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5. ソフトウェア

5.1 TOWNS で起動可能な Debian の install 用 CD-ROM は作成されていますか?

現在のところまだ作成されていません。 このFAQを読んでいるあなた! 挑戦してみませんか?

5.2 なぜ、インストーラを起動するのに TOWNS-OS を経由する方法をとったのですか?

最初(Debian 0.93R5 から 1.1 の頃)はフロッピーでのインストールでした。 現在の形になってからインストールフロッピーを自分が使わなくなったので、 作るのが面倒なだけです。

5.3 なぜXXXXはパッケージ化されていないのですか?

いくつか理由が考えられます。

1) そのソフトは自由に変更・再配布ができないから。
2) 配布条件がドキュメントに明記されていないから。
3) 誰もやる人がいないから。

1) の場合はパッケージ化されることはありません。 2) の場合は配布条件が確認されて、配布可能ならばパッケージ化される かもしれません。 でも、3) が一番大きな問題です。

5.4 Debian/TOWNS は頻繁に変更が加えられているようですが、通常の Debian と 同様に再インストールせずに、バージョンアップ可能ですか?

1.3 以上のバージョンの Debian をベースにした Debian/TOWNS では、TOWNS のソフトも dpkg でパッケージ管理されていますので可能です。 それ以前のバージョンでは、ベースシステムにパッケージ管理システムの 範囲外での変更がいくつか加えられていたので、できないかもしれません。

5.5 バグを発見しました。どこに報告すればいいですか?

Debian JP Project のバグ報告管理システムにお願いします。

バグの報告は submit@bugs.debian.or.jp へのメール送信 によって行います。 メッセージ本体の最初に 「Package:」「Version:」で始まる各行を 用意し、そこにパッケージ名とそのバージョンを記述します。 あとは、バグの発生した環境、バグの再現に必要な情報などを書いて submit@bugs.debian.or.jp へ送信すれば完了です。 なお、1 つのバグ報告につき 1 つのメールを送ってください。 詳しくは http://www.debian.or.jp/Bugs/index.html.ja および http://www.debian.or.jp/Bugs/Reporting.html.ja をごらんください。

うんずの森 ( メーリングリストの章を参照) に報告しても 開発者に伝わるとは思いますが、確実ではありません。

5.6 Debian/TOWNS は Debian JP の一部ですが、これは Debian JP の他の パッケージ同様、将来 Debian にアップロードされ取り込まるということを意味しますか?

杉谷 正三 氏 (Debian/TOWNS の初代の開発者) 曰く:

   Debian/TOWNS の開発関係者が僕一人のままだとやらないでしょう。
   # カーネルパッチ, Xtowns, Debian/TOWNS がそれぞれ本家に取り込まれる
   # 日を夢見て開発やってますが。
   

5.7 Debian/TOWNS で X Window System を動かすためには、どのパッケージを インストールすれば良いですか?

Debian/TOWNS で X Window Systemを動かす場合の TOWNS 固有の 注意点は、次の一点だけです。

Debian/TOWNS で X Window System を動かすためには、 Debian/TOWNS すべてに共通のパッケージと、 グラフィックカードに応じたパッケージの 2 つをインストールします。

グラフィックカードに応じたパッケージは、あなたのマシンに ふさわしいものを 1 つ選んでください。

通常は、xtowns-common と 1. の xserver-towns-crtc の組合せになる でしょう。この組み合わせなら FM-TOWNS の全機種で動作します。 また FM-TOWNS2 モデル HA/HB/HC では 3. の xserver-towns-clgd も 動作します。 4. は オプションカードである Windows アクセラレータカード FMT-3631 を 装着してある場合に利用可能です。

[ 注意 ]

ここで使用している "xserver-towns-crtc" などのパッケージ名は、 あくまでもこの文書を読み易くするための略称です。 正式なパッケージ名は、現時点 (2001年1月31日) では xserver-towns-crtc_3.3.6-2.towns.1.deb です。 ここでは、他のパッケージ名も同様に略称を用いています。

