Linux Medicine-HOWTO Werner Heuser v1.3 1 March 2001 日本語訳 長岡昭平 nagaoka@jttk.zaq.ne.jp 翻訳年月日: 2001 年 4 月 15 日 これは医学・医療を対象とする (ほとんどは GPL ライセンス下の) Linux ソ フトウェア へのポインタです。医学・医療用アプリケーション、 Medlineそ の他の書誌ツール、獣医学およびその他アプリケーションが含まれています。 ______________________________________________________________________ 目次 1. 序文 1.1 この文書について 1.2 著者について 1.3 著作権、免責条項、商標 2. 医学・医療用アプリケーション 2.1 Freemed 2.2 Freemed-YiRC 2.3 Good Electronic Health Record - GEHR 2.4 Conversion of ECGs - ecg2png (ECGs の変換 - ecg2png) 2.5 GTDS - Oncologie Documentation (German) (GTDS - 腫瘍学ドキュメンテーション、 ドイツ語) 2.6 Linux in a Doctor's Office (German) 2.7 Andromeda (German) 2.8 Res Medicinae (German) 2.9 Linux Port of Mallinckrodt CTN Software (Mallinckrodt CTN ソフトウェアの Linux への移植) 2.10 Endoscopy (内視鏡検査) 2.11 LinuDent 2.12 VISIdent (German) 2.13 Quality Documentation Statistic - QDS (German) 2.14 GNUMed 2.15 The Littlefish Health Project 2.16 Free Practice Management - FreePM 2.17 PhysioNet 2.18 REALTIQ - ReAligning Tissue Quantifier 2.19 Open Infrastructure for Outcomes (臨床経過オープンインフラストラクチャ) 2.20 CTSim 2.21 myPACS 2.22 LIMS - Laboratory Information Management Systems (LIMS - 検査室情報管理システム) 2.23 Meditux 2.24 XBNC 2.25 HL7lib - Health Level 7 Library 2.26 OMEGA and Mumps Compiler (OMEGA および Mumps コンパイラ) 3. Medline および書誌ツール 3.1 BioMail 3.2 DubMed 3.3 Pybliographer 3.4 sixpack 3.5 Surfraw 4. スポーツおよび栄養学 4.1 Nut 4.2 gnutrition 4.3 Bicycle Ride Calorie Calculator 4.4 Java SmokingMeter (Java スモーキングメーター) 4.5 weight 5. 他のリソース 5.1 LinuxMedNews 5.2 Other Pointers 6. 獣医学 6.1 FreeVet 7. その他 7.1 データ収集 8. 謝辞 9. 改訂履歴 10. 日本語訳について ______________________________________________________________________ 1. 序文 Life is the first gift, love is the second, and understanding is the third. -- Marge Piercy ( 訳注 : 森本 淳さんの訳 があります ) 1.1. この文書について この文書は LINUX DOCUMENTATION PROJECT - LDP の一環です。 Linux and Medicine からこの文書の 最新版が多様な文書形式で取り出せます。 Linux JF (Japanese FAQ) Project の長岡昭 平が日本語訳を申し出ています。 この文書はまだ充分なものではありません。一つの章かまたはたとえ小さな部 分であってもあなた自身で記述したいと思われたときは遠慮なく私に連絡して ください。提案、勧告、批評などご意見も歓迎します。 Werner Heuser 1.2. 著者について Linux ソフトウェアで構築された医学・医療用アプリケーションを調査しよう という考えがひらめいたのはドイツ国内の 2 つの病院でコンピュータ部門の システム管理者として働いているときです。