本パッケージをインストールするには、 以下のものが必要になります。
パッケージ自体。 http://linux-atm.sourceforge.net/dist.php から入手できます。
Linux カーネルのバージョン 2.4.x。 例えば、 ftp://ftp.kernel.org/pub/linux/kernel/v2.4/ から入手できます。
Perl のバージョン 4、ないしは 5
メモリのデバッグをしたい場合は MPRも必要。 例えば、 ftp://ibiblio.org/pub/Linux/devel/lang/c/ から入手できます。
自分でソースの展開や構築をするのは時間と労力の浪費だ、と思っている場合は、 RPM 形式でも ATM ツールを配布していますから、それを使って下さい。 これは、次のようにすればインストールできます。
この場合は、まず ATM on Linux ディストリビューションを展開します。
ディストリビューションを展開すると、 linux-atm-x.x.x/ ディレクトリができ、その下にサブディレクトリがいくつかできます。 中でも重要なのは、次のディレクトリです。(この HOWTO を含む)SGML DocBook 形式の文書があります。
UNI 3.0 と UNI 3.1、および UNI 4.0 のシグナル処理デーモン atmsigd があります。
シグナル処理用 AAL ライブラリ (SSCOP と SSCF、および SAAL) があります。
Q.2931 形式のメッセージ処理があります。
ILMI アドレス登録デーモン ilmid があります。
次の ATM 保守プログラムがあります。:atmaddr, atmdiag, atmdump, atmloop, atmtcp, enitune, esi, sonetdiag, saaldump, および zntune
次の テストプログラムがあります。:align, aping, aread, awrite, br, bw, isp, ttcp_atm, window
ATMARP 用のツールとデーモン atmarp と atmarpd があります。
LAN エミュレーションデーモン zeppelin があります。
LAN エミュレーションサーバー bus と lecs、および les があります。
マルチプロトコル・オーバー・ATM デーモン mpcd があります。
次のデバッグツールがあります。:delay, ed, encopy, endump, svctor, zndump, および znth
アプリケーション、およびデーモン用ライブラリがあります。
種々雑多なマニュアルページがあります。
追加パッケージと RPM の spec ファイルがあります。
設定と rc ファイルのサンプルがあります。
スイッチ・ファブリック・コントロールがあります (開発中)。
注意: 新しいカーネルの構築やインストールに不慣れな場合は、ぜひ The Linux Kernel HOWTO を参照して下さい。
カーネルのディストリビューションを展開後、 Linux カーネルのソースツリーのトップレベルで、 いつもの、 make config か make menuconfig、あるいは make xconfig を行なって下さい。 まず、以下のオプションを有効にします。
Prompt for development and/or incomplete code/drivers (CONFIG_EXPERIMENTAL) |
Asynchronous Transfer Mode (ATM, EXPERIMENTAL) (CONFIG_ATM) Use "new" skb structure (CONFIG_ATM_SKB) Classical IP over ATM (CONFIG_ATM_CLIP) Do NOT send ICMP if no neighbour (CONFIG_ATM_CLIP_NO_ICMP) LAN Emulation (LANE) support (CONFIG_ATM_LANE) Multi-Protocol Over ATM (MPOA) support (CONFIG_ATM_MPOA) ATM over TCP (CONFIG_ATM_TCP) Efficient Networks ENI155P (CONFIG_ATM_ENI) Enable extended debugging (CONFIG_ATM_ENI_DEBUG) Fine-tune burst settings (CONFIG_ATM_ENI_TUNE_BURST) Enable 16W TX bursts (discouraged) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_TX_16W) Enable 8W TX bursts (recommended) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_TX_8W) Enable 4W TX bursts (optional) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_TX_4W) Enable 2W TX bursts (optional) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_TX_2W) Enable 16W RX bursts (discouraged) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_RX_16W) Enable 8W RX bursts (discouraged) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_RX_8W) Enable 4W RX bursts (recommended) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_RX_4W) Enable 2W RX bursts (optional) (CONFIG_ATM_ENI_BURST_RX_2W) ZeitNet ZN1221/ZN1225 (CONFIG_ATM_ZATM) Enable extended debugging (CONFIG_ATM_ZATM_DEBUG) Enable usec resolution