3. Linux マシンを正しく設定する

どんな OS をインストールするにせよ、 現在のタイムゾーンに関する情報は必須です。 これは都市・州・国などで表現されます。 BIOS 時刻をどう設定するかも決めておかなければなりませんが、 これには次の方針に従うのがいいでしょう。

Linux だけのマシン

この場合は BIOS 時刻は UTC にしておくのがいいでしょう。 サマータイムの変更も タイムゾーン設定 によって動的に管理されます。

Linux と MS Windows のデュアルブートマシン

Windows は、Linux に比べ、時刻を原始的に扱います。 Windows では BIOS 時刻が常に地方時 (localtime) に等しく、 したがってサマータイムにおいては、 ハードウェアクロックが直接変更されるという、 より大きな変化が生じることになります。 Linux も Windows もブート時にはハードウェアから時刻を取得して設定するので、 両者を共存させるときには Linux でも同じやり方で時刻を扱わなければなりません。 したがって BIOS 時刻を 自分の地方時に合わせなければなりません。

3.1. タイムゾーン設定

Red Hat Linux およびその派生システムでは、 ハードウェアクロックの設定方針とタイムゾーンとは timeconfig コマンドで設定できます。 このコマンドはユーザーフレンドリーなダイアログを表示してくれます。 また非対話的に使うこともできます。

いずれの方法でも、timeconfig は 起動時に読み込まれる /etc/sysconfig/clock ファイルを変更します。 このファイルを手で編集することもできます。 次のような内容になっているはずです。

3.2. ハードウェアクロックを設定する

ハードウェアクロックの設定を行うのは、 正しい時刻の取得方法を理解してからにすることをおすすめしておきます。 このやり方は Section 4 で説明します。

hwclock はハードウェアクロック (HC) を読み書きするコマンドで、いくつか存在するオプションに応じて動作します (オプションについては man ページに記述されています)。 しかし最近の Linux ディストリビューションを使っているならば、 hwclock を使う必要はありません。 HC とタイムゾーンの方針を決めたら、 より高レベルのコマンドである setclock を使って HC を正しく設定できます。 setclock にはパラメータを渡す必要はなく、 このコマンドはインテリジェントに hwclock を呼び、現在の OS の日付・時刻に基づいて BIOS を設定します。 したがって、常に setclock を使うようにしましょう。

しかしハードワークが好きなミニマリストの人向けに、 いくつか hwclock の例もここに挙げておきましょう。

OS の時刻はハードウェアクロックとは独立しているため、 BIOS を変更しても、 次にブートするまでその変更は反映されません。

もう一つの HC の設定方法としては、 再起動してコンピュータの BIOS 画面に入るやり方もあります。 IBM e-server zSeries では、これは z/VM レベルで行う必要があります。 Linux はここでは z/VM 上に作られた仮想マシン上で動作しているからです。