2.1. 万が一に備える

有能なシステム管理者には、万が一を考えた実践的な対応策が常にあり、 それで障害を何とかうまく処理するものです。 シリアルコンソールを設定する上で誤りがあると、 シリアルコンソールと付属のモニター・キーボードの両方が、 使用不能になる可能性があります。 ですから、もう一度コンソールへアクセスできるようにするには、 こういった対応策が必要になるのです。

Linux ディストリビューションの多くは、 ブートディスクが作れるようになっています。 コンソールの設定を変更する前にブートディスクを作れば、 ブートディスクがカーネルに渡すパラメータは正しいものになります。 設定の変更後に作ってしまうと、 そのパラメータにはエラーが入っているかもしれません。

Red Hat Linux では、 ブートディスクの作成前に、 動作中のカーネルのバージョンを確認します。

bash$ uname -r
2.4.2-2

そして、このバージョンを使ってブートディスクを作ります。

bash# mkbootdisk --device /dev/fd0 2.4.2-2

一方、Debian GNU/Linux でブートディスクを作る場合は、 動作しているカーネルのバージョンを確認し、 そのバージョンを使ってブートディスクを書きます。

bash# mkboot /boot/vmlinuz-2.4.2-2

あるいは、 そのマシンを使ってレスキューディスクを用意するという方法もあります。 良く使うのは Tom's root boot です。