次は、init
をインストールしたいのだが、Linux 上で走るすべてのプログ
ラムに共通する事柄として、init
は GNU C library, すなわち
glibc
が提供するライブラリ関数を使用している。そこで、それを先にイン
ストールする。
glibc
は非常に巨大で複雑なパッケージである。わたしの古い 386/SX
16MHz 8M RAM のマシンでは、コンパイルに 90 時間かかった。しかし、
Celeron 433MHz 64M RAM のマシンでは、33 分しかかからなかった。メモリがここで
は一番重要なのだと思う。もし 8M (あるいは、それ以下)の RAM しかないときは、
コンパイルに長時間かかることを覚悟してほしい。
glibc
のインストールに関する文書は、(実際にソースを展開している場所
とは)別のディレクトリでビルドすることを薦めている。そうしておけば、そのディレ
クトリを消してしまうだけで、簡単にやり直しができる。265M ものディスクスペースを
節約できるために、そうしたいと思うひともいるだろう。
glibc-2.1.3.tar.gz
(あるいはこれに類するバージョン)の圧縮ファイルを
通常どおり/mnt/target/usr/src
に展開する。そして、glibc
の
ディレクトリにアドオンパッケージも展開する必要がある。したがって、
cd glibc-2.1.3
としてから、その場所に
glibc-crypt-2.1.3.tar.gz
と
glibc-linuxthreads-2.1.3.tar.gz
の圧縮ファイルを展開すること。
これで、ビルド用ディレクトリを作成し、設定し、make
し、インストール
する準備ができた。わたしが使ったコマンドがあるのだが、まずは自分で付属文書を
読んで、自分の環境にとってどうするのが最もよいのか確認してほしい。しかし、そ
の前に、どれだけ空いたスペースがあるか df
コマンドで調べたいかもしれな
い。glibc
をコンパイルしてインストールし終わったら、再度空き容量を調
べ、glibc
の容量消費の激しさを確認すること。
cd .. mkdir glibc-build ;(訳注:cd glibc-build) ../glibc-2.1.3/configure --enable-add-ons --prefix=/usr make make install_root=/mnt/target install
パッケージをどこにインストールするか決める方法は、上記以外にもあるので、注意 すること。