viii. 本書の表記

本書では、特定の表記を用いて分かりやすく説明を行っていきます。 ここでは Linux From Scratch ブックを通じて利用する表記例を示します。

./configure --prefix=/usr

この表記は特に説明がない限りは、そのまま入力するテキストを示しています。 またコマンドの説明を行うために用いる場合もあります。

場合によっては、1行で表現される内容を複数行に分けているものがあります。 その場合は各行の終わりにバックスラッシュ (あるいは円記号) を表記しています。

CC="gcc -B/usr/bin/" ../binutils-2.18/configure \
  --prefix=/tools --disable-nls --disable-werror

バックスラッシュ (または円記号) のすぐ後ろには改行文字がきます。 そこに余計な空白文字やタブ文字があると、おかしな結果となるかもしれないため注意してください。

install-info: unknown option '--dir-file=/mnt/lfs/usr/info/dir'

上の表記は固定幅フォントで示されており、たいていはコマンド入力の結果として出力される端末メッセージを示しています。 あるいは /etc/ld.so.conf といったファイル名を示すのに利用する場合もあります。

Emphasis

上の表記は様々な意図で用いています。 特に重要な説明内容やポイントを表します。

http://www.linuxfromscratch.org/

この表記は LFS コミュニティ内や外部サイトへのハイパーリンクを示します。 そこには「ハウツー」やダウンロードサイトなどが含まれます。

cat > $LFS/etc/group << "EOF"
root:x:0:
bin:x:1:
......
EOF

上の表記は設定ファイル類を生成する際に示します。 1行目のコマンドは $LFS/etc/group というファイルを生成することを指示しています。 そのファイルへは2行目以降 EOF が記述されるまでのテキストが出力されます。 したがってこの表記は通常そのままタイプ入力します。

<REPLACED TEXT>

上の表記は入力するテキストを仮に表現したものです。 これをそのまま入力するものではないため、コピー、ペースト操作で貼り付けないでください。

[OPTIONAL TEXT]

上の表記は入力しなくてもよいオプションを示しています。

passwd(5)

上の表記はマニュアルページ (man ページ) を参照するものです。 カッコ内の数字は man の内部で定められている特定のセクションを表しています。 例えば passwd コマンドには2つのマニュアルページがあります。 LFS のインストールに従った場合、2つのマニュアルページは /usr/share/man/man1/passwd.1/usr/share/man/man5/passwd.5 に配置されます。 passwd(5) という表記は /usr/share/man/man5/passwd.5 を参照することを意味します。 man passwd という入力に対しては 「passwd」 という語に合致する最初のマニュアルページが表示されるものであり /usr/share/man/man1/passwd.1 が表示されることになります。 特定のマニュアルページを見たい場合は man 5 passwd といった入力を行う必要があります。 マニュアルページが複数あるケースはまれですので、普通は man <プログラム名> と入力するだけで十分です。