文字をフォントにマップする Unicode を使うために Linux のカーネル・コー ドは書き直されました.ただひとつの Unicode-to-font テーブルをダウンロー ドすれば,表示されたフォントを使うように 8 ビット文字セットと UTF-8 モー ドとの両方が変更されます. これにより 8 ビット文字テーブルの意味がわずかに変わります.現在の 4 つ の文字テーブル: マップ記号 マップ名 エスケープ・コード (G0) LAT1_MAP Latin-1 (ISO 8859-1) ESC ( B GRAF_MAP DEC VT100 pseudographics ESC ( 0 IBMPC_MAP IBM code page 437 ESC ( U USER_MAP User defined ESC ( K フォントは IBM 文字セットと完全に異なっているかもしれないので,特に ESC ( U はもう "straight to font" でありません.例えば Latin-1 フォン トがロードされてもブロック・グラフィックスが使用できます. Unicode standard/ISO 10646 に従って,U+F000 から U+F8FF の範囲が OS に 広く割り当てるために予約されました.(Unicode Standard は「Corporate Zone」と呼びます.Linux には誤りなので「Linux Zone」と呼びます.)直接 マッピング・エリアは 2 の大きな巾で始まるので,(万一 1024 あるいは 2048 文字フォントが必要になる場合に備えて) U+F000 が出発点に選ばれまし た.これで U+E000 から U+EFFF が End User Zone として残ります. U+F000 から U+F1FF の範囲の Unicode はロードされたフォントに,変換テー ブルを回避して直接マップするためにハード・コードされました.以前の動作 をエミュレートするために,ユーザー定義のマップは現在 U+F000 から U+F1FF がデフォルトです.将来にこの範囲が拡張されるのは保証されるべき です. Linux Zone に割り当てられた現行の文字 ------------------------------------- 加えて,Unicode 1.1.4 に存在しない(,少なくとも私は見つけたことのない,) 以下の文字が定義されました.これらは DEC VT グラフィックス・マップで使 われます: U+F800 DEC VT GRAPHICS HORIZONTAL LINE SCAN 1 U+F801 DEC VT GRAPHICS HORIZONTAL LINE SCAN 3 U+F803 DEC VT GRAPHICS HORIZONTAL LINE SCAN 7 U+F804 DEC VT GRAPHICS HORIZONTAL LINE SCAN 9 6x10 文字行列が DEC VT220 で使われます.これらの文字は DEC VT グラフィッ クス・文字セットの無理のない拡張です.SCAN 5 の行はブロック・グラフィッ クス文字としても使われるので省略しました.ですから U+2500 FORMS LIGHT HORIZONTAL としてコードしました.しかし U+F802 は必要になるでしょうか ら空白にしておきました. クリンゴン語のサポート ---------------------- 多くの虚構の言語を含めることが提案された場合の潜在的なコード・ポイント の急増を恐らく心配して,あいにく Unicode/ISO 10646 はクリンゴン語のた めのコード・ポイントを割り当てていません.政治的理由もあります.(例え ば,日本語は第一に全体の 16 ビットの概念にとって,あまり喜ばしくありま せん.)しかし,ハッカーの操る Linux OS でサポートするのは,価値ある立 派な言語学ハックと思われます.ゆえに Linux Zone のリストにそれを加える ことを私は選択しました. クリンゴン・アルファベットのためのいくつかのグリフ形が提案されました. しかし,記号のセットは,実際の形が異なるだけで,全体を通して矛盾のない ように思われるので,標準の Unicode の慣例を保ちつつこれらの違いはフォ ントの異形とみなされます. クリンゴン語には 26 文字のアルファベットと 10 個の数字で順番を書き表す 方法があり,左から右へ,上から下へ,書かれます.句読法はラテン語字訳に 使われるだけに思われます.おのおのの文を 1 行に書いて中心をそろえるの が通例です.空白は句読のために取っておき,確認の必要があります. このエンコーディングは Klingon Language Institute によって是認されまし た.詳細はそちらに問い合わせてください: http://www.kli.org/ Linux CZ の始めの文字は,飾り文字,記号,形態のタイプの大部分になりま したし,これは言語なので,標準の Unicode の慣例を守って 16 セル境界の 終りに私はそれを配置しました. U+F8D0 KLINGON LETTER A U+F8D1 KLINGON LETTER B U+F8D2 KLINGON LETTER CH U+F8D3 KLINGON LETTER D U+F8D4 KLINGON LETTER E U+F8D5 KLINGON LETTER GH U+F8D6 KLINGON LETTER H U+F8D7 KLINGON LETTER I U+F8D8 KLINGON LETTER J U+F8D9 KLINGON LETTER L U+F8DA KLINGON LETTER M U+F8DB KLINGON LETTER N U+F8DC KLINGON LETTER NG U+F8DD KLINGON LETTER O U+F8DE KLINGON LETTER P U+F8DF KLINGON LETTER Q - Written in standard Okrand Latin transliteration U+F8E0 KLINGON LETTER QH - Written in standard Okrand Latin transliteration U+F8E1 KLINGON LETTER R U+F8E2 KLINGON LETTER S U+F8E3 KLINGON LETTER T U+F8E4 KLINGON LETTER TLH U+F8E5 KLINGON LETTER U U+F8E6 KLINGON LETTER V U+F8E7 KLINGON LETTER W U+F8E8 KLINGON LETTER Y U+F8E9 KLINGON LETTER GLOTTAL STOP U+F8F0 KLINGON DIGIT ZERO U+F8F1 KLINGON DIGIT ONE U+F8F2 KLINGON DIGIT TWO U+F8F3 KLINGON DIGIT THREE U+F8F4 KLINGON DIGIT FOUR U+F8F5 KLINGON DIGIT FIVE U+F8F6 KLINGON DIGIT SIX U+F8F7 KLINGON DIGIT SEVEN U+F8F8 KLINGON DIGIT EIGHT U+F8F9 KLINGON DIGIT NINE 他の虚構的人工的書体 -------------------- クリンゴン Linux Unicode ブロックの割り当て,虚構的人工的書体の登録は John Cowan 氏によって創設されました.ConScript Unicode Registry は http://locke.ccil.org/~cowan/csur/ でアクセスでき ます.使用される範囲は End User Zone の後部なので,規範に従って割り当 てることができません.しかし,虚構的な書体のエンコードを望む方々が,内 部使用可能なことに興味を持ってこれらのコードを使用することを推奨します. クリンゴン語に対して CSUR は Linux エンコーディングを採用しました. H. Peter Anvin 訳者: 山縣 敦