのリンク

libtcl8.5.so

Tcl ライブラリ

libtclstub8.5.a

Tcl スタブライブラリ