2. seyon の入手とインストール

Slackware の場合、xap1 パッケージの中にバイナリファイルが入っています。 次のようにしてインストールします。

  1.    # cd  /cdrom/SLACK310/slakware/xap1

    ディレクトリは CD-ROM によって異なります。

  2.    # installpkg  seyon.tgz

  3. 念のため、どこに何がインストールされたか確認するには、

       # pkgtool

    と入力後、view コマンドで seyon を指定して調べます。

  4. seyon のインストール直後にある /usr/X11/bin/seyon-emu を rm コマンドで削除します (このファイルは、xterm へのリンクが張られています)。

  5. kterm(ここでは、xterm でもよい)上で

       # seyon -noemulator -modem /dev/ttys0

    と入力して seyon を起動すると、~/.seyon というディレクトリが作られ その下に各種設定ファイル(startup, phonelist, protocols など)が コピーされるので、すぐに Exit ボタンを押して終了させます。

    [参考1]: Linux には、COM1 から COM4 に対応する基本的なシリアルデバイス が4つあります。モデムがどのポートに接続されているかに合わせて 上記の /dev/cua0 のところを変えて下さい。

       /dev/cua0, /dev/ttyS0 (COM1) address 0x3f8 IRQ 4
       /dev/cua1, /dev/ttyS1 (COM2) address 0x2f8 IRQ 3
       /dev/cua2, /dev/ttyS2 (COM3) address 0x3e8 IRQ 4
       /dev/cua3, /dev/ttyS3 (COM4) address 0x2e8 IRQ 3
       /dev/tty? は受信用に、また /dev/cua? は発信用に使われます。

    詳しくは、JF の Serial HOWTO をご覧下さい。 この Serial HOWTO 日本語版には、この他にモデムの設定とか トラブル時の対応など役に立つことが書かれています。

    [参考2]: linux を始めとする unix 系の OS で、一つのシリアル・ポートに ttyS# と cua# 複数のデバイスが存在している理由ですが、歴史的に モデムがまだダイアル機能を内蔵していなかった大昔に遡ります。 この頃にはダイアラーと呼ばれるダイアルだけをする専用の装置があ り、それぞれのデバイスはモデム(ttyS#)とダイアラー(cua#)という 別々の装置につながっていました。 ダイアル機能を内蔵したモデムが一般的になってきた時に互換性を維 持するために ttyS# は cua# と同じシリアル・ポートに接続するよ うにし、

    • cua# は発呼用デバイスとしカーネル内部でロックを行ない、回線 が接続されていなくてもオープンできる。

    • ttyS# は通信用デバイスとしロック・ファイルを使ってロックを行 ない、回線が接続されていなればオープンできない。

    という仕様にしました。 多くのソフトウェアがこれを前提に作られていたので、linux でも cua# が発呼用デバイス、ttyS# を受信用デバイスとされて来ました。 古いドキュメントにもそのように書かれたものが多くあります。 ただ、この仕組みには大きな問題があり、一つのモデムで発信と受信 の両方を行なおうとした場合にロック形式の違いなどによりデバイス の取り合いが発生してしまいます。それで最近の linux では発信も 受信も統一的にロック・ファイルを用いてロックを行ない、ttyS# を 用いて通信を行なうというのが一般的になっています。 発信しかしない場合には ttyS# と cua#との違いは気にならないかも しれませんが、cua#は歴史的遺物ですので積極的に使う理由はないと 思われます。使うとしたら古いソフトをそのままで動かしたい場合く らいでしょうか。

また、ソースを make してインストールする場合は以下のようにします。

  1. config.h を自分の環境に合わせて修正します。

  2. xmkmf を実行して make ファイルを作成します。

  3. make を実行して seyon をビルドします。

  4. make install と入力して、プログラムとサポートファイルをコピーします。

  5. make install.man と入力して、マニュアルをインストールします。

  6. ~/.seyon というディレクトリを作成し、そのディレクトリの下に startup, phonelist, protocols というファイルをコピーします。