サウンドカードを AX.25 パケット無線用として使うためのドライバ Thomas M. Sailer, HB9JNX/AE4WA, このドライバは SoundBlaster(sbc) か Windows Sound System(wss) コンパチ ブルのサウンドカードを 1200 ボー AFSK か 9600 ボー FSK の AX.25 パケッ ト無線のモデムとして使うものです。(訳注:この他、2666 ボー といったよ うな、あまり日本ではなじみの少ないモードでも使えるようです。詳細は Configure.help を参照してください)半二重通信のみをサポートしています − 全二重通信はハードウェアがサポートしていないため使えません( CODEC のチップは二つの DMA チャンネルをサポートしているのに、カード自体は一 つだけしかチャンネルを使えないようです)。(訳注:最新のドライバでは DMA チャンネルを二つ使える WSS については全二重通信をサポートしているよう です)このドライバを動かすには処理速度の速い CPU が必要になります。最低 でも 486DX2-66MHz は必要です。そうでなければコンピュータの動きはぎこち なくなってしまうでしょう。このドライバは電話回線のモデムはサポート *し ていません* − 無線専用です。 ドライバ・インターフェース このドライバは sm[0-3] という名前のカーネルネットワークドライバ(訳注 :デバイス?)を提供します。ax25 ユーティリティ集の sethdlc を使えばド ライバの状態などを設定できます。user 空間の AX.25 スタックを使っている 人は net2kiss というユーティリティ(これも ax25 ユーティリティ集に含ま れています)を使ってネットワークインターフェイス上のパケットを仮想端末 の KISS ストリームに流し込むことも出来ます。また WAMPES 用には私のパッ チをあてることでカーネルのネットワークインターフェイスを直接割り当てる ことも出来ます。(訳注:このパッチは既に WAMPES のソースに取りこまれて いるそうです) ドライバの設定 ある特定のカードは、使用する前に SoundBlaster モードあるいは WSS コン パチブルモードとして初期化をしてやらないといけません。このドライバは初 期化を *しません* が、Linux の標準サウンドドライバがサウンドカードの初 期化に使えます − サウンドドライバをモジュールとしてコンパイルして、  insmod sound  rmmod sound としてください。するとサウンドカードは正しく初期化されます。もしこれで だめなら、あなたが自分自身で初期化ユーティリティを書かなくてはならない でしょう。(訳注:isapnptools パッケージを使えば PnP サウンドカードの設 定ができます。また Crystal CS423x を使ったサウンドカードであれば ax25 ユーティリティ集に含まれる setcrystal を使うこともできます。) ドライバがカーネルに組み込まれる時点で、どのモデムがどのポートを使うべ きかの情報をドライバが知らなければなりません。これは setbaycom ユーテ ィリティを使うことでできます。もしモデムをひとつだけ使うのなら、insmod のコマンド行(あるいは /etc/modules.conf )にオプションを記述してドライ バを設定することができます。 例: insmod soundmodem mode="sbc:afsk1200" iobase=0x220 irq=5 dma=1 sethdlc -i sm0 -p mode "sbc:afsk1200" io 0x220 irq 5 dma 1 上の 2行はどちらもサウンドブラスター型のカードを 1200 ボー AFSK モード で sm0 に設定するものです。 チャンネルアクセスパラメータは sethdlc -a か kissparms を使って設定で きます。それぞれのユーティリティで値の意味が若干違うことに気をつけてく ださい。 入出力レベル 入出力レベルを適度に調節することは重要です。ax25 ユーティリティ集の中 には smmixer と smdiag という2つのユーティリティが入っています。smdiag は入力信号をオシロスコープの様に、または eye パターンとして表示します。 smmixer は入出力のレベルを調節できます。それぞれのマニュアルページを見 てください。(訳注:この他、ax25 ユーティリティ集には XFORMS ライブラリ を用いた xfsmmixer、xfsdiag という GUI のユーティリティが含まれていま す。) 送信機キーイング サウンドカードは DC カップルの出力を持っていないので PTT キーイングに ついては以下の方法があります。 ・VOX を使う。 ・シリアルポートを使う。 ・パラレルポートを使う。 ・MPU401 MIDI 出力を再トリガ型単安定マルチバイブレータ(a retriggerable  monoflop 訳注:74LS123 とか)経由で使う。 回路図は次の場所にあります。 http://www.ife.ee.ethz.ch/~sailer/pcf/ptt_circ/ptt.html Linuxカーネルの他の部分との適合性 サウンドドライバとサウンドカード・モデム・ドライバは同一のハードウェア リソースについて競合しています。もちろん一つのインターフェイスについて 同時に使えるドライバは一つだけです。ところが、サウンドドライバは起動時 にサウンドカードを占領するので、サウンドカード・モデム・ドライバは引き 続いてサウンドカードにアクセスすることが出来ません。そのためサウンドカ ード・モデム・ドライバを使う前にはサウンドドライバをアンロードする必要 があるかも知れません。 vy 73s de Tom Sailer, sailer@ife.ee.ethz.ch hb9jnx @ hb9w.ampr.org (翻訳:JL3OXR Aug. 10, 1999) (翻訳校正:武井さん@高知大)