9.5. モデムの機能を用いて使用を制限する

たいていのモデムはパスワードが追加できるようになっています。 しかしこのパスワードも、 長所と短所は他のすべてのパスワード認証方法と同じですから、 特に有用だというわけではありません。 すでにパスワード認証は BIOS にもあるしブートローダーにもあります。それに login でもパスワード認証を行なっています。

モデムの多くはコールバックをサポートしています。モデムに電話がかかり、 ハングアップしてから2、3秒後に、 予め設定してある電話番号に電話をします。 これによって、コンソールにアクセスできる場所が制限されます。

多くのモデムでは、 発信元電話番号 (CLI) を予め定義してあるリストと照合できるようになっています。 もし発信元の電話番号がこのリスト上にない場合は接続しません。 モデムにつながっている電話線は CLI を送るように設定しなければなりませんが、 こうしてしまうと、 電話会社から追加課金されてしまうかもしれません。 かけている電話すべてが CLI を送れるわけではありませんし、 正当な発信者の中には、 電話会社に CLI の送信を抑えるよう頼んだ人がいるかもしれません。

着信した電話番号を記録するように設定できるモデムもたくさんあります。 誤用を追跡する場合にこれは役立ちます。

モデムの多くは暗号化をサポートしています。 モデムによっては、キーを複数許可しているものもあります。 これで問題が手際良く解決します。こうすれば、 許可されたモデムだけが、 どこからでも電話して接続できるようになります。 この場合、モデムは通常同じ種類にする必要がありますし、 おそらく型も同じにしなければなりません。

暗号化の二重使用技術

暗号化機能を有するモデムの所有、使用、売買、あるいは輸出入は、国に よっては重大な犯罪になります。

ですから、自国内の法律と、 旅行で通るかも知れない国々の法律に精通していなければなりません。

多くの電話サービスや PBX ラインは、 着信だけを許可するよう設定できます。 万が一コンピュータに悪さをされたとしても、 そのようにしておけば、モデムの誤用を防止するうえで役に立ちます。 ‘demon dialler’ は多くの電話番号に電話をかけて、 応答するモデムを探すことができますが、 この電話の費用は莫大になる可能性があります。