6.50. Module-Init-Tools-3.11.1

Module-Init-Tools パッケージは、Linux カーネル 2.5.47 以上においてカーネルモジュールを扱うプログラムを提供します。

概算ビルド時間: 0.1 SBU
必要ディスク容量: 8.7 MB

6.50.1. Module-Init-Tools のインストール

本パッケージのテストスイートは開発者の必要を満たす目的で構築されています。 make check を実行すると、特別な形で modprobe プログラムがビルドされます。 しかしこれは普通に用いるには無意味なものです。 テストスイートを実行するなら (約 0.2 SBU) 以下のコマンドを実行します。 (make clean コマンドはソースツリーをきれいなものとするために必要で、次に再コンパイルして通常利用するプログラムをビルドします。)

./configure
make check
./tests/runtests
make clean

Module-Init-Tools をコンパイルするための準備をします。

./configure --prefix=/ --enable-zlib-dynamic --mandir=/usr/share/man

パッケージをコンパイルします。

make

パッケージをインストールします。

make INSTALL=install install

make パラメータの意味:

INSTALL=install

インストールする実行ファイル類が既に存在している場合、普通 make install を実行しただけではそれらをインストールしません。 このオプションを指定することでその動作を変更します。 つまりデフォルトのインストールラッパースクリプトを用いるのではなく install コマンドを用いるようにします。

6.50.2. Module-Init-Tools の構成

インストールプログラム: depmod, insmod, insmod.static, lsmod, modinfo, modprobe, rmmod

概略説明

depmod

存在しているモジュール内に含まれるシンボル名に基づいて、モジュールの依存関係を記述したファイル (dependency file) を生成します。 これは modprobe が、必要なモジュールを自動的にロードするために利用します。

insmod

稼動中のカーネルに対してロード可能なモジュールをインストールします。

insmod.static

スタティックライブラリによってコンパイルされた insmod コマンド。

lsmod

その時点でロードされているモジュールを一覧表示します。

modinfo

カーネルモジュールに関連付いたオブジェクトファイルを調べて、出来る限りの情報を表示します。

modprobe

depmod によってモジュールの依存関係を記述したファイル (dependency file) が生成されます。 これを使って関連するモジュールを自動的にロードします。

rmmod

稼動中のカーネルからモジュールをアンロードします。