ここまでだと、全く使い物にならないシステムを作ってしまったように思えるかもしれ
ない。しかし、本当は、多少の仕事ができるようになるまでもう少しなのである。最初
にしなければならないことは、ルートファイルシステムを読み書きできる状態(
read-write)でマウントすることである。SysVinit
パッケージに入っていた
スクリプトで /etc/init.d
にある mountall.sh
を使えばそれが
出来る。そして、mount -a
とすれば、/etc/fstab
で指定した方
法で全てをマウントできるはずである。
ターゲットシステムの /etc/rc2.d
に、そのスクリプトへの
S05mountall
のような名前のシンボリックリンクを張ってほしい。
このスクリプトを実行するには、まだインストールされていないコマンド類が必要に なるかもしれない。もしそうなら、それらのコマンドを含んだパッケージを探して、 インストールしてほしい。 Random Tips のセクション を見れば、パッケージを探すときの手がかりが見つかるだろう。
/etc/init.d
にある他のスクリプトを見ること。まともなシステムなら
それらの大部分が含まれている必要がある。ひとつずつ起動させて、数を増やす前に
全てがスムースに実行されているか確認すること。
ファイル階層構造の標準的な形式を確認してほしい。(
Filesystem を見てほしい) /bin
や /sbin
に入るべきコ
マンドのリストがそこに掲載されている。それらのコマンドが全てインストールされ
ているか確認しよう。さらに進んで、これらのコマンドについて定めている POSIX の
文書を探してみよう。
ここまで来れば、必要なものが全てそろうまで、パッケージをそこに投げ入れるだけの
問題である。gcc
や make
といった構築ツールを入れるくらいにな
れは、コマンド群の内容はずっとよくなっているだろう。それが済んだら、ターゲット
システムを使って必要なものを今までよりずっと簡単に構築できるようになる。