7. 付録: FAQ

DSL と Linux についての FAQ をいくつか。

  1. Q. DSL は Linux で使えるか?

    DSL はテクノロジーの 1 つです。もっと正確に言うと、複数の関連したテクノロ ジーの集まりです。この質問は Linux で電話は使えますか? と質問するような ものです。 テクノロジー自体は心配いりません。なので、簡単に言ってしまえば" もちろん OK です!"。詳しく答えるなら、何か障害があるとすれば、 それはまさにプロバイダのせいです。Linux を設定して動作させるのに当たって、 プロバイダができることがあるかもしれません。しかしそれは必要以上に困難が ともないます。互換モデムの選択肢がないというのは、よくある困った問題の 1 つです。また電話会社や ISP が設定を行う場合には、Windows や Mac を使って 利用可能にします。このことで様々な他の OS についての教育をテクニカル・ サポートへ行うコストが省けます。購入する時は注意してください!

    基本的に DSL はすべて、手軽に高速なインターネット接続を実現します。DSL では すべて TCP/IP を使います。もちろん Linux も TCP/IP を問題なく扱えます。

  2. Q. PCI(もしくは USB)モデムのドライバはどこにある?

    間違いなくほとんど不可能です。というのは、本当に利用できないからです。一番 目的にかなったベストな選択は、外付けでイーサネット・インタフェースが付いた モデムです。プロバイダがそういったものを提供していないなら、他のプロバイダ を捜すか、自己責任でモデムを購入してください。ただそのモデムがプロバイダ が提供しているタイプの DSL と互換性があることを確認してください。

    例外は何にでもあります。モデム・セクション で、これを書いている時点で利用できる互換モデムの一覧を見てください。

    互換性のないモデムを所持して困ってしまったなら、希望を持ちつつ手間暇かけて、 メーカーにやさしく苦情を言うこともできます ;-)。

    この状況が変わるかもしれません。 Xpeed が PCI 版 の IDSL と SDSL モデム用のカーネル用ソースを 含むドライバを出しました。なんと素晴らしい! Alcatel は、Alcatel の SpeedTouch USB ADSL モデム用のドライバを最近になってリリースしています。 他のメーカーもこれに従ってくれることを期待します(必ずこのドキュメント の最新版を読んでください。必要に応じてこの状況を更新するつもりですから。

  3. Q. どのくらい高速で高品質なネットワークカードが必要か?

    Linux 互換のカードであれば、どれでも快適に動きます。ローエンドなカード でさえ 10 Mbps であること、現時点で一般消費者向けの DSL はこの速度近く であることを忘れないでください。私としてはそれなりの品質のカードをお薦め します。そうすればエラーや初期不良が起こる率を低くするのに役立つからです。

  4. Q. どうしたら自分の地域で DSL が利用できるようになるのがわかるか?

    DSL がいつ、どこで提供されるかは、地域の電話会社にまかせるしかありません。 当然一度にすべてのユーザを対象にできませんので、恐らく競合状態を見ながら 地域を選んでいるのでしょう。また、この疑問に対して電話会社から直接返答を もらうのは困難でしょう。というのも多分、競合相手に対して手の内をみせ ないでしょうから。あいにくですが、答えてくれるかどうかはわかりません。

  5. Q. あまりに離れているので品質が良くない。何ができる?

    まじめな話、引っ越しでしょうか? 手段がたくさんあるわけではありません。 他のプロバイダがあるなら、そちらを選択をしてください。何ともいえませんが。 回線の長さをきちんと計測できませんので、間違える可能性があります。この 目的のためにデータベースを利用しているところが多いのですが、よくあること ですがデータベースには間違いがあります。プロバイダの中にも進んで顧客を サポートして回線を整備するところもあります。また、より離れた地域への サービスが可能なローエンドサービスを提供しているところもあります。 もしかするとあなたの地域でも利用できるかもしれません。もしくは、電話会社 が遠くに居る顧客に対して、デバイスをリモートから設定してくれるところも あるかもしれません。

  6. Q. Linux で速度調整はどうするのか?

    必要ないと思います。Linux ではすでに大部分が最適化してあります。Windows の あるバージョンのようにパフォーマンスを向上するのにレジストリをハックする 必要などありません。接続遅延が大きい場合は、TCP Receive Window を増やして みると良くなるかもしれません。チューニング ・セクションを見てください。

    もし距離と回線状態を考えて、パフォーマンスが出ていないと確信したなら、 何か他の問題があるのではないでしょうか。詳しくは、 トラブルシューティングを見てください。成すべきことは、最適化では なく、本来の形に戻すことです。

