10. NIS/NYS インストールのチェック

すべてがうまく行ったら、 簡単なコマンドを使ってインストールのチェックを行って下さい。 例えばパスワードファイルが NIS/NYS で共有されている場合は、

% ypcat passwd

というコマンドで NIS のパスワードファイルの内容が見られるはずです。 また

% ypmatch userid passwd

とすれば、 指定したユーザのエントリがパスワードファイルから取り出されて表示されます (userid には適当なユーザのログイン名を入れます)。 なお ypcatypmatch は、 trad-NIS や NYS の配布パッケージに入っています。

ユーザーによるログインができない場合には、 以下のプログラムをクライアントで実行してみて下さい。

#include <stdio.h>
#include <pwd.h>
#include <sys/types.h>

int
main(int argc, char *argv[])
{
  struct passwd *pwd;

  if(argc != 2)
    {
      fprintf(stderr,"Usage: getwpnam username\n");
      exit(1);
    }

  pwd=getpwnam(argv[1]);

  if(pwd != NULL)
    {
      printf("name.....: [%s]\n",pwd->pw_name);
      printf("password.: [%s]\n",pwd->pw_passwd);
      printf("user id..: [%d]\n", pwd->pw_uid);
      printf("group id.: [%d]\n",pwd->pw_gid);
      printf("gecos....: [%s]\n",pwd->pw_gecos);
      printf("directory: [%s]\n",pwd->pw_dir);
      printf("shell....: [%s]\n",pwd->pw_shell);
    }
  else
    fprintf(stderr,"User \"%s\" not found!\n",argv[1]);

  exit(0);
}

このプログラムをユーザ名をパラメータとして実行しますと、 そのユーザに対して getpwnam 関数が返す情報が全て表示されます。 これによって、どのエントリが間違っているかがわかるでしょう。 よくある間違いとしては、パスワードのフィールドが "*" によって上書きされている、などがあります。

GNU C Library 2.1 (glibc 2.1) には getent というツールがついてきます。 そのようなシステムでは、上記の代わりにこちらを使いましょう。
% getent passwd
% getent passwd login
のように試してみましょう。