Sony VAIO で Linux を使うための mini-HOWTO Hideki Saito hideki@allcity.net v1.1, 16 September 1998 佐藤亮一 rsato@ipf.de 2000 年 1 月 10 日 本文書では Sony VAIO に Linux をインストールする方法を説明しています。 (訳注: 主な対象機種は PCV 70 および 90 です) ______________________________________________________________________ 目次 1. はじめに 1.1 注意 1.2 機種の相違に関する注意 1.3 改訂履歴 1.4 免責 1.5 本文書の対象 2. 使えるハードウェア、使えないハードウェア 2.1 Linux では使えないハードウェア 2.2 部分的に利用できるハードウェア 2.2.1 サウンドカード 2.2.2 ビデオカード 3. Linux のインストール法 4. 最後に 5. 法的なこと 6. 謝辞 ______________________________________________________________________ 1. はじめに 1.1. 注意 これは、もともと http://ryoohki.anime.net/~hideki/ にある Hideki Saito のホームページで公開していた文書です。今回発表する ものは、最新情報にあわせてこれを改訂したものです。HTML 版は http://ryoohki.anime.net/ hideki/VAIO+Linux.html に置いています。本文 書は自由に配布していただけます。公刊なさる場合には、私まで御一報下さ い。この文書をどのように使っていただけているかを知っておきたいというだ けのことなのですが...。 1.2. 機種の相違に関する注意 この文書には一部誤りがあるという指摘を頂くようになりました。これには事 情があります。新しい VAIO と古い VAIO ではハードウェアに若干の相違があ るのです。この点に関する情報も提供していこうとは考えております。しか し、すべての機種が手元にあるわけではないので、この点についての 詳しい 情報を提供していただきけるよう Sony VAIOを御使いのみなさまに御願い致し たいと存じます。その旨がわかりやすくなるので、メイル subject の冒頭に [VAIO Information] と付け加えていただければ幸甚です。 機種のモデル番号 を御書き添え下さい。ノートブック型については、ノートブックであるという ことを本文あるいは Subject に明記してください。この文書の記述で頭を悩 まされたみなさまに、御詫び申し上げます。(1998年12月29日 加筆) 1.3. 改訂履歴 12/29/98 最新情報を追加 1.4. 免責 この文書に記載した手順の大部分はテスト済みです。しかし、本文書中の情報 を利用した結果として生じた問題に対しては一切責任を負いません。GPL に準 拠し、いっさいを自己責任で御利用下さい。著者は英語を母語とするものでは ありませんので、この文書にはいくつも間違いが見つかるでしょう。この点に ついては御寛恕を御願い致します。訂正・解説はどのようなものであろうと歓 迎致します。hideki@allcity.net まで御一報下さい。 1.5. 本文書の対象 この HOWTO では、Sony VAIO で Linux を使うための方法を取り扱います。 VAIO はすばらしいコンピューターですが、Linux と相性ピッタリとは言いが たいものでした。だからといって、VAIO で Linux が使えないというのではあ りません。だいじょうぶ、ちゃんと使えます。この文書は、 PCV 70 あるいは 90 を想定したものとなっています。しかし VAIO のアーキテクチュアはほと んどどの機種でも似たり寄ったりなので(あたらしい機種の場合には、ハード ディスクが大容量だったり、ビデオカードが最新のものになってたり、メモリ が増えていたり... ということはありますが)、ここに書いてあることはどの モデルにでも通用するはずです。 2. 使えるハードウェア、使えないハードウェア 2.1. Linux では使えないハードウェア コンピューターに搭載しているハードウェアの大部分は Linux でも利用可能 です。ただし、モデム、USB ポート、MPEG デーコーダは例外です。モデムが 使えないことをお忘れなく。これで痛い思いをなさる方もきっといらっしゃる でしょう。VAIO は Winmoedm の一種であるいわゆる DSVD モデムを採用して いるのです。 (98/12/28 加筆:) 新しいモデルは、Winmodem に代えて普通のモデムを搭載し ているようです。 2.2. 部分的に利用できるハードウェア 搭載しているサウンドカード、ビデオカードの機能は部分的に利用可能です。 2.2.1. サウンドカード Microsoft Sound System + Sound Blaster を使えるようにしてある Linux な ら VAIO のサウンドカードを利用できます。 Linux で MIDI を楽しもうとい う場合には、サウンド入力機能に制約があることを覚悟しておいてください。 この場合には、Sound Blaster を外しておく必要があります。MIDI と サウン ド入力の両方を御使いになりたい方は、 OSS/Linux がほしいと思っておられ るかも知れません。