Chapter 7. 他のリソースを利用する場合は慎重に

 

君侯に依り頼んではならない。 人間には救う力はない。

 旧約聖書 詩編 146 章 3 節
Table of Contents
7.1. 安全なライブラリ・ルーチンだけを呼び出すこと
7.2. 正しい値でだけ呼び出す
7.3. メタキャラクタを扱う
7.4. プログラマ向けのインタフェースだけを呼び出す
7.5. システムコールの返り値はすべてチェックする
7.6. vfork(2)は使わない
7.7. 組込みコンテンツの読み込み時に発生する Web バグに対処する
7.8. 秘密にしたい情報は隠す

実際のところ、本当の意味で自己完結しているプログラムはありません。ほぼすべての プログラムは、リソースを利用するのに他のプログラムを呼び出しています。たとえば、 オペレーティングシステムやソフトウェア・ライブラリが提供するプログラム等です。 時には、この他のリソースに対する呼び出しが、表に見えなかったり、それなくしては 実現できないかなりの数の「隠れた」仕組みを必要としていたりします。たとえば、 動的ライブラリの実現の仕組み等です。 プログラムが信頼している他のリソースについて慎重にならなければいけないのは 明らかです。また、それらに要求を送る方法についても、確認を怠らないように しなければいけません。