2.10. ドキュメントでの約束事

システムの man ページからの引用は、名称(番号)という形式にします。番号は、 man のセクション番号です。「どこも参照していない」ポインタ値を NULL とします。C コンパイラは、ポインタが必要なおおかたの環境で、整数の 0 を NULL に変換しています。しかし、C の規格としては NULL が実際にすべてが 0 ビットで埋められるという実装を求めてはいません。 C と C++ は文字「\0(ASCII の 0)」を特別扱いしています。この値をこの ドキュメントでは NIL とします(NIL は通常「NUL」としますが、「NUL」と「NULL」 の発音が同じため)。 関数やメソッドの名前は、文脈によっては小文字ではじめる必要があったとしても、 常に大文字・小文字の使い分けは元のままにしています。 「Unix ライクな」という用語を使う時には、Unix や Linux、そして Unix と非常に 似通った基本構造を持つその他のシステムを指します。 POSIX という言葉は使いません。というのは、Windows 2000 のように POSIX を 部分的に実装はしていても、まだセキュリティモデルがまったく異なっているもの があるからです。

攻撃者のことを「アタッカー」とか「クラッカー」とか「アドバーサリ(敵対者)」 と言います。 ジャーナリストは「攻撃者」のかわりに「ハッカー」という言葉を使う場合が あります。このドキュメントではこの(間違った)表現を避けています。というのも、 Linux や Unix の開発者は、自身のことを「ハッカー」としている場合が多いからです。 この言葉は悪い意味で使われてはいませんでした。 つまり、Linux や Unix の開発者にとって「ハッカー」という言葉は、今でも 専門家であり、コンピュータにとりわけ熱い思いを持っている人間を意味して いるのです。