この HOWTO 以外にも Linux- Mobile-Guide 、 Linux-Infrared-HOWTO 、Linux-Ecology-HOWTO を書いています。 1.3. 著作権、免責条項、商標 著作権 - Copyright (C) 2000 by Werner Heuser この文書は LDP license に述べ られた条件で配布されるものとします。 これはフリーな文書です。役にたつことを期待して配布していますが、いかな る保証もいたしません。この文書の情報は私の知る限りでは正しいのですが、 私がなにかミスを犯してしまった可能性も常にあります。そういうわけで盲目 的にすべてに従わないようにしてください。とりわけなにかおかしいと感じる ときはそうです。ここに書かれていることはコンピュータに有害な影響をもた らすことはないはずです。しかしここに含まれている情報を使用することに よって万一損害を被ったとしても私は責任を負いません。 商標については少々余分だろうとおもうのですが (なにを言いたいかは Open Source Definition を見てください) - もしある語句が商標ならそれがだれの所有か文脈で明らかにするべきです。 たとえば MS Windows NT は Windows NT が Microsoft (MS) のものだという ことを示しています。 Mac は Apple Computer の商標です。商標はすべてそ れぞれの所有者に属します。 2. 医学・医療用アプリケーション 2.1. Freemed freemed はウェブブラウザウインドウで動く医療 業務管理ソフトウェアパッケージです。これは現在 Apache、SQL バックエン ド(MySQL を使うのが普通ですが、 SQL Abstraction もあります)、PHP で作 られていてブラウザに依存しません。freemed は あの Medical Manager のよ うなプログラムの機能をそっくり再現して、しかもコミュニティにたいしてフ リーであることを目指しています。 2.2. Freemed-YiRC Freemed-YiRC は Freemed をベ ースとした PHP パッケージで青少年入所施設ケア (Youth in Residential Care - YiRC)機関で使用されます。これの目的はカスタマイズできない旧来の ノンフリーなアプリケーションを完全な形で置き換えることです。PHP ベース ですのでクライアントに必要なものは拡張テーブルをサポートしている高品質 のウェブブラウザだけです。 2.3. Good Electronic Health Record - GEHR openEHR Foundation の主要な成果の 1 つの Good Electronic Health Record (GEHR) は 現在進行形の電子カルテのアーキテク チャで、包括的で移植性が高く法的に耐え得る構造に設計されています。これ は電子カルテに関してこれまでで最も包括的な要求事項文書である Good European Health Record project の要求事項とオブジェクトモ デルに従って開発されています。このウェブサイトはこの電子カルテの具体化 に使用した資料とリソースの公的資源 (public resource)です。 2.4. Conversion of ECGs - ecg2png (ECGs の変換 - ecg2png) ecg2png はスキャナーで 取り込んだ 12 誘導心電図(ECGs)を PNG フォーマットに変換するとともに ウェブフレンドリな画像サイズにします。このプログラムは次に述べるような 問題を解決します。すなわち比較的高解像度でスキャンされた ECG は六百万 ものカラーピクセルを持っていてウェブブラウザに大きいメモリ負荷をかけ、 また一般的なスキャナーは白紙の ECG を単に赤、黒、白だけでなく多くのカ ラーに変換します。その結果出来たファイルは効率よく圧縮出来なくて低速度 のネットワーク接続を通じてでは伝送に多くの時間がかかります。このプログ ラムは信号を保持しながら画像を圧縮しカラーマップを一掃してウェブ上での 配布に適したビットマップの ECG 画像にします。 2.5. GTDS - Oncologie Documentation (German) (GTDS - 腫瘍学ドキュメン テーション、 ドイツ語) Giessener Tumor Documentation System - GTDS は実際は SCO-Unix 上で Oracle データベースシステム用として作られていますが iBCS モジュール が 使われている Linux 上でも動きます。 2.6. Linux in a Doctor's Office (German) Karsten Hilbert は Linux in a doctor's office のセッ トアップ法を順に記述したウェブページをドイツ語で立ち上げています。