この技術は、DSLAM(Digital Subscriber Loop Access Multiplexer)が電話局や離れた 場所にうまい具合に配置されたことで、実現可能になりました。これは Alcatel や Cisco が供給しています。 DSLAM には、様々な形や大きさがあり、DSL 接続する中でただ 1 つ複雑で高価な 構成要素です。一定の品質を持つ電話回線にユーザ側がモデムで接続すると、高速な デジタル接続が確立します。一般的に局側では ATM もしくはフレームリレー網になっ ています。DSLAM は信号を音声チャネルとデータチャネルに分離します。音声は 電話会社のネットワーク上を伝わり、データは ISP(普通は)に伝わります。
Command-> show dslstatus --- Channel Info ATU-R ATU-C Current TX Rate - 384000 1500000 Previous TX Rate - 0 0 CRC Block Length - - - Interleave Delay - - - --- Physical Layer Info ATU-R ATU-C Current Attainable Rate - 448433 3890243 Current SNR Margin - 10.5 17.0 Current Attenuation - 54.5 31.5 Current Output Power - 3.0 16.0 Current Status: Defects detected - No No Loss of Framing - No Loss No Loss Loss of Signal - No Loss No Loss Loss of Power - No Loss No Loss Loss of Signal Quality - No Loss No Loss --- ATU-R Line Status Line Coding - DMT Line Type - Fast or Interleaved Command-> |
Linux ユーザにとってモデムは大切な検討材料です! ISP から提供を受けるモデムの多くは Linux では利用できません。 外付けでイーサネットのインタフェースがあるモデム(もしくはモデムとルーター が組み合わされたもの)が確実な方法です。理由は他に選べるモデムの多く (PCI や USB、オンボードタイプ)には、現状ドライバが無いためです! イーサネットベースのモデムはうまく動作します(モデムのセクションにある最新の互換性のあるモデム の一覧表を見てください)。
イーサネットタイプのモデムで、唯一互換性の問題があるとすれば、それはネット ワークカード(NIC)です。(実際に互換性のある NIC なら問題なく動作します― 100 Mbps はまったく必要ありません) PCI や USB タイプのモデムは問題をいろいろ 起こしがちなので、多分 NIC の方がうまく行くと思います。加入したプロバイダ が互換性のあるモデムをオプションとして提供していない場合は、他のプロバイダ に当たるか、サードパーティの互換製品を購入しなければなりません。
いつものごとく例外があります。Xpeed は、2 種類の PCI モデム にカーネル組み込みドライバ(2.2.18 用)を用意しています。 これは素敵なことです。Alcatel の ADSL SpeedTouch USB モデムにも Linux 用のドライバが出ました。Diamond は 内蔵 PCI モデム用にバイナリのみですがドライバを用意しました。しかし広く 使われてはいません。Efficient Networks は、SpeedStream 3060 と 3061 という PCI モデムで Linux 用ドライバが動作しているという報告が あります。モデムに ATM カードを追加して、直接 ATM 接続もできるようです。 しかし私が知る限りでは米国でこのシステムは使われていませんので、実現可能 な選択肢とは考えるべきではありません。またこれにはカーネル 2.4 が必要となり ます。
現状実際に最も多く使われているモデムのタイプは、"ブリッジ"と モデムを組み合わせたものです。ブリッジは単純なデバイスで、普通はほとんど 設定がいりません。ネットワーク上のトラフィックは、ATM 側からイーサネット側 のブリッジへ双方向に無条件で流れます。モデムとブリッジが接続しているインタ フェース(普通は NIC)が公開されるところになります。
ISP の中には"ルーター"を用意しているところもあります。基本的 にはモデムとルーターの組み合わせで、NAT を利用できます。またポート・フォワー ディングができたり、ハブを内蔵していたりといった機能強化を行っている場合が あるかもしれません。これらはすべて外付けタイプなので、うまく動作するはず です。しかし恐らく Linux ユーザにはあまり関係はないと思います。というのも Linux はこれらの機能をより高度に実現できるからです。厳しく管理している Linux マシンは、ファイアーウォールやゲートウェイ、プロクシとして卓越した 機能を持っているからです!
ややっこしいのはオール・イン・ワンタイプのデバイスです。ブリッジとルーター とモデムを組み合わせたものは"ブルーター"と呼ばれることがあり ます。この場合、モデムはブリッジ・モードやルーター・モードとして設定する ことが可能になっています―しかし同時に両方は無理です。
プロバイダはすべて、何種類かのモデムを利用可能としているはずです。ISP の 多くは、1 種類以上のモデムをオプションとして用意しています。中には追加 料金無しでモデムを渡してくれるところもあります。無料のモデルを提供する ところもあり、もっと高機能で優れた別の機種に対して、費用を請求するところ もあります。ISP が提供するモデムの多くは通常の流通経路で販売していません。 自分で購入したいと思ったなら、中古製品のアウトレット(たとえば、ebay)を 当たるか、ISP がサポートしていないモデム(問題があってもサポートは何も得ら れないでしょうが)を購入することになるでしょう。
ISP の中には通常の流通経路では用意できないモデムを提供しているところが ありますが、DSL モデムで勢いに乗っている製造業者はたくさんあります。その ような業者は選択肢となりえる優れた製品を売り出しています。たいていは機能 を大幅に強化していています。現状では Alcatel や Intel、Zyxel、Cisco、3Com、 Cayman から製品が出ています。価格はモデルや利用できる機能にもよりますが、 US $100 を少し越えたところから $800 というところです。認証 やカプセル化(DHCP や PPPoE 等)を持っているものがほとんどです。
どのモデムがいいのでしょうか? 簡単に言うと、「いいものはありません」。 速度という点では、モデムにはそれほど要因となるものがありません。しかし、 たとえば診断機能やモデムとルーターの組み合わせなどの機能強化を行ったものは 存在します。イーサネット・モデムは一般的には信頼性があるものと考えられて います。IRQ の設定に問題があったり、ドライバのバグ等で困ることはほとんど ありません。したがって Linux ユーザがイーサネットモデムに追いやられるのは、 一見不幸せですが実は幸いなことなのです。他にいいものはないのでしょうか? ほとんどが新し過ぎるために、メーカーやモデルを比較検討した充分確かな実績が 残念ながらありません。言い換えると、古い外付けのイーサネットモデムでうまく いくはず、ということです―プロバイダの DSL にマッチしており、そのサービス 向けに設定してあるからです。間違っていることもありえるのを忘れないでください。
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サードパーティ製のモデムやルーターを購入する場合は、DSL プロバイダと互換が とれていることを必ず確認してください。メジャーな ADSLの符号化は、2 種類(CAP と DMT。別名 Alcatel 互換)あり、IP のカプセリング化もいくつかの選択肢が あります。また種々の DSL(SDSL や IDSL 等)には、それぞれ独自のモデムが必要と なります。プロバイダは互換製品の一覧を用意しているはずです。また、その ISP のサービスに沿った設定をしなければならない場合もあるかもしれません。 どちらにしてもモデムなしでうまくいくとは思わないでください(実際、プロバイダ から支給していなくとも)。 |
付録のリスト Linux に好意的な ISP を参照して ください。
いよいよ"遠隔端末(別名 DSLAM)"が設置され、やっとのことで 電話局からはるばるとうれしい便りがやってきます。電話局との距離は一度 OK になれば 制約する要因とはなりません。