  7. Q. サービスの上限が640K(たとえば)になっている。高速なモデムを入れれば早く なるのか? それとも他に何かあるのか?

    まったくありません。モデムは接続を高速にするのにほとんど無関係です。 プロバイダはインターネットにつながる前の回線上のどこかに、速度を制限する しくみを入れています。それを無効にする方法はありません。

  8. Q. 同時にダウンロードやアップロードをできるのか? お互いに影響が出ない のか?

    上りと下りの経路は DSL 信号の中で独立した周波数帯を使用しています。した がって上りと下りを同時に行っても問題はなく、利用できる帯域幅を食い合う ことは普通ありえません。

    不利な影響があるとすれば、それは ADSL のような非対称な DSL 上りと下りが同時に一杯になってしまう場合です。これは TCP の 「特徴」であり、DSL に原因があるわけではありません。この場合は高速になれ ばなるほど悪影響を及ぼします(つまり下りのこと)。どのくらい影響がでるの かはあまりに要因が多すぎて、このドキュメントの範囲を越えています。しかし、 下りと上りの差が大きいほど影響が大きくなります(たとえば、下りが 640Kbps で、上りが 90 Kbps の場合)。

  9. Q. 768 Kbps のサービスを契約しているが、良くても 640 Kbps かそこらしか 出ない。理由は? サービスの投げ売り? 払っただけのものは得たい。

    いろいろなプロトコルを利用することで、速度が 10 〜 20 % 程度低下します。 たいていは 20 % 近いでしょう。これは避けられない事実です。 どのくらい落ちるのかは、たくさんの要因が絡み合っていて、かつプロバイダに よっても異なります。このことを肝に命じておけば、最高速度に近づいたように 見えるでしょう。 また契約書の細則を読めば、ISP の多くが広告している速度は"上限で "とかなんとかになっているのがわかるでしょう。サービス契約を チェックして何を保証しているかを見てください。保証があったとしても多分 宣伝文句の最大速度よりかなり低めで、実際のスループットではなく、同期速度 ベースの値でしょう。

    また速度をテストするやり方にも注意してください。いわゆるテストサイトの 中には、かなり当てにならないところがあります。あなたとそのサイトの間には スループットに影響を与えたり、結果を曲げる要因がたくさんあります―どのくらい の人が同時に同じテストをしようとしているかほとんどわかりません。テストと して一番良いのは、良い意味で有名な、負荷が高くない近くのサイトから FTP で ダウンロードすることです。

  10. Q. なんで PPPoX をそんなに悪く言うのか?

    文句の中で一番多いものの 1 つに、接続が時々切断するというものがあります。 PPP は接続中に起きるあらゆる障害に対して影響を受けやすいと見なされて います。一般的には切断すると新たな IP アドレスが振られます。そしてこれは まさに PPP と言われるゆえんで、決して"常時接続"のプロトコル という意味ではありません。PPP は本当はセッション管理のプロトコルであり、 ユーザが接続を初期化し、自分を認証するよう求めます。PPPoE や PPPoA は どちらもまだそれほど枯れたプロトコルではありません。それほど歴史も実績 もありません。電話会社やメーカーが慌てて世に出したという人もいます。 PPPoE は接続を維持するのに、さらに追加のソフトウェアも必要とします。これは さらに符号化が必要になり、障害要因がまた増えることになります。また、接続 を管理するのにオーバーヘッドが発生します。

  11. Q. なぜ PPPoX なのか? これはよくないと思う!

    PPP にはプロバイダにとって好都合な点がいくつかあります。既存のインフラや ハードウェア、つまり顧客ベースで広範に使っているダイヤルアップのしくみ が利用できるという点です。ユーザの認証や詐称する事態をコントロール するのが容易です。またネットワーク関連を管理するのも簡単です。実際、 結局はプロバイダが楽な方になってしまいます。楽になれば、人や時間を 節約でき、それがコストの削減になります(少なくともプロバイダからしてみれば)。

    これは IP アドレスの枯渇を防ぐ策略でも ヘビー・ユーザへの嫌がらせでも ありません。IP アドレスのコストは、全体の状況からすれば些細なことです。

  12. Q. この地域で唯一のプロバイダは Linux をサポートしていない。どうしたら いいのか? Windows を使わなければいけないのか?

    いいえ! ここで言う"サポート"とは"テクニカル・サポート "が行うようなサポートを意味します。問題が発生したならその時には、 技術的なサポートはできない、と言うだけです。このことは彼らのネットワーク 上で Linux を使えないということを意味しているのではありません。もし問題が 発生したなら、自分で何とかしなければいけない、ということなのです。禁止する ものがあるならそれは、利用規定(AUP)かサービス条件(TOS)契約に記載してある でしょう。

