Linux Kernel 2.6 Documentation:
/usr/src/linux/Documentation/x86/i386/usb-legacy-support.txt
x86/i386/usb-legacy-support.txt
USB レガシーサポート
[プレインテキスト版]
- 原著作者: Vojtech Pavlik <vojtech@suse.cz>
- 翻訳者: 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
- バージョン: 2.6.3
- 翻訳日時: 2004/02/07
USB レガシーサポート
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Vojtech Pavlik <vojtech@suse.cz>, January 2004
BIOS セットアップメニューで "USB キーボード" や "USB マウスサポート" として
知られているのは、USB マウスや USB キーボードを、あたかも昔ながらの PS/2
マウスや PS/2 キーボードであるかのように使うための機能です。これは、たとえば
LILO でタイプするのに USB キーボードを使えるということを意味します。
しかしながら、幾つかの欠点があります。
1) 幾つかのマシンでは、USB マウスがなく本当の PS/2 マウスが存在する場合でも、
PS/2 マウスのエミュレーションがおこなわれます。この場合、実際の PS/2 マウス
の追加機能 (ホイール、追加ボタン、タッチパッドモード) は使用できなくなる
ことがあります。
2) CONFIG_HIGHMEM64G が有効になっている場合、PS/2 マウスエミュレーションは
システムクラッシュを引き起こすことがあります。というのも、SMM BIOS は
PAE モードになることを想定していないからです。Intel E7505 は、この問題が
発生する典型的なマシンです。
3) AMD64 64 ビットモードが有効になっていると、これまたシステムクラッシュが
頻発します。というのも、SMM BIOS は CPU が 64 ビットモードになることを
想定していないからです。BIOS 製作者は Windows のみでテストしており、
Windows はまだ 64 ビットではないのです。
解決方法
問題 1) は、PS/2 マウスドライバをロードする前に USB ドライバをロードすることに
より解決できます。2.6 では、PS/2 マウスドライバは無条件にカーネルに組み込まれて
コンパイルされるので、USB ドライバも組み込む必要があるということになります。
問題 2) は現在のところ、カーネル設定で HIGHMEM64G を無効にするか、BIOS で USB
レガシーサポートを無効にするかのどちらかでしか解決できません。BIOS アップデート
でうまくいくかもしれませんが、今までのところそのようなアップデートは存在しません。
問題 3) は通常 BIOS アップデートにより解決されます。ボード製作者の Web サイトを
チェックしてください。アップデートが得られない場合は、BIOS の USB レガシーサポート
を無効にしてください。これだけで問題が解決しない場合は、カーネルコマンドラインに
idle=poll を追加してみてください。HLT 命令時と同様に BIOS は SMM になるかもしれ
ません。
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翻訳団体: JF プロジェクト < http://www.linux.or.jp/JF/ >
翻訳者: 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
翻訳日: 2004/02/07
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