ここではタイポグラフィーの基礎を取りあげましょう。必修事項というわけではありませんが、興味をそそられるフォント愛好家は多いはずです。
斜線の強弱。仮に万年筆でフォントを描くとしたら、左上 45 度の線を太く、右上 45 度の線を細く引くこともできますね。old style フォントの見た目は往々にしてそんな感じです。
微妙かつ控えめなコントラスト。太い線と細い線があるとはいえ、ウェイト(太さ)のコントラストは微妙であって、あからさまではない。
grotesque の代表例としては、使われすぎの Helvetica をはじめ、Grotesque、Arial、Franklin Gothic、Univers があります。
書体を配置するのは容易なことではありませんから、同じページに多くの種類を使いすぎるのは避けるほうが得策です。書体をふたつ選ぶとしたら、セリフフォントとサンセリフフォントをひとつずつにするのが妥当でしょう。Monotype の Typography 101 ページでは、分類別の組み合わせが論じられています。それによれば modern と geometric は相性がよく、old style と humanist もよくなじむそうです。humanist は transitional とも釣り合います。また、slab serif は grotesque と合うし、ものによっては geometric や humanist とも調和するとか。
ここまで読めば、Monotype の基本的な方針はだいたい理解できますね。割と地味なセリフフォントはごく普通のサンセリフフォントと組み合わせていますし、派手なセリフフォントの modern は「アヴァンギャルド」な雰囲気の geometric と対にしているわけです。