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この章は数年にわたって Martin Ostermann によって更新されていましたが、
Martin は現在 Jensen を所有していません。更新する場合は
私に直接連絡を下さい。
Jensen は DEC からリリースされた最初の Alpha PC です。当然ながら、
奇妙な仕様もあります。この章では Jensen に Linux/Alpha を
インストールしようとする人向けの情報が記載されています。さらに Jensen 上で
Linux を動作させるための追加情報も記載されています。
まず、Jensen 用の MILO はありません。ですから Jensen に
組み込まれている
SRM コンソールを使う
必要があります。しかも SRM コンソールでは起動時のコマンドライン入力に
対して制限があります。
Michael Schwingen 氏により
aboot
というブートローダが開発されています。これを使用すると前述のような制限を
回避することができます。
第 2 に、Jensen の SRM コンソールでは、フロッピーから起動できません。
そのため、ARC コンソールから実行可能な minilabel と writeboot プログラムを
Jim Paradis 氏が
配布するまでは、Linux の起動は本当に骨の折れる作業でした。
最新のバージョンでは、
コンパイルされた aboot ローダとインストール方法が含まれているので、
こちらを使いましょう。
オリジナルのバージョンは、インストール方法が詳細に書かれている JENSEN-HOWTO
とともに、
ftp.digital.com
から入手できます。ただし、これは旧バージョンであり、
使用すべきではありません。
Jensen は
Red Hat Linux で
サポートされていますが、いくつかのトラブルも報告されています。
Jensen は他のマシンと比較して、いくつかの相違点があります:
現在判明しているバグと作業中の事項:
- 日付と時間。ファームウエアのバージョンの違いによるリアルタイム
クロックの設定に関する問題。前述。
- ファームウエアをバージョンアップ後に起動不可能になる。
aboot は最新のファームウエアでは動作しません。
バージョン 1.7 までの動作が確認されています。
もし ELSA-Winner 1000 グラフィックカードを持っていて、ファームウエアの
バージョンを 1.7 以上に上げた場合には、カードは EISA モードでは動作しません。
ISA モードになるようにカードを再設定してください。
ファームウエアのバージョンを下げたくなるかもしれません
(バージョンが 1.7 でも、Windows-NT 3.51 と 4.0 では
良好に動作するようです)。古いバージョンは
Digital の ftp から入手できます。
- aboot-0.x が最新のカーネルで構築できない。0.4 またはそれ以上の
バージョンの aboot を入手して下さい。最新のカーネルでは構築できます。
- シャットダウンした後に自動的にリ起動しない。2.0.x の
カーネルで発生する問題です。最近の 2.1.x では解決されています。私は
2.1.88 で試してみましたが、ちゃんと再起動するようです。しかし、
このカーネルバージョンは別の問題を抱えています。
- 2 番目のシリアルポートが使えない。/dev/cua1 に
アクセスしようとすると、即座にシステムが固まってしまう。
確認したいのであれば、ファイルシステムを read-only モードに
変えてから、'cat /dev/cua1' と打ち込んでみてください。もしシリアルポートが
さらに必要な場合は、シリアルバッファカードを購入してください。内蔵のポートは
バッファタイプ(16550 互換)ではなく非バッファタイプ(16450 互換)なので、
モデムをつなごうとしているのであれば迷わずにそうすべきです。
Jensen での問題点を Alpha 一般の問題と取り違えて批判する人もいます。
しかし、Jensen はハードウエアが特殊だということを忘れないでください。
ハードウエア操作のほとんどはカーネルが担っているため、たいていの
プログラムでは Jensen と他の Digital/Alpha マシンの違いをとくに
意識する必要はありません。
システムのアップグレードを考えているのですか? いくつかの方法を以下に
挙げますが、私が全ての方法を試したわけではないことに
注意してください。単にインターネットの情報を収集しただけです。
- RAM のアップデート。
96 年夏以降に生産された 4 MB、8MB(dual-RAS 別名 doublesided)、16 MB、
32 MB の SIMM は動作すると報告されています。しかし、
決まったリフレッシュ・サイクルが必要かどうかは分かりません。
36 ビットパリティの SIMM でなければならないということに注意してください
(ただし、Michael Schwingen が確認したところによると、実際に使われるのは
4 パリティビットのうち 1 つだけのようです)。
- ビデオカード。
基本的には、どんな VGA ISA、EISA カードでも動くかもしれません。
ARC コンソールと Windows NT を使うのであれば確実に動きます。残念ながら、
Linux を起動するのに必要な SRM コンソールは、サポートしているカードとの
組み合わせにやや敏感です。SRM コンソールは、VGA-BIOS によってカードを
初期化する際に Intel-x86 エミュレーションを使うのですが、この
エミュレーションがバグを持っているようです。
X を動かしたいのであれば、S3 ベースのカードを使ってください。S3 であれば
どんなカードでも、SRM コンソールが受け付け起動してくれます(S3-Virge
などはだめです)。XF86S3 ドライバの詳細については、XFree の
ドキュメントを御覧下さい。
Jensen についての詳しい情報は? オンラインで利用可能な情報は以下の場所
から入手できます:
- David G. Conroy、Thomas E. Kopec、Joseph R. Falcone 氏によって
書かれた The Evolution of the Alpha AXP PC(
text/
Postscript
)。
Jensen の開発に至るまでの話です。
- Digital 社による Product announcement and description(
text/
Postscript)。Jensen システムに関する概略とオプションの説明が
記載されています。
- Digital 社による PB22H-KB System Module -- Hardware Reference
Information(
PDF)。Jensen のハードウエアに関して詳述されています。
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