    テクニカルサポートや現地作業員が、自社のポリシを誤解して、"Linux は このサービスでは使えません"と言うのを聞くことがあります。NT サーバ についても同様なことがあるようです。しかしこれはたいていの場合、個人的に 間違った解釈をした結果です。

    しかし―プロバイダが Linux をサポートしていないなら、Linux に設定を施す のはためらうでしょう。もしかするとこういう不満をかわすために、自分で 設定を行うオプションがあるかもしれません。ケースバイケースですが。

  13. Q. FAX ソフトウェアが DSL モデムではうまくいかない。なぜ?

    FAX は普通、アナログ電話回線を使って FAX 機が相手側の FAX 機にダイヤルして 伝送しています。アナログモデムはこれを行えますが、DSL"モデム "はダイヤルする機能がありません。56K モデムをまだ投げ棄てないで ください!

  14. Q. "FastPath"って何? いいもの? 速い? インターリーブとは? ping にかかる時間を速くするには?

    インタリーブとは DMT の回線符号化の機能です。基本的には DSLAM を設定 することでエラー訂正をする方式のことです。接続が遅くなり、遅延が大きく なるという悪影響がでます。FastPath(もしくはノン・インタリーブと言います) な DMT を使うとゲートウェイへの ping が 10 〜 25 ms の範囲に収まります。 インタリーブだと 40 〜 75 ms の範囲近辺になります。これはインタリーブを 有効にした範囲によって異なります。

    利点としては、ぎりぎりの状態にある回線が安定し、インタリーブによってエラー が出にくくなるという点です。電話会社の多くは、インタリーブをデフォルト で行っており、安定度を高めています。これは適切なことのように思えます。 しかしこれは限界に近い回線では効果がありますが、おしなべて遅延という 重荷を負っていることになります。電話会社のいくつかには、この機能を有効 にしたり無効にしたりする調整を柔軟にしてくれるところもあるかもしれません。 まあケースによりますが。

  15. Q. DSL を利用するのにどのくらのパワーがあるコンピュータが必要か? ISP は少なくとも Pentium 200 は必要と言っているが、なぜ?

    基本的には 386 でもうまくいきます。たいていの場合、イーサネット・ベースで ネットワークに接続していると思います。なので、とても遅いイーサネット接続 ができるのであれば、理論的にはどれでも DSL は動作するはずです。 Netscape が 386 で動くか、ということについてはコメントしませんが ;-) しかし接続それ自体を維持するには、386 で充分です。これと実際できることと はまた別の問題です。

    この件で事情を少々複雑にしているのは、モデムと ISP が要求している クライアントの件です。PCI や USB タイプのモデムはどれもドライバを必要と していて、これが CPU を含むシステムのリソースを消費します。加えて、PPPoE の処理が加わり、さらに CPU 負荷が増加します。Windows はこの点すべてに おいてそれほど効率的でない傾向にありますので、ISP のいくつかはミッド レンジの Pentium を要求する場合があるようです。

    Linux なら、あなたがしようとしていることにかかっています。ローエンドの Pentium でもたいていのユーザなら充分なはずです。386 や 486 はファイアー ウォールやゲートウェイとして期待通りに動くはずです。忘れないでもらいたい のは PPPoE を動かしているなら、ローエンドなハードウェアでパフォーマンスを 得られる可能性があることです。

  16. Q. DSL を導入したが最低の速度しかでなかったり、接続が切れたりする。何が 問題なのか?

    これだけでは情報が足りません。接続がおかしい場合、本当に多くの原因が ありえます。それをすべてあげると、とんでもない量になります。

    DSL の欠点の 1 つに、信号がかなりもろい点があげられます。信号に悪影響 を与える要因が多く、それが接続や速度を情けない結果にします。屋内の配線が 貧弱で一定の基準を満たしていなかったり、屋外の問題(接合部分がいかれている とか)だったり、RFI が様々な発生源からきていたり、近くのラジオ局からの AM ラジオ信号の影響を受けたり、回線上にブリッジ・タップがあったり、DSLAM から あまりにも離れていたり等々。モデムや NIC、電話会社の DSLAM のハードウェア の問題ももちろんあげられます。これを整理するのは簡単ではありません。

    プロバイダはユーザを手助けして解決できるはずです。まず、プロバイダが解決 できない自分で行った Linux の設定に問題が無いことを確認してください。 助力が得られないなら、粘り強くかつ恥じらうことなくがんがん行ってください。 たいていの問題は解決できます。コツは問題を分離することです。電話会社の 中でテクニカル・サポートが優れているところは、DSL について鍛えられていて、 配線上のあいまいな問題すべてを見つけ出せます。

