TkRat mini-HOWTO Dave Whitinger, dave@whitinger.net v1.1, 2 February 1998 伊佐治 哲, isaji@mxu.meshnet.or.jp Wed Feb 25 20:17:56 1998 これはTkRat mini-HOWTOです。この文書はLinuxコンピュータでインターネッ ト電子メールの送受信に興味がある人を対象としています。 (訳注:TkRatは 日本語をサポートしていません)。 ______________________________________________________________________ 目次 1. イントロダクション 2. TkRatのインストール 3. 電子メールのダウンロード 4. TkRatの設定 5. TkRatを使う 6. フォルダへメールを自動的に振り分ける 7. 著作権 8. 謝辞 ______________________________________________________________________ 1. イントロダクション この文書はDave Whitinger (dave@whitinger.net)氏によって管理されていま す。このHOWTOに関する質問やアイディアがあれば私までメールで送って下さ い。 このドキュメントでは以下4つのことを説明しています: 1. TkRat 電子メールプログラムのインストール。 2. ISP(Internet Service Provider)からメールをダウンロードする。 3. メールの閲覧、ストア、送信。 4. フォルダ内にメールを振り分ける。 以下このドキュメントではLinuxでX Window Systemが使え、ISPへの接続が できること、プロバイダのPOPアカウントを持っていることを前提としてい ます。 免責事項:通常の免責事項が適用されます。ここで与えられている情報の使 用(誤用) については著者には責任はありません。この文書はどのような方法 においても必ずしも信頼性があるとは限りません。このドキュメントは作者の 自発的意志により TkRatで行われていることは別々に書かれました。あなたが このドキュメントを読むことで、TkRatの作者に災難やトラブルをもちこまな いで下さい :)。 2. TkRatのインストール Linuxで使える優れた電子メールプログラムはたくさんあることを強調したい と思います。どのプログラムを使うか選ぶ時はそれぞれ個人的な目的によりま す。 私はここ一年ずっと"TkRat"と呼ばれるプログラムを使ってきました - 大変気 に入っています。質のよいメールプログラムで期待される全ての特徴をもった グラフィカルプログラムです。使い方を学ぶのは簡単です。またパワフルでフ リーで公開されています。これらの理由からこのHOWTOでTkRatをカバーしよう と思います。 はじめに行うべきことはTkRatをダウンロードすることです。ソースを入手し てコンパイルするかバイナリを入手するかどちらかができます。ソフトウェア のURLを以下挙げます: o Red Hat 5.0バイナリは http://www.ntlug.org/~dave/sw/tkrat/rh5/tkrat-1.1-1.i386.rpm で入手できます。 o Red Hat 4.xバイナリは http://www.ntlug.org/~dave/tkrat/sw/rh4/tkrat-1.1-1.i386.rpm で入手できます。 o ソースRPMは http://www.ntlug.org/~dave/sw/src/tkrat-1.1-1.src.rpm で入手できます。 o 最後にtar.gzソースは http://www.ntlug.org/~dave/sw/src/tkrat-1.1.tar.gz から入手できます。 これらのうちひとつを入手したら、システムにインストールする準備がで きました。以下2つの方法のうちひとつに従って作業を行って下さい: o Red Hat Linux(他のRPMベースの配布パッケージ)では: ___________________________________________________________________ rpm -Uvh tkrat-1.1-1.rpm ___________________________________________________________________ o tar.gzソースをインストールするには以下のようにします: ___________________________________________________________________ tar -zcvpf tkrat-1.1.tar.gz cd tkrat-1.1 ./configure make make install ___________________________________________________________________ 何か失敗したらtkrat-1.1ディレクトリにあるINSTALL、READEMファイルを見て みて下さい。 おめでとうございます - TkRatがシステムにインストールされました。 3. 電子メールのダウンロード 電子メールを読むために、"fetchmail"と呼ばれているプログラムを使ってメ ールをダウンロードするのがよいでしょう。以下の操作はfetchmailバージョ ン2.2で完全に動作するものとして知られています - 他のバージョンでも使え るでしょう。 (メモ:Fetchmailは私の知っているLinuxディストリビューションにはすでに 含まれています。あなたのシステムにもすでにインストールされていると思い ます。これが不正確な情報なら私に教えて下さい!) 以下のステップを行って下さい: ______________________________________________________________________ echo "server pop.com protocol pop3 username dave password foo" > ~/.fetchmailrc ("pop.com"はあなたのISP POPサーバhost名に置き換えます。