これ は PraxisComputer 6/99 の記事に基づいています。 2.7. Andromeda (German) Andromeda はドイツ語で書かれているオープンソース の診療所情報管理システムです。 2.8. Res Medicinae (German) これはたぶん多くの国々でも同じだと思いますがドイツにおいて確実なこと は、医師の診療に使われている事務処理用ソフトウェアの約 80% はいまだに アンティークな DOS です。当世風のグラフィカル ユーザー インタフェー ス(GUI)が徐々にマーケットシェアを獲得していますが、その大半はバグの多 い、にもかかわらず高価な MS WINDOWS に基づくものです。 システムを購入するとユーザー(医師)はプロバイダとコストの掛かるアップデ ートに拘束されます。これらはパブリックへルスシステムと技術進歩の絶え間 ない変化に対応するため必要です。 Res Medicinae が試みているのは医療情報シ ステムの領域における高価格体系の克服、および最新のテクノロジの使用と他 の多くの医療用システムにたいしてオープンであることにより、ユーザーに安 定した、プラットフォームに依存しない、拡張性のあるシステムを提供するこ とです。 2.9. Linux Port of Mallinckrodt CTN Software (Mallinckrodt CTN ソフト ウェアの Linux への移植) Nijmegen 大学病院 放射線画像診断部門 (Nijmegen MRI Research Group - NMRG)の Mark Stoutjesdijk によって移植されました。 2.10. Endoscopy (内視鏡検査) Linux に対する直接のネイティブサポートのある GI-Trac (TM) 2000 version 4.5 が ASD/MediTrac から発表されました。 GI-Trac はデータベースでありまた内視鏡検査報告システムです。ライセンス - 商用 2.11. LinuDent LinuDent はコンソー ルモードまたは X 上で動く歯科診療用経営管理ソフトウェアパッケージで す。X 用バージョンは GTK を使用していて Linux のもとで開発が進められて います。このパッケージの目的は総合歯科管理プログラムの機能すべてを再現 し、しかもコミュニティにたいしてフリーであることを目指しています。 2.12. VISIdent (German) 商用ソフトウェアの VISIDent は BDV が 作成した ド イツの歯科医師向け GUI ベースの情報検索と経理システムです。 2.13. Quality Documentation Statistic - QDS (German) QDS はオープンソース のパブリック へルスケア向け医療用カタログとドキュメンテーションシステ ムです。 2.14. GNUMed GNUMed はペーパーレス医療向 けの包括的であるとともに確固たるオープンソース ソフトウェア パッケージ です。GNUMed は完全にオープンソースです。開発に使用されているツールの どの一つをとってもそれはオープンソースで、商用のソフトウェアは全く使わ れていません。 GNUMed サーバーは GNU/Linux や freeBSD のような Unix タイプのオープン ソース ソフトウェア上で動作します。WinNT (これはお奨めしません)のよう な商用のソフトウェア上でも同じように動作します。 GNUMed クライアントは TCP/IP をネットワーク コミュニケーション に使うことができるプラット フォームにも本物のシン クライアントにも何にでもなることができます。 GNUMed の主なクライアント(アドミニストレーション クライアント) は GTK+ / VDK ツールキットで作成されたグラフィカルユーザインターフェースを簡単 に使用出来ます。他のクライアントは正確に定義された API でデータベース サーバで扱われる多くのプログラム論理を簡単に記述することができま す。GNUMed は頑強な SQL クライアントサーバ コンセプトに基づいておりデ ータベースの完全性を常にモニタする機構が備わっています。もし何らかの理 由でデータが損なわれたならすぐに通知されます。2 層のトランザクションプ ロトコルによりどんな障害からでもいつでも回復することができます。 GNUMed の特徴は内蔵しているトランザクションロギングとデータの暗号化で それはデータの安全性を高くしセンシティブなデータの機密性を最大限に保証 します。 2.15. The Littlefish Health Project Littlefish プロ ジェクトは地域の保健機関のためのオープンソースでユーザーフレンドリな患 者情報検索システムです。