  17. Q. プロバイダのテクニカル・サポートは何も知らない。どうすればいいのか?

    よくある苦情です。その人の性格によるのではないでしょうか。まず、電話に よるテクニカル・サポートは、初心者レベルなので、たいていは技術力やネット ワークの知識がほとんどない若い人が占めています。仕方がないものとあきらめ て、またかけましょう。

  18. Q: ADSL の標準とは?

    Q: いくつかあります。The U.S. Bell Operating Companies は、最近 Discrete Multi-Tone(DMT) の ANT(ANSI T1.413) を標準化したと発表しました。米国の 他の DMT 方式はこれに準拠するはずです。他の ANT とで目立つものは、 Carrier-less Amplitude Phase Modulation(CAP) です。もちろん両方式には互換性 はありません。

    標準化に関して DMT 方式を採用するベンダーの視点から見た両方式の比較は、 http://www.aware.com で見ることができます。バイ アスがかかっていますが、この話題について最も詳細な情報を提供しています。

    ANSI の規格書の写しは高価ですが、次のところに注文することができます。 American National Standards Institute ANSI Home Page

    Asymmetric Digital Subscriber Loop (ADSL) Metallic Interface

    ANSI TI.413-1995

    注意: ANSI TI.413 2 版 は 1997 年 9 月 26 日に発効されました。

  19. Q: DSL に ATM を接続できるか?

    技術的には可能です。DSL モデムの中には(少なくとも Alcatel バージョン)PCI の ATM カードにつなげられる ATM Forum 25Mbps インタフェース がついています。しかし実際つなげるのはかなり困難です。 http://lrcwww.epfl.ch/linux-atm/ に詳細があります。

  20. Q: なぜ DSL にはいろいろな速度の種類(384/1.5/7.1M/20M 等)があるのか?

    根本的な問題は、より対銅線の回線が 100 年前の設計にもとづいているからです。 アナログ電話で使う分には何も問題はありませんが、デジタル信号を流すには たいへんな困難がともないます。回線距離が遠くなるほどデータ転送速度が落ちる ことを忘れないでください。回線最適化技術によって、普通はデジタル信号を うまく扱えるようになりましたが、すべてのアプリケーションに対して一定した 帯域幅を提供できませんし、とても長い(18,000 フィート(5.5 km)以上)回線 ならなおさらです。宣伝にある様々な帯域幅は、機器ベンダーの熾烈な市場競争 を反映していて、電話会社もデータ速度の組み合わせを標準化しようと躍起 になっています。つまるところ電話会社は、一般消費者にできるだけ展開する ことを目標にしています。

    次の質問も読んでください。というのも回線上の障害は、様々な回線速度を生み 出す原因の 1 つですから。

  21. Q: ブリッジ・タップ、装荷コイル、DLC のような回線障害があると、ADSL を使用できないのでしょうか?(Bruce Ediger 氏に感謝します)

    Q: 装荷コイルは、電話回線での音声を伝える周波数の伝送特性を向上させる インライン・インダクタンスです。基本的に、「回線が使用される」と高周波の エネルギーを低周波に与えます。とても長い電話線(9000 フィート(2.7 km)以上) の場合によく用いられます。

    単に「ブリッジ」という場合には、ブリッジ・タップを意味することとします。 古くから電話が引かれていた地域では、電話の配線は何軒かに 1 本の割合で 引かれていました。もちろんそれらの住宅の住所は違いますが近所です。配線 されていない場合は、即席に"ブリッジ・タップ"を使って既に接続されている 回線から配線してしまいます。

    デジタル・ループ・キャリア: 2 芯の線 1 本で複数の音声の伝送ができるいろいろ なシステムがあります。このシステムは使用する周波数を高低させたり、音声をデジ タル化したり、時間やコード、その他によって電話回線を分割することができます。 ペア・ゲインと呼ばれることが多いと思います。

    上記の機材は、高周波を利用したデータ転送に様々な悪影響を与えます。

    装荷コイルは、高周波部分を完全にフィルタリングし、低周波を通します。 また「遅延エンベロープ」と呼ばれるある周波数を他の周波数に優先させて受け 取れるしくみを変更しているようです。つまりある音声データが、次に来るべき データを妨害する可能性があります。

    ブリッジ・タップは、信号の波長が長い場合はシャント・キャパシタンス として 動作し、波長の およそ 1/4 の場合は帯域通過フィルタとして動作します。つまり ある特定の周波数を自由に通過させることになります。DMT モデムの特定の音声 信号は分離されてしまい、受信側のモデムに到達できず、結果的に電話回線 の帯域を狭めてしまいます。