『Debian/TOWNS インストールガイド (install.txt)』 の 6.7 章に従って APT を設定しておいてください。そして 6.7 章の(7)に記してある 《 Debian/TOWNS 専用のアーカイブの記述例 》に従って、1行追加する ことをお忘れなく。そうすればグラフィックカードに対応したパッケージを 指定するだけで、共通のパッケージは自動的にインストールされます。
# apt-get install xserver-towns-crtc
もしかすると、インストール中に、次のように聞いてくることが あるかもしれません。
No default X server previously set, or previous default has been removed. Do you want to make the CRTC X server the default ? (y/n) [y]
(これまでに X サーバが設定されたことがないか、設定されたものが 削除されました。CRTC X サーバをデフォルトに設定しますか ?)
これには y と答えてください。
Do you want to create the XFree86 configuration file ? (y/n) [y]
(Xfree86 設定ファイルを作成しますか ?)
これには n と答えてください。 あとは通常の Debian の X Window System のインストールと 同様に行うことができます。

下の [ 表 ] は、Debian/TOWNS で X Window System を動かすために 最低限必要な、すべてのパッケージの依存関係を、 分かりやすいように表したものです。 APT はパッケージの依存関係を認識して、必要なパッケージを自動的に インストールします。したがって上記のコマンド 1 つで、下の [ 表 ] で 「1) サーバ」 と分類しているものの中で必要なものは、すべて自動的に インストールされます。

次に PC/AT 互換機を含めた全部の i386 アーキテクチャ機に共通の パッケージをインストールします。

# apt-get install xbase-clients xfonts-base xfonts-75dpi \
                  xfonts-100dpi xfonts-scalable xfonts-cjk twm xterm
    
そして X Window System を動作させるためには、 APT によるインストールの後、次の作業を行ってください。

- グラフィックカードの種類に応じて、次のいずれかを実行する。

  1. xserver-towns-crtc:
    # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config
  2. xserver-towns-oldfb:
    # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM-TOWNS /etc/X11/XF86Config
  3. xserver-towns-clgd:
    # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config
    その後, XF86Config の Screen sections を修正します。 以下は 1024x768 ピクセル 256 色設定の例です。
                Section "Screen"
                    Driver      "svga"
                #   Device      "FMCRTC"
                #   Device      "FMCRTC2"
                    Device      "FMCLGD"
                    Monitor     "Multi sync"
                #   Monitor     "NTSC"
                    DefaultColorDepth 8
                    Subsection  "Display"
                        Depth       8
                #       Modes       "640x480"
                #       Modes       "640x480" "800x600"
                #       Modes       "640x480" "800x600" "1024x768"
                        Modes       "1024x768" "640x480" "800x600"
                        ViewPort    0 0
                        Virtual     1024 768
                    EndSubsection
                
    
  4. xserver-towns-fmt363:
    # cp /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.FM /etc/X11/XF86Config
    その後, XF86Config の Screen sections を修正して、 Driver "svga" のセクションをすべてコメントにし、 The accelerated servers の Driver "accel" 以下を有効にします。
以上で X Window System のインストールは完了です。 最後に startx コマンドを実行すれば、X Window System が起動します。
# startx
    [ 表 ] X Window System 構築に必要なパッケージ一覧 (for Debian/TOWNS)

      1) サーバ
         xserver-towns-crtc, xserver-towns-clgd or xserver-towns-fmt3631
         ├ towns (townsutils のことを指します)
         ├ xtowns-common
         ├ xserver-common
         │ └ xfree86-common
         ├ makedev
         ├ libc6
         └ zlib1g

      2) クライアント
         xbase-clients
         ├ cpp
         ├ libc6
         ├ libncurses5
         ├ libz1 (zlib1g のことを指します) 
         └ xlib6g

      3) フォント
         xfonts-base
         xfonts-75dpi
         xfonts-100dpi
         xfonts-scalable
         xfonts-cjk

      4) ウィンドウマネージャ
         twm (とりあえず、これで X Window Systemが正常に
         │   動作しているかテストしましょう)
         └ menu

      5) X 用端末
         xterm
       or
         kterm (日本語表示可能、標準)
         ├ ncurses-term
         └ locale-ja
       or
         rxvt-ml(日本語表示可能、軽い)
         ├ xpm4g
         └ base-passwd

      [ 注意 ]
      依存関係で重複するパッケージ (例: libc6 等) も
      かなりありますが、この表中では後出箇所で省略しています。
    

5.8 X Window System の画面をコンソール画面に切り替えるにはどうすれば良いですか?

X Window System の画面で [CTRL]+[ALT]+[PF1] を押すと、 コンソール画面 1 に切り替わります。 またコンソール画面で、[CTRL]+[ALT]+[PF7] を押すと X の画面に戻ります。 なお、[CTRL]+[ALT]+[BackSpace]で X Window System を終了することもできます。


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