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10. 最初の起動の後にすること

あなたは今、ハードディスクから起動したばかりの新しい Linux マシンの ログインプロンプトを見ているはずです。おめでとうございます!

10.1 システム管理を始める

インストール段階で行った作業にもよりますが、この段階では新しいアカウント の作成やホスト名の変更、X の(再)設定を行う必要があるでしょう。設定すること は他にもたくさんあります。バックアップ用デバイスの設定や インターネットプロバイダに接続するための設定などです。

UNIX システム管理に関するよい本があればきっと役に立つと思います (わたしは O'Reilly and Associates が出版している Essential Systems Administration を勧めておきます)。 時間が経てばこういったことは理解できてくるでしょう。 他の設定作業を行うときは、いろいろな Linux HOWTO 文書も読むべきでしょう。 たとえば NET-3-HOWTOPrinting-HOWTO などです。

(訳注: NET-3-HOWTO 日本語版 Printing-HOWTO 日本語版 もご覧ください)

10.2 LILO の設定のカスタマイズ

LILO はブートローダです。このプログラムは Linux, MS-DOS や他の OS を起動時 に選ぶために使えます。ディストリビューションのインストール時には、 自動的に LILO が設定されていることもよくあります(ただし、OS/2 を使ってれい れば別です。この場合は自分で設定しなければなりません)。 その場合には、この節の残りの部分は飛ばしてもかまいません。

LILO を一次ブートローダとしてインストールしていれば、LILO は ハードディスクに入っているすべての OS について、起動処理の最初の段階を処理し ます。インストールされている OS が MS-DOS だけであっても、LILO はうまく動作 します。しかし、独自のブートマネージャを持っている OS/2 を使っている場合は 別です。この場合は、OS/2 のブートマネージャをプライマリのブートローダにして、 LILO は(二次ブートローダとして) Linux をブートするだけに使いましょう。

EIDE システムを使っている場合は重大な落とし穴があります。 これは BIOS の制限が原因で、どんな OS のブートセクタであっても、 最初の 2 つの物理ディスクのどちらかに置かなければなりません。 そうしていなければ、どこから起動をしたとしても LILO は "LI" を表示したところで止まってしまいます。

LILO を手で設定するなら、/etc/lilo.conf ファイルを編集することにな ります。以下に LILO の設定ファイルの例を示します。この例では Linux の 起動パーティションは /dev/hda2 にあり、MS-DOS は /dev/hdb1(2 番目のハードディスク)にインストールされています。

# Tell LILO to install itself as the primary boot loader on /dev/hda.
boot = /dev/hda
# The boot image to install; you probably shouldn't change this
install = /boot/boot.b

# The stanza for booting Linux. 
image = /vmlinuz       # The kernel is in /vmlinuz
  label = linux        # Give it the name "linux"
  root = /dev/hda2     # Use /dev/hda2 as the root filesystem
  vga = ask            # Prompt for VGA mode
  append = "aha152x=0x340,11,7,1"  # Add this to the boot options,
   # for detecting the SCSI controller

# The stanza for booting MS-DOS
other = /dev/hdb1      # This is the MS-DOS partition
  label = msdos        # Give it the name "msdos"
  table = /dev/hdb     # The partition table for the second drive

/etc/lilo.conf ファイルを変更したら、root になって /sbin/lilo を実行します。これにより、LILO がハードディスクに インストールされます。注意すべき点は、カーネルを再コンパイルしたら 必ず /sbin/lilo を実行し直さなければならないことです。これは カーネルの位置をブートローダに正しく教えるためです(今のところは気にする必要 はありませんが、覚えておいてください)。

/etc/lilo.confappend オプションの使って、 起動ディスクでの起動時と同じように起動パラメータを指定する方法も覚えておき ましょう。

これでハードディスクからシステムを再起動できるようになりました。デフォルト では、LILO は設定ファイル内で最初に書かれている OS を起動します。この例では Linux です。他の OS を選択するための起動メニューを出すには、システムの 起動時にシフトキーまたはコントロールキーを押してください。 すると

Boot:
といったプロンプトが出るはずです。 ここで起動する OS の名前を入力します(この名前は設定ファイルの label 行で指定します。この例では、linux または msdos です)。この時にタブキーを押せば起動できる OS の一覧が 表示されます。

さて、次は LILO を二次ブートローダとして使うときの説明をしましょう。これは たとえば OS/2 のブートマネージャから Linux を起動する場合です。OS/2 の ブートマネージャから Linux パーティションの起動を行うためには、残念ながら (Linux ではなく) OS/2 の FDISK を使ってパーティションを作成し、 OS/2 がこのパーティションを認識できるように FAT か HPFS でフォーマットしな ければなりません(これが IBM の仕打ちです)。

OS/2 のブートマネージャから LILO に Linux を起動させるためにすることは、 LILO を Linux のルートファイルシステムに(前の例では /dev/hda2) インストールすることだけです。この場合、LILO の設定ファイルは以下のようにな るはずです:

boot = /dev/hda2
install = /boot/boot.b
compact

image = /vmlinuz
  label = linux
  root = /dev/hda2
  vga = ask

boot 行が変わっていることに注意してください。 /sbin/lilo を実行すると、Linux パーティションを ブートマネージャに追加できるようになっているはずです。この仕組みは他の OS が使っているブートローダでも使えるはずです。


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