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4. Alpha の速さは?

これは、システムによって、またどのようなプログラムを走らせるかによって 異なります。

Alpha は RISC プロセッサであり、より少なく単純な命令(instructions) しか持っていません。そのため、通常、同じクロックでは CISC プロセッサよりも 遅くなります。しかし、単純であるがゆえに、高いクロックで動作させることが 容易になります。一番速い Alpha(現在 700MHz)では、Intel の最速版(450MHz) を上回ります。今後数年はこのような優位性が続くでしょう。もっとも、Alpha が Intel よりも値段が高いという状態も数年は続くでしょうが。

BogoMIPS で測ると、21164 までの Alpha では、クロック周波数(MHz)と 同じ数値を示します(Intel の 486 や、初期の Pentium も同様です)。21264 では、BogoMIPS はクロック周波数の 2 倍の数値となります(Pentium MMX 以上と同様です)。
しかし、BogoMIPS はアプリケーションを動かす際の真のスピードを 表しているわけではありません。

RISC 命令は数が少なく単純であるため、CISC と同等の結果を得るには、 多くの命令を実行しなければなりません。さらに、命令のサイズも CISC よりも 大きいのです。したがって、最高のスピードを実現するためには、大きな キャッシュと広いメモリー帯域幅を確保しましょう。多くの Alpha はチップ上に 2 段階のキャッシュを持っています。新しいマザーボードでは、広いメモリーバス (128 あるいは 256 ビット)も採用されています。しかし、古いシステムでは、 メモリーの帯域幅が狭いことがボトルネックになるものもあります。

Alpha は浮動小数点演算の性能で高い評価を得てきました。しかし、最高の 性能を引き出すには、非常に良くできたコンパイラとライブラリが必要になります。 そのため、ちょっと前までは、本物の数値演算用マシンでは Digital Unix を 導入することも多かったのです。最近では、オープンソース界のコンパイラは 依然として劣っていますが、ライブラリでは大きな進展がありました。 高度に最適化された数学ライブラリが http://people.frankfurt.netsurf.de/Joachim.Wesner/ から入手できます。


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