このプロジェクトは GEHR つまり Good Electronic Health Record の基準に従います。 2.16. Free Practice Management - FreePM FreePm は医療従事者が設計した (provider designed) 患者中心の電子カルテと診療管理アプリケーションを構築するオー プンソース プロジェクトです。 2.17. PhysioNet PhysioNet によりウェブを経由して多量の生体 信号記録のコレクションおよび関連のオープンソース ソフトウェアに自由に アクセスできます。 PhysioNet は Research Resource for Complex Physiologic Signals の行う公共のサービスであり National Center for Research Resources of the National Institutes of Health の資金提供を受 けています。 PhysioNet が属している Research Resource for Complex Physiologic Signals は共同プロジェクトであり、ボストンの Beth Israel Deaconess Medical Center/Harvard Medical School、Boston University、McGill University、および MIT の研究者が始めました。これは National Center for Research Resources of the National Institutes of Health が後援して います。この研究リソースは複合した生体および生理信号の現行および新規の 研究の振興を目的としており、密接に関係する三つの構成要素から成り立って います。 o PhysioNet は生体信号記録およびそれを解析するオープンソース ソフト ウェアの普及と交換のためのオンラインフォーラムであって、データの協 同解析および提案された新しいアルゴリズムを評価するための便宜をは かっています。PhysioNet は PhysioBank データおよび PhysioToolkit ソ フトウェアへのフリーな電子アクセスを提供するとともに、オンライン チュートリアルによるサービスおよびトレーニングにより初歩的なユーザ ーやもう少し上達したユーザーを援助します。これは WWW を経由してアク セス可能な公共サービスリソースです。 o PhysioBank はデジタル生体信号記録および関連データを特徴とする広範囲 の、発展し続けているアーカイブであり、生体研究コミュニティの利用に 供されています。 現時点で PhysioBank には心筋梗塞、鬱血性心不全、癲癇、歩行障害、睡 眠時無呼吸、および老化などの主に公衆衛生学に関連する多様な健康状態 の健康被検体および患者被検体からの心肺、神経系、およびその他からの マルチパラメータ生体信号データベースが含まれています。 これらのデータベースはその規模と範囲が拡大しつつあり、研究コミュニ ティのメンバーの開発および寄与による in vitro および in vivo の実験 から選択された信号も含まれることになります。 o PhysioToolkit は広範囲でかつ拡大しつつあるソフトウェアライブラリ で、生体信号の処理および分析、古典的技術と統計物理学および非線型力 学に基づく新手法の双方による生理学的に意味のある事象の検出、信号の 対話型表示および特性解析、データベースの新規作成、生体および他の信 号のシミュレーション、定量評価法および比較分析法、ならびに非平衡お よび非定常過程の分析に対応しています。 PhysioToolkit に提供されるソ フトウェアに関する研究プロジェクトの統一テーマは生体信号からの隠さ れた情報、医療において診断もしくは予後診断に役立つ情報、あるいは基 礎研究に内在する説明力もしくは予知力の抽出です。すべての PhysioToolkit ソフトウェアは GNU General Public License (GPL) のも とでソースの形で利用できます。 上記では言及しなかった二三の興味深い項目 - 1. 我々のソフトウェア開発の全ては Linux のもとで行われています。提供さ れたソフトウェアは Linux 用に書かれていないものであっても Linux に 移植されます。ほとんどのソフトウェアは UNIX の他のバージョンに移植 可能であると同様に他のオペレーティングシステムにも移植できます。 2. 生体信号処理、分析、および視覚化アプリケーションの大部分は W3C- libwww に蓄積されている共通のライブラリで構築しています。これらアプ リケーションはローカルまたはウェブサーバー上のデータに対してアクセ ス透過性を与えます。 (言い換えればこれらは独立した HTTP クライアン トとして動作することができます)これらは共同研究を支援するように設計 されていますが多くは遠隔医療業務に有効でしょう。