(Advanced Linux Sound Architecture) ALSA ドライバ インストー ルガイド ALSA Project v0.9.3 April 30 2003 JF Project v0.9.3-j June 2 2003 ALSA はサウンド用のデバイスドライバで、OSS/Free ドライバを置き換えて使 います。 OSS/Free というのは、Linux カーネル (2.2 版) に含まれているサ ウンドドライバのことです。ALSA の 0.4.0 版以降では 2.2 版以降のカーネ ルのみをサポートしており、2.0 版のカーネルも対象外になりました。(訳注: 2.0.x 版カーネルには 0.3.0-pre4 版をお使いください )。カーネルをコンパ イルする際には、サウンドサポートを有効にする必要があります。ただし、サ ウンドサポート以外の各サウンドモジュールは不要です。このドライバをイン ストールする前に、insmod, modprobe, kmod, あるいはもし ISA PnP サウン ドカードを持っているなら isapnp 等に関する文書を精読しておくと役に立つ でしょう。(訳注: Plug-and-Play-HOWTO, ISAPnP-HOWTO) ______________________________________________________________________ 目次 1. 0.9.0rc3 のあと、モジュールオプション名が変わりました 2. クイック・インストール 3. ドライバが有効にならない 4. CVS ソースからのコンパイル 5. クロスコンパイル 6. バグ報告システム 7. 各モジュールのパラメータ 8. 追加モジュール 8.1 snd-azt3328 モジュール 8.2 snd-msnd-pinnacle モジュール 8.3 snd-serialmidi モジュール 8.4 snd-sscape モジュール 8.5 snd-vx222 モジュール 8.6 snd-vxpocket モジュール 8.7 snd-vxp440 モジュール 9. 日本語訳について ______________________________________________________________________ 1. 0.9.0rc3 のあと、モジュールオプション名が変わりました モジュールオプション名が 0.9.0rc4 で変更されたことに注意してくださ い。'snd_' プレフィックス(接頭辞)が取り除かれました。 utils ディレクト リにあるスクリプト (module-options) を用いて、旧式の /etc/modules.conf を新式に変換できます。 2. クイック・インストール 1. ALSA ドライバを使いたい Linux カーネルの、完全に設定されたソースが 必須です。ALSA ドライバはカーネルの一部なので、カーネルと ALSA ドラ イバのコード間で、すべてのシンボルの依存関係を解決する必要があるこ とに注意してください。部分的にインストールされたカーネル (たとえ ば、ディストリビューション製のもの)は、依存関係の解決ができないこと があります。 2. (soundcore モジュールの) sound support を有効にする必要があります。 3. ``./configure'' で設定スクリプトを実行します。利用できるスイッチ は、 o ISA Plug & Play (PnP) カードの場合、--with-isapnp=yes o シーケンサーサポートを有効にする場合、--with-sequencer=yes o OSS/Free エミュレーションを無効にする場合、--with-oss=no o デバッグモードを有効にする場合、--with-debug=full o デバッグモードでカードの自動認識をしたい場合、--with- debug=detect o /usr/src/linux とは別のディレクトリにカーネルのソースコードがあ る場合、--with-kernel= o 例: './configure --with-isapnp=yes --with-debug=full' 4. ``make install'' を実行します。 5. ``./snddevices'' でスクリプトを実行して、/dev ディレクトリにサウン ドデバイスファイルを作成します。カーネルが DEVFS をサポートしている 場合、この手順は不要です。 6. /etc/modules.conf ファイルを編集します。(訳注: 詳細は ALSA Users Documentation をご 覧ください) 7. ``modprobe snd-xxx'' を実行します。"xxx" 部分には、使用するカードの モジュール名を指定してください。 * 注意* ISA PnP カードを使っている場合、サウンドカード初期化のため に、 isapnptools パッケージの isapnp プログラムを最初に実行する必要 があります。ただし、ALSA インストールの際、configure スクリプトに --with-isapnp=yes スイッチをつけて実行すれば、ALSA で独自に ISA PnP サポートを有効にできるので、その場合 isapnptools は不要です。 また、utils/alsasound というスクリプトも覗いてみてください。 Red Hat ディストリビューションを念頭に書かれたものですが、System V スタイルの rc 初期化スクリプトを使っているディストリビューションなら利用できま す。 *注意* 初期状態では、ミキサーの全チャンネルの音量がミュート(ゼロにセッ ト) されているので、音が鳴りません。ALSA 専用か、 OSS 用のミキサープロ グラムを使って、必要なチャンネルのミュートを解除してください。 (例え ば、alsa-utils パッケージのミキサーなどを使ってください。) *注意* この文書では、/etc/modules.conf という設定ファイル名を使ってい ます。ディストリビューションによっては、 /etc/conf.modules という古い ファイルを使っているところが今もたくさんあります。どちらのファイル名で も有効です。 3. ドライバが有効にならない 1. サウンドカードの設定を再確認して、このインストールマニュアル (特に ``各モジュールのパラメータ'')を慎重に読み返してください。 2. ISA PnP サウンドカードを使用している場合、 o ALSA 専用の PnP サポートについては、/proc/isapnp の設定が正しい か確認してください。 o isapnptools については、isapnp.conf ファイルの設定が使用しようと するドライバ用の設定になっているか確認してください。 3. それでもドライバがきちんと機能しない場合は、ドライバを作り直しま しょう。 ./configure --with-debug=detect; make clean; make を実行し、作成さ れた新しいドライバモジュールをカーネルに組み込み直して、関連メッ セージが表示されているかどうかを /var/log/messages を見て確認してく ださい。メッセージに有益な情報が何も含まれていない場合は、われわれ のバグ報告システムに経緯を報告してください。 4. CVS ソースからのコンパイル alsa-driver パッケージの CVS ソースをコンパイルするには、お使いのシス テムにインストールされた GNU autoconf と automake のパッケージが必要で す。 