Running Linux on Voyager アーキテクチャ ======================================= 完全な詳細情報とプロジェクトの現状については、下記を参照してください。 http://www.hansenpartnership.com/voyager Voyager アーキテクチャは、Intel の 486 チップセット周辺に構築される、 完全な SMP 能力を有する RAS コンピューティング・アーキテクチャとなる べく、80 年代中頃に NCR により設計されました。Voyager は、アーキテク チャの洗練度別に三つのレベル、3, 4, 5 が出されました。1 と 2 は、プロ トタイプの域を出ることはありませんでした。Linux パッチでは、レベル 5 の Voyager アーキテクチャ (マシンクラス 3435 以上全て) のみをサポート します。 Voyager アーキテクチャ ---------------------- Voyager マシンは、386 診断プロセッサ付きベースボード、電源供給インター フェース (PSI; Power Supply Interface), 第一マイクロチャネルバス (第二 マイクロチャネルバスが付いていることもあります), 2 から 20 個の Voyager スロット、で構成されています。Voyager スロットには、メモリカードと CPU カードを挿すことができます (4GB までのメモリと、一個の 486 プロセッサ から 32 個の Pentium Pro プロセッサまで)。内部的には、Voyager にはデュ アル調停システムバスと、設定・テスト (CAT; Configuration And Test) バス があります。Voyager のバス速度は 40MHz です。そのため、(全ての Voyager カードは各システムバスにデュアルポートされているので) 最大転送レートは 320Mb/s ですが、それはスロットの設定が調整されている場合のみです (メモリ カードのみが両方のバスと一度に通信できます。CPU カードは一度に一つです)。 Voyager SMP ----------- Voyager は最初の Intel ベース SMP システムだったので、SMP に対しては Intel IO-APIC のやり方よりも少し原始的です。Voyager では、16 個の PC 型割込みの全ての調停割込みルーティング (プロセッサ・アフィニティ・ ルーティングも含む) を許可しています。しかし、これは、APIC バスでは なく、変更の入った 5259 マスタ/スレーブチップセットにより実現されて います。加えて、Voyager は APIC IPI と同等の Cross Processor Interrupt (CPI) をサポートしています。各スロットに対して、ルーティングされる Voyager 割込みラインが、二つ提供されています。 プロセッサ・カード ------------------ 一つ、二つ、四つの構成があります (四つ構成には厄介な点があります。下記 参照)。最大構成は、8 個のクワッドカードで、32 ウェイ SMP となります。 クワッド・プロセッサ -------------------- Voyager は、各プロセッサカードに割込みラインを二つしか供給していない ので、クワッド・プロセッサは、マスタ/スレーブプロセッサの組として 設定 (およびブートストラップ) される必要があります。 事実、ほとんどのクワッド・カードは VIC 割込みラインを一つだけしか受け 付けず、一つを割込み処理プロセッサ (VIC 拡張プロセッサと呼ばれます)、 あとの三つを非割込み処理プロセッサとしています。 現在の状況 ---------- 一つ、二つ、四つ構成のカードでシステムがブートします。はじめは四つ構成 のブートに問題がありましたが、イニシャル・ブートローダの gdt アライン メントを適切なものにすることで修正できました。Voyager システムをブート できない場合は、私にメールしてください。 クワッド・カードは、現在は、VIC メールボックスシステムのかわりに、分割 されたクワッド CPI ベクタの使用をサポートしています。 レベル 4 アーキテクチャ (3430 マシンと 3360 マシン) も、ちゃんと動作 します。 ダンプ・スイッチ ---------------- Voyager ダンプスイッチは、Voyager コードが感知してタスクダンプをおこ なう、ブロードキャスト NMI を送出します。 パワースイッチ -------------- フロントパネルのパワースイッチはカーネルにより感知され、システムの シャットダウンと電源オフがおこなわれます。 CPU 混在システムについてのメモ ----------------------------------- Linux は、CPU 混在システムをうまく扱うようには設計されていません。全て がうまくいくようにするには、機能がもっとも低い CPU をブート用に使わな ければなりません。また、複数の CPU クラス (例えば 486 と 586) の混在は、 本当に、まったくもってうまく動きません。 ------------------------------------------------------------ 翻訳団体: JF プロジェクト < http://www.linux.or.jp/JF/ > 翻訳日: 2004/04/22 翻訳者: 川崎 貴彦