int setpgid(pid_t pid, pid_t pgid);
pid_t getpgid(pid_t pid);
pid_t getpgrp(void); /* POSIX.1 version */
pid_t getpgrp(pid_t pid);
/* BSD version */
int setpgrp(void); /* System V version */
int setpgrp(pid_t pid, pid_t pgid);
/* BSD version */
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
getpgid():
_XOPEN_SOURCE >= 500
setpgrp()
(POSIX.1): _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500
setpgrp() (BSD), getpgrp() (BSD): _BSD_SOURCE && ! (_POSIX_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE || _XOPEN_SOURCE || _XOPEN_SOURCE_EXTENDED || _GNU_SOURCE || _SVID_SOURCE)
setpgid() は pid で指定したプロセスの PGID に pgid を設定する。 pid がゼロならば、呼び出し元プロセスのプロセス ID が pid として使用される。 pgid がゼロならば、 pid で指定されたプロセスの PGID がそのプロセスのプロセス ID と 同じに設定される。 setpgid() をプロセスをあるプロセスグループから別のグループへ 移動するために使用する場合は (一部のシェルはパイプラインを生成 する時にこれを行う)、両方のプロセスグループは同じセッションの 一部でなければならない (setsid(2) と credentials(7) 参照)。この場合は pgid は参加すべき既存の プロセスグループを指定し、そのセッション ID は参加するプロセスの セッション ID に一致しなければならない。
POSIX.1 バージョンの getpgrp() は引き数を一つもとらず、 呼び出し元プロセスの PGID を返す。
getpgid() は pid で指定されたプロセスの PGID を返す。 pid がゼロならば、呼び出し元プロセスのプロセス ID が pid として使用される。 (呼び出し元プロセス以外のプロセスの PGID の取得が必要になることは めったになく、呼び出し元プロセスの PGID を取得するには POSIX.1 バージョンの getpgrp() を使うのが望ましい。)
System V バージョンの setpgrp() は引き数を一つもとらず、 setpgid(0, 0) と等価である。
BSD 仕様の setpgrp() は pid と pgid を引き数にとり、 setpgid(pid, pgid) と等価である。
BSD 仕様の getpgrp() は pid だけを引き数にとり、 getpgid(pid) と等価である。
POSIX.1 バージョンの getpgrp() は常に呼び出しプロセスの PGID を返す。
getpgid() と BSD 仕様の getpgrp() は成功した場合プロセスグループを返す。 エラーの場合は -1 を返し、 errno が適切に設定される。
POSIX.1-2001 は、 getpgid() と、引き数なしバージョンの setpgrp() も規定している。 POSIX.1-2008 は、この setpgrp() の仕様を廃止予定としている。
引き数 1 個バージョンの getpgrp() と引き数 2 個バージョンの setpgrp() は 4.2BSD に由来し、 POSIX.1 では規定されていない。
各プロセスグループはセッションのメンバーであり、各プロセスは そのプロセスグループが所属しているセッションのメンバーである。
セッションは制御端末 (controlling terminal) を持つことができる。 いつでも、セッションに所属するプロセスグループの一つ (だけ) が 端末のフォアグランドのプロセスグループになることができ、 残りのプロセスグループはバックグラウンドになる。 端末からシグナルが生成された場合 (例えば、中断キーを叩いて SIGINT が生成されるなど)、そのシグナルはフォアグラウンドのプロセスグループ に送られる (シグナルを生成する文字の説明は termios(3) を参照)。 フォアグラウンドのプロセスグループだけが端末からの read(2) ができる。 バックグラウンドのプロセスグループが端末からの read(2) を行おうとした場合、そのプロセスグループにはシグナル SIGTSTP が送られ、そのプロセスグループは一時停止 (suspend) する。 関数 tcgetpgrp(3) と tcsetpgrp(3) を使うと、制御端末のフォアグラウンドのプロセスグループを 取得/設定できる。
setpgid() と getpgrp() は、 bash(1) のようなプログラムで、シェルのジョブ制御 (job control) の実装のための プロセスグループを作成するのに使われる。
セッションが制御端末を持っていて、その端末に対して CLOCAL フラグが設定されておらず、端末のハングアップが起きた場合、 セッション・リーダーに SIGHUP が送られる。 セッション・リーダーが終了した場合には、その制御端末の フォアグランドのプロセスグループに所属する各プロセスにも SIGHUP シグナルが送られる。
プロセスの終了によってプロセスグループが孤児 (orphaned) になった際に、 その新たに孤児になったプロセスグループに停止しているメンバーがいれば、 その孤児になったプロセスグループに属す全てのプロセスに SIGHUP シグナルに続けて SIGCONT シグナルが送られる。 孤児になった (orphaned) プロセスグループとは、 そのプロセスグループの全てのメンバーについて、メンバーの親プロセスが、 親プロセス自身もそのプロセスグループのメンバーか、 別のセッションに属すプロセスグループのメンバーのいずれかであるような、 プロセスグループのことである。