timestamps (CONFIG_ATM_ZATM_EXACT_TS) IDT 77201 (NICStAR) (CONFIG_ATM_NICSTAR) Use suni PHY driver (155Mbps) (CONFIG_ATM_NICSTAR_USE_SUNI) Use IDT77015 PHY driver (25Mbps) (CONFIG_ATM_NICSTAR_USE_IDT77105) Madge Ambassador (Collage PCI 155 Server) (CONFIG_ATM_AMBASSADOR) Enable debugging messages (CONFIG_ATM_AMBASSADOR_DEBUG) Madge Horizon [Ultra] (Collage PCI 25 and Collage PCI 155 Client) Enable debugging messages (CONFIG_ATM_HORIZON_DEBUG) Interphase ATM PCI x575/x525/x531 (CONFIG_ATM_IA) Enable debugging messages (CONFIG_ATM_IA_DEBUG) |
ENI ドライバの"burst settings"を有効にすれば、 細かい調整ができるようになります。 デフォルトの設定では、 PCI チップセットがバッファオーバーランしてしまうようなら、 このオプションが必要かも知れません。 "burst settings"の変更に関連する詳細な説明については、 オンラインヘルプの "CONFIG_ATM_ENI_TUNE_BURST" を参照して下さい。
drivers/atm/nicstar.h ファイルには、IDT 77201 ドライバ用に、 いくつか変更可能な設定項目があることは覚えておいて下さい。
中には、互換性のあるカードでも使えるドライバがあります。 カードの互換性に関する最新情報は、 ATM on Linux information のページにあります。
その後、カーネルを構築してリブートして下さい。
ENI155p-MF ドライバを使用するようにした場合は、 以下のようなメッセージが 2 行出るはずです (512kB は -C バージョンで、2048KB は -S バージョンです)。
一方、ZN1221/ZN1225 ドライバを使用するようにした場合は、 以下のようなメッセージになります。
zatm(itf 0): rev.3,base=0xf800,irq=11,mem=128kB,MMF (00-20-D4-10-2A-80) zatm(itf 0): uPD98401 0.5 at 30.024 MHz zatm(itf 0): 16 shapers, 32 pools, 2048 RX, 3958 VCs |
"ATM over TCP" デバイスは、 atmtcp を用いて、後で生成するので、 "ATM over TCP" ドライバしか使わないようにした場合は、 スタート時のメッセージは出ません、注意して下さい。
メモリアロケーション用のオプションでデバッグ機能を有効にしたい場合は、 ATM ツールのコンパイル前に、MPR をインストールする必要があります。
バイナリの RPM パッケージをダウンロードすることにしたのなら、 MPR は次のようにすればインストールできます。
ソースを使うことにした場合は、 以下のようにして、mpr-x.x.tar.gz を展開して下さい。
それから次のコマンドを実行します。MPR をインストールした状態でプログラムをコンパイルすれば、 malloc や free の一般的な誤用に関しては、自動的に検出します。 また、MPRPC と MPRFI を設定しておけば、メモリの割り当て追跡機能が有効になります。 詳細は、MPR ディストリビューションにある、 doc/mpr.html や、あるいは doc/mpr.ps を参照して下さい。
メモリのデバッグ機能を入れても、 この二つの環境変数を設定しなければ、 実行時のオーバーヘッドはわずかなものにすぎません。
さあ、最終段階です。ATM ツールの構成と構築を行ないます。 構成が必要なのは、スイッチに UNI 3.1 か 4.0 を使っているか、 もしくは何かバグがある場合だけです。 構成オプションは、linux-atm ディストリビューションにある、 ./configure に適切なオプションを渡す方法にしました。
注意: 使用できるオプションをすべて見るには、 linux-atm ディストリビューションのトップレベルディレクトリで、 ./configure --help を実行して下さい。
ATM ツールは、次のコマンドを使って構築します。
./configure の起動時に、特に何も指定しなければ、 実行可能ファイルは make install で、 それぞれ /usr/local/bin と /usr/local/sbin にインストールします。 設定ファイルは /usr/local/etc にインストールします (ただし hosts.atm は別です。 このファイルは /etc にインストールします)。 ライブラリはとヘッダーファイルはそれぞれ、 /usr/local/lib と /usr/local/include にインストールします。 マニュアルページは、 /usr/local/man にインストールします。一部のプログラムは、 ATM 関連以外で既に配布されている、 大規模パッケージが元になっているものがあります。 いくつかのパッケージについては、 ATM on Linux のディストリビューションにパッチが入っており、 src/extra ディレクトリに置いてあります。
現時点で使用可能な追加パッケージは、次のとおりです。
ネットワークトラフィックのダンプ (ATM 用に拡張済み)。
ATM ネームサーバー (元は、named 4.9.5)
text2atm は、ANS が使えれば自動的に使用しますので、注意して下さい。 ですから、ans のインストールが必要なのは、 ネームサーバーの諸機能を提供しているシステムか、 ATM 関連の保守ツール (nslookup 等々) が必要な場合だけです。
hosts2ans.pl スクリプトは、 /etc/hosts.atm ファイルを ANS のゾーンファイルに変換するもので、 src/extra/ANS/ ディレクトリに置いてあります。 使用方法はこのファイルの冒頭で説明しています。