4. XDM の設定

この章では、XDM がこの文書のここまでで述べている機能を行うために、何を 設定する必要があるか記述します。

それぞれのケースで、述べている設定は、それぞれの目的を果たすために最低 限必要なものです。ほとんどのケースで、これは最小の安全性の設定であるこ とも意味します。XDM と X 端末を安全にすることについての追加情報のため、 Section 7 に記載したいくつかの追加文書を参照してくだ さい (特に 'Running Remote X Applications Howto')。

4.1. 設定ファイル

(Debian 2.1. Mandrake 7.0.2, RedHat 6.2) -
      /etc/X11/xdm
      
か、(SuSE 6.4) -
      /usr/X11R6/lib/X11/xdm
      
にあるでしょう。

xdm-config

他の設定ファイルの場所と基本的なアクセス許可を定義します。この文 書に関連するすべてのディストリビューションでは、そのファイル名は、 ここに書いたとおりでした (しかし、たまに違う場所にあります)。

これは、X のセッションに関する様々な状態遷移のために実行する startup などのスクリプトも定義します。ほとんどのディストリビュー ションは、あらかじめ設定したものを付属させていると思われるので、 これらの変更の必要はないはずです。

XDM が管理する X のセッションと、xinit か startx によって開始され る X のセッション (すなわち、XDM に管理されない X のセッション) では、startup と 設定スクリプトのセットが異なるので注意してくだ さい。

Xaccess

どのマシンが XDM に接続できるか - 言い換えれば、ネットワーク上の 別のどのマシンからの XDMCP 検索を受け付けているか - を決めます。 このファイルに記載されていないマシンは、XDM からのログインプロン プトを要求できません。

Xservers

自動的に、XDM が接続し、ログインプロンプトを表示するマシンの一覧 を含みます - 言い換えれば、それらのマシンはすでに X サーバを実行 していますが、ログインプロンプトが提供されることを待っています。

これは、'X サーバを管理する XDM' に必要とされます。リモートの X サーバに XDM の検索をさせるなら、このファイルに記入する必要はあ りません。

独立型の 'X ワークステーション' として実行する時、ふつうはこの ファイルの中に一つのエントリがあり、それは localhost です。

Xresources

XDM ウィジェット (たとえば、ログインの 'box' のサイズ、色、背景 の図柄など) に利用される X のプロパティを指定します。

4.2. X サーバを管理する XDM の設定

XDM がログインプロンプトを表示する X サーバの各々のエントリは、ファ イル Xservers に置かなければなりません。これは、ローカルマシンやリモー トマシンの一覧を含むことができます。

      # First the local host
      :0 local /usr/bin/X11/X vt7
      #
      # Then the remote hosts
      emma:0 foreign
      alex:0 foreign
      

これは、ローカルマシン上で XDM を起動し、ホスト 'emma' と 'alex' 上 で実行している X サーバ上にもログインスクリーンを表示します (このマ シンが 'emma' と 'alex' で実行している X サーバに接続を許るされるよ うに 'emma' と 'alex' 上で設定がされていると仮定します)。

一つのマシン上で複数の X サーバを実行しているなどの例で、必要なら、 ホストとディスプレイ (:0, :1 など) を指定することができることに注意 してください。

4.3. 検索を受信する XDM の設定

ファイル Xaccess は、ログインプロンプトを要求するために、このマシン 上の XDM をどのホストが検索していいか決めます。

      # First line for direct queries
      *
      # Following line for indirect queries
      * CHOOSER BROADCAST
      

すべてのホストは、direct query を用い XDM を経てログインプロンプトの 要求をしていいことを意味します (最初の '*' の意味です)。

'CHOOSER' の行は、indirect query を用い、どのホストが XDM に接続でき るか指定します - このケースでは、すべてのホストが、接続する可能性の あるホストの一覧を得るために、このマシンを検索していいことになります (2番目の行の '*')。

'BROADCAST' は、broadcast query により、このマシン上の 'chooser' ア プリケーションが、ネットワーク上の有効なサーバ (このサーバでも XDM が実行されているでしょう) の一覧を入手できることを意味します。 'chooser' については、後述します。

これらのエントリ内に特別なホストの名前をおくことができます (chooser を使用することなく、他への indirect query も可能です) が、この文書で は説明しません (より多くの情報にリンクするために Section 7 を参照してください)。

4.4. X の起動

X サーバ自身の起動方法は、ローカルやリモートの XDM とどのように話し たいかによって、依存するでしょう。

X ワークステーション : XDM とローカル X サーバ

通常、XDM は自動的に X を起動し、普通、XDM は (init スクリプトに より) 起動プロセスの一部として実行されるように設定されているでしょ う。

標準で、ファイル Xservers は一つのエントリ - ローカルホストのも の - を持ち、ファイル Xaccess は、ローカルホストからアクセスする 許可だけを必要とします。

X 端末 : リモート XDM

クライアントなしで、単に、X を起動します。そのアクセスパーミッショ ンはリモートの XDM の起動時に、それが接続できるような設定にしま す。以下はアクセス制御を伴わない X の起動をするでしょう。
          /usr/X11R6/bin/X -ac
          

リモート XDM が起動された時、そのように設定されたすべての (その ファイル Xservers に記載された) X サーバ (群) にログインプロンプ トを '押し出す' でしょう。

X 端末 : リモート XDM の検索

検索には3つのモードがあることを思い出してください - direct, indirect, と broadcast です (一つのホストのための direct, 返答し た最初のホストのための broadcast, もしくはホストの一覧を示す indirect)。
          /usr/X11R6/bin/X -query the.remote.host
          /usr/X11R6/bin/X -broadcast
          /usr/X11R6/bin/X -indirect the.remote.host
          

それぞれのケースで、X を自動的に起動する必要があれば、たいてい、X は root として起動されなければならず、init スクリプトにより起動する設定 となるでしょう。

4.5. Chooser アプリケーション

XDM は indirect query を受信する時、'chooser' アプリケーションのため の設定が、Xaccess に指定されているとすれば、その XDM が知っているサー バを管理する他の XDM の一覧をユーザに提供できます。

この操作モードでは、通常の XDM ログインプロンプトのかわりに、ネット ワーク上の現在 XDM 接続を受け付ける検索されたホストの一覧を 'chooser' アプリケーションとともにユーザへ表示します。

始めに chooser を使うことを試した時、SuSE と Debian に付属するファイ ル Xresources に指定された chooser ウィジェットのサイズは、とても大 きなスクリーンのためのものであることを知りました。次に示す行は、それ を修正した Xresouces の行です。
      Chooser*geometry:      700x500+300+200
      

chooser は、2つの方法のどちらかで、ホストの一覧を入手します。