xpostit3.3.2.tar.gz
は、
http://www.ers.ibm.com/~davy/software/xpostit.html
から入手できます。このパッケージが ~
ディレクトリにある場合、展開、
インストールは
$ su ; 1. root になる
# cd /usr/local/src ; 2. インストール先に移動
# tar zxvf ~/xpostit3.3.2.tar.gz ; 3. 展開する
# cd /usr/local/src/xpostit ; 4. 展開された所に移動
# xmkmf ; 5. Makefile を作る
# make ; 6. make する
# make install ; 7. バイナリをコピー
# make install.man ; 8. マニュアルをコピー
のようにすれば OK な筈なのですが、私の環境(Slackware 3.4, PJE0.1)では、 すんなりとはいきませんでした。
先ず6番目の make
のところで
xpostit.c:124: macro 'rindex' used without args
make:***[xpostit.o] error 1
というエラーがでました。そこで xpostit.c
の 124 行目を
// char *rindex();
のように先頭に '//'
を付けてコメントアウトしてみたところ
make
できました。
次に7番目の make install
では、
install -c -s xpostit /usr/X11R6/bin/xpostit
make: install: Command not found
make:***[install] error 127
というエラーになりました。
install
というコマンドは cp
と同じようにファイルをコピー
するが、さらにディレクトリの作成、ファイルのパーミッション、オーナー、
グループ等の設定もできる、つまり
install = mkdir + cp + chmod + chown + chgrp
といった感じです。
この install
コマンドが無いというのは変だなと思って調べたところ、
/usr/bin/ginstall
というのがあるのを発見しました。そこで、
# cd /usr/bin
# ln -s ginstall install
とリンクを張ってみたたところ無事 make install
できました。
$ xpostit &
と入力すると xpostit が起動し格子縞のメイン画面が表示されます。格子縞の上で
マウスの右ボタンをクリックするとメニューが表示され、その中から例えば
"Creaate 3X4 Note
" を選択するとノート(いわゆる付箋紙)のウィンドウが
表示されます。このノートに文字を書き込んだり、他のウィンドウからペーストしたり
できます。ノートはいくつでも開けます。Save ボタンでセーブしておくと次回
起動時にそれが表示されます。詳しい使い方は man xpostit
で調べて
下さい。
前記のようにして xpostit が動くことは確認できたのですが、付箋(ノート)に英語 しか入力できないのでは利用する場面が限られてしまいます。この xpostit は 国際化対応されているので簡単に日本語化できるとのこと (下記、参考文献を参照) なので試してみました。先ず、先程作った英語版バイナリは
# make clean
で全て削除します。そして Imakefile
の
# DEFINES = -DXI18N
という行の先頭の #
を削除(アンコメント)します。これは国際化(I18N)
対応のためのフラグを有効にするということです。この後、
# xmkmf
# make
と実行していけばよい筈なのですが、xmkmf
の実行時に
X/Xaw/Xawi18n.h
というファイルが無いという旨のエラーが表示されました。
本当は Xawi18n.h
をどこかから見つけてくるべきでしょうが面倒なので、
59 #ifdef XI18N
60 // #include <X11/Xaw/Xawi18n.h>
61 #endif
のように xpostit.h
の60行目の先頭に '//'
を入れてコメント
アウトしてみたらエラーは出なくなり make, make install
もできました。
次に ~/.Xdefaults
の最後に以下の行を追加しました。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!! XPostit
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
xpostit*International: True
xpostit*inputMethod: vje
xpostit*fontSet:\
-misc-fixed-medium-r-normal--14-130-75-75-c-70-iso8859-1,\
-misc-fixed-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-jisx0208.1983-0
inputMethod は VJE-Delta を使用している場合は上記のように "vje
" を、
kinput2 の場合は "kinput2
" と指定します。これて日本語の表示、入力が
できるようになりました。
参考文献:「Linux を 256倍使うための本」の「Xをいじり倒そう」の章と 「コンパイルしよう」の章
デフォルトでは xpostit のウィンドウは白黒の2色で表示されますが、これは
make install
で /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults
ディレクトリにインストールされた白黒用の XPostit という名前のファイルの内容に
基づいてリソースが設定されるためです。このディレクトリには XPostit-color
というカラー用の設定ファイルもインストールされます。そこで、
# cd /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults
# mv XPostit XPostit-ORIGIN ; 元の XPostit をリネーム
# mv XPostit-color XPostit ; カラーの方を XPostit にリネーム
としたら背景色が黄色などの色付きで表示できました。好みに合わせて色やフォントを
変更したい場合は、XPostit-color
の内容を ~/.Xdefaults
に
追加してから編集するようにすればユーザ毎に異なる設定ができます。
なお X で使える色の名前は /usr/lib/X11/rgb.txt
に一覧があるので、
その中から選びます。名前からおおよそどんな色かは見当がつきますが、実際には
どんな色なのかを目で確認したい場合は以下のようにします。
(Tcl/Tk がインストールされていること)
$ cd /usr/lib/tk4.2jp/demos.jp ; 英語版 Tcl/Tk の場合は .jp が付きません
$ widget ; デモ用のプログラムを起動
次に「リストボックス 2.色・アプリケーションのための配色を変える」というデモを 実行し、色の名前をダブルクリックします。
XPostit とよく似た名前の XPostitPlus というものがあります。これは
ftp://ftp.x.org/contrib/office/XPostitPlus-2.3.tar.gz
から入手できます。
また、Slackware 3.4.0 の 4枚組 CD-ROM の 2枚目
/cdrom/sunsite/apps/reminder/
にも入っていました。XPostitPlus は XPostit をベースに別の作者によってカレンダ
表示とかメール送信などオリジナルに対して多くの機能追加や変更がされたものです。
こちらは残念ながら国際化対応していないので日本語の表示と入力ができません。
XPostit の国際化対応の箇所(grep I18Nで検索する)を参考にすれば XPostitPlus の
国際化も割と簡単に実現できるのではないかと思う(前述の参考文献からの受け売り)
ので、どなたか挑戦して、うまくいったら発表して欲しいなぁと思います。(他力本願)
もう一つ tkPostit というのもあって、こちらは http://hpux.u-aizu.ac.jp/hppd/hpux/Tcl/tkPostit-1.4/ から入手できます。これは名前からわかるように Tcl/Tk で書かれています。 これを私の環境 (Tcl7.6jp/Tk4.2jp) で起動してみたところエラーが出たり変な動き をしました。ドキュメントを見ると、これが作られたのは 1995年9月であり当時の Tcl7.0/Tk3.3 を使って開発されているようです。 ちなみに Tcl7.0/Tk3.3 ---> Tcl7.6/Tk4.2 は、削除されたり変更されたコマンドや オプションが結構沢山あるようです。
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