コンパイルするには、これらのコマンド群が使えます: make ALSAKERNELDIR=../alsa-kernel all-deps (if the alsa-kernel-dir is really there) aclocal autoconf ./configure make dep make 同梱された cvscompile スクリプト は、この作業をやってくれます。 注意: automake パッケージの中には、aclocal プログラムがないものもあり ます。この場合は、もっと新しいバージョンを使いましょう。 5. クロスコンパイル configure スクリプトで、'--with-cross=prefix' パラメータを使います。 例: './configure --with-cross=arm-linux- --with-kernel=/home/ipaq/kernel/linux'. 6. バグ報告システム バグ報告システムは、次のサイトで稼働しています。 http://www.alsa-project.org/cgi-bin/bugs 7. 各モジュールのパラメータ ドライバはすでに 2.5 カーネルへ統合されたので、 alsa- kernel/Documentation/ALSA-Configuration.txt をご参照ください。 8. 追加モジュール 8.1. snd-azt3328 モジュール Aztech AZF3328 PCI chip ベースのサウンドカード用のモジュールです。 このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 8.2. snd-msnd-pinnacle モジュール Turtle Beach MultiSound Pinnacle/Fiji サウンドカード用のモジュールで す。 io - Port # for pinnacle/fiji card irq - IRQ # for pinnalce/fiji card mem - Memory address (0xb0000, 0xc8000, 0xd0000, 0xd8000, 0xe0000 or 0xe8000) write_ndelay - enable write ndelay calibrate_signal - calibrate signal (?) このモジュールは、カードを 1 枚のみサポートしています。 8.3. snd-serialmidi モジュール 一般的なシリアル MIDI アダプタ用のモジュールです。 sdev - Device file string for serial device (default = "/dev/ttyS0") speed - Speed in bauds. (9600,19200,38400,57600,115200) (default = 38400) adaptor - Type of adaptor. 0 = Soundcanvas, 1 = MS-124T, 2 = MS-124W S/A, 3 = MS-124W M/B このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 8.4. snd-sscape モジュール ENSONIQ SoundScape PnP カード用のモジュールです。 port - Port # (PnP setup) irq - IRQ # (PnP setup) mpu_irq - MPU-401 IRQ # (PnP setup) dma - DMA # (PnP setup) このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 ISA PnP を有 効にする必要があります。マイクロコードをロードするには、alsa-tools パッケージの sscape_ctl ツールが必要です。 8.5. snd-vx222 モジュール Digigram VX-Pocket VX222, VX222 v2, VX222-Mic の各カード用のモジュール です。 mic - Enable Microphone on V222 Mic (NYI) このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 ファームウェアをロードするには、alsa-tools パッケージの vxloader ユー ティリティを使います。ファームウェアを自動的にロードするに は、/etc/modules.conf に次の行を追加してください。 post-install snd-vx222 "/usr/bin/vxload" 8.6. snd-vxpocket モジュール Digigram VX-Pocket VX2 PCMCIA カード用のモジュールです。 irq_mask - IRQ bitmask, specifies the available IRQs as bits このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 PCMCIA がカー ネルでサポートされている時のみ、コンパイルされます。外付け PCMCIA 対応 でコンパイルするには、 --with-pcmcia=external オプションと --with- pcmcia-root オプションを追加します。 カードマネージャー経由でドライバを起動させるには、 vx/pcmcia/vxpocket.conf を /etc/pcmcia ディレクトリにコピーする必要が あります。ファームウェアをロードするには、alsa-tools パッケージの vxloader ユーティリティを使います。 8.7. snd-vxp440 モジュール Digigram VX-Pocket 440 PCMCIA カード用のモジュールです。 irq_mask - IRQ bitmask, specifies the available IRQs as bits このモジュールは、8 枚までのカードをサポートしています。 PCMCIA がカー ネルでサポートされている時のみ、コンパイルされます。外付け PCMCIA 対応 でコンパイルするには、 --with-pcmcia=external オプションと --with- pcmcia-root オプションを追加します。 カードマネージャー経由でドライバを起動させるには、 vx/pcmcia/vxpocket.conf を /etc/pcmcia ディレクトリにコピーする必要が あります。ファームウェアをロードするには、alsa-tools パッケージの vxloader ユーティリティを使います。 9. 日本語訳について この文書は、alsa-driver に同梱されている INSTALL ファイルの日本語訳で す。原文の最新版は から、入手できます。 読みやすくするため適宜章立てしています。サポートされるカード名や /etc/modules.conf の設定に関しては、ALSA のウェブページ等で確認してく ださい。この翻訳のライセンスは、GNU Free Documentation License (GNU FDL)とします。ライセンスの詳細は、下記のリンクを参考にしてください。 o ALSA 日本語ページ o ALSA オリジナルページ o Linux Sound HOWTO 日本語訳 o Plug and Play HOWTO 日本語訳 o ISAPnP-HOWTO o 日本の Linux 情報 リンクページ(サウンド) o JF のページ o GNU FDL の日本語訳 v0.5.11 翻訳 Yuji Senda v0.9.3 更新 Masanori Kobayasi 校正 Nobumitsu TAKEI Tsutomu Kawashima Hiro YAMAZAKI Yoshiyuki YAMASHITA