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3. ファイルの印刷

このセクションでは、Linux 環境上で作成される種々のファイルを印刷する方法 について解説します。

3.1 グラフィックファイルの印刷

プリンタでグラフィックファイルを印刷する方法は、一般にそのグラフィック ファイルがどういう形式に変換されているのか、どのようなプリンタに送ろうと しているのかによって異なります。ドットマトリックスの場合は、グラフィック を扱う方法が機種ごとに違うので、一般的な方法というのはありません。その場合、 最善の方法は使用するプリンタが Epson もしくは IBM ProPrinter 互換かどうか 確認し、その上でグラフィックファイルを PostScript に変換し、ghostscript (次章をご覧ください) を使ってそれを印刷することです。

レーザープリンタをお持ちなら、PCL 互換の場合が多いので、話はもう少し 簡単になります。その場合、方法は複数あります。プログラムの中には直接 PCL 形式 で出力できるものがあります。それができないときは、NetPBM といった プログラムを使えば PCL 形式に変換できます。また、最後の手段として ghostscript (次章を参照) を使う手もあります。

最も完璧な方法としては、まず NetPBM と ghostscript といったパッケージを インストールして、次に magic filter もインストールし、グラフィックファイルを 自動的かつ簡単に処理することです。

3.2 PostScript ファイルの印刷

PostScript インタープリタ内蔵のプリンタで PostScript ファイルを印刷する のは簡単です。単に lpr コマンドを使えば、プリンタが必要な処理 をすべて行ってくれます。PostScript を処理できないプリンタを持っている 場合は、別の方法を使うしかありません。さいわい、PostScript を解析して 大部分のプリンタが理解できる言語に変換するプログラムがいくつかあります。 そうしたプログラムの中で最も有名なのが Ghostscript です。

Ghostscript の役割は、PostScript ファイルのすべての記述をプリンタが理解 できるコマンドに変換することです。Ghostscript を使って PostScript を 印刷するには、次のようなコマンドを使います。

$ gs -dSAFER -dNOPAUSE -sDEVICE=deskjet -sOutputFile=\|lpr thesis.ps

上記の例で注意すべき点は、-sOutputFile オプションを使って パイプ処理によって Ghostscript の出力を lpr コマンドに送っている ということです。

Ghostview は、X Window System 用の Ghostscript のインターフェイスです。 Ghostview を使うと、印刷する前に PostScript ファイルの印刷結果をプレビュー することができます。Ghostview と Ghostscript は、両方とも ftp://prep.ai.mit.edu/pub/gnu/ で入手できます。

3.3 PDF ファイルの印刷

Adobe は Linux 用の Acrobat Reader をリリースしており、Adobe のホームページ http://www.adobe.com から入手可能となっています。Acrobat Reader の前任者である xpdf も入手可能です。どちらも PostScript 対応 プリンタで印刷する必要があります。

3.4 TeX ファイルの印刷

最も簡単な TeX ファイルの印刷方法は、一旦 PostScript ファイルに変換して それを Ghostscript を使って印刷することです。それには先ず、TeX ファイルを DVI (これは、device-independent の意味です) に変換する必要があります。 これは、tex(1) コマンドを使えば実行できます。その上で、 dvips を使って DVI ファイルを PostScript ファイルに変換する 必要があります。上記の手順には、次にようなコマンドを使います。

$ tex thesis.tex
$ dvips thesis.dvi

これによって出来上がった PostScript ファイルは、先ほど説明した方法で 印刷することができます。

3.5 troff 形式でフォーマットされたファイルの印刷

$ groff -Tascii thesis.tr | lpr

か、もしくは

$ groff thesis.tr > thesis.ps

といったコマンドを実行して、PostScript ファイルを先ほど説明した 方法で印刷します。

3.6 man ページの印刷

$ man man | col -b | lpr

man ページには予めフォーマットされた troff データが含まれているので、 強調や下線等を取り除く必要があります。"col" プログラムはその処理を 的確にこなします。さらに上記ではデータをパイプ処理しているので、man プログラムは more を使用しません。


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