同様に"dave"を ユーザー名、"foo"をパスワードに置き換えておきます) ______________________________________________________________________ さてメールをチェックしたい時はプロンプトで"fetchmail"とタイプします。 Fetchmailはメールをダウンロードしてローカルメールフォルダにストアしま す。 4. TkRatの設定 プロンプトからtkratと入力してTkRatを起動します。"Create"をクリックしま す。表示されるメッセージを呼んで"Continue"をクリックして下さい。これ でTkRatメインプログラムに引き継がれます。はじめにすべきことはローカル システム用にカスタマイズすることです。 1. Adminメニューを開きPreferencesを選択します。 2. "Compose"をクリック。 3. "Default Reply-To"フィールドにあなたのメールアドレスを入力します。 4. "Apply"をクリックします。 5. (訳注:Preferencesウィンドウの)"Sending"をクリックします。 6. "Use From Address"フィールドでメールアドレスを入力して、続いて実名 を入力します。例えば私の場合は "dave@whitinger.net (Dave Whitinger)" となります。 7. "Domain"フィールドにドメイン名を入力します。あなたのメールアドレス が"user@xyz.com"の場合は"xyz.com "と入力します。 8. "Send Via"で"SMPT"を選択します。 9. SMTP hostフィールド:あなたのISPのSMTPサーバアドレスを入力します(こ の情報を使って準備することができます)。 10. "Apply"をクリックして"Dismiss"します。 5. TkRatを使う TkRatを開始する際、"INBOX"というフォルダがあることを確認して下さ い。fetchmailで新しいメールをダウンロードするのに使われます。あれば INBOXフォルダが表示されています。 TkRatは直観的なインターフェースを提供しています。画面の上半分は (各行 が1通のメール)メッセージリストです。画面下半分はメールの実際の中身で す。 リストのメッセージをクリックすればメールが読めます。メッセージを読み 終ったら次のメッセージに移動したり、そのメッセージに返事を書いたり、新 しいメッセージを書いたり、メッセージを別のフォルダに移動したりできま す。フォルダは個々の「フォルダ」にメールをストアする方法です。この方法 によって受信したメールによって異なるトピック用フォルダを作っておきま す。 以下のステップを実行してフォルダを作ります: 1. Adminをクリックして"New/Edit Folders"を選択します。 2. "INBOX"フォルダのボックスが表示されていると思います。ボックス上で左 クリックします。 3. メニューが表示されます。"New File Folder"を選択します。 4. 情報の入力を求めるダイアログボックスが開きます。 5. はじめのテキストボックスでフォルダ名を入力します。 6. 2つめのテキストボックスでメッセージをストアするのに使うファイル名 を入力します(ヒント:/home/username/mail/name_of_folderのように使い ます)。はじめのボックスで"Personal"としたら、2つめのフィールドには /home/dave/mail/personalのようにします(daveはユーザー名です)。 7. OKをクリックします。フォルダのリストに新しいフォルダが追加されてい ることがわかります。"Window"をクリックして"Close"して下さい。 これで新しいフォルダにメッセージを移動できます - "Folders"メニュー をプルダウンしてフォルダ名を選択してフォルダを切替えます。 メールの送信も簡単です。"Compose"をクリックして相手のメールアドレス、 サブジェクトを入力して本文にメッセージを書きます。終ったらSendをクリッ クします。 6. フォルダへメールを自動的に振り分ける あなたが私のように1日に1500通ものメッセージを受け取る場合や、メールを 集める毎に興味があるメッセージ全てに努力して目を通さなければならない場 合があります。 しかしこれはProcmailのおかげでたいして問題になっていません。 Procmailは以下のように動作します:Procmailはメールをダウンロードした時 に各メッセージを調べてユーザーが指定した特定のルールに基づいて一連の処 理をします。例えばあるメーリングリストから1日200通のメールを受け取る 場合 (この例ではLinux-foo listを使っています)、これらのメールを全 てinboxに送るよりも"foo-list"というボックスに自動的にフィルタしたいも のです。 はじめに、メーリングリストからのメールを開いてメールのヘッダを調べてみ ましょう。メーリングリストからのメッセージには全て Sender: owner-linux-foo@bar.foogers.com といった行があります。この行を含んだ全てのメッセージを特定のフォルダに 入れることをprocmailに教えることができます。 procmailにそれを教えるに は".procmailrc"ファイルに書き込んでおきます。適当なエディタ で"~/.procmailrc"というファイルを開きます。ファイルには以下のように書 かれています: ______________________________________________________________________ LOGFILE=$HOME/.pmlog MAILDIR=$HOME/mail VERBOSE # linux-foo list :0 Hw * ^.*[Ss]ender: owner-linux-foo@bar.foogers.edu foo-list # if it got to this point, put it in my new mail folder :0 Hw newmail ______________________________________________________________________ "[Ss]ender"行を調べてみましょう。メーリングリストからのメッセージは全 てこの行を共通に持っていることに気づくでしょう。このセクションは「ヘッ ダにそのような行がある時には、このメッセージを "foo-list" フォルダに入 れる」ということをprocmailに教えています。次の箇所はどのパターンにも合 わない時はnewmailにするということを指示しています。 さてここで私の親友であるEJからメッセージを受け取ったら"EJ"というフォル ダにメールを入れるということをやってみます。 procmailrc ファイルに以下 のような新しいセクションを作ります; ______________________________________________________________________ LOGFILE=$HOME/.pmlog MAILDIR=$HOME/mail VERBOSE # linux-foo list :0 Hw * ^.*[Ss]ender: owner-linux-foo@bar.foogers.edu foo-list # Message from EJ! :0 Hw * ^.*[Ff]rom: ej@mypal.com ej # if it got to this point, put it in my new mail folder :0 Hw newmail ______________________________________________________________________ 新しいセクションEJに注目して下さい。"From"フィールドに彼のメールアドレ スがあるメッセージを受け取ったら、自動的に"ej"フォルダに入れるようにし ています。 さて私にメールを送ってくるいやな人がいるとしましょう。私は彼のメールを 見たくないのにしつこくメールを送ってきます。ここでも再びprocmailが助け てくれます。例えばBill Gatesさんからのメールを読みたくないものとしま しょう。彼からのメールを削除する方法を設定します。以下新しいprocmailを 見て下さい: ______________________________________________________________________ LOGFILE=$HOME/.pmlog MAILDIR=$HOME/mail VERBOSE # Is it coming from Bill Gates? If yes, DELETE IT!!! :0 Hw * ^.*[Ff]rom: bgates@microsoft.com /dev/null # linux-foo list :0 Hw * ^.*[Ss]ender: owner-linux-foo@bar.foogers.edu foo-list # Message from EJ! :0 Hw * ^.*[Ff]rom: ej@mypal.com ej # if it got to this point, put it in my new mail folder :0 Hw newmail ______________________________________________________________________ だいぶよいprocmailrcファイルになりました。受信したメッセージそれぞれを どのようにprocmailが処理しているか見てみましょう。 はじめにメッセージが"bgates@microsoft.com"からのものかどうかチェックし ています。もしそうなら削除しています(訳注:いわゆる「Flames to /dev/null」です)。 もしひとつめのチェックをパスしたら、ヘッダに "owner-linux-foo@bar.foogers.edu"があるかどうか調べます。もしそうなら "foo-list"フォルダに入れます。 メッセージがまだパスしたら次はEJからのメールがどうかチェックします。も しEJからのものなら"ej"フォルダに入れます。 以上にひっかからなかったら全てnewmailフォルダて入れます。 これらのフォルダがちゃんとあれば、procmailは適切にメールを振り分けてく れます。フォルダはTkRatの"Admin - New/Edit Folder" で各ファイル名用の ものを作っておいて下さい。これらは/home/(ユーザー名)/mail/(フォルダ 名)にあります。 7. 著作権 This HOWTO is copyright 1998 by Dave Whitinger, and is a free document. You can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as pub- lished by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or any later version. このHOWTOはDave Whitingerに著作権があります。フリー文書です。 Free Software Foundation(バージョン2以降)によるGNU General Public License のもと再配布/改変できます。 8. 謝辞 TkRat MUA(mail user agent)を作られたMartin Forsse'n (maf@dtek.chalmers.se) 氏に感謝したします。 Red Hat Software - いろいろなことを簡単にしてくれました。 North Texas Linux User's Group in Dallas, TX に感謝。私はこのグループ のメンバーで、このドキュメントはこの人達に向けて書かれました。