smbfs は Windows for Workgroups、Windows 95 や Windows NT で使われてい る SMB プロトコルを実装したファイルシステムです。smbfs は samba から着 想を得ています。samba とは Andrew Tridgell によって書かれたプログラム であり、これを使うと、どのような UNIX ホストも DOS や Windows クライア ントのファイルサーバにすることができます。 この興味深いプログラムスイートや SMB, NetBIOS over TCP/IP そして、 NetBIOS の名前付けや共有の概念の説明に関しては ftp://nimbus.anu.edu.au/pub/tridge/samba/ を見てください。 smbfs を使うためには、初めに samba パッケージ (Samba-1.9.18p1 もしくは それ以降) をインストールしなければなりません。このパッケージは smbfs ボリュームをマウントするために必要な smbmount という特別なユーティリティ を含みます。smbfs のマウントに関する詳細については smbmount(8) と smbmnt(8) の man ページを参照してください。 smbmount ユーティリティはそのオプションが記載された Samba の smb.conf 設定ファイルを読みます。設定のうち次に示したものは smbfs の動作にとっ て重要です。TCP_NODELAY ソケットオプションを有効にすべきで、さもないと ディレクトリ表示が (少なくとも Win NT 下では) 劇的に遅くなります。 マウント時のオプション Windows 95 には SMB の動作に影響するいくつかのバグがあり、smbfs は (と にかく今までに) 見つかったすべてのバグの対処を含んでいます。これらはコ ンパイル時に CONFIG_SMB_WIN95 というカーネルオプションにより有効にでき ます。 残念ながら、Win 95 の対処のいくつかは Win NT のバグと関わりがあるので、 ネットワーク上に異なるタイプのサーバがある場合は、たぶんマウント時に対 処を有効にしたいでしょう。これを行うには、 CONFIG_SMB_WIN95 オプションに `N' と答え、Win 95 サーバ用のマウントコ マンドのファイルモードの引き数に以下に一覧した必要なオプションを追加し ます。 オプション 値 効果 Win 95 サーバの特定 1 バグ修正を有効にする Core 属性の利用 2 マウント時のディレクトリスキャンを速くする Dir 属性の利用 4 ファイル属性取得に別の方法を使う オプションを適用するには、値を合計してファイルモードの先頭に付けます。 例えば、オプション 1 と 2 をファイルモード 755 と使うには、3755 を指定 します。 mount /mnt/tmp -f 3755 smbfs は選択されたオプションを確認するメッセージをマウント時に表示しま す。Windows 95 サーバに *だけ* 特別な扱いが必要なことに注意してくださ い - "Core 属性の利用" オプションを Win NT で使うと、タイムスタンプの 値が化けてしまいます。 まとめると、ネットワーク上に Win 95 と NT のサーバがある場合 - (1) CONFIG_SMB_WIN95 カーネルオプションを有効にしては *いけません*。 (2) Win 95 サーバのマウント時に、使用したい対処のオプションをマウント のコマンドに追加します。 ====================================================================== 日本語訳:野本浩一 校正:千旦裕司さん