このライブラリを使 用して全く簡単に新しいアプリケーションを作成できます。そしてそこに はアプリケーションの開発を始める人を援助するための豊富なオンライン チュートリアルおよびリファレンス資料があります。 3. データコレクションのなかには相当数の標準的な、注釈つき心電図データ ベースがあります。(なかには1970年代半ばに我々が作成を始めた幾つかの データベースおよび作成者により寄贈されたデータベースが含まれていま す) これらの心電図データベースは現行の ANSI あるいは検討中の ISO 基 準に関連して US FDA などの監督官庁による心電図計の自動解析機の検査 に不可欠です。これらのデータは NIH/NCRR の援助によって最初にウェブ 上での自由な利用が可能になっています。 4. 約 12 GB のデータが現在オンライン上にあります。そして目下、別の 60 GB が待機していて我々がサーバーにディスクを増設したときに数ヵ月をか けて追加される予定です。 2.18. REALTIQ - ReAligning Tissue Quantifier REALTIQ は Re-aligning Tissue Quantification の略です。このソフトウェ アはいまのところアルファ版です。 ソフトウェアの特徴 - o 患者スキャン画像(patient-scan)のトリリニア補間による任意の新しい軸 線への再整列(re-align) o 長骨組織のセグメンテーション o 長骨組織の数量化 o DICOM 互換 説明 - このソフトウェアの試作版は関節炎に罹った患者の骨髄腔寸法(medullary- canal dimensions) と皮質骨領域(cortical-bone area)との関連を研究するた めに開発されました。 CAT データについてはもし対象(このばあいは手/指)が CAT の軸線に正確に 沿っていない場合、断面は骨のねじれた画像を表示し定量測定は高いエラー率 になってしまうという問題があります。 REALTIQ は DICOM 画像のセットを読み込んでそれを観察者に frontal、sagittal、 transversal 画像として表示します。ユーザーはこのデ ータによりマウスを使って直観的に軸線とその周りの境界ボックスを指定する ことができます。データセットは新しい軸線に対してマップされ対象の構造が 適正にそろえられます。次いでソフトウェアが以下の計算を行います - o 骨髄腔寸法(いろいろな方向から) o 骨髄腔領域(吸収率) o 皮質骨寸法(いろいろな方向から) o 皮質骨領域(吸収率) 詳しくは DigitalMedics をご覧ください。 2.19. Open Infrastructure for Outcomes (臨床経過オープンインフラスト ラクチャ) OIO はウェブベースの治療経過管理の情報シス テムです。Harbor/UCLA 診療管理/リサーチデータ医療センターがこれを作成 しました。OIO が作成しどの OIO サーバでもホストされるフォームが XML ファイルでダウンロードできます。"フォーム ライブラリ" からダウンロード して OIO サーバにインポートしてしまうと必要なデータベーステーブルが自 動的に再作成されてそのインポートされたフォームを OIO サーバのユーザー は直ちに使用できるようになります。 2.20. CTSim CTSim は GPL ライセンス下のコンピュータトモグ ラフィシミュレータです。CTSim はファントムの X 線データを取得するプロ セスをシミュレートします。それから元の画像を再構築するため多様な再構築 アルゴリズムを使用します。読取りと再構築の過程はコンピュータトモグラ フィのチュートリアルとしてアニメ化することができます。プリコンパイル版 が Microsoft Windows および Linux に使用できます。 2.21. myPACS MyPACS はウェブベース の医療画像管理システムです。MyPACS は PHP 3.x で書かれており、リレー ショナルデータベースのバックエンドに MySQL を使用しています。これの機 能は検索すること、画像および患者データをウェブブラウザから、共有あるい は専用の画像リポジトリへアップロードすることと ImageMagick を使用した サムネイル作成および画像変換です。MyPACS は今のところ DICOM 基準との互 換性はありません。 2.22. LIMS - Laboratory Information Management Systems (LIMS - 検査室 情報管理システム) LIMS ASTM Standard(E1578 検査情報管理システム標準ガイド)は Annual Book of ASTM Standards Volume 14.01 Healthcare Informatics - Computerized Systems and Chemical and Material Information にあります。