14. axspawn の設定

axspawn はあなたのマシンに接続してきた AX.25 のユー ザーをログインさせるためのシンプルなプログラムです。 先に説明した通り、node プログラムを ax25d から起動させるのと同じような方法で呼び出す ことができます。 ユーザーがあなたのマシンにログインするのを許可するには、以下のような行 をファイル /etc/ax25/ax25d.conf に追加してください。

default * * * * * 1 root /usr/sbin/axspawn axspawn %u

この行の最後が + 文字であれば、ユーザーは実際にログ インする前にリターンキーを一度叩く必要があります。 デフォルトでは、この待ちを行いません。 この行が設定ファイルにあれば、接続された際に axspawn プログラムが起動するようになります。 axspawn は起動すると、まず与えられたコマンドライ ン引数が正しいコールサインかどうかを確認し、次に SSID を除いた部分で /etc/passwd ファイルを調べ、このユーザーがアカウン トを持っているかどうかを確認します。 アカウントが存在し、パスワードが "" (パスワード無し) か + ならばユーザーは即座にログインされます。 もしパスワードに何か設定されていればユーザーはパスワードを入力するよう 促されます。 axspawn/etc/passwd ファイ ルにアカウントが存在しなければ自動的にアカウントを作成するようにも設定 できます。

14.1. /etc/ax25/axspawn.conf ファイルを作る

/etc/ax25/axspawn.conf ファイルを使えば、どんな風に も axspawn の動作を設定することができます。 このファイルの書式は以下の通りです。

# /etc/ax25/axspawn.conf
#
# 自動的にアカウント作成する
create    yes
#
# 上の設定で'no'としたか、または他の設定に全てマッチしないユーザーの
# ログイン名。ゲストログインが不許可の場合は'no'とする。
guest     no
#
# 自動的に作成するアカウントのグループIDまたはグループ名
group     ax25
#
# 自動的に割り当てる最小のユーザーID
first_uid 2001
#
# 自動的に割り当てる最大のユーザーID
max_uid   3000
#
# 新規ユーザーのホームディレクトリーをどこに追加するか
home      /home/ax25
#
# ユーザーシェル
shell     /bin/bash
#
# 他のホストへの接続においてユーザーIDからコールサインを決めるか
associate yes

axspawn の設定すべきパラメーターは 8 個です。 詳細は以下の通りです。

#

コメントを表す

create

この項目が yes の場合、axspawn/etc/passwd ファイルにアカウントの無いユーザーが 接続して来ると自動的にユーザーアカウントを作成する。

guest

create の設定が no であるとき、 アカウントを持っていない接続者に対してこの項目の名前がログイン名として 使われる。 通常は ax25guest が使われる。

group

/etc/passwd ファイルにアカウントの無い接続者に割当 てられるグループ名。

first_uid

自動的に作成されるアカウントの最初のユーザー ID。

max_uid

新規ユーザーに割当てられる最大のユーザー ID。

home

新規ユーザーのホームディレクトリ (ログインディレクトリ) の設定。

shell

新規ユーザーのログインシェルの設定。

associate

この新規ユーザーがログイン後、新たに外に向けて AX.25 で接続を行うとき に、そのユーザー自身のコールサインを使うか、またはあなたのコールサイン を使うかを決める。