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1. はじめに

苦心と失意の日々を繰り返して、私はついに自分の望み通りにする方法を完 成させることが出来ました。私は 1.2GB のハードディスクと、16MB の RAM を持つコンピューターを使用しています。私はこのマシンで、MSDOS v6.22, Windows 95, OS/2,Linux の 4 種類の OS を使えるようにしたいと思いました。

しかし、私はこれまで、上記のオペレーティングシステムを 4 つとも 1 台の マシンに載せた上で、しかも個別に問題なくブートできる方法を説明している Linux HOWTO は見たことがありませんでした。もちろんそれぞれ異なった パーティションに複数の OS を置くことは可能ですが、私が知りたかったのは、 例えば起動時に "Starting MSDOS" のメッセージを出したままハングする ことがない、きちんと始動できるような方法でした。

このことを実現させるために、私は思いつく限りの試みをやってみました。 以下に 1 つのハードディスクに、4 種類の OS のためのパーティションを確保 し、手順よくインストールし、そのそれぞれを始動可能にする取っておきの方 法をお見せしましょう。

実際の手順を説明する前に、まず最終的にどういう状態にもっていくのかを 簡単にまとめておきます。

<NAME>                      <SIZE>   <LABEL>  <PARTITION NUMBER>
---------------------------------------------------------------------
MSDOS v6.22                   11MB   P1       基本パーティション 1
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Windows '95                  350MB   P2       基本パーティション 2
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OS/2 ブートマネジャー          2MB   P3       基本パーティション 3
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DOS/Win Data                 511MB   E1       基本パーティション 4
OS/2 Warp 3.0                127MB   E2       論理拡張パーティション 4
Linux Slakware 3.2 Swap        XMB   E3       ドライブ (サブパーティション)
Linux Slakware 3.2 Native  219-XMB   E4        E1-E4 と命名
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この表にはどういう意味があるのですか?って。はい、ではこの表を見なが らお話ししましょう。まず、私たちは 1 つのハードドライブに全部で 4 つのパー ティションを作成する必要があります。パーティション 1 から 3 は基本パー ティションです。これらそれぞれのパーティション上に、MSDOS、 Win95 そし て OS/2 の Boot Manager (非効率な話ですが、これらは独自のパーティションを必 要とするんです) を置きます。この時点で 1 つのパーティションしか残っていません が、DOS および Win95 のデータ、そして OS/2 と Linux のためには、 ドライブをひとつ確保できればいいのです。ここで DOS および Win95 のデータ領域を作成するのは、広い領域を確保して、 インターネットから頻繁にダウンロードする ZIP ファイルを置くのに 使いたいからであり、これがあると Win95 のパーティション上に収納しきれない プログラムやデータもそこに保存できるからです。Linux については、本体用と swap 用のパーティションが必要になります。

ところで、私が Win95 と DOS および Win95/DOS 兼用のデータ領域にそれぞれ 個別のパーティションを割り当てた理由について、最近たくさんのメールで 苦情をいただいております。私としては、なにも全員が Win95 と DOS に 個別のパーティションを割り当てる必要はないと思います。おそらくもう DOS は使わない人がいるでしょうし、Microsoft のプラットフォームで動く ソフトウェア用には Window95 さえあれば充分だと思う人もいるでしょう。 とはいえ、いまだに DOS を使っていて、それ無しでは生きていけない人種も いるんです。16-bit アプリケーションは DOS を使ったほうが早くて効率が いいとか、ある種の DOS プログラム (Gravis Ultrasound の設定プログラム なんか) は Windows 環境では動かないとか、まあ理由はどうであれ、単に ときどき DOS でブートできるようにしておく必要があるわけです。この HOWTO は、そういう人を念頭に書かれています。それでもこの MSDOS という 言葉がこの HOWTO に入っていることに納得しかねる方は、是非ご自分で Linux-Win95-OS/2 だけに関する HOWTO を書いてください :)

さて、先ほどの表に戻りましょう。上述したように、本書では 1 パーティション に DOS/Win データ、OS/2 および Linux 本体と swap の 4 つを詰め込まなければ なりません。これは 1 つのプライマリパーティション内に論理ドライブ ( 解説書によっては論理パーティションとも呼ばれています) を作成することで 実行できます。プライマリパーティション内に論理ドライブを作成する際、 本書ではこのプライマリパーティションを拡張パーティションと呼びます (というのも、これはもはや単一のプライマリパーティションというだけでなく、 その中に 3 つのサブパーティション (論理ドライブ) を包含しているからです)。 ややこしいですか? ややこしい場合は、OS/2 のマニュアルにあるこのトピックに 関する部分をお読みください。私の説明よりも分かりやすく解説されています。

いま、あなたは頭を掻き毟りながら、こう言っているかもしれません。 「4 つのものをひとつのパーティションに詰め込みたいっていうけど、 3 つしかないサブパーティションにそれを全部入れるってどういうことなんだ!」 確かに、少くとも MS-DOS と OS/2 の場合だとそれはもっともな話です。しかし、 ここで Linux の数ある長所のひとつが活きてきます。Linux なら拡張ドライブ 上に 3 つ以上のサブパーティションを作成できるのです。正確にいくつまで 作成できるかは知りませんが、最低 4 つは作成できます (4 つあれば充分です)。 それゆえ、次章のインストール手順を実行する際は、MSDOS や OS/2 を使って パーティションを作成した場合、3 つの論理ドライブしか作成できないという ことを念頭に置いてください。そして Linux をインストールするときに、 そのひとつを 2 つに分割します。実際のところ、これは MSDOS と OS/2 をだまして 論理ドライブが 3 つしかないように見せるわけですが、現実には (そして、Linux に とっては) 4 つあるという状態にするわけです。


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