X. どういうふうに暗号化されるのか理解する

メッセイジが暗号になるという明白な事実は置いておくとして,暗号化について おぼえておかなければいけないのは,差し出し人でさえもその暗号メッセイジを読 めないということだ.さいわい Mutt には二つの解決策がある.送り出すメッセイジ の平文 (そのまま読める文) のコピーを「送信済み」フォルダに保存させるオプ ションが,まずひとつある.(Mutt の「fcc_clear」オプションを参照) また, GnuPG の「--encrypt-to」オプションを使って Mutt が暗号メイルをぜんぶキミ 向けに暗号化するよう設定すると,「送信済み」フォルダにある暗号メイルは自 分で復号化することができるようになる.このいずれかを設定しないかぎりは, 「送信済み」フォルダにコピーがあったとしても,宛て先の人しかそのメッセイ ジを復号化することができない.

(訳注: Mutt のオプションについては「man mutt」とか「man muttrc」,あとは 「less /usr/share/doc/mutt-doc*/manual.txt」というようなコマンドを Eterm 上などで打つと読める.表示されてから「/fcc_clear」と入力して検索できる. 終了するときは「q」を押す)

誰かに向けてメッセイジを暗号化するためには,その人の公開鍵が必要になる. いったんその鍵を手に入れて宛て先にその人を指定すれば,メッセイジは (今の ところは) 誰にも破ることのできない信号に暗号化されてしまう.

暗号化だけでは身元証明にはならないことをおぼえていてほしい.受け取 り人の公開鍵があれば誰でも暗号メイルを送れるからだ.暗号メイルに署名を 付けることによって,それがキミから出たものであり,キミが暗号化したものだ ということを確証できる.