この基準には 小さい専門用語の節があって LIMS に関連した 25 個の用語が掲載されていま す。この標準ガイドは初めての LIMS ユーザーに対する LIMS の目的および機 能とそれの取得方法の教育が目的です。 この書籍には LIMS に関連したもう1つの補足的な標準が載っています。E2066 Standard Guide for Validation of Laboratory Information Management Systems(E2066 検査情報管理システムの妥当性に関する標準ガイド)です。 Blaze Systems Corporation LIMS による BlazeLIMS サーバは Linux 上でサポートされています。 2.23. Meditux Meditux は Java-servletベースのソフ トウェアであって MySQL への、すなわち潜在的に JDBC が使えるデータベー スエンジンへの、ウェブインタフェースを提供しています。これは臨床および 研究データを収集する集中治療室のイントラネットサイトをサポートするため に開発されました。 2.24. XBNC XNBC は生体系神経回路網シミュレー ションソフトウェアパッケージです。4 つのニューロンモデルが使用可能であ り、内 3 つは現象学的モデル(xnbc、リーキーインテグレータ、コンディショ ナルバースタ)、もう 1 つはイオン伝導ベースモデルです。シミュレートされ たニューロンモデルへはファイルに蓄積した実験データを入力することができ るとともにハイブリッドな回路網も作成できます。グラフィックツールは回路 網だけでなくニューロンモデルも記述できます。 2.25. HL7lib - Health Level 7 Library HL7lib Health Level 7 Library はフリー で適切な Health Level 7 機能の実装です。 Health Level 7 は大規模な病院 においてベンダーが異なるコンピュータシステム間で患者情報を送信するのに 一般的に使われています。 HL7 には参考となる実装がないのでこれらベンダ ーのシステムの多くは HL7 の解釈が大きく異なっています。 2.26. OMEGA and Mumps Compiler (OMEGA および Mumps コンパイラ) Mumps コンパイラは主として医療(healthcare)用に使用される Mumps 言語の サブセット用コンパイラです。標準 C コンパイラを備えたほとんどの OS と 互換性があります。ライセンス - GPL OMEGA は M テクノロジ (MUMPS)プログラミ ング言語の実装であってオープンソースです。これは拡張可能であって目下 MySQLが組み込まれています。OMEGA は SQL のトリガ/バリデーショ ン(trigger/validation)フロントエンドとして理想的です。ライセンス - 非 商用ならフリー 3. Medline および書誌ツール 3.1. BioMail BioMail は医学研究者および 生物学者のための小規模ウェブベースアプリケーションです。これは PubMed Medline データベースにおける最近の科学論文の自動検索用に書かれていま す。BioMail はユーザーがカスタマイズした形の検索を定期的に Medline に 対して行い、新しく Medline に加えられた論文の中でマッチングしたすべて の論文をユーザーの e メールアドレスへ送ります。 3.2. DubMed DubMed は java ベースの Medline (Pubmed) イ ンタフェースです。これのサーバサイド バックエンドが国立医学図書館の Entrez システムから検索結果を受け取ります。DubMed にはビジュアルな検索 方式のパレットがあり、見つけた引用からオンライン定期刊行物にリンクする ために定期刊行物メタデータリポジトリを使用可能なときは使用します。 3.3. Pybliographer Pybliographer は書誌データベース 管理ツールです。これはいくつかの書誌フォーマットをサポートしており GNOME 用の快適なグラフィカルインタフェースを介して検索、編集、再フォー マットその他が使用できます。Pybliographer はその本質から多数の用途(書 誌検索者別 HTML を作成するなど)に拡張できます。これにはスクリプト例が 付いています。国際化、Medlineサポート、LyXサポート、スピードアップ諸々 です。 3.4. sixpack sixpack は Perl/Tk で書かれた グラフィックおよびコマンドラインの書誌データベースマネージャです。これ は提供された bp を使って対話します。