Linux Kernel 2.2 Documentation:
/usr/src/linux/Documentation/networking/ipddp.txt
networking/ipddp.txt
AppleTalk-IP デカプセレーションと AppleTalk-IP エンカプセレーション
[プレインテキスト版]
- 原著作者: Jay Schulist <jschlst@samba.org>
- 翻訳者: 野本浩一 <hng@ps.ksky.ne.jp>
- バージョン: 2.2.8
- 翻訳日時: 2001/07/06
ipddp.c 用テキストファイル -
AppleTalk-IP デカプセレーションと AppleTalk-IP エンカプセレーション
概要
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AppleTalk-IP (IPDDP) は AppleTalk ネットワークに接続されたコンピュータ
が、IP により通信するために使用可能な方法です。AppleTalk-IP は単に
AppleTalk パケットの中の IP データグラムです。
このドライバを介して、Linux box に AppleTalk ネットワーク上で IP 通信
を行わせるか AppleTalk ユーザ向けの IP ゲートウェイ機能のどちらかがで
きます。
現在、AppleTalk-IP デカプセレーションもしくはエンカプセレーションは
LocalTalk, EtherTalk, PPPTalk 上で動きます。使えるプロトコルはカーネル
の AppleTalk (ネットワーク) 層とドライバがどれをサポートするかによって
制限されているだけです。
各モードはそれ用のユーザ空間で動くソフトウェアが必要です。
AppleTalk-IP デカプセレーション/エンカプセレーションのコンパイル
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AppleTalk-IP デカプセレーションはカーネル内にコンパイルすることが必要
です。AppleTalk-IP driver support をオンにする必要があります。次に二つ
のオプションから *一つ* を選ぶ必要があります - IP to AppleTalk-IP
encapsulation support か AppleTalk-IP to IP decapsulation support。静
的にドライバをコンパイルした場合、カーネルで有効にしたドライバの機能し
か使えません。モジュールとしてドライバをコンパイルした場合、モジュール
にローディング引き数を渡すことで実行したいモジュールのモードを選ぶこと
ができます。AppleTalk-IP エンカプセレーションなら ipddp_mode=1 を、
AppleTalk-IP to IP デカプセレーションなら ipddp_mode=2 を指定します。
ユーザ空間ツールの基礎的な説明
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AppleTalk-IP デカプセレーションとエンカプセレーションを有効にするため
には、適切なツールが必要です。デカプセレーション用ツールは
http://www.linux-sna.org/software2/Appletalk/index.html から、エンカプ
セレーション用ツールは http://www.maths.unm.edu/~bradford/ltpc.html か
ら入手できます。
ツールの操作を手短かに述べますが、その詳細は各ツールに付属のサポート文
書を調べてください。
デカプセレーション - MacGate と呼ばれるソフトウェアパッケージをダウン
ロードします。この配布物には MacRoute と呼ばれる Mac に向かう経路を手
で追加するツールがあります。さらにツール MacRegGateWay があり、これは
マシン向けの IP ゲートウェイと IP アドレスを適切に登録します。この配布
物に含まれる netatalk-1.4b2+asun2.0a17.2
(ftp.u.washington.edu/pub/user-supported/asun/ から入手できます) に対
するパッチは選択的なものですが、Mac に向かう経路を自動的に追加および削
除してくれます (多くの Mac が設置された場所では便利です)。
エンカプセレーション - ipddpd と呼ばれるソフトウェアデーモンをダウンロー
ドします。このソフトウェアはネットワーク上に AppleTalk-IP ゲートウェイ
があることを期待します。さらに Linux box の IP トラフィックが ipddp イ
ンターフェースを経由するように適切に経路が追加されていることが必要です。
一般的な ipddp.c の使用
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もちろん AppleTalk-IP デカプセレーションとエンカプセレーション (特にデ
カプセレーション) は、ほとんど LocalTalk ネットワークを IP ネットワー
クへ接続するために使われています。EtherTalk ネットワークでも使われます
が、その場合は EtherTalk 上で Mac が IP トンネリングするのを可能とする
だけのことです。
エンカプセレーションは元々 LocalTalk ネットワーク上の Linux box がIP
を使えるようにするものでした。EtherTalk だけからなるネットワークでも同
様にうまく動作すると思います。
さらなる支援
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デカプセレーションとエンカプセレーションに関する疑問があれば著者 (Jay
Schulist <jschlst@samba.org>) に連絡をとってください。
AppleTalk の IP エンカプセレーションドライバ ipddp.c は、もともと
Bradford W. Johnson <johns393@maroon.tc.umn.edu> により書かれました。
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日本語訳:野本浩一 <hng@ps.ksky.ne.jp>
校正:Akihiro KODAさん <coda@post.kek.jp>
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