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5. インストール

ソースパッケージを展開したら以下のようにしてインストールします。 バイナリパッケージの場合は、下記のビルド等の処理は不要です。

5.1 必要なもの

(README より)

SANE をビルドするには以下のものが必要ですから確認しておきましょう。

■ GNU make: バージョン 3.70 またはそれより新しいもの。
【訳注】 $ make -v でバージョンを確認できます。

■ ANSI C コンパイラ: GNU C (gcc)

■ グラフィカルなフロントエンド (xscanimage と xcam) をビルドするには GTK ライブラリ(libgtk, libgdk, libglib) と間連するヘッダーファイルが インストールされている必要があります。

■ Gimp から xscanimage を呼び出して使いたい場合は、さらに libgimp (バージョン 0.99.13 またはそれ以上)と間連するヘッダーファイルが インストールされている必要があります。

【訳注】これらのライブラリがインストールされているかどうかは /usr/lib を見れば分かります。

GTKライブラリと Gimp は下記から入手できます。
ftp://ftp.gimp.org/pub/

5.2 Configuration

(README より)

SANE のトップディレクトリ(先程の例では /usr/local/src/sane-X.XX)に移り コンフィグレーションのスクリプトを実行します。

# cd /usr/local/src/sane-X.XX
# ./configure

通常の GNU configure オプションに加えて下記の SANE 固有のオプションが あります。

--disable-shared

シェアード(共有)ライブラリを使用しない。デバッグ時または、シェアー ドライブラリのビルドに問題がある場合に有効です。これは暗黙的に --disable-dynamic もオンにします。
--disable-dynamic
(dll backend の中の)バックエンドをダイナミックローディングしない ようにします。通常 configure は適切なヘッダーファイルとライブラリ (<dlfcn.h> と -dl)を見つけることができる場合はダイナミック ローディングをオンにします。
--enable-preload
DLL バックエンドにバックエンドをプリロードします。これはダイナミッ クローディングを利用できない場合のデバッグ、または実行時のリンクの オーバーヘッドを減らすのに役立ちます。ダイナミックローディング、ま たはシェアードライブラリが利用できないか、ディスエーブルになってい る場合、このオプションは自動的にオンになります。
これらの SANE-specific オプション以外にも標準のオプションがたくさん あります。どんなオプションがあるかは --help オプションで分かります。

デバッグする場合は下記のように configure を実行することを推奨します。
# CFLAGS="-g -O -Wall" ./configure --disable-shared

【訳注】 PROBLEMS というファイルを読んでおくようにというメッセージが 表示されます。何らかのトラブルが起こる前に一度目を通しておく と良いでしょう。

5.3 ビルド、インストール、設定

(README より)

# make
# make install

デフォルトでは、これで各ファイルが次のディレクトリに置かれます。
/usr/local/lib/ :SANE のライブラリ
/usr/local/etc/sane.d/ :設定ファイル
/usr/local/man/ :マニュアルページ

これとは別の所に置きたい場合は、configure のオプションで変更できます。

設定、トラブルシューティング、SANE の各コンポーネントに関する情報は 以下のマニュアルページを御覧下さい。

  -------------------  --------------------------------
  scanimage            scanimage(1)
  xscanimage           xscanimage(1)
  saned                saned(1)
  xcam                 man-page はありません。
                       frontend/xcam.README を参照。
  -------------------  --------------------------------
  Abaton   スキャナ    sane-abaton
  AGFA     スキャナ    sane-agfafocus
  Apple    スキャナ    sane-apple
  EPSON    スキャナ    sane-epson
  HP       スキャナ    sane-hp(5)      sane-scsi(5)
  MICROTEK スキャナ    sane-microtek   sane-microtek2
  Mustek   スキャナ    sane-mustek(5)  sane-scsi(5)
  PINT     スキャナ    sane-pint(5)
  Polaroid スキャナ    sane-dmc
  Sharp    スキャナ    sane-sharp
  UMAX     スキャナ    sane-umax(5)    sane-scsi(5)
  -------------------  --------------------------------
  Dynamic loading      sane-dll(5)
  Networking           sane-net(5)     saned(1)
  QuickCam カメラ      sane-qcam(5)
  Kodak    カメラ      sane-dc25
  frontend デバッグ用  sane-pnm
  -------------------  --------------------------------
デフォルトの設定では、トップレベルのバックエンドとして sane-dll を 使うという点に注意してください。ですから sane-dll(5) を読みながら始める というのは良い考えです。トップレベルのバックエンドは /usr/local/lib/ の libsane.* へのシンボルリンクによって決定されます。


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