Linux Kernel 2.2 Documentation:
/usr/src/linux/Documentation/filesystems/umsdos.txt
filesystems/umsdos.txt
msdos ファイルシステムの umsdos 拡張の情報
[プレインテキスト版]
- 原著作者: Unknown
- 翻訳者: 野本浩一 <hng@ps.ksky.ne.jp>
- バージョン: 2.2.0
- 翻訳日時: 2001/09/03
始めに、UMSDOS は大幅なコード変更をしている最中であり、既知の (そして
未知の :-) バグがたくさんあることを、言わせてください。現在の状況につ
いては fs/umsdos/README-WIP.txt を読んでください。多謝。
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気短な人への非常に短い説明!
umsdos は MSDOS ファイルシステムドライバの上で実行するファイルシステム
ドライバです。umsdos は Jacques Gelinas (jacques@solucorp.qc.ca) によっ
て書かれ、現在は Matija Nalis (mnalis@jagor.srce.hr) によって管理され
ています。
umsdos はそれ自体ファイルシステムではありませんが、退屈なものを有用な
ものにする工夫です。
次の機能を追加します。
長いファイル名
パーミッションと所有者
リンク
特殊ファイル (デバイス、パイプ等)
Linux の root ファイルシステムにするために必要なすべて
ソースの中に資料がたくさんあります。それらのコメントを元にフォーマット
された文書は
sunsite.unc.edu:/pub/Linux/system/Filesystems/umsdos から入手できます。
次のように DOS パーティションをマウントします。
mount -t umsdos /dev/hda3 /mnt
^
---------|
すべてのオプションは msdos ドライバに渡されます。uid や gid のようなオ
プションは msdos に与えられます。
デフォルトの umsdos の振る舞いは、コマンドのほとんどを処理することなく
msdos ドライバに渡します。繰り返しますが、これはデフォルトです。DOS パー
ティションのマウントを行った後、特別なことは何も起こりません。これはマ
ウントオプションがすべて msdos ファイルシステムドライバに渡されるから
です。
普通の MS-DOS ファイルシステムが扱えない情報を格納するために、umsdos
は特別な DOS ファイル --linux-.--- を使います。これが秘訣です。
--linux-.--- はオプションです。ディレクトリ毎に一つあります。
**** --linux-.--- が無い場合、umsdos は msdos ドライバと同じ方法でディ
レクトリを処理します。この時には短いファイル名や付加機能なし、デ
フォルトの所有者およびパーミッションになります。なので各ディレク
トリは --linux-.--- を持っても持たなくてもかまいません。
さて、--linux-.--- をどう入手するか。
\begin joke_section
私にディレクトリの内容を送ってください。
そうすれば、あなた向けにカスタマイズしたものをお送りします。
ディレクトリ当たり $5 (税別) です。
\end joke_section
ユーティリティ umssync は各 --linux-.--- を作成します。kernel はそれら
を管理します。上記で示した sunsite から入手でき、同じディレクトリのファ
イル umsdos_progs-0.7.tar.gz の中にあります。コンパイルされたバージョ
ンは、umsdos_progs-0.7.bin.tar.gz の中のものが利用可能です。
例を示すと、mnt をマウントした後、次を行います。
umssync .
これは、このディレクトリ (再帰的なオプションも利用できます) で umsdos
能力 (長い名前など) のすべてを使用できるように昇進させます。しかし、そ
の直後の "ls -l" では、あまり違いは見えません。前からあったファイルは
そのままですが、次のことができるようになっています。
chmod 644 *
chown you.your_group *
ls >THIS_IS.A.VERY.LONG.NAME
ln -s toto tata
ls -l
ディレクトリが昇進されると、作成されるすべてのサブディレクトリはその昇
進を継承します。
DOS を起動し、昇進したディレクトリの中にファイルを作ると、何が起こるで
しょう? umsdos は新しいファイルを認識しませんが、ファイルが削除された
ことは判ります (クラッシュしません)。/etc/rc の中で umssync を用いれば、
確実に DOS ディレクトリを --linux-.--- へ同期できます。
RC ファイルの "mount -a" の直後に、次のコマンドを追加することは、いい
考えです。
mount -a
/sbin/umssync -i+ -c+ -r99 /umsdos_mount_point
(fstab の umsdos マウントポイント毎に追加します。)
これにより快適な操作が保証されます。現在 umsdos.fsck は開発中で、これ
が完成すれば、汎用的な fsck フロントエンドを用いる他のファイルシステム
と同じ方法で、umsdos パーティションの管理を行えるようになります。
お役に立てば幸いです!
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日本語訳:野本浩一 <hng@ps.ksky.ne.jp>
校正:早川仁さん <cz@hykw.tv>
Seiji Kanekoさん <skaneko@a2.mbn.or.jp>
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