    ペア・ゲインは、一回線で複数の伝送を同時に行うために、一つの伝送に使える帯域 を制限します。これはアナログ信号にもデジタル信号にも適用されます。DMT による 伝送で使われる周波数はペア・ゲインによってフィルタされてしまいます。

    「加入者線における信号方式と伝送方法の手引き」(Whitham D. Reeve 著、 IEEE Press 1992, ISBN 0-87942-274-2) は、電話回線における伝送の特性に対して 回線の長さ、ブリッジ・タップ他が与える影響の調査方法の集大成ですが、かなり 高価です。

  22. Q. DSL 接続で Web サーバを運用できるか?

    もちろんです。TCP/IP ネットワークに接続できているのですから、理論的には プロトコル―電子メールや ftp、ssh、irc 等―を許していれば、どんなサービス でも可能です。問題があるとすれば ISP の TOS(Terms of Service) がらみでしょう。 ISP の中には、この点に関してかなりオープンなところもありますが、他のところは どんなサーバも禁止していて、そのポートをブロックしているところさえもあるよう です。この点は調査すべきで、プランを組む前に ISP に聞いておくべきです。一般 消費者向けのサービスを提供している ISP は大規模なサーバどれも認めようとしません。 本当に個人向けでトラフィックの低いサービスがせいぜいです。これが目的にかなって いなければ、地元のビジネス向け DSL プロバイダを調べてください。コストは余計に かかりますが、サービスや保証条件が広い帯域幅を必要とするものにマッチしている のが普通だと思います。

    固定 IP を持っていなければ、ダイナミック DNS サービスのどれかを利用して 見るのも手です。ダイナミック DNS は、この目的にまさにうってつけです。 リンク・セクションを見てください。

  23. Q: ADSL モデムについての実例は?

    A: あります。しかしこの技術の発達は日進月歩で、HOWTO では追いきれません。 http://dslreports.com/information/equiprated/all を見て、現状をチェックしてください。

    下記のリストは 2001 年 5 月現在で販売しているモデムです。特に断りがなけ れば、DMT 符号化(別名 Alcatel 互換)を使った ADSL モデムです(注意 1998 年 6 月のままのものもあります)。

    • 10 か 100 baseT イーサネット・インタフェースを持つモデム・ルーター

      例: Flowpoint 2000 DSL(CAP)、3COM Viper-DSL (CAP)、Westell ATU-R-Flexcap (CAP)、Aware x200、Zyxel P641、Efficient Networks SpeedStream 5660、Cayman 3220H、Cisco 673 (SDSL)、Cisco 675 (ADSL/CAP)、 Cisco 677 (ADSL/DMT)、Alcatel SpeedTouch Pro

    • 10 か 100 baseT イーサネット・インタフェースを持つブリッジ・ルーター

      例: Alcatel 1000、Alcatel SpeedTouch Home(注意 USB と PCI タイプの SpeedTouch 版)、Westell ATU-R-Flexcap2 (CAP)、Efficient Networks SpeedStream 5260、Efficient Networks SpeedStream 5251 (SDSL)、 Westell WireSpeed.

    • ATMF インタフェースを持つモデム

      例: Alcatel 1000、Alcatel SpeedTouch Home、Cisco 677 (DMT)、Ariel Horizon II

    • V.35 シリアル・インタフェースを持つブリッジ・モデム(T1、シリアル回線を 持つルータ)

      例: Westell ATU-R

    • USB インタフェースを持つモデム

      Efficient Networks SpeedStream 4060, Intel 3100, Alcatel SpeedTouch USB

    • PCI モデム

      例: Cisco 605、Efficient Networks SpeedStream 3060/3061、Intel 2100、 Xpeed X200 (IDSL)、Xpeed X300 (SDSL)、Alcatel SpeedTouch PCI

    • 無線モデム(IEEE 802.11b)

      例: Alcatel SpeedTouch Wireless

    • 10 か 100 baseT イーサネット・インタフェースを持つ専用線ルーター(モデム 無し)

      例: Netgear RT311、SMC 7004BR、Linksys BEFSR11

ごく少数しか選べませんでしたので、これを保証済みの製品一覧と見なすこと はできません。ただこれは利用できる製品を少しばかり例示したに過ぎません。

Warning

モデムの製造業者は、ISP 向けに仕様を合わせて出荷している場合が多々あります。 ISP からの依頼で、ある機能を有効・無効にしています。恐らく考えられるだけの バリエーションが各モデムにあるのではないかと思います。中古で買うなら考えに 入れておいてください。