bp は bibtex,endnote,medline,procite そのほかを含む多数のフォーマットから インポート/エクスポートができます。リファレンスを直接 Web からダウン ロードしたり外部のビューアで論文を開くことも可能です。 3.5. Surfraw Surfraw (Shell Users' Revolutionary Front Rage Against the Web) は人気がある多様なウェブ検索エンジンとサイ トに UNIX コマンド・ライン・インタフェースを提供します。これらサイトに は,Google、Altavista、Raging、DejaNews、Research Index、Yahoo!、 WeatherNews、Slashdot、freshmeatその他多数があります。Freshmeat、 NewScientist、 MedLine、および PubMed databases (PubMed, Nucleotide, Protien, Genome, Structure, Popset)の新しい elvi クライアントと、もっ と多くの Google サーチタイプ (BSD, Linux, Mac, UncleSam)へのサポートも あります。 4. スポーツおよび栄養学 4.1. Nut Nut により何を摂取したか を記録し、食事を栄養素組成に分解することができます。データベースが含ん でいるのは USDA Nutrient Database for Standard Reference、 Release 13 で 6,210 種の食品が入っています。 この食品組成表データベースには次の値が含まれています。カロリー、タンパ ク質、炭水化物、食物繊維、総脂肪、飽和脂肪、一価不飽和脂肪、多価不飽和 脂肪、およびコレステロール - ビタミンA、チアミン、リボフラビン、ナイア シン、パトテン酸、 B6、葉酸、B12、C、E - ならびにカルシウム塩、銅、 鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン、ナトリウム、および 亜鉛。栄養素のレベルは米国における食物分類の一般的な標準である日量に対 するパーセントで表されています。重要なPUFAの日量平均グラム数とともにオ メガ-6系およびオメガ-3系多価不飽和脂肪酸のレベルも表示してあります。 この食品リストを検索し供された分量に応じて栄養素の値を調べることができ ます。また特定の栄養素のレベル順に食品のランク付けができます。個人代謝 に応じて日量のカロリーレベルを変えることもできます。また脂肪、炭水化 物、および食物繊維は自動的に調整されます。データベース中の食品から自分 自身のレシピを作成して付け加えることもできます。 4.2. gnutrition Gnutrition は GNOME 向けの栄養素 分析ソフトウェアです。これはレシピまたは個々の食品の栄養素の値を計算で きます。このソフトウェアはUSDA 栄養素データベース(USDA Nutrient Database)を使用しており、これは 5000 を超える食品の 81 栄養素に関する データを含んでいます。 4.3. Bicycle Ride Calorie Calculator Bicycle Ride Calorie Calculator は Greg Kondrasuk が作成したシンプルなプログラムで自転車乗りでのカロリー 消費の数値を計算します。これは1989年5月に発行された Bicycling Magazine 100-103 ページに基づいています。このプログラムは時間、距離、乗り手の体 重、風速および方向、牽引、ならびに登坂で消費されるカロリー値をうまく推 定することができます。 4.4. Java SmokingMeter (Java スモーキングメーター) SmokingMeter はスタンドアロンの Java アプリケーションで、元喫煙者がどれくらい長く禁煙しているか、それ でどれくらい節約になっているか、および何本たばこを控えていることになる かを示します。 4.5. weight weight はユーザーの体重の 推移を追うのを手助けする GPL プログラムです。このプログラムは日々の体 重をベースとした加重移動平均 (日々の体重の変動を平滑にするのに有効)と カロリー負荷の計算および月間、四半期毎、年間、その他の体重グラフを描く ことができます。 5. 他のリソース 5.1. LinuxMedNews LinuxMedNews は最新の技術を使用して根本 的に変化しつつある医療教育および医療の実践を促進、増強、創 始(begin)し、効率的、公正、かつ人間味のあるものにすることを目指すサイ トです。これらの目標を達成するためこのサイトは Zope および slashdot の クローンの Squishdot を使用しています。これは医師向けを意図しておらず 健康管理(health care)とオープンソースに興味がある人のための興味/娯楽 フォーラムおよびリソースとなることを意図しています。 