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14. telnet

ネットワークの設定が終わると、Linux では自動的に telnet と ftp が使え るようになります。

14.1 telnetとは何か

はじめから複数の人が同時に使用することを前提に開発された Unix では、 シリアル回線に端末装置をつないで作業を行うことができました。TSS と 呼ばれたこのシステムは、数十人の人が同時に一台のコンピュータを使 用するという、パソコン世代には考えにくい環境です。それでも、 TSS 以前は、パンチ カードの束をもって列に並んでコンピュータ様を使う順番が来るのを待って いたので、これはこれで便利でした。また、モデムを使うと遠隔地(例えば 自分の研究室)からメインフレームやミニコンを使えるのも重宝されました (研究室にコンピュータなんかあるわけなかった時代です)。

ネットワークの開発に携わっていた人たちが、複数のコンピュータを接続し たとき、「ネットワークごしに使う端末ソフト」がすぐ開発されました。 これを使えば、高速のネットワークを介して、遠方のコンピュータを使用で きます。

TCP/IP 上では、この様な端末は telnet と呼ばれます。厳密にいうと、 telnet は、TCP/IP の更に上で働く端末プロトコルです。現在では、いろい ろなコンピュータ上で動く非常に多くの端末ソフトが telnet プロトコルを 利用できるよう開発されて。おかげで linux を大変気軽に遠隔 操作(古い!)できます。

X 端末を、家庭で使用できる時代に、telnet の様なキャラクタ端末を 使う利点は何でしょうか。当たり前の話ですが、いつも telnet を使用 しているなら、Linux 機に CRT をつながなくて済みます。我が家では Linux はファイルサーバーとして使用しているだけですので、何も X 端末 を走らせる必要はありません。結局 Linux の操作はすべて telnet 経由 ですので、普段は CRT どころか キーボードも触らない始末です。何台も コンピュータを買い込むと配偶者からの圧力が大きくなりそうですが、 中古のラップトップ機に Linux を導入し、telnet で使用するように すれば、こっそり使うことができます。本体は机の下にテープで留める とか。

グラフィックス処理をしないならば、telnet は十分使いでがあります。 ふつうの GUI 端末ソフトは 複数の telnet 画面を開けますので、それぞれの画面にログインして、 使用できます。emacs を使っていれば、キャラクタ画面もさほど苦しくはあり ません。

最後になりますが、「telnet が使える」というとき、二つの意味があり ます。一つは、そのコンピュータ上の端末ソフトが telnet を利用して 他のコンピュータを使用できる場合です。もう一つは、そのコンピュータを 他のコンピュータから telnet 経由で操作できる場合です。Linux は 両方できますが、Windows や Mac は普通は端末として利用できるだけ です。

蛇足ですが、私は端末ソフトを使用する場合、黒地に緑のキャラクターを 表示させることが多いです。単なる郷愁ですが。

14.2 Windows95付属のtelnet

Windows95 には、はじめから telnet.exe という端末ソフトが付いてき ます。ちゃんとしたソフトですから取っ掛かりには十分でしょう。ただし、 画面サイズやキーの割り当てに不満があります。

使用するには、DOS のコマンドプロンプトから、

telnet ann.example.org
のように入力します。

14.3 Windows95用のより良いtelnet

TERATERM PRO は、Win32 対応のターミナルソフトです。このフリーウェアは telnet プロトコルに対応しており、高速で大変快適に使用できます。

利点として、

などがあります。おすすめの一本です。私はもうこれ無しではいられません。

14.4 MacOS用のtelnet

MacOSようには NSCA telnet を日本語化したソフトがあります。これも 画面サイズ変更でキャラクタ数を変えられるので便利です。

以上の端末ソフトはインターネット雑誌の付録 CD-ROM などにも集録され ています。


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