この CD ができてしまえば、 自分の Linux システムに Red Hat 7.2 のインストールを始める準備は完了です。
コンピュータを再起動してください。そして画面上に FastTrack BIOS のプロンプトが出たら、 Cntrl-F を押して下さい。これで Promise FastTrack BIOS の設定画面に入ります。
BIOS の設定画面で、 "delete array," と "define array," および "choose Mirror." を選択します。
そして、Cntrl-Y を押して保存します。
"Create Only" を選択後、ESC を押してリブートして下さい。 リブートが始まると、 今度は Promise FastTrack には、FastTrack コントローラにつながっている 2 台のハードディスクに、 1x2 の RAID Mirror が定義されているのが分かるはずです。
Red Hat 7.2 のディスク 1 を CD-ROM ドライブに入れて、リブートします。
ブートのプロンプトが出たら、次のようにタイプして下さい。
linux noprobe |
さあ、インストールが始まります。"Add device(訳注:デバイスの追加)" を選んでください。 そして使用可能なドライバ一覧に Promise FastTrack があるかどうか確かめて下さい。 載っていなければ、F2 を押して、 フロッピーディスクから外部のドライバをロードします。 Promise FastTrack ドライバが入ったフロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入して、 "OK" を押して下さい。
インストールを続けます。 パーティションは、さしあたり ext3 だけを選んで下さい。 ext2 が本当に必要なら、一番最後で作れます。
初めてブートフロッピーを作る場合は、 未使用のブートフロッピーディスクを挿入して下さい。 Red Hat のインストールプログラムがブートフロッピーディスクを作ってくれます。
注意: "Skip boot disk creation(訳注:ブートディスク作成を飛ばす)" はクリックしないで下さい。 この段階を飛ばすと、もうブートフロッピーディスクは作れないので、 後できっと大変後悔することになります。
インストールでブートローダーの設定になったら、選ぶのはどうか "LILO" だけにして、 GRUB をブートローダーにするのは止めて下さい。
インストールが終ると、今度は「設定」画面になります。
Cntrl-ALT-F2 を押して、 tty2 に切替えて下さい。
シェルのプロンプトで、次のようにタイプします:
cd /mnt/sysimage/lib/modules/2.4.7-10/kernel/drivers/scsi |
ls とタイプして、 ft.o が存在することを確認して下さい。 無い場合は次のようにして、 手作業で ft.o というモジュールをインストールする必要があります。
ドライバのフロッピーディスクがマウントされていることを確認して下さい。 フロッピーディスクのディレクトリに移り、 次のようにタイプします:
mv module.cgz /tmp cd /tmp gzip -dc module.cgz | cpio -idumv |
これで、 /tmp の下に、 一群のディレクトリができたことがわかります。
cd /tmp/`uname -r` cp ft.o /mnt/sysimage/lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/scsi |
シェルプロンプトで、次のようにタイプして下さい:
less /mnt/sysimage/etc/lilo.conf |
これで、lilo.conf が正しそうかどうか調べて下さい。 特に、 initrd=行と、 それに対応する initrd.img ファイルが、 /mnt/sysimage/boot ディレクトリ下に存在しなければなりません。 これが無い場合は、次のようにして、手作業で作って下さい。
/mnt/sysimage/usr/sbin/chroot /mnt/sysimage /sbin/mkinitrd \ --preload jbd \ --preload ext3 \ --preload scsi_mod \ --with ft \ /boot/initrd.img 2.4.7-10 |
では、フロッピーディスクと CD を抜いて、リブートしましょう。 この時、自分のコンピュータが無事に起動するよう、お祈りを捧げて下さい。
ブートしない場合は、ブートフロッピーを入れてリブートし、 ログインしてください。それから以下のようにして修復します。
/boot/initrd.img が存在することを確認して下さい。 それから、 /lib/modules/2.4.7-10/kernel/drivers/scsi/ft.o が存在することも確認して下さい (無ければ、先に説明したように、 こういったことを手動で直さなければなりません)。
/sbin/lilo とタイプして下さい。
では、フロッピーディスクを抜いてリブートしましょう。 Promise ドライバを使った新しいマシンでブートするはずです。
df -k とタイプして下さい。 ハードディスクが、/dev/hdaX ではなく、 /dev/sdaX になっているのがわかるでしょう。 どうしてかというと、 Promise ドライバが厳密な意味でのハードウェア RAID ではなく、 実際には、ソフトウェアエミュレーション RAID の特別なタイプだからです。 (Promise RAID は BIOS のハックを通して動作します)
お使いのマシンが SMP の場合、 ユニプロセッサカーネルで起動する場合は、以下に示すように、 initrdsmp.img を手作業で作らなければなりません。
ご自分のマシンを 2.4.7-10 のユニプロセッサカーネルでブートする場合は、 以下のようにタイプして、 2.4.7-10 カーネルで使用する initrdsmp.img を作って下さい。
/sbin/mkinitrd \ --preload jbd \ --preload ext3 \ --preload scsi_mod \ --with ft \ /boot/initrdsmp.img 2.4.7-10smp |
注意: initrd ファイルを作るコマンドを覚えるのが嫌なら、 筆者のスクリプト geninitrd をダウンロードして、手元に置いておいてください。
2.4.7-10smp(SMP カーネルセクション)用に、 適宜 /etc/lilo.conf を調整し、 /sbin/lilo とタイプして、 SMP カーネルでリブートして下さい。 /etc/lilo.conf がどのようになるかは、ここに示してあります。
これで、マルチプロセッサの場合の、 ちゃんと動く、SMP サポート付きの Red Hat 7.2 のマシンができました。 SCSI エミュレーションを使った、 Promise FastTrack の疑似ハードウェア RAID が動いていることに満足なら、 この先は読まなくてもかまいません。
Promise ドライバは SCSI エミュレーションなので、 CPU にかなり負荷をかけます。 ですから、Linux 本来の、本当の RAID を使い、 Promise の SCSI エミュレーションは止めたければ、 このまま読み続けて下さい。