5. Red Hat 7.2 のインストール

この CD ができてしまえば、 自分の Linux システムに Red Hat 7.2 のインストールを始める準備は完了です。

  1. コンピュータを再起動してください。そして画面上に FastTrack BIOS のプロンプトが出たら、 Cntrl-F を押して下さい。これで Promise FastTrack BIOS の設定画面に入ります。

  2. BIOS の設定画面で、 "delete array," と "define array," および "choose Mirror." を選択します。

  3. そして、Cntrl-Y を押して保存します。

  4. "Create Only" を選択後、ESC を押してリブートして下さい。 リブートが始まると、 今度は Promise FastTrack には、FastTrack コントローラにつながっている 2 台のハードディスクに、 1x2 の RAID Mirror が定義されているのが分かるはずです。

  5. Red Hat 7.2 のディスク 1 を CD-ROM ドライブに入れて、リブートします。

  6. ブートのプロンプトが出たら、次のようにタイプして下さい。

    linux noprobe

  7. さあ、インストールが始まります。"Add device(訳注:デバイスの追加)" を選んでください。 そして使用可能なドライバ一覧に Promise FastTrack があるかどうか確かめて下さい。 載っていなければ、F2 を押して、 フロッピーディスクから外部のドライバをロードします。 Promise FastTrack ドライバが入ったフロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入して、 "OK" を押して下さい。

  8. インストールを続けます。 パーティションは、さしあたり ext3 だけを選んで下さい。 ext2 が本当に必要なら、一番最後で作れます。

  9. 初めてブートフロッピーを作る場合は、 未使用のブートフロッピーディスクを挿入して下さい。 Red Hat のインストールプログラムがブートフロッピーディスクを作ってくれます。

  10. インストールでブートローダーの設定になったら、選ぶのはどうか "LILO" だけにして、 GRUB をブートローダーにするのは止めて下さい。

    インストールが終ると、今度は「設定」画面になります。

  11. Cntrl-ALT-F2 を押して、 tty2 に切替えて下さい。

  12. シェルのプロンプトで、次のようにタイプします:

    cd /mnt/sysimage/lib/modules/2.4.7-10/kernel/drivers/scsi

  13. ls とタイプして、 ft.o が存在することを確認して下さい。 無い場合は次のようにして、 手作業で ft.o というモジュールをインストールする必要があります。

    1. ドライバのフロッピーディスクがマウントされていることを確認して下さい。 フロッピーディスクのディレクトリに移り、 次のようにタイプします:

      mv module.cgz /tmp 
      cd /tmp 
      gzip -dc module.cgz | cpio -idumv 

    2. これで、 /tmp の下に、 一群のディレクトリができたことがわかります。

      cd /tmp/`uname -r` 
      cp ft.o /mnt/sysimage/lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/scsi

    3. シェルプロンプトで、次のようにタイプして下さい:

      less /mnt/sysimage/etc/lilo.conf

      これで、lilo.conf が正しそうかどうか調べて下さい。 特に、 initrd=行と、 それに対応する initrd.img ファイルが、 /mnt/sysimage/boot ディレクトリ下に存在しなければなりません。 これが無い場合は、次のようにして、手作業で作って下さい。

      /mnt/sysimage/usr/sbin/chroot /mnt/sysimage /sbin/mkinitrd \
      --preload jbd \ 
      --preload ext3 \ 
      --preload scsi_mod \ 
      --with ft \ 
      /boot/initrd.img 2.4.7-10

  14. では、フロッピーディスクと CD を抜いて、リブートしましょう。 この時、自分のコンピュータが無事に起動するよう、お祈りを捧げて下さい。

  15. ブートしない場合は、ブートフロッピーを入れてリブートし、 ログインしてください。それから以下のようにして修復します。

    1. /boot/initrd.img が存在することを確認して下さい。 それから、 /lib/modules/2.4.7-10/kernel/drivers/scsi/ft.o が存在することも確認して下さい (無ければ、先に説明したように、 こういったことを手動で直さなければなりません)。

    2. /sbin/lilo とタイプして下さい。

    3. では、フロッピーディスクを抜いてリブートしましょう。 Promise ドライバを使った新しいマシンでブートするはずです。

  16. df -k とタイプして下さい。 ハードディスクが、/dev/hdaX ではなく、 /dev/sdaX になっているのがわかるでしょう。 どうしてかというと、 Promise ドライバが厳密な意味でのハードウェア RAID ではなく、 実際には、ソフトウェアエミュレーション RAID の特別なタイプだからです。 (Promise RAID は BIOS のハックを通して動作します)

お使いのマシンが SMP の場合、 ユニプロセッサカーネルで起動する場合は、以下に示すように、 initrdsmp.img を手作業で作らなければなりません。

  1. ご自分のマシンを 2.4.7-10 のユニプロセッサカーネルでブートする場合は、 以下のようにタイプして、 2.4.7-10 カーネルで使用する initrdsmp.img を作って下さい。

    /sbin/mkinitrd \
    --preload jbd \ 
    --preload ext3 \ 
    --preload scsi_mod \ 
    --with ft \ 
    /boot/initrdsmp.img 2.4.7-10smp

  2. 2.4.7-10smp(SMP カーネルセクション)用に、 適宜 /etc/lilo.conf を調整し、 /sbin/lilo とタイプして、 SMP カーネルでリブートして下さい。 /etc/lilo.conf がどのようになるかは、ここに示してあります。

これで、マルチプロセッサの場合の、 ちゃんと動く、SMP サポート付きの Red Hat 7.2 のマシンができました。 SCSI エミュレーションを使った、 Promise FastTrack の疑似ハードウェア RAID が動いていることに満足なら、 この先は読まなくてもかまいません。

Promise ドライバは SCSI エミュレーションなので、 CPU にかなり負荷をかけます。 ですから、Linux 本来の、本当の RAID を使い、 Promise の SCSI エミュレーションは止めたければ、 このまま読み続けて下さい。