5.2. Other Pointers o Medical-Image-FAQ - 医療画像 FAQ o Peter's Resources on Medicine (PCR MED) - ピー ターの医学・医療リソース o Peter's Resources on Biocomputing (PCR BIOC) - ピ ーターのバイオコンピューティングリソース o Protana o Timothy M. Persons o OMP o JOSMC o OpenHealth http://www.openhealth.org/ オープン へルスケアグループはフリーでオープンソースのカルテの奨励と配布を 扱っている組織です。オープンへルスメーリングリストはへルスケアとオ ープンソースソフトウェアに興味のある IT 専門家と一般の人々が集まっ てこの分野の問題を討議する場所です。 o ResMedicinae o Open Source Health Care Alliance (OSHCA) は 人と動物のへルスケアにおけるオープンソースソフトウェアを奨励、促進 する共同フォーラムです。 o IEEE committee for medical device communications (IEEE 1073 standards) - 医療機器通信 IEEE 委員会(IEEE 1073 standards) Linux 関連のニュースグループおよびメーリングリストまだ調査していませ ん。 6. 獣医学 6.1. FreeVet FreeVet は Qt ツールキットを使 用して作成された Y2K 対応済の 動物診療システムです。データベースには MySQL を使用しています。これは獣医師に対して診療所の規模の大小は問わず その経営に関する完備した問題解決法を提供することが目的です。 7. その他 7.1. データ収集 たとえば病院においてはデータ収集の役割が増大していますがその役割はハン ドヘルドコンピュータ (HPCs) あるいは携帯型情報機器 (PDAs) が果たしてい ます。これらは携帯情報端末 (PALMs)として知られています。Linux はこれら のデータをサーバーと交換する手段、たとえば IrDA ポート経由、を提供しま す。詳しくは Infrared-HOWTO を参照し てください。Linux ではない携帯情報端末機器アプリケーションの概略は PalmPilot Medical - Palmtops PDAs HPCs Palm - Net Links にあります。 8. 謝辞 つぎの方々に感謝いたします。 o AIRION Asssociates o K. Szabo Botond MyPACS o Patrick Goltzsch o Chason Hayes MD o Christian Heller o Karsten Hilbert o George B. Moody Harvard-MIT Division of Health Sciences and Technology o Shouhei Nagaoka , Japanese translation o Kevin Rosenberg, M.D. o Andrew Sutton o Ralf Stephan o Martin Wawro LS7, Department of Computer Science, UniDO 9. 改訂履歴 o v0.1、 1999年11月17日 初稿 o v0.2、 2000年1月26日 URLチェック、小改訂、第2稿 o v1.0、 2000年1月27日 LinuDent 加筆、序文および免責条項加筆、 小改訂、初回公式リリース o v1.1、 2000年4月20日 Res Medicinae へリン ク、QDS、sixpack、LinuxMedNews 加筆、小改訂 o v1.2、 2000年11月4日 Nut へリンク、Free Practice Management、LittleFish、 GNUMed、REALTIQ、VISIdent、weight、OIO、CTSim、myPACS、BlazeLIMS、 XNBC、PhysioNet 加筆、新 URL 文書、小改訂 o v1.3、 2001年3月1日、gnutrition、Java SmokingMeter、 HL7lib - Health Level 7 Library へのリンク追加、いくつかのリンク更新、日本語 訳提案 10. 日本語訳について 翻訳につき助言を頂いたつぎの方々に感謝いたします。 o 中野武雄さん o 宮司正道さん o 明石浩史さん 日本語訳は Linux Japanese FAQ Project が作成しました。翻訳に関するご意 見は JF プロジェクト または、長岡昭平 宛に連絡してください。 (翻訳年月日 2001 年 4 月 15 日 v1.3)