この OSS/Linux を使えば、サウンドカードの性能をフル に利用することができます。VAIO のサウンドカードが搭載している Yamaha OPL3SA を OSS/Linux は完全にサポートしています。OSS/Linux の説明書によ ると、 ウェーブテーブルシンセサイザは実際のところソフトウェアシンセサ イザのようです。したがって、ハードウェアの性能は問題となりません。この 文書を執筆している時点では、OSS/Free 3.8 が Yamaha OPL3-SA1 オーディオ コントローラ搭載のサウンドカードをサポートしています。 2.0.x 系統のカ ーネルはOSS を備えていない点に注意してください。この場合には OSS サイ トからダウンロードすることになるでしょう。2.1.x 系のカーネルには OSS/Free の改訂版が付いていますが、著者はまだテストしていません。VAIO のサウンドカードでこれが利用できるのを確認なさった方は、是非御一報下さ い。 2.2.2. ビデオカード Linux は VAIO のビデオカードを部分的にサポートしています。Linux のコン ソールモードなら何の支障もなく利用できるでしょう。X Window System を使 おうとする場合には ATI Rage をサポートしている XFree86 3.3.1 以降を入 手してください。商用 X Window System も ATI Rage をサポートしているは ずです。しかしLinux では、このビデオカードの 3D 高速化機能を利用できま せん。これ用のドライバがないからです。(98/12/29 加筆: モデル 505 の場 合には、XFree86 V.3.3.3 以降の ALSA ドライバが利用できます) 3. Linux のインストール法 Linux のインストールはそれほど難しくはありません。とはいうものの、非 DOS 領域があらかじめシステム上に設定されていることをお忘れなく。このパ ーティションが何かは存じませんが、大きさは 400MB で、このパーティショ ンは fdisk から見えるようになっています。私は、このパーティションを単 に消去し、Linux 用に変更しました。私は全く困難を経験しませんでしたが、 ソフトをインストールするためには何らかの作業が必要でしょ う。(98/12/29加筆) 400MB のパーティションがあるのはかなり古いモデルだ けです。本当のところは 400MB の DOS パーティションになるはずだったもの を、SONY が失敗したようです。Linux のインストールについての一般的なや り方を参照して下さい。VAIO には CD-ROM から直接ブートできるというすて きな機能があります。BIOS は CD-ROM からのブートをサポートしているの で、CD-ROM の方がブート可能であれば、この機能が利用できます。Linux ディストリビューションの中には、ブート可能な CD-ROM を提供しているとこ ろもあります。フロッピーなしで Linux のインストールができるので、これ はすばらしいことです。実際問題として、Redhat は CD-ROM からブートでき ます。他にも SUSE のように CD-ROM からブートできることを標榜している ディストリビューションもあります。しかし、未確認なのではっきりしたこと は申し上げかねます。(訳注: SUSE は CD-ROM ブートが可能です)。 CD-ROM から起動できない時には、BIOS の設定:「ブートオプション」を調べ直してく ださい。サウンドカードのセットアップをのぞけば、カーネルの設定にたいし て難しい点はありません。 この点については先に触れたので、ここでは取り 扱いません。VAIO は APM (Advanced Power Management) BIOS を搭載してい ます。個人的には Linux を使う場合に APM 機能をオンにすることはお勧めし ません。オンにした結果、トラブルを経験したからです。(98/12/29加筆: 505 の場合には、CD-ROM からのインストールは難しく、ネットワークを利用する 方がずっと簡単だという報告をいただいています) (訳注: 505シリーズ + 専用 CD-ROM ドライブの場合には、カーネルオプショ ンの指定で簡単に認識されます。PCGA-CD51 なら linux ide2=0x180,0x386 と いうパラメータで認識されます(Vine-1.1, VineSeed の場合Yasuhide OOMORIさんからの報告) 4. 最後に 万事順調でしたか。そうだといいのですが。これで SONY VAIO は 最高の Linux ワークステーションになったのです。問題が発生した場合には、質問に 御答えしたいと思っております。どうぞいつでも御遠慮なく hideki@chatlink.com にまで御一報下さい。可能な限り対応させていただきた く存じます。 5. 法的なこと VAIO は SONY の登録商標です。本文書が記載した他のすべての登録商標は、 その所有者に帰属するものです。本文書の著作権は Hideki Saito に属しま す。 6. 謝辞 以下の諸氏に特別の謝辞を捧げます(順不同):Daniel Nunes 氏。謝辞を得て当 然だと思われる方は、著者にまで御一報下さい(最近、メイルスプールの大半 を事故で失ったので